皆城総士(みなしろ そうし)とは、XEBEC制作のアニメ『蒼穹のファフナー』、および同名のノベライズ作品の登場人物である。
声優:喜安浩平
俳優:桜田航成(舞台版)
概要
14歳。
人類再生計画「アーカディアン・プロジェクト」を遂行する要塞都市・竜宮島において、島の防衛戦略の中枢を担うべく人工子宮から生み出された少年。
ファフナーパイロットに特有の「天才症候群」を発現させており、彼の場合は複数の事象を並列的に処理できる脳機能という形をとっている。
名前のミーニングは「皆・城・総士」。その名の通り、戦士(ファフナー)を総べる存在であり、楽園という閉ざされた城の守護者であり、その責任と苦痛に押し潰されそうになりながらも、皆のために耐え続ける。
人工的な操作を受けて出生するのが常である竜宮島の子供たちの中でも、フェストゥムの因子を組み込まれた他の子供達とは異なり、瀬戸内ミールの因子そのものを遺伝子の段階から免疫系レベルで組み込まれた『特別製』であり、竜宮島を守ることが存在意義のすべてだと幼少の頃から教育されてきた。妹である皆城乙姫が、因子移植どころかフェストゥムと同化された状態の『コア』として島の最深部に封印されている事情と併せて、彼の中では強固な責任感が根付いている。
そのように自分を押し殺してきた反動として、本編開始の数年前にフェストゥムと同種の同化能力が発現し、親友であった真壁一騎との同化を試みるも反撃に遭い失敗に終わる。その際に左目を傷つけられて失明するが、これが契機となって自己を確立し、同化能力を喪失する。
この経験から、一騎に対して心の底から依存しており、「自分のことをわかってもらいたい」という強い願望を持っている。また、「見えない左目」というアイデンティティを手放すことへの本能的拒否から、器質的には同世代中でも最高レベルのパイロット素養を持ちながらも、(機体と一体化することで視力が回復せざるをえない仕様の)ファフナー・ノートゥングモデルの操縦が不可能となっている。
上記の理由と、天才症候群がもたらす適性により、複数のファフナーを統括運用する戦術システム「ジークフリード・システム」の搭乗者となる道を選ぶ。
物語終盤にてマスター型フェストゥム・イドゥンによってジークフリード・システムごと北極へと奪取される。
蒼穹作戦にて奪還されるも同化が進みすぎた肉体は既に限界を迎えており、マークザインを竜宮島近海まで送り届けたのち、真壁一騎に再会を約束して砕け散った。
肉体は消滅したもののコアとして存在を保っており、ミョルニアと甲洋(スレイブ型フェストゥム)の庇護下で目覚めと再会を待つ。
劇場版(HEAVEN AND EARTH)
16歳。
北極ミール派生の大型ミール(人類軍の空母ボレアリオスを拠点として使用している為視聴者からはボレアリオスミールと呼称されている)内において肉体を再構築中、空母が人類軍による核攻撃を受けるも、「空を綺麗だと思う」特異なフェストゥム・来主操に庇われ以降は彼に半同化状態となる。一騎とは常にクロッシング状態にあり、一騎に語りかけていた。
TV第二期(EXODUS)
19歳(第1話時点)。『苦痛と無の使者』。
フェストゥムの世界で再構築された肉体は「ヒトとフェストゥムの融合体」であるコア型(=竜宮島のコア)に近いものとなっており、ミールやコアとの共鳴時などに瞳や腕が金色に輝くことがある他、一騎同様に長くない余命が示唆されている。
特殊な肉体を使っての同化現象抑制研究やマークニヒトの解体実行などを担当していたが、成果は芳しくない。
フェストゥムとの戦闘時は統括型に戻されたジークフリード・システムに搭乗する。
後に目覚めた皆城織姫から派遣部隊の危機を聞き、マークニヒトのパイロットとして一騎と共にシュリーナガルへ圧倒的な力を持って参戦する。詳細はマークニヒトの記事に譲るが、瞬く間にフェストゥムを殲滅していくその様は、観る者の目に総士とニヒトの強大さ・恐ろしさを改めて刻みつけることとなった。
そんな彼の変性意識は「獰猛かつ飽くなき支配欲」という恐ろしいもの。敵に対し、普段の冷静な彼からは想像もつかないような痛烈な言葉を浴びせかける姿は、ファンから魔王と称されるほどである。
また、今回も語り手として本編終了後のモノローグを担当。→デスポエム
ただでさえ視聴者の胃と腹筋を辛くさせるポエムであるが、なんと第一話の冒頭から「君がこれを聞く時、僕はもうこの世にいないだろう」というとんでもない爆弾を投下し、皆の同化を加速させた。
……と、上記のように生まれながらにして重責を背負い、波乱と苦痛に満ちた生を享受する少年だが、
・生真面目だが不器用な性格ゆえの天然ボケと全力のマジレス
・独創性に満ちたファッションセンス(特に無印時点の夏用私服)
・豊富な語彙から生まれるやたらと詩的なモノローグ謎ポエム、デスポエム
・独特な言い回しの数々(「極めて××だ」「5秒待て!」「テクニカル」etc.)
