ワークフォース(Workforce)とは、2007年生まれのイギリスの競走馬・種牡馬である。
父King's Best、母Soviet Moon、母父Sadler's Wellsという血統。
父*キングズベストは名牝アーバンシーの弟であり、自身も英2000ギニーを勝ち良血に恥じない実績を残した。後に持ち込み馬のエイシンフラッシュが日本ダービーを勝ったことが評価され日本に輸入された。
母ソヴィエトムーンは不出走馬だが、その全兄にレーシングポストトロフィーと英セントレジャーを勝ったブライアンボルがいる。
母父サドラーズウェルズは当該項目参照。
本馬は*ダンシングブレーヴなどの歴史的名馬たちを所有してきたサウジアラビアのハーリド・ビン・アブドゥッラー王子が自身の牧場であるジュドモントファームで生産・所有した馬であり、シングスピールなどを管理した名伯楽であるサー・マイケル・スタウト師が一目見ただけで英ダービー制覇を確信したという素質馬であった。
2歳9月に7ハロンの未勝利戦でデビューし、全戦で手綱を執ることになるライアン・ムーア騎手を背に出遅れながら6馬身差で圧勝するという鮮烈なデビューを飾った。しかし次走へ向けての調整中に感染症にかかり、2歳時はこの1戦のみだった。
3歳時はダービー一本に絞り、その有力な前哨戦であるダンテS(GII)に出走したが、道中でハミが外れるというアクシデントに見舞われ、*ケープブランコの3馬身1/4差2着に敗れた。それでも英ダービーに駒を進めると、中団でじっくり脚を溜めて残り2ハロンを切った辺りで抜け出し、最低人気で2着に逃げ粘ったアットファーストサイトに7馬身差をつけ圧勝。ムーア騎手は初の英ダービー制覇を成し遂げた。
勝ち時計2:31.33は15年前に*ラムタラが記録して大騒ぎになった2:32.31を1秒近く更新し、2着との着差7馬身はシャーガーの10馬身差には及ばずも戦後ではそれに次ぐ2位という大差であった。
この圧勝劇により、続くキングジョージVI世&クイーンエリザベスSでは3連勝中の上がり馬*ハービンジャーや愛ダービー馬となった*ケープブランコを抑えて単勝1.73倍の圧倒的1番人気に推された。しかし、11馬身という凄まじい差をつけ圧勝した*ハービンジャーはおろか*ケープブランコなどにも先着できず、バテたペースメーカーのコンフロントという馬を交わしただけの6頭立て5着に大敗した。
秋のローテに陣営は頭を悩ませたが、結局凱旋門賞に直行することになった。キングジョージの後に故障引退した*ハービンジャーはいないにせよ、ナカヤマフェスタ・ヴィクトワールピサの日本馬2頭を含む18頭が対戦相手となり、本馬は4番人気だった。レースでは現地10番人気の低評価を覆す伸びを見せたナカヤマフェスタと並んで馬群を抜け出し、叩き合いをアタマ差で制して勝利した。
3歳時はこれを最後に4戦2勝で切り上げたが、その2勝が英ダービーと凱旋門賞であることを評価され、カルティエ賞最優秀3歳牡馬を受賞した。
このレベルの活躍馬としては珍しく古馬になっても現役を続行し、まずはブリガディアジェラードS(GIII)を1馬身差で快勝した。
続くエクリプスSでは、オーストラリアでコックスプレート連覇などGI5勝を挙げた後にアイルランドに移籍してタタソールズゴールドカップを勝利したソーユーシンクが強敵となった。下馬評通り最後はソーユーシンクとの叩き合いとなったが、半馬身遅れて2着に惜敗した。前年のリベンジを期したキングジョージでは3歳の有力株だったナサニエルが直線抜け出すところを追撃したものの大きくヨレて失速し、同馬の2着に敗れた。
その後は前年同様に凱旋門賞にぶっつけで出走したが、途中で進路を失いそのまま*デインドリームの12着に大敗した。このレース後に社台グループに購入され、引退して社台スタリオンステーションに導入されることとなった。通算成績は9戦4勝、うちGI2勝だった。
来日したワークフォースはエイシンフラッシュと同じ父というのも好印象だったのか初年度から183頭の牝馬を集め、3年目の2014年に97頭だった以外は160頭以上の繁殖牝馬を集めた。しかし2015年にデビューした初年度産駒が重賞入着までと期待に沿える成績を残せず、翌年の2016年には種付け数が57頭と激減。この年の冬にアイルランドに輸出され、現在は同国のノックハウススタッドで繋養されている。父の輸出から5年が経った2021年、ディバインフォースがステイヤーズステークスを勝利して産駒の重賞初制覇を挙げた。
| *キングズベスト King's Best 1997 鹿毛 |
Kingmambo 1990 鹿毛 |
Mr. Prospector | Raise a Native |
| Gold Digger | |||
| Miesque | Nureyev | ||
| Pasadoble | |||
| Allegretta 1978 栗毛 |
Lombard | Agio | |
| Promised Lady | |||
| Anatevka | Espresso | ||
| Almyra | |||
| Soviet Moon 2001 鹿毛 FNo.14-c |
Sadler's Wells 1981 鹿毛 |
Northern Dancer | Nearctic |
| Natalma | |||
| Fairy Bridge | Bold Reason | ||
| Special | |||
| Eva Luna 1992 鹿毛 |
Alleged | Hoist the Flag | |
| Princess Pout | |||
| Media Luna | Star Appeal | ||
| Sounion | |||
| 競走馬の4代血統表 | |||
クロス:Northern Dancer 3×5(15.63%)、Special 4×5(9.38%)、Native Dancer 5×5(6.25%)
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最終更新:2025/12/11(木) 10:00
最終更新:2025/12/11(木) 09:00
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