農林水産省賞典
中山グランドジャンプ
J・GI・中山競馬場・障害4260m
農林水産省賞典 中山グランドジャンプとは、日本中央競馬会(JRA)が毎年4月中旬頃に施行するJ・GI競走である。
略称は「中山GJ」。日本競馬の障害競走としては12月の中山大障害以外で唯一のGI競走であり、障害競走馬の最高の栄誉の一つとして君臨している。また、障害競走で唯一メインレース(第11レース)で開催される競走である。
概要
1999年、障害競走へのグレード制度導入に伴い、年2回(春・秋)行われていた中山大障害の春季開催をリニューアルする形で設立された。名称変更の理由は国際競走とすることを前提にしたためである。
第1回と第2回は中山大障害と同じ4100mで施行されたが、以降は長らく仮柵Bコースの4250mで行われてきた。2011年と2025年以降は仮柵Cコースでの実施となり、4260mに延伸している。
いずれにせよ、この距離設定は日本の競馬で最長であり、勝ち時計は平均で5分弱を要する[1]。
中山大障害と同じく、開始ファンファーレは新日本フィルハーモニー交響楽団の金管メンバーによる生演奏が行われる。NHKマイルカップのN響にも劣らぬ格式高い演奏は必聴である。
過去のトピックス
第1回は桜花賞と同日開催であった。
第7回~第9回はオーストラリアのカラジが3連覇を達成。第9回の勝利年齢12歳はJRA史上、最高齢勝利記録である。
2000年から2010年まではJRAが外国馬の遠征費用を一部負担する国際招待競走だったが、2011年に通常の国際競走に変更された(中山大障害と同様)。
2011年は東日本大震災の影響で中止され、7月2日に代替開催が行われた。これに伴って出走条件が「4歳以上から3歳以上」に、距離も4260m(仮柵Cコース)に変更されている。
第18回~第22回はオジュウチョウサンが5連覇を達成(第24回も勝利)。過去5年の勝ち馬データが全て同じ馬・血統・騎手・厩舎に塗り替えられ、一部競馬サイトではデータ予想機能が役立たずになる珍事が起こった。現在も本競争の最多勝利騎手・調教師・馬主は「チーム・オジュウチョウサン」の石神深一・和田正一郎・(株)チョウサンである。
2025年からは仮柵移動スケジュールの変更により、Cコースの4260m設定で行われる。
コース
中山大障害と比較すれば、2回目の3コーナーから外回りに入り、3つの稼働式障害を越える点が異なってくる。そのため坂路が一つ少なくなり、上がり勝負となりやすい。たぶん。また4号竹柵障害は越えない。
障害
以下の障害(と坂路)が出走する馬を待ち構える。データは2023年のもの
名前(記号) | 種類 | 高さ | 幅 | 詳細 |
---|---|---|---|---|
1号障害(①) | 水濠障害 | 120cm 内土台50cm |
370cm 内生垣70cm 内水濠270cm |
スタンド前にある障害。幅が広く、速度をつけて飛び越える必要がある。創設時は100cmだったが、2014年に120cmになっている。 |
2号障害(②) | 生垣障害 | 140cm 内土台70cm |
240cm 内生垣140cm |
スタンドに並ぶ2つの障害のもう1つ。オジュウチョウサンはこの障害を正しく飛び越えなさい。 |
3号障害(③) | 生垣障害 | 140cm 内土台70cm |
230cm 内生垣130cm |
スタンドから見て左手の向こう正面に向かう走路上にある障害。なぜかここだけ幅が10cm短い。昔高さが150cmだったからか。 |
5号障害(⑤) | 生垣障害 両面飛越 |
140cm 内土台70cm |
240cm 内生垣140cm |
右手にある障害。スタート直後にも飛越するときは位置取り争いもあるせいか、ここで落馬してしまう馬も。 |
6号障害(⑥) | 大竹柵障害 | 160cm 内土台85cm |
205cm 内竹柵140cm |
大障害コースにそびえたつ2つの障害の1つ。昔から難易度の高い障害として有名。 |
7号障害(⑦) | 大生垣障害 | 160cm 内土台80cm |
240cm 内生垣140cm |
大障害コースにそびえたつ2つの障害のもう1つ。こちらも難易度が高いことで有名。土台の部分から「赤レンガ」とも呼ばれる。 |
8号障害(⑧) | ハードル | 130cm 内土台70cm |
150cm 内竹柵40cm |
ここから大障害と違うところ。外回り上に置かれた小さな障害で飛越能力よりも平地の実力が問われる。とはいえ小さいと言っても障害は障害。速度も出ているので転倒しないようにしっかり飛越してほしい。 |
9号障害(⑨) | ハードル | 130cm 内土台70cm |
150cm 内竹柵40cm |
|
10号障害(⑩) | ハードル | 120cm 内土台65cm |
115cm 内竹柵50cm |
最後の障害であるということもあってか一番小さい。でもここで力尽きて転倒する馬もいる。なので個人的に一番緊張する障害。 |
名前(記号) | 深さ | 全長 | 勾配 | 詳細 |
---|---|---|---|---|
1号坂路(1⃣) | スタンド側3.57m 向こう正面側2.76m |
78m | スタンド側13.2% 向こう正面側5.4% |
2コーナー側にある坂路で最初に越える。馬が一気に地面に消えるので、はじめて見る人は驚くだろう。騎手も初めて乗った時は恐怖を感じるらしい。 |
2号坂路(2⃣) 2コーナー側 |
スタンド側4.60m 向こう正面側5.30m |
113m | スタンド側8.7% 向こう正面側8.8% |
大障害コースとも呼ばれる襷に続く坂路。襷では回る方向が変化するので通過中の位置取りというのが一つ重要になるが、坂路は谷になっているので中からは大障害すら見えない状態になる。なので騎手の実力が問われるところでもある。曲がりながら坂路を下っていくのもあるのか、2001年には2回目のここで4頭が落馬した。 |
2号坂路(2⃣) 3コーナー側 |
スタンド側4.30m 向こう正面側3.50m |
100m | スタンド側8.8% 向こう正面側6.9% |
|
3号坂路(3⃣) | スタンド側4.74m 向こう正面側4.53m |
92m | スタンド側12.2% 向こう正面側8.5% |
3コーナー側にある坂路。ここのカメラから坂路の急勾配っぷりを間近で見ることができる。 |
通過順
⑤→①→②→③→1⃣→2⃣→⑥→⑤→3⃣→2⃣→⑦→②→③→1⃣→⑧→⑨→⑩
歴代優勝馬
出走前のファンファーレ

関連項目
脚注
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