ワシントンDCインターナショナル 単語

ワシントンディーシーインターナショナル

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ワシントンDCインターナショナルとは、かつてアメリカメリーランド州ローレルパーク競馬場サラブレッド3歳以上、芝10ハロン(約2012m)で行われていた競馬際競走である。格付けはGI

創設当時のアメリカでは一となる際招待競走であった。

概要

1952年メリーランド州ローレル競馬場(現ローレルパーク競馬場)で1950年競馬場を買収したモリス・シャピーロの息子で、競馬場運営を任されていたジョン・D・シャピーロなる人物によって創設された。創設された当時、アメリカにはこのレース以外には際競走が存在せず、アメリカの競馬ファンからは長らく「インターナショナル」とだけ呼ばれていたという。日本国内では専ら「ワシントンDC国際」と呼ばれ、当時は凱旋門賞よりずっと日本の出走が多かった外の競走だった。

現在ではグレード制あるいはグループ制に属する重賞のほとんどは外が参戦することのできる際競走として行われているが、当時はもちろんそんなものはなく、出走できるとは言えそのの様式に則りレースが行われていた。ローレル競馬場は外を招待するにあたり当時アメリカで一般的になっていたスターティングゲートを使わず、スターターの振り下ろす旗に合わせてスタートする方式にしたり[1]するなどなるべく多くのから参加できるよう気を使っていた。
招待するヨーロッパはもちろん、競馬が盛んに行われていた南米オセアニア、当時戦後期にあり競馬後進国として無視されがちだった日本、更には冷戦中の仮想敵ソビエト連邦にまで招待状が送られ、それぞれのから時代を代表する名が集まる世界の大競走として人気を博した。第1回の優勝イギリス代表のウィルウィンだったこともあり、エリザベス二世ウィンストン・チャーチルが出走したりしたこともある。1973年ににアメリカグレード制が始まった際にはGIに格付けされた。

1970年代末までは世界、とりわけアメリカヨーロッパにとってはシーズン終盤の大一番として開催され続けていたが、1981年には日本世界最高額の賞金を擁する際招待競走ジャパンカップが創設され、挑戦する側から迎え撃つ側へ転じた日本からは出走が途切れた。更に1984年には同じアメリカブリーダーズカップが創設され、以降は少しずつ衰退のを歩むことになる。1988年にはミズーリ州のビール会社バドワイザーをスポンサーに迎え競走名を「バドワイザーインターナショナル」に変更、93年には遂にブリーダーズカップの前戦として距離が短縮されたりと迷走。この頃には地元ですら当日の他のレースの方が売り上げや観客数が多い有様となり、翌1994年を最後に止された。かつて世界を代表する際競走の最期にしては、寂しいものであった。

日本1962年に初挑戦となったタカマガハラから1980年のハシクランツまで延べ8頭が9回挑戦したものの、そもそも輸送のノウハウも碌に確立されていない時代で(タケシバオーが遠征した時の写真が有名)、67年のスピードシンボリが9頭中5着になったのが最高着順であり、どが大差での最下位に終わっていた。競走そのものが止されてしまった為、結局日本は最後まで勝てずじまいであった。

ジャパンカップが創設されてからは82年の勝ちエイリルランが次走にジャパンカップを選び3着。87年のルグロリュージャパンカップ勝利している。また最後となった94年の勝ちパラダイスクリークはカブトシローセイウンスカイなどで知られる西山正行が購入しており、日本種牡馬入りする前の引退レースとして同年のジャパンカップに出走しマーベラスクラウンの2着となっている。

歴代優勝馬

回数
開催日
競馬場
施行距離
優勝
(日本語読み)

日本調教 着順
(参戦したときのみ)
性齢 調教 優勝騎手 勝ち時計
第43回exit
1994.10.15
ローレルパーク
芝10f(約2012m)
Paradise Creek
(パラダイスクリーク)
5 USA米 P.デイ 1:59.63
第42回
1993.10.23
ローレル
芝8f(約1609m)
Buckhar
(バッカール)
5 USA米 J.クリュゲ 1:38.02
第41回
1992.10.17
ローレル
芝10f(約2012m)
Zoman
(ゾーマン)
5 GBR英 A.ムンロ 2:01.50
第40回
1991.10.19
ローレル
芝10f(約2012m)
Leariva
(リアリヴァ)
4 FRA仏 E.プラード 2:06.58
第39回
1990.10.21
ローレル
芝10f(約2012m)
Fly Till Dawn
(フライティルドーン)
4 USA米 L.ピンカイJr. 2:01.2
第38回
1989.10.22
ローレル
芝10f(約2012m)
Caltech
(カルテック)
3 USA米 R.R.ダグラス 2:07.6
第37回
1988.10.23
ローレル
芝10f(約2012m)
Sunshine Forever
(サンシャインフォーエヴァー)
3 USA米 A.コルデロJr. 2:03.0
第36回
1987.10.31
ローレル
芝10f(約2012m)
Le Glorieux
(ルグロリュー)
3 FRA仏 L.ピンカイJr. 2:02.8
第35回
1986.11.15
ローレル
芝10f(約2012m)
Lieutenant's Lark
(リューテナンラーク)
4 USA米 R.デイヴィス 2:09.0
第34回
1985.11.16
ローレル
芝12f(約2414m)
Vanlandingham
(ヴァンランディガム)
4 USA米 D.マクベス 2:35.6
第33回
1984.10.20
ローレル
芝12f(約2414m)
Seattle Song
(シアトルソング)
3 FRA仏 C.アスムッセン 2:27.2
第32回
1983.11.12
ローレル
芝12f(約2414m)
All Along
(オールアロング)
4 FRA仏 W.スウィンバーン 2:35.0
第31回
1982.11. 6
ローレル
芝12f(約2414m)
April Run
(エイリルラン)
4 FRA仏 C.アスムッセン 2:31.0
第30回exit
1981.11. 7
ローレル
芝12f(約2414m)
Providential
(プロヴィデンシャル)
4 USA米 A.ルクー 2:31.2
第29回
1980.11. 8
ローレル
芝12f(約2414m)
Argument
(アルギュマン)
ハシクランツ 8着
3 FRA仏 L.ピゴット 2:30.2
第28回
1979.11.10
ローレル
芝12f(約2414m)
Bowl Game
(ボウルゲーム)
騸5 USA米 J.ヴェラスケス 2:51.0
第27回
1978.11. 4
ローレル
芝12f(約2414m)
Mac Diarmida
(マックディアーミダ)
3 USA米 J.クリュゲ 2:27.0
第26回
1977.11. 5
ローレル
芝12f(約2414m)
Johnny D. 
(ジョニーディー)
騸3 USA米 S.コーセン 2:42.0
第25回
1976.11. 6
ローレル
芝12f(約2414m)
Youth
(ユース)
フジパーシア 6着
3 FRA仏 S.ホーリー 2:46.2
第24回
1975.11. 8
ローレル
芝12f(約2414m)
Nobiliary
(ノーリアリー)

