エポカドーロ 単語

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エポカドーロ

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エポカドーロとは、日本競走馬である。名の意味はイタリア語で「黄金の時代」。

な勝ち
2018年皐月賞GⅠ

概要

血統

オルフェーヴル

ダイパッションフォーティナイナー

クラシック三冠を含むGⅠ6勝を挙げ、凱旋門賞でも2年連続2着に入った金色の暴君オルフェーヴル2005年ヨシトミシネーで有名なフェアリーSGⅢ)とフィリーズレビューGⅡ)の勝ちダイパッションアメリカリーディングサイアーいた事もあり日本でも多くの活躍を送り出したフォーティナイナー。と血統を見れば良血の部類に入るのだろうが如何せんオルフェーヴルが現役の時キチガイ大変な気性難だったことが警されてか、血統の割にそれほど高値では取引されずセレクトセールでは較的お手頃価格の3400万円で落札された。

2017年 二歳時

東の藤原英昭厩舎に入厩し10月京都競馬場新馬戦(芝1800m)でデビューするも3着に敗れる、2歳時はこの一戦で終わり、この時はまだ特に話題になるでもなかった。

2018年 三歳時

新馬戦から3ヶ後の1月新馬戦と同じ京都競馬場未勝利戦(芝1600m)に出走。スタートからハナを切ると最後まで勢い衰えず2身半差の快勝、このレースぶりを見て調教師藤原英昭氏は「この皐月賞向き」と判断し、以降はダービーではなく皐月賞に照準を合わせた。

そして次のレース皐月賞と同じ距離、芝2000mのあすなろ賞。以後戦となる戸崎騎手と組み、ここもスタートからハナを切って直線に向くと後続をさらに突き放すという強い競馬で3身半差の快勝。2勝を挙げる。

その後エポカドーロはスプリングSに出走、あすなろ賞の勝ちっぷりを評価されてか3番人気に押され、最後の直線先頭に立つも、ゴールの直前1番人気ステルヴィオにギリギリ交わされハナ差の2着。しかしエポカドーロも並ばれてからなかなか抜かせない優れた勝負根性を見せた。

皐月賞 伏兵の快勝

スプリングS皐月賞の優先出走権を得たエポカドーロは当然、大標である皐月賞に向かう。しかし皐月賞には同世代の中でも抜けた存在と言われていたダノンプレミアムが出走予定であり、競馬関係者やマスコミの間では全に「ダノン1強」という雰囲気になっていた。

しかし、そんな中ダノンプレミアムが挫石により皐月賞を回避することが発表されると雰囲気が一変、皐月賞は本命不在の混戦模様の様相を呈していた。

そんな中でもエポカドーロは重賞勝ちがない事や他べ厳しいローテーションなどが嫌われ7番人気という低評価に落ち着く。

しかし、実際にレースが始まってみると中は大きく逃げる前3頭とは間を置いた4番手の好位に位置し、直線に入ると人気群の中で伸びあぐねている中、鮮やかに前3頭を抜き去り2身差の快勝、本命が居ない稍重馬場の牽制ムードを上手く利用し見事クラシック一冠を手にした。

日本ダービー 負けて強しの競馬

標であった皐月賞を獲ったエポカドーロは二冠して日本ダービーに向かう。

日本ダービーにはエポカドーロの他、皐月賞を回避したものの世代最強と思われていたダノンプレミアムや、ダービーに照準を合わせ東京2400m経験済みのブラストワンピース等といった、まだ戦ったことのない同世代の有が出走予定だった。そんな中エポカドーロは4番人気あれ?なんで皐月賞が4番人気なの?

理由は距離不安、ここまでの使い詰め、追い切りのタイムの悪さ、他の営にべ弱気なコメントロックディスタウンのバク転など色々あると思うが、おそらく多くのマスコミが「エポカが皐月賞を勝てたのは展開が味方したから」とか「ダノンが出てたら勝てなかった」等と考えていた傾向が強かったからかもしれない。実際、エポカドーロに重い印を付けた予想はそこまで多くなかった。実際ダノンプレミアムとか戦う前に勝ってるみたいな雰囲気だったし。

なお、パドックに向かう途中の地下では硬直してしまうアクシデントもあり、誘導であったシュガーヒルと共にパドックを回ることとなった。ちなみにこのシュガーヒル三冠アパパネの半である。