・フェストゥムや同化に関してなにかと無、虚無という言葉を多用する(例:「虚無の申し子」「無に還れ!」)
などから、作中屈指のネタキャラとして視聴者から愛され、殺伐としがちな本編の癒やしとされている。
第四次蒼穹作戦において蹴散らした後にケイ素カルテット一騎、甲洋、操らと共にマークレゾンに挑むも一騎をかばう形で中破と満身創痍の末に剣司(マークアハト)により回復したのち間一髪のところをアショーカーミールを狙うベイグランドを撃破。そのまま生存限界を迎えた。
劇場版(THE BEYOND)
妹皆城乙姫にそっくりな2人の少女に謎の言葉を告げられた傍ら一人の男性が現れるという謎の夢を見る少年がいた。
彼には優しい両親、生意気だけどかわいい妹、気の置けない親友、満ち足りた日常を送っていた少年こそ皆城総士。その好奇心は島の外に向かっていた。
そんなある日「世界が本当はどうなっているのか、誰か教えてください」と 古い無線機に呼びかける総士。すると、それにこたえる者があった。「真実を知りたいか」と。
そして祭りの日、妹たちの目を盗み通信機の主に会うべく向かった先に待っていたのは夢の中で会った男であった真壁一騎であった。
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この項目は、物語の重大なネタバレ成分を含んでいます。 ここから下は自己責任で突っ走ってください。 |
実は第四次蒼穹作戦にて同化現象で消滅した皆城総士の生まれ変わりであったが島の「裏切り者」によって浚われ島による第五次蒼穹作戦が敢行されるも失敗。過去の記憶を消され「偽りの島」にて以後3年間生活送っていた。しかし、一騎ら島の人間が彼の奪還のために襲撃、偽りの妹(その正体は前作島にとって因縁の…)を目の前で消されたことで彼らに対して強い憎しみを抱く。
その後、真壁司令らと対面するも「外の世界」を受け入れられず敵愾心を抱いたまま海神島に連れてこられる。そのままルヴィの導きによりマークニヒトに搭乗、変性意識として現れた「激情」によって一騎への憎悪を爆発させ海神島ごと彼を滅ぼそうとするも、歴戦を潜り抜けたアルヴィスのチームワークの前になすすべなく敗退、そのまま島に残り戦いを学ぶ。
しかし、島に侵入してきたマリスが総士に再び偽り記憶を施されそうになった事で真実を受け入れ彼とは袂を分かつ(しかし、「偽りの妹」を消した一騎に対してはしばらく憎しみは消えなかった)。
その後、遠見家のもとで暮らす様になり、島の住民らとの交流を通じてアグレッシブな「自分」の在り方を見せるようになる。
しかし、一方で敵に囚われた事もあり一部の住民からの敵性疑惑を持たれてることを知りつつもそれをものともせず自らの行動で示す気丈さを見せた。
日野美羽とはイロイロな意味で似た者同士な事もあり打ち解け会うもある出来事を境に喧嘩となりギクシャクしつつもお互い言い合える仲に昇華された。
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関連項目
蒼穹のファフナーシリーズの登場人物 | ||
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竜宮島の子供達 | 一騎世代 | 真壁一騎 | 皆城総士 | 遠見真矢 羽佐間翔子 | 春日井甲洋 | 近藤剣司 | 小楯衛 | 要咲良 | 羽佐間カノン |
広登世代 | 堂馬広登 | 立上芹 | 西尾里奈 | 西尾暉 | |
零央世代 | 御門零央 | 鏑木彗 | 水鏡美三香 | |
特殊な存在 | 皆城乙姫 | 皆城織姫 | 日野美羽 | |
竜宮島の大人達 | 真壁史彦 | 遠見千鶴 | 溝口恭介 | |
人類軍 | ヘスター・ギャロップ | ジョナサン・ミツヒロ・バートランド | |
フェストゥム | 来主操 |
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