女同士とかありえないでしょと言い張る女の子を、百日間で徹底的に落とす百合のお話

女同士とかありえないでしょと言い張る女の子を、百日間で徹底的に落とす百合のお話とは、みかみてれんによる小説である。

概要

2025年2月現在、GA文庫版の既刊は8巻。略称は「ありおと」。イラストは同人版、GA文庫版で変わらず雪子。GA文庫版4巻より緜に変更。

かやこによるコミカライズも、原作1巻に相当する部分がガンガンコミックスUP!から全3巻で発売されている。

タイトルからわかるようにいわゆる百合小説であるが、各巻に複数回、直接的かつ具体的に主人公達2人の肉体関係が描写されているのも特徴であろうか。初版編集者はフィンドムという商品の存在をこの作品で知った。あと2巻での東京ドームシティの某所での行為は中々際どい。

作品来歴

小説家になろうに投稿していた「勇者イサギの英雄譚」で2014年に出版デビューした作家のみかみてれん。当時の同氏は活動報告芸^[1]で知られていたが、出版に漕ぎつけにくいと考えて一時期封印していたものの兼ねてより好きなジャンルであった百合作品を同人で出版^[2]して以降、なんやかんやで人気を博し2025年現在では「ガールズラブコメ」の概念とともに知られる有名百合作家となった。

本作品は2018年夏のコミックマーケット94に際して1巻が発行され、「みかみてれん文庫」の名義で4巻まで発行された。「個人出版で累計10000部超え！Kindleライトノベルランキングで1位を獲得したガールズラブコメ」(GA文庫の紹介より)ということもあり、GA文庫から2020年2月に商業版が発行された。因みに作者の提案もあり、1巻は同作者でダッシュエックス文庫から発売される「わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ！（※ムリじゃなかった!?）」と同月発売となった。

あらすじ

女同士とかありえないでしょと言い張る女の子を、百日間で徹底的に落とす百合のお話である…というのは流石に不親切なので詳細を書くと、「女同士とかありえないでしょ」と友達との会話の途中に言ったのを聞かれた榊原鞠佳が、会話の流れから片思い相手の鞠佳が金を稼ぐために男に体を売るのではないかと不安に思った不破絢に、100万円と引き換えに100日間で鞠佳の体を好きに扱わせろと言われ、攻められたり色々された挙句絢への愛情を持ってしまい100日経たないうちに屈服する話である。

タイトル部分は1巻で回収されているが、2巻以降は2人は相思相愛のまま、時にすれ違ったり周りで問題が起こったりして解決する感じである。5巻のタイミングで鞠佳達は高校3年生に進級した。

6巻の作者あとがきによると、3巻まではの鞠佳の成長、4巻から6巻は絢の成長、7巻からは絢の隠された事情に触れる構成となっている。

登場人物

• 榊原鞠佳
  • 高校2年生。勉強もできて運動神経もよく、容姿も良くお洒落に気を使っていて、クラスの空気を読んでそこそこのポジションを確立した人気者。髪型は二つ結び。中学校時代は陸上部に所属していたが、高校では部活に入っていない。アロマが趣味。花粉症が酷いタイプ。理解のある母親と単身赴任で滅多に帰ってこない父親がいる。2巻ではファミレスでのバイトを始めた。巻を重ねるにつれて自分から性的なことを求めるようになっていっている。
• 不破絢
  • 整った顔つきで163cmの美少女。交友関係は殆どなかったが堂々とした態度でクラスでも一目置かれている。合気道の心得がある。Plante à feuillageで働いている。（以下ネタバレ反転）中学校時代はテニス部に所属していたが、仲の良かった先輩の冴が恋していた相手に一方的に告白されたことから、冴に襲われそれに反撃したことで孤立した。家族関係には問題があるようであるが、却ってそれゆえに詳細が明らかになっていなかった。

北沢高校

鞠佳と絢の通う恐らく京王線沿線の高校。そこそこの偏差値と自主性を重んじる自由過ぎる校風が特徴らしい。男子校なら猿山にでもなってそうだが女子校なのでそんなことはなく、しっかりおしゃれしている生徒が多いようだ。

