徳島ヴォルティスとは (トクシマヴォルティスとは) [単語記事]

徳島ヴォルティスとは、徳島市、鳴門市、美馬市、吉野川市、板野町、松茂町、藍住町、北島町を中心とした徳島県全域をホームタウンとする、Jリーグに加盟するプロサッカークラブである。

概要

日本プロサッカーリーグ
徳島ヴォルティス
基本情報
創設	1955年
クラブカラー	青
所属	J2リーグ
本拠地	鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアム[徳島県鳴門市]
ホームタウン	徳島県全域
前身クラブ	大塚製薬サッカー部
プロサッカークラブテンプレート

前身は1955年に創設された大塚製薬サッカー部。2005年にJリーグ加盟。四国初のJリーグクラブであり、2014年には四国勢で初めてJ1リーグを戦っている。

チーム名のヴォルティスの語源は鳴門で有名な渦のイタリア語、ヴォルティチェ（VORT ICE）から。マスコットキャラクターは2009年に制定されたタヌキのペアである『ヴォルタくん』と『ティスちゃん』。

親会社が大塚製薬のためユニフォームの前面もポカリスエットが占めている。地方都市のチームにしては資金力を有しているが、選手の獲得よりもクラブハウスや練習場などのハード面に金をかけているため、レンタルで獲得する選手が多く、活躍した選手をJ1の強豪チームに引き抜かれることも多い。

ホームスタジアムの通称・ポカスタのアクセスは現状あまりよろしくない。車で来られる地元サポーターはともかく、公共交通機関を利用することの多いアウェイからの遠征組はナイトゲームの際に注意が必要。終電が試合終了後30分ちょっとで行ってしまうため、大混雑することもある。また、海が近いため強風の影響をモロに受けてしまい、ホームチームすら苦しめることもある。

かつては他クラブから場当たり的に多くの選手を獲得し、徳島グランパスサンガと呼ばれることもあった。近年はスペイン人監督を招聘し確固たるスタイルや理念を持つ魅力的なチーム作りを目指しており、2020年に初のJ2 優勝と2度目のJ1昇格という成果も残している。