ツキサムホマレ 9着
3 FRA仏 S.ホーリー 2:31.2
第23回
1974.11. 9
ローレル
芝12f(約2414m)
Admetus
(アドメタス)
騸4 FRA仏 M.フィリッペロン 2:29.6
第22回
1973.11.10
ローレル
芝12f(約2414m)
Dahlia
(ダリア)
3 FRA仏 W.パイアーズ 2:31.8
1973年(第22回)よりグレード制導入。GIに格付け
第21回
1972.11.11
ローレル
芝12f(約2414m)
Droll Role
(ドロルロール)
メジロムサシ 7着
4 USA米 B.バエサ 2:38.8
第20回
1971.10.25
ローレル
芝12f(約2414m)
Run The Gantlet
(ランザガントレット)
3 USA米 R.ウッドハウス 2:50.6
第19回
1970.11.11
ローレル
芝12f(約2414m)
Fort Marcy
(フォートマシー)
騸6 USA米 J.ヴェラスケス 2:42.8
第18回
1969.11.11
ローレル
芝12f(約2414m)
Karabas
(カラバス)
タケシバオー 7着
4 GBR英 L.ピゴット 2:27.0
第17回exit
1968.11.11
ローレル
芝12f(約2414m)
Sir Ivor
(サーアイヴァー)
タケシバオー 8着
3 IRE愛 L.ピゴット 2:37.2
第16回
1967.11.11
ローレル
芝12f(約2414m)
Fort Marcy
(フォートマシー)
スピードシンボリ 5着
騸3 USA米 M.イカ 2:27.0
第15回exit
1966.11.11
ローレル
芝12f(約2414m)
Behistoun
(ベヒストゥン)
3 FRA仏 J.デュフォルジュ 2:28.8
第14回
1965.11.11
ローレル
芝12f(約2414m)
Diatome
(ダイアトム)
3 FRA仏 J.デュフォルジュ 2:28.4
第13回exit
1964.11.11
ローレル
芝12f(約2414m)
Kelso
(ケルソ)
ユウフオーレル 8着
騸7 USA米 I.ヴァレンズエラ 2:23.8
第12回
1963.11.11
ローレル
芝12f(約2414m)
Mongo
(モンゴ)
4 USA米 W.チャンバース 2:27.4
第11回
1962.11.12
ローレル
芝12f(約2414m)
Match
(マッチ)
タカマガハラ 10着
4 FRA仏 Y.サンマルタン 2:28.2
第10回exit
1961.11.11
ローレル
芝12f(約2414m)
T.V. Lark
(ティーヴィーラーク)
4 USA米 J.ロングデン 2:26.2
第9回
1960.11.11
ローレル
芝12f(約2414m)
Bald Eagle
(ボールドイーグル)
5 USA米 M.イカ 2:33.0
第8回
1959.11.11
ローレル
芝12f(約2414m)
Bald Eagle
(ボールドイーグル)
4 USA米 M.イカ 2:40.8
第7回
1958.11.11
ローレル
芝12f(約2414m)
Sailor's Guide[2]
(セイラーズガイド)
6 AUS豪 H.グラン 2:03.0
第6回
1957.11.11
ローレル
芝12f(約2414m)
Mahan
(マハン)
6 USA米 S.ブルティ 2:34.6
第5回
1956.11.12
ローレル
芝12f(約2414m)
Master Boing
(マスターボーイング)
3 FRA仏 G.シャンスリエ 2:39.0
第4回
1955.11.11
ローレル
芝12f(約2414m)
El Chama
(エルチャーマ)
4 VEN委 R.ブスタマンテ 2:36.2
第3回
1954.11. 2
ローレル
芝12f(約2414m)
Fisherman
(フィッシャーマン)
3 USA米 E.アーキャロ 2:47.8
第2回
1953.11.11
ローレル
芝12f(約2414m)
Worden
(ウォーデン)
4 FRA仏 C.スマーク 2:36.0
第1回
1952.??.??
ローレル
芝12f(約2414m)
Wilwyn
(ウィルウィン)
4 GBR英 M.マーサー 2:30.8

関連コミュニティ

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関連項目

脚注

  1. *当時のアメリカ内でこの方式のスタートをする競走はインターナショナルだけであった。後に1959年からバリヤー式、1962年からようやくゲート式になった
  2. *テューダーエラ1位入線後2着降着による繰り上がり。
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