• 松川知沙希
  • 背が高くてクールで毒舌キャラ。「鞠佳グループ」と呼ばれていて鞠佳や悠愛と仲がいい。玲奈とは1年の時に喧嘩して以来不仲。（以下ネタバレ反転）実は1年の冬から悠愛と付き合っていたことが1巻後半で判明した。
• 三峰悠愛
  • 笑い上戸で可愛い弄られキャラ。成績は微妙。「鞠佳グループ」と呼ばれていて鞠佳や知沙希と仲がいい。（以下ネタバレ反転）実は1年の冬から知沙希と付き合っていたことが1巻後半で判明した。
• 伊藤夏美
  • バトミントン部キャプテンでクラスの委員長。場を仕切るタイプだが嫌われにくい愛嬌の持ち主。食べ物の話をよくしている。（以下ネタバレ反転）後輩の晴にバレンタインの際に告白したが振られた。その後も関係は悪くなく、デートに漕ぎつけている。
• 西田玲奈
  • モデル事務所に所属していて、岸波、戸松という取り巻きがいるなどクラスの中心的存在。1年の頃に知沙希と喧嘩して以来2人は不仲。（以下ネタバレ反転）空気を読むタイプという点では鞠佳と似ているが、仕事とは違って学校をどうでもいい場所と思ってるところなどで相容れなかった。その後も鞠佳がカミングアウトした際に受け入れかけたクラスの空気に一石を投じたり微妙な関係。性格が悪いのは自覚しているらしい。
• 白幡ひな乃
  • 原宿の店でカリスマショップ店員をやっているギャル。身長は150cmちょっとで、髪を青く染めている。女の子が好きで鞠佳も狙っていたらしい。学校はサボりがち。小学校時代からの彼女がいるらしい。
• 頼永柚姫
  • 3年生に進級した鞠佳達の同級生。パンセクシャルだと公言し、鞠佳や知沙希に対して過剰なスキンシップを取っていたため、悠愛や絢に避けられていた。（以下ネタバレ反転）カミングアウトをしても友達がいる鞠佳と自分の違いに嫉妬して画鋲を入れる嫌がらせをしたことが判明し、許されたもののグループからは離れた。
• 祝嶺晴
  • バトミントン部で夏美の後輩。（以下ネタバレ反転）顔がタイプだった絢に入学式で一目惚れしていたが振られた。その際に鞠佳との関係を告げられたため、鞠佳のインスタをフォローして服装の真似を始めた。絢に再び振られた後、夏美のことを振ったが、その後も関係は良好でデートもしている。
• 杉淵香奈
  • 鞠佳の中学校時代の陸上部での後輩。背は高めで少しツリ目。
• アスタロッテ
  • ノルウェー出身で金髪をツインテールで結んでいる中学生。Plante à feuillageによく来る。（以下ネタバレ反転）可憐と性的関係を結んだことがあり、絢との3Pに及んだこともある。日本の百合作品が好き。鞠佳達が高校3年になった際に北沢高校に入学してきた。

Plante à feuillage

新宿のレズビアンバー。奥まった場所にある。

• 可憐
  • オーナー。高校時代は演劇部所属の優等生だったが、大学入学後レズビデオのAV女優になり、その際の初めての監督だったリンダとは10年間付き合っている。肉食系のフェムタチらしい。
• トワ
  • スタッフ。名門女子大の院生で、人間発達学専攻でアルカリフォスファターゼの研究をしているという。高校時代はお嬢様学校で、複数の女子と付き合って風紀を乱していたらしい。他人の欲望を解放させることが好きらしい。
• ナナ
  • スタッフ。服飾店勤務でバンドもやっていてパンクな見た目をしている。身長は170cm以上。
• アゲハ
  • スタッフ。歯科衛生士。優しい雰囲気だが、流されやすいが故に不倫や浮気が多いという。
• モモ
  • スタッフ。62社連続お祈りメールで就職が決まらなかったこともあり、最初は鞠佳にきつい態度をとっていた。
• シオリ
  • 可憐の学生時代の後輩。会社では受付スタッフ。アウトドアの遊びもインドアの遊びも好き。

ファミレス

鞠佳の家から2駅離れたところにあるファミレス。店長は休日バンド活動に勤しむピアスを開けたダウナー系美人女性で、女の子と付き合っているらしい。

• 榎本冴
  • 鞠佳の一つ上の学年で同じファミレスでバイトをしている。育ちのよさそうなロングストレートの黒髪の少女。Ｇカップの巨乳らしい。（以下ネタバレ反転）中学校時代はテニス部に所属していて、後輩の絢と仲が良かったが、絢が自分の恋していた相手に一方的に告白されたことから、絢をハサミで襲ったが反撃された過去があった。以降は絢に対する複雑な思いを拗らせており、絢の恋人である鞠佳にバイトで近づいて関係を壊そうとしたり、ハサミで刺そうとしたりした。思い込みが激しい性格で、鞠佳の語る絢の実像に対し「そんなの私の不破じゃありません」とチェンソーマンはね構文のような反発の仕方をした。鞠佳の取り成しで以降は絢との関係が多少は改善した。

関連動画

関連リンク

• GA文庫×ダッシュエックス文庫×みかみてれん Presents. 夏のガールズラブコメまつり!!（特設サイト）

関連項目

• 百合(ジャンル)
• ライトノベル
• GA文庫
• わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ！（※ムリじゃなかった!?）

脚注

1. *雑に言えば小説家になろう内のユーザーが情報を発信できるブログ機能である「活動報告」(俗に割烹と略す)で面白いネタを発信すること。一例を出すと無職転生に登場するノルン・グレイラットのファンサうちわを作ったという活動報告とか。
2. *2017年夏のコミックマーケット92で「観葉植物になって百合カップルのイチャラブ生活を見守るお話」を頒布したのが初