上記のような雰囲気に奮い立ったのか、エポカドーロはダービーではスタート直後にハナに立つ積極策に出る。その日の馬場条件戦である青嵐賞2分22というタイムが出るほどの高速馬場均~スローペースを維持できるのなら逃げ有利の馬場であるため、そのような作戦を取ったのだろう。落鉄というアクシデントに見舞われながらも作戦は上手く行き、高速馬場ながら1000m通過1分008というスローペースで走り、理想的な展開に持ち込んで行った。最後の直線でも持ち前の根性を発揮し、残り200mまでは他を近寄らせなかったが、残り100m付近で5番人気ワグネリアンが急加速。ゴール寸前で交わされ半身差の2着となり、惜しくも二冠達成はならなかった。

秋初戦、神戸新聞杯

ダービーの後、を休養にあてたエポカドーロは菊花賞トライアルである神戸新聞杯へ向かう。

神戸新聞杯には皐月賞では下したもののダービーでは敗れたワグネリアンダービー4着ながらも凄まじい末脚での高さを見せたエタリオウの名物3歳重賞ラジオNIKKEI賞を制したメイショウテッコン、2歳GⅠホープフルステークス勝ちタイムフライヤーと近年稀にみるメンバーっていた。タイムフライヤーはいいところなかったけど

そんなメンバーの中、エポカドーロはまだ一度も複勝圏を外したことのない安定感やダービーで2着に敗れながらも最後までワグネリアンに食らいついた勝負根性を買われ、重賞では初めての1番人気に押される。

しかしレース開始直後、エポカドーロは突然つまずき体勢を崩してしまう。これによりいつものような前競馬ができずに苦戦を強いられ、最後はなかなかいい脚を使って追い上げるも4着に敗れた。

初めて重賞で1番人気を背負い緊したか、騎手との折り合いがつかなかったか、はたまた金色の暴君と呼ばれたオルフェーヴルの血からくる悪が出たか。理由は分からないが、ともかくエポカドーロは初の複勝圏外の着順となる残念レースとなってしまった。

菊花賞、春に下した強豪たちに呑まれる

神戸新聞杯の敗戦後、エポカドーロが次に選んだレース菊花賞だった。

菊花賞にはエポカドーロがに下した(と言っても着順的にだが)エタリオウブラストワンピース、ジェネラーウーノ、またの名物重賞であるラジオNIKKEI賞で好走したメイショウテッコン、フィエールマンなどの有どころが参戦していた。

気合が入った調教をかけた藤原英師はレース前に「ダービーでも神戸新聞杯でも『戸崎ぃ!』と叫んでしまいました」「今回は菊花賞を取る!という気持ちでスタッフ一同頑っています。後は戸崎次第です」と戸崎騎手に託す思いをった。2人は信頼関係が強いと言われるけどかなりプレッシャーかけてませんか藤原英師。

そんな中迎えたレース当日。エポカドーロは前走アクシデントがあったものの4着であったことが嫌われブラストワンピースエタリオウに次ぐ3番人気まで人気を落とす。

エポカドーロはスタートと同時に内位置を確保しつつ三番手で競馬を進める。中はスローペースで推移し逃げ有利の展開かと思われたが、結果的にそれがとなった。

レース余りスロー展開で推移しすぎた為に前方のと後方のとの差が予想以上につかず、駄な体力をほとんど使わずにゆったりと中を進んだ中団のが有利な上がり勝負に持ち込まれてしまたのである。こうなってしまうと先行であるエポカドーロはもうお手上げ。最後の直線一先頭に立つもその後は鋭い差し足を持つたちにみるみるうちに抜かされ8着と惨敗、これが初の着外となった。

流れをうまく掴み切れず、菊の舞台で惨敗を喫してしまったエポカドーロ、次走は有馬記念を予定していたが回避が決定、次走は未定である。

神戸新聞杯菊花賞こそ惨敗したものの、この世代のクラシックホースとしては一、三冠レース全てに出走し、三歳でありながら7戦もしたことは十分評価に値する。また、今年の三歳世代は皐月賞完封したステルヴィオが古を抑えてマイルチャンピオンシップを制覇、三冠アーモンドアイ驚愕ワールドレコードジャパンカップ勝、ダートの新生ルヴァンスレーヴチャンピオンカップを制しダート界の頂点に君臨し、菊花賞では先着を許すもダービーでは先着したブラストワンピースが現役最強レイデオロを抑えて有馬記念を制覇するなど、既に三歳が各路線を席巻し世代レベルの高さを明している。そんな世代の中でも実上位とされるエポカドーロ。しっかりと疲労を回復して、翌年の走りに期待したい。