歴史

1994年
- 前身の大塚製薬サッカー部が旧JFLにおいて好成績を残していたこともあり、Jリーグ参加への計画が進められていたが、当時の大塚製薬会長の反対によって準加盟の申請を断念。
1995年
- 「大塚 FCヴォルティス徳島」という名称で活動するようになる。
1999年
- Jリーグディヴィジョン2に参加せず、大塚製薬サッカー部に登録名を戻し、JFLに参加。
2003年
- 再びJリーグ参加構想が高まり、大塚製薬側も了承する。
- JFL初優勝。
2004年
- 新チーム名「徳島ヴォルティス」が発表され、運営会社が9月に設立。
- 2位以下に勝ち点16差をつけての独走でJFL連覇を達成。Jリーグ昇格の条件を満たし、Jリーグ加盟が承認される。
2005年　J2：9位（12チーム中）
- 初参戦となったJ2リーグでは羽地登志晃と小林康剛の2トップが揃って二桁得点を記録。
2006年～2008年　J2：3年連続最下位
- 2006年途中に大塚時代から8年間監督を務めた田中真二が辞任。
- 2008年より監督に美濃部直彦、強化部長に中田仁司が就任。「徳島サンガグランンパス」と呼ばれるほど、京都サンガ、名古屋グランパスから多く選手を獲得するようになる。
2009年　J2：9位（18チーム中）
- オフシーズンに前年から15人が退団。大きく選手が入れ替わり、8月には柿谷曜一朗がレンタルで加入。
- 3年連続最下位から脱出。大幅に順位を上げる。
2010年　J2：8位（19チーム中）
- 2010年度は確実な補強をし、更に昨年の主力、徳重隆明、羽地、柿谷などが残ったこともあり活躍が期待された。
- 開幕から4連勝を飾り、名古屋から獲得した津田知宏が16得点を挙げ新エースとして台頭。しかし、中盤戦に失速しJ1昇格レースから脱落。
2011年　J2：4位
- 最終盤までJ1昇格争いをしており、11月27日のサガン鳥栖戦の『鳴門決戦』に勝てばJ1昇格にグッと近づいたが、0-3で敗戦。最終的には4位で終わった。
- シーズン終了後、美濃部監督が退任。柿谷もC大阪へ復帰。佐藤晃大もG大阪へ移籍。
2012年　J2：15位
- 昇格請負人の小林伸二を監督に招聘。就任1年目は15位と大きく順位を落とす。
2013年　J2：4位　昇格プレーオフ：優勝
- 千代反田充、柴崎晃誠、高崎寛之を獲得。
- 前半戦は成績が安定せず10位で折り返すが、後半戦になって津田、ドウグラスの2トップが機能するようになり6連勝、12試合負けなしを記録したことで最終的に4位に入る躍進を遂げ、初のJ1昇格プレーオフ進出を決める。
- プレーオフでは、準決勝で5位のジェフユナイテッド千葉を退け、決勝で3位の京都サンガを2-0で撃破。四国地方のサッカークラブとしては初となる悲願のJ1昇格を果たした。J2昇格から8年、3年連続の最下位やあと一歩で昇格を逃した2011年を乗り越えやっとの思いで手にしたJ1への切符に選手・監督・サポーターは聖地国立の地で喜びを爆発させた。
2014年　J1：最下位
- 中心選手だった柴崎晃誠が広島に移籍。期待された目立った補強も見られず、J1を戦うには心もとない戦力となった。
- 案の定、開幕戦で鳥栖に0-5で完敗すると、そこから9連敗。夏の補強も実らず、残り5節を残してJリーグ史上初のシーズン全節最下位と、1年でのJ2降格が確定。ホーム未勝利に終わり、3勝5分26敗で勝ち点数は2012年の札幌と2013年の大分に並びリーグワーストタイの14と初のJ1は散々なものとなった。
- シーズン途中の10月に中田強化部長が退任。
2015年　J2：14位
- 1年でJ1復帰を目標に掲げたはずが、前半戦わずか3勝しかできずJ3降格の危機に立たされることに。後半戦に盛り返すが、一度も昇格争いに絡めない不甲斐ないシーズンとなった。
- シーズン終了後、小林監督が退任。
2016年　J2：9位
- 小林前監督の右腕的な存在だったヘッドコーチの長島裕明が監督に就任。
- この年も昇格争いに絡めず、長島監督は1年で退任。
2017年　J2：7位
- この年より、岡田明彦強化部長主導のもとスペインのスタイルを導入する方向へ舵を切り、クラブ初の外国人監督となるリカルド・ロドリゲスを招聘。ポジショナルプレーの概念に基づいて攻守にわたってゲームを支配するアタッキングフットボールは戦術分析者たちから注目されるクオリティを見せる。
- 渡大生が日本人最多の23得点を記録するなど攻撃陣が躍動し、昇格争いにも加わるが、最終節で東京Vに敗れたことでプレーオフ圏から転落する。
2018年　J2：11位
- チーム得点王の渡が引き抜かれたことで得点力不足に苦しみ、思うように勝ち点を積み上げられずにいた。夏に加入したピーター・ウタカ、ダビド・バラルの活躍によって一度はプレーオフ出場権争いに顔を出すが、彼らに依存するあまりロドリゲス監督の本来志向するスタイルが崩れてしまい、終盤に大きく失速してしまう。
2019年　J2：4位　J1昇格プレーオフ：決定戦敗退
- 前半戦は中位を彷徨っていたものの、後半戦は尻上がりに調子を上げ、最終的にチーム最高タイとなる4位でシーズンを終え、J1昇格プレーオフに進出。
- プレーオフでは1回戦で甲府、2回戦で山形を破り、J1・16位の湘南との決定戦まで駒を進める。前半に1点を先制したものの、後半同点に追いつかれ、その後は引いて守る湘南を崩し切れず。1-1のまま規定によりJ1昇格を果たせなかった。
2020年　J2：優勝
- ロドリゲス体制の集大成となったこの年、開幕から安定した戦いぶりを披露し常に上位をキープする。中盤戦以降は福岡との首位争いの形になるが、第30節で首位を浮上して以降はそのままシーズンを終え、7シーズンぶりとなるJ1昇格とJ2リーグ初優勝を成し遂げる。シーズン中、一度も連敗が無く、常に安定したボール保持を維持し主導権を握り続けた。
- J2 優勝決定から2日後、最大の立役者であるリカルド・ロドリゲス監督が退任し、浦和レッズの監督に就任することが発表される。
2021年　J1：17位
- 前任と同じスペイン人のダニエル・ポヤトスが監督に就任。しかし、新型コロナウィルス感染拡大の影響で開幕後もチームに合流ができず、最初の10試合は甲本偉嗣が代行を務めることに。
- 最初の10試合で2014年を上回る4勝をすでに挙げるが、ポヤトス合流後は戦術の浸透が遅れたこともあって勝てない試合が続き、8月に6連敗を喫したことで降格圏に転落。終盤、残留争いの直接対決に連勝したことで最終節を前に残留の可能性を残したが、最終節広島に完敗したことで16位の湘南に勝ち点で下回り、またも1年でJ2降格となる。それでも前回と違って10勝を挙げ、4チームが降格する特殊なレギュレーションでなければ降格しなかっただけの勝ち点は稼いでいる。
2022年　J2：8位
- 岩尾憲、藤田譲瑠チマ、宮代大聖、垣田裕暉ら主力の大半が退団となり、大きく戦力が入れ替わってしまう。
- 負け数、失点数がともにリーグ最少と安定した試合運びはできたものの、勝ち切れない試合が続き、7試合連続引き分けを含め、J2新記録の23引き分けを記録。最終節までプレーオフ進出圏の6位に位置していたが、大事な最終節で山形に完敗。プレーオフ進出を逃す。
- シーズン終了後、ポヤトス監督がガンバ大阪に引き抜かれる形で退任。
2023年　J2：15位
- ラ・リーガの強豪レアル・ソシエダと育成業務提携を締結。新監督もソシエダで分析コーチを務めていたベニャート・ラバインが就任。渡大生が6年ぶりに柿谷曜一朗が12年ぶりに復帰。
- 開幕から11試合未勝利と大きく低迷し、一時は最下位に沈む。第12節のジュビロ磐田戦でようやく初白星を手にしてからは持ち直すが、夏場にまたも失速し、J3降格圏にまで低迷したことでラバイン監督を解任する。後任に8年ぶりの日本人監督となる吉田達磨を就任してからは残留争いからは脱出するが、勝ち切れない試合が続き一度もPO圏にすら届かない不本意なシーズンとなった。

