春日井甲洋とは、XEBEC制作のアニメ『蒼穹のファフナー』、および同名のノベライズ作品の登場人物である。
CV:入野自由
概要
人類再生計画「アーカディアン・プロジェクト」を遂行する要塞都市・竜宮島において、島の防衛戦略を担う人型兵器「ファフナー」のパイロットとなるべく、敵である「フェストゥム」の因子を組み込んだ保管遺伝子から生み出された少年。
ファフナーパイロットに特有の「天才症候群」を発現させており、彼の場合は驚異的な記憶力や数学方面への才能という形をとっている。
名前のミーニングは「鎹(かすがい)」。その名の通り、仲間たちを様々な面で繋ぎとめ、人間とフェストゥムをも繋ぐ役割を果たす。
周囲を安心させる雰囲気を持つ心優しい少年であり、真壁一騎が以前から心を許している数少ない人物。
その優しさはしばしば我を殺してまでも発揮されており、戦闘の恐怖に内心では震えながらも、それをひた隠しにして笑顔で戦友に賞賛を送ることもあった。
家庭生活は決して幸福と言えず、(生来は試験管ベビーであるため)養育を担う里親夫婦からは冷遇されていた。その両親を喜ばせるためにファフナーのパイロットとなることを積極的に受け入れた節もある。
出生の事情を同じくする羽佐間翔子に想いを寄せているが、当の彼女は一騎へ恋慕しているため、それを察して翔子へは常に一歩引いて接している。
中距離支援型のファフナー・マークフィアー(mk.Ⅳ)を搭乗機としており、搭乗時にはファフナーとの一体化により自己主張の激しい性格へ人格変化を起こす。
翔子を失ったことで一騎と皆城総士に敵愾心を抱くようになる。仲間を救出する際の戦闘でフェストゥムに中枢神経を同化され、凍結処分を受けるが、総士には「自ら招いた結果」と切り捨てられる。
(しかしそれは、過度に責任を感じて自己を追い詰める仲間達を奮い立たせようという、総士なりの思いゆえであった)
それからはアルヴィス地下で眠り続けていたが、覚醒した皆城乙姫に誘われて自らもフェストゥムとして覚醒。翔子の死を受け入れることで、同化能力を喪失した「スレイブ型」へと進化し、人間とフェストゥムの融合を示す。
終盤は竜宮島を守るためにフェストゥムの姿で戦い、蒼穹作戦において虚無の空間に落ちた一騎と総士を救っている。
小説版では違った形で活躍をしているが、基本的な設定は同じ。周囲への気配りから女子に非常にモテており、何通もラブレターを受け取っている。
翔子を失ってからは一騎への憎悪を隠さず、面と向かって罵るようになった。
戦闘においても一騎への敵対心の表れとして、一体でも多く敵を倒して一騎の撃墜数を超えることを目指している。
また、フェストゥムに同化された三人の味方を皆殺しにし、以降も味方が同化されたときには躊躇なく処理することから、「味方殺しの甲洋」と畏怖されている。
劇場版(HEAVEN AND EARTH)において
TV版での最後の活躍の後、その所在は不明だったが、フェストゥムの竜宮島再襲来に際し、かつてコアを抜き取られて遺棄されたままのファフナー・マークフィアーを『自らをコアに変容させる』という手段で自家サルベージし、救援に現れる。
文字通りの意味でファフナーとなった甲洋だったが、彼が彼であることは誰も疑わず、第二次蒼穹作戦の点呼では真壁司令によってその名を呼ばれる。そして彼もまた、物言わぬ姿に成り果てながらも春日井甲洋として戦い、島を守り抜いた。
EXODUSにおいて
劇場版の戦闘以降における彼の所在は不明であり、島の戦況が悪化するにつれて彼の登場を望む声も次第に強くなっていく。そうした中、事前に告知されたED ver.2にはザイン、ニヒト、ドライツェンと共に並び立つ彼の姿(マークフィアー)が。 これは、ジリ貧の状況に困憊していた視聴者にとっても大きな希望となった。
やがて迎えた19話、フェストゥムによって拘束された島を解放するための第三次蒼穹作戦が開始される。苛烈な戦闘の中、アザゼル型「ウォーカー」によりアマテラス=鏑木彗が同化されかける事態に陥った。
完全に心を奪われかける彗であったが、突如としてアマテラスの側に黒いモヤのようなものが輪郭を型作り、一機のファフナーが出現。ウォーカーは撃退され、窮地を逃れる。
姿を現したそれは、第二次蒼穹作戦にて大破した筈のマークフィアー。そしてその中には、かつて助けられなかった想い人を乗せていたマークゼクス(改)を救った、生身の春日井甲洋の姿があった。
今更フィアー一体が来たところで…」と戦力を懸念される事もあったが、いざ戦闘になると砲身も無いのにメデューサぶっ放すわワームスフィアを刃状にしたマジカルガンドレイクをぶん回すわと大暴れし、珪素系男子の強さをこれでもかと見せつけた。
そんな彼のSDPは“毒”。作中で詳しい説明はされなかったが、ブレードに掠ったフェストゥムが黒く濁り、羽虫の様に落ちていく姿が確認されている。今のところ固有の同化現象は不明。
肉体を得て復活したのは島のミールの祝福を受けたためであるらしく、機体からワープしてアルヴィスに現れ職員を驚かせたり、読心能力を使用したりと、生身であってもフェストゥムとしての力を発揮できる体となっている。
尤も、彼が春日井甲洋という存在としてここにいることは確かであり、アルヴィスに帰還した際は真っ先にショコラが駆けつけ、喜びを露わにした。
「みんなを守る」という願いを竜宮島に留まり、仲間たちと共に成人式を迎えている。島のまたミールと繋がりから翔子、カノンの記憶思念と出会っている。
来栖操とはヒトの心を持つフェストゥムとして凸凹コンビとなり、第四次蒼穹作戦ではベイグランドのコアに囚われた一騎を共に救い出した。
劇場版(The Beyond)において
第五次蒼穹作戦に参加。しかし、レガードによるコピー能力で足止めをくらい、マリスに逃げられる。
敵(ベノン)からは「エレメント」の一人として恐れられている。
海神島では両親が営む「楽園」のマスターとして一騎と操で切り盛りしている。戦闘時は操のフォロー役に回る。
関連動画
関連項目
蒼穹のファフナーシリーズの登場人物 | ||
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竜宮島の子供達 | 一騎世代 | 真壁一騎 | 皆城総士 | 遠見真矢 羽佐間翔子 | 春日井甲洋 | 近藤剣司 | 小楯衛 | 要咲良 | 羽佐間カノン |
広登世代 | 堂馬広登 | 立上芹 | 西尾里奈 | 西尾暉 | |
零央世代 | 御門零央 | 鏑木彗 | 水鏡美三香 | |
特殊な存在 | 皆城乙姫 | 皆城織姫 | 日野美羽 | |
竜宮島の大人達 | 真壁史彦 | 遠見千鶴 | 溝口恭介 | 小楯保 | 西尾行美 | |
人類軍 | ヘスター・ギャロップ | ジョナサン・ミツヒロ・バートランド ビリー・モーガン | ウォルター・バーゲスト | キース・ウォーター |
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フェストゥム | 来主操 |
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