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柿の葉寿司とは、奈良県と和歌山県北部または東牟婁地方の郷土料理である。
なお、同名で別の魚を使った料理が石川県と鳥取県にもあり、奈良が押し寿司なのに対し、石川と鳥取は握り寿司に近い。
概要
鯖、鮭の２種類が定番。ほかに穴子、鯛、海老などを柿の葉にくるんで食べる押し寿司で、奈良県と和歌山県伊都地方の名産品。江戸時代、紀州藩の漁師が獲れすぎた鯖を売るため塩漬けにして奈良に行商し、その塩辛すぎてとても食べられたものでなかった鯖を、当時保存材として使っていた柿の葉にくるみ、食事としたのが始まりとされ、後にハレの日のごちそうとなった。発祥は五條～吉野方面と伝わっているが、確証はない。一番正確な情報は、明治初期、「平宗」が旅館の料理として、郷土で親しまれた柿の葉寿司を賓客に振る舞った記録がある。柿の葉には殺菌効果があり、包むことで保存食になることは当時から知られていたようで、また柿の葉の風味も増して食欲をそそる。通常は柿の葉は食べずにむいて食べる（だが、店の人に聞いた話、柿の葉も食べる兵もいるとか《基本、柿の葉寿司の葉採取用の柿の木は農薬を使わない（実は採らない）ので食えるらしい…》）。現在では慶事のごちそうとしても食べられるし、近鉄の主要駅でも手軽に食べられるファーストフードとしても売られている。土産物としても人気が高い。
「奈良にうまいもんなし」と俗に言われることもあるが多くの文化人にも好物とした人がいた。痴人の愛などエロ小説で有名な小説家谷崎潤一郎もその一人で、世間に広めた人物でもある。
高野山のお膝元、和歌山の伊都地方でも売られている。奈良のものと比べて酢飯が利いており、脂があまり落ちていない鯖を使う（あまり奈良のように寝かさない）。
柿の葉寿司店リスト
奈良県（店によっては単品で売ってくれる店もあるので、食べ歩きたいならそれを選択するのも手）
- たなか…五條にあるチェーン店。元々は社内食堂のまかない料理。シャリは滋賀産の日本晴を使っており、さっぱりした味わい。最も店舗数が多い。
- ヤマト…同じく五條にあるチェーン店。本業は仕出し弁当屋。シャリは新潟産コシヒカリ使用なので、たなかとは対象的にもっちりした食感。
- 平宗（ひらそう）…吉野（上市）。支店も多い。元々は料亭。鮭の柿の葉寿司を創作したのはここ。
- やっこ…吉野山。やっこに始まりやっこに終わるといわれるほどの名店。シーズンは売切必至。
- ひょうたろう…吉野山。吉野の３名店といわれる。
- 醍予（だいよ）…吉野山。店は新しいが３名店に数えられる。
- たつみ…吉野山。やっこの姉妹店。やっこよりシャリは硬め。
- とらせ…桜井。長谷寺の参道にある名店。
- 山の辺…桜井。彩り豊かな紅葉柿の葉寿司が有名。奈良市内や県外にも支店を持つ人気店。
- ゐざさ…本店は上北山。奈良市に支店がある。創作柿の葉寿司で有名。
- 柳豊（やなどよ）…天川。観光客に人気の店。
- やま十…下市。商店街の一角にある人気店。
- 大滝茶屋…川上村。人気店で午前中に売り切れる事が多い。昔ながらの塩気が強い柿の葉寿司が特色。
- 松屋…川上村。食事もできる店。テレビの取材も受けており、けっこう知られている。
- 徳岡…川上村。持ち帰り専門の老舗。よもぎもちも名物。道の駅でもおなじみ。
- 橋戸…川上村にある民宿。国道の外れにあるので、直売はしてない。近くの道の駅で購入しよう。
- 創今（そうこん）…西吉野。農道にぽつんと佇み、見た目ドライブイン風。本業が柿農家なので、完全無農薬の新鮮な柿の葉を使っている。
- 荒坂本家…かつては名店と呼ばれたらしいが…。焼き穴子の柿の葉寿司が名物で、現在は持ち帰り専門。
- 九和楽…九度山。開店時には売り切れているという超人気店で、奈良からも買いに来る人がいるらしい。椎茸の柿の葉寿司は要予約。
- 福本商店…かつらぎ。脂たっぷりの鯖を使う店。道の駅でも買える。
- 鉄砲寿司…高野口。本業は寿司屋。にぎりと同じ酢飯を使うので、かなり甘い。
- おおがいと…橋本の国道170沿い。ネタがでかい。
- なかむら…粉河。じゃこすしも名物。
日本遺産に
地域が主体となって整備活用し、国内外へ発信することで地域活性化を図ることを目的とした文化庁認定の文化遺産保護制度の一つ「日本遺産」（詳しくは左記太字記事名クリック）。
2016年4月、このストーリー31「森に育まれ、森を育んだ人々の暮らしとこころ ～美林連なる造林発祥の地“吉野”～」の構成文化財の一つにこの柿の葉寿司が選ばれた。ただ、このストーリー上に沿った土地のため、奈良県の下市町、吉野町、上北山村、川上村、黒滝村、下北山村、天川村、東吉野村ら各町村の柿の葉寿司が対象。
関連動画
関連静画
関連項目
関連リンク
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