土地単とは、マジック:ザ・ギャザリングのデッキの1つである。その名の通り、土地だらけのデッキであるが、土地だけで構成されているわけではない。このデッキが見られるのはレガシー・ヴィンテージである。
概要
基本は土地で相手を縛りつつ、土地で相手を殴り倒すというシンプルな構成である。だが、それだけでは速度が足りずに結局負けるので補助としていくつか呪文を積んでるのが普通である(だいたい土地の比率は6割から7割程度である。通常のデッキでは3割から4割程度なので大雑把には土地と呪文の比率が入れ替わってる)。
よく使われるカード
踏査/Exploration(G)
エンチャント
このカードは、毎ターン土地を1枚ずつ追加でプレイできるようにする、というものである。土地は原則毎ターン1枚しかプレイできないので、これがあると展開速度が2倍になる。
マナ結合/Manabond(G)
エンチャントあなたの終了ステップの開始時に、あなたは自分の手札を公開し、その中からすべての土地カードを戦場に出してもよい。そうした場合、あなたの手札を捨てる。
それでも展開がどうしても遅くなるので、このエンチャントを置く場合もある。土地以外を全部捨てなければならないデメリットはあるが、これを使えば手札の土地を全展開できる。そしてこのデッキはだいたい主要なカードは土地なので、手札に呪文がなければノーリスクでこの能力を生かすことができるのが大きい。
壌土からの生命/Life from the Loam (1)(G)
ソーサリー
このカードは、墓地に落ちた土地を3枚手札に回収できる、というものである。さらに、発掘3という能力でこのカードはドローするとき代わりにライブラリーから墓地へ3枚落としつつ戻すことができる。このため、墓地からこれを追放しない限り毎ターン使いまわされた挙句手札に土地が増やされる。そしてそれはこのデッキにとっては強い。
罰する火/Punishing Fire (1)(R)
インスタントクリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。罰する火はそれに2点のダメージを与える。
対戦相手1人がライフを得るたび、あなたは(R)を支払ってもよい。そうした場合、あなたの墓地にある罰する火をあなたの手札に戻す。
相手の展開した小型クリーチャーに対処するにはこれ。相手がライフを回復したときにマナを払えば手札に戻ってくるので、非常に便利である。いざとなれば相手が1点回復したのに合わせてこれを回収してこれで2点与えるという運用も可能。だいたい相方に使われる土地はこいつである。
燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows
土地(T):あなたのマナ・プールに(C)を加える。
(T):あなたのマナ・プールに(R)か(G)を加える。各対戦相手は1点のライフを得る。
これがあると回収に必要なマナを支払いつつライフを得させて回収できる。どのみちこのデッキの基本的な動きはコントロールなので相手のライフゲインがそこまで痛手にならないのも便利である。
わざわざ壌土からの生命で回収せずとも、これがあれば直接墓地から土地を出せる。ただ、役割が全然異なり、このアーティファクトは生贄で効果を発揮する土地の使いまわしが目的である。たとえばこれらの土地が該当する。
(T):あなたのマナ・プールに(C)を加える。
(T),不毛の大地を生贄に捧げる:基本でない土地1つを対象とし、それを破壊する。
エターナルではおなじみの土地破壊する土地である。普通は1個しか破壊できないが、世界のるつぼがあると使いまわしがきく。なお、土地を何度も使いまわせるので、こんな土地も便利である。
(T):あなたのマナ・プールに(C)を加える。
(T),幽霊街を生贄に捧げる:土地1つを対象とし、それを破壊する。それのコントローラーは、自分のライブラリーから基本土地カードを1枚探してもよい。そうした場合、それを戦場に出し、自分のライブラリーを切り直す。
基本土地まで壊せるが、相手に基本土地をサーチされる土地。いくら土地が多くあっても、枚数は有限なので、何度も使いまわせばいずれ土地は枯れる。そうなればもはや相手はほとんどマナを出せないのでたいてい何もできなくなる。
こいつら2枚で壊せない土地は2つしかない(ダークスティールの城塞/Darksteel Citadelと大瀑布/Cascading Cataracts)。このうち前者は無色マナ1つしか出ないので、レガシー以下のデッキでは、親和デッキ以外には入らず、親和デッキでも無色マナしか出ないこの土地よりも他の色マナの出るアーティファクト・土地を優先する。後者は不屈の巡礼者、ゴロスを用いる12postデッキでよく用いられるが、これを破壊しなくてもほかの土地を壊してしまえばランプデッキである12postデッキは機能不全に陥るため、問題なく対処可能である。
(T):攻撃しているクリーチャー1体を対象とし、それをアンタップする。このターン、そのクリーチャーが与える戦闘ダメージと、そのクリーチャーに与えられるすべての戦闘ダメージを軽減する。