そうファンは願っていたのだが……

その後、輝きの終わり

しかし、その後のエポカドーロに待っていたのは、あまりにも苦しいのりであった。

となってからの復帰戦は中山記念。
ここでは前走香港カップ2着のディアドラマイルCSを制覇したステルヴィオに次ぐ3番人気に支持されるが、先行3番手から積極策を挑むものの最後は伸びを欠き5着に敗れる。

そして、GⅠ大阪杯
同期ワグネリアンステルヴィオ、ブラストワンピースに加え、5歳世代のキセキペルシアンナイト、アルアイン、さらにマカヒキと本含めGⅠが8頭とメンバーが出ったこともあり、ここまで不振が続いたエポカドーロの単勝オッズは14.3倍の8番人気
ならばと選んだのは人気薄ならではの逃げの一手。前半1000mを613のスローペースに持ち込んだが、なんと最後の直線半ばで脚が止まって後退、10着に大敗。
得意の策を打ったにもかかわらず惨敗してしまったが、レース後になんと出血を発症していたことが判明。休養に入ることになる。

そして、エポカドーロがこのあと、ターフに戻ってくることはなかった。

の休養の最中に腸捻転を発症、開手術でなんとか事なきを得るものの、4歳シーズンは終了。
5歳となり、金鯱賞での復帰をすものの、直前になってスクミ(筋肉痛)を発症し、回避、放牧。
その後は札幌記念での復帰をしたものの、『仮に復帰できても全盛期には程遠い』と営が判断、念の引退となった。

引退後はアロースタッドにて種牡馬入りの予定。
しかし、当初はシンジケートを組む予定だったのだが、まさかの買い取り手が見つからず償譲渡となったという経緯が……

確かに黄金の時は訪れた。しかしそれは一で過ぎ去ってしまった。競馬にはいろんな種類の名がいる。圧倒的な実勝利を勝ち取る、人々の記憶に残る走りをする、中々勝てなくても常に上位を取り続ける……しかしそんな達も、怪や体調不良に悩まされる事は少なくない。中にはそこから復活を果たしターフに戻ってくるもいるが、エポカドーロはそのにはなれなかった。

しかし年間7000頭あまりが誕生するこの競馬界で、確かにき、皐月賞を獲ったがいたということ。エポカドーロは未完の大器として、完成の日を見ることなく終わってしまったが、間違いなく人々にと可性を見せただった。そうした意味では、エポカドーロもれっきとした名であったと言えるのではないだろうか。彼の今後が安泰であることを祈るばかりである。

血統表に散らばる”黄金” 

血統表

オルフェーヴル
2008 栗毛
ステイゴールド
1994 黒鹿毛
サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
ゴールデンサッシュ ディクタス
ダイナサッシュ
オリエンタルアート
1997 栗毛
メジロマックイーン メジロティターン
メジロオーロラ
エレクトロアート ノーザンテースト
グランマスティーヴンズ
ダイパッション
2003 鹿毛
FNo.1-n
フォーティナイナー
1985 栗毛
Mr. Prospector Raise a Native
Gold Digger
File Tom Rolfe
Continue
サンルージュ
1992 鹿毛
シェイデイハイ Shirley Heights
Veguely
カノヴァ Northern Dancer
Crain Rouge

 オルフェーヴル フランス語で””細工師

 ステイゴールド スティーヴィー・ワンダーの楽曲 「Stay "Gold"」から

 ゴールデンサッシュ ”の勲章

 フォーティナイナー 1848年アメリカでの発見に伴い49年に渡し入植した人たちの俗称から

 ミスタープロスペクター 探鉱者(ゴールドディガーに由来する)

 ゴールドディガー 男からを搾取する女”鉱夫 

 エポカドーロ イタリア語”の時代

このように血統表にはまたはに関係する名のが多数名を連ねており、尚且つ日本競馬の結晶といっても過言ではない血統で、の血統にもにもフォーティナイナーを通じて、アメリカを代表する歴史的名種牡馬ミスタープロスペクターの血が入っている。

そんな黄金の系譜を連ねた上で生まれたに名付けられた名は”エポカドーロ”

イタリア語で”黄金の時代”という意味である。

名考えた人のセンス脱帽

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