クリーチャーから受けるダメージをなくすための土地である。でかいファッティも1体ならこの土地で防ぐことができる。
The Tabernacle at Pendrell Vale
伝説の土地すべてのクリーチャーは「あなたのアップキープの開始時に、あなたが(1)を支払わないかぎり、このクリーチャーを破壊する。」を持つ。
通称「名前の長い土地」。確かにこの土地の名前は長い(これより長い名前を持つトーナメントで使える土地(さらにいうとトーナメントで使えるカード)は「先祖の院、翁神社/Okina, Temple to the Grandfathers」のみである)。効果は展開が速いウィニーのようなデッキならこのカードでアップキープコストを科すことで展開速度を大幅に落とすことができる。「破壊する」なので破壊不能なクリーチャーには無力だが、だいたい持ってるのは大型クリーチャーが多い(軽量クリーチャーが持ってることは少ない)ので、あまり気にしなくてもよい。巣主スリヴァー/Sliver Hivelordを出されたスリヴァーデッキにはこの土地が沈黙するのはご愛嬌。そもそもマナ編みスリヴァー/Manaweft Sliver出された段階で展開速度が下がるだけで全部維持されてしまう。
あとは機を見て殴るだけである。殴るのに使われる土地にはこのような土地がある。
忍び寄るタール坑はタップ状態で戦場に出る。
(T):あなたのマナ・プールに(U)か(B)を加える。
(1)(U)(B):ターン終了時まで、忍び寄るタール坑は青であり黒である3/2のエレメンタル・クリーチャーになる。このターン、それはブロックされない。それは土地でもある。
もともとこのデッキはコントロールデッキなのだが、最近はコンボデッキにもなれるようになっている。以下の2枚の土地を使えば最短3ターンでゲームが終わる。
暗黒の深部/Dark Depths
伝説の氷雪土地暗黒の深部はその上に氷カウンターが10個置かれた状態で戦場に出る。
(3)暗黒の深部から氷カウンターを1個取り除く。
暗黒の深部の上に氷カウンターが1個も置かれていないとき、それを生け贄に捧げる。そうした場合、飛行と破壊不能を持つ《マリット・レイジ》という名前の黒の20/20の伝説のアバター・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。
トークンを出すための労力はでかいが、出さえすればゲームがだいたい終わるカードである。だいたい次のカードを相方に使われる。
(T):あなたのマナ・プールに(C)を加える。
(2)(T):土地1つを対象とする。演劇の舞台はそれのコピーとなり、この能力を得る。
土地をコピーする土地である。ただ、場に出てから起動することでコピーになることから、CIPは誘発しない。結果、暗黒の深部をコピーするとカウンターが0個の暗黒の深部になる。そして直ちに生贄になって20/20飛行・破壊不能のトークンが出る。ただ、暗黒の深部は伝説なので、M14よりも前のルールではコピーしても対消滅してしまっていたのでそれの対策も必要だった。だが、M14のルール改定により、このコンボに必要なカードが1枚減った。
また、横に並べるタイプのデッキ相手に戦うためのパーツも増えた。
死者の原野はタップ状態で戦場に出る。
(T):(C)を加える。
死者の原野か他の土地が1つあなたのコントロール下で戦場に出るたび、あなたが名前の異なる土地を7つ以上コントロールしている場合、黒の2/2のゾンビ・クリーチャー・トークンを1体生成する。
スタンダードではあの悪名高い王冠泥棒、オーコをランプの暴力で抑え込んだ(代わりにランプデッキの宿命としてアグロデッキには弱い)パワーカードで、スタンダード・パイオニア・モダンで禁止指定されたカード。土地の枚数が多く、多様な土地をデッキに入れている土地単では、誘発条件を満たすことは難しくない。あっという間にゾンビトークンが並ぶだろう。また、土地を並べることがそのまま勝利条件につながるため、信頼性も高い(先ほどの暗黒の深部+演劇の舞台のコンボの場合、もみ消し/Stifleを1枚打たれるだけで封じられるが、死者の原野の場合、1発は消せるが後続を封じられない)。ただし、高速デッキには間に合わないのはやむなしである。
相性の悪いデッキ
相性が悪いのはコンボデッキで、コンボが決まると妨害手段がほぼないこのデッキはだいたい負ける(ただし、前述のとおり、こいつ自身もコンボデッキになれる)。あと何気に墓地利用が多いので墓地対策されると厳しい。このデッキが見られるレガシーやヴィンテージだと、ドレッジと言われる墓地利用のコンボデッキが幅を利かせてるので、サイドボードから墓地対策が入ってくることも結構多い。さらに、青単BtBはぶっ刺さりで、メインでは完封される。サイド後の対策はエンチャント破壊を入れることくらいしかない。なので、メインメタを張ることは難しいが、大会優勝することもあるので面白いものである。
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