タイトル

J2リーグ：1回
2020年

現在の所属選手

背番号	Pos.	選手名	生年月日	加入年	前所属	備考
-	監督	増田功作	1976.4.30	2024	徳島ヴォルティスヘッドコーチ	【暫定】
1	GK	ホセ・アウレリオ・スアレス	1995.12.18	2022	ADアルコルコン
2	DF	田向泰輝	1992.3.24	2019	水戸ホーリーホック
3	DF	石尾峻雅	2000.5.18	2022	ツエーゲン金沢
4	DF	カイケ	2001.5.30	2024	V・ファーレン長崎	【レ】
5	DF	森昴大	1999.4.27	2021	びわこ成蹊スポーツ大学
6	MF	内田航平	1993.5.19	2018	水戸ホーリーホック
7	FW	チアゴ・アウベス	1993.1.12	2024	シャペコエンセ	【完】
8	FW	柿谷曜一朗	1990.1.26	2023	名古屋グランパス
9	FW	ブラウン・ノア賢信	2001.5.27	2024	アスルクラロ沼津	【完】
10	MF	杉本太郎	1996.2.12	2022	アビスパ福岡
11	MF	杉森考起	1997.4.5	2020	名古屋グランパス
13	FW	西野太陽	2002.8.10	2021	京都橘高校	【H】
14	MF	玄理吾	2003.12.30	2022	静岡学園高校
15	FW	棚橋尭士	2000.7.12	2023	国士舘大学
16	FW	渡大生	1993.6.25	2023	アビスパ福岡
17	FW	高田颯也	2001.8.15	2023	大宮アルディージャ	【レ】
18	DF	エウシーニョ	1989.11.30	2022	清水エスパルス
20	MF	児玉駿斗	1998.12.3	2022	SC相模原
21	GK	田中颯	1999.6.10	2022	京都産業大学
22	DF	柳澤亘	1996.6.28	2024	ガンバ大阪	【完】
23	DF	髙田優	2005.9.8	2024	静岡学園高校	【卒】
26	DF	青木駿人	2001.4.6	2024	日本大学	【卒】
29	GK	三井大輝	2001.5.27	2024	名古屋グランパス	【レ】
30	FW	坪井清志郎	2000.2.1	2018	アルビレックス新潟シンガポール
31	GK	長谷川徹	1988.12.11	2011	名古屋グランパス
33	MF	中野桂太	2002.8.27	2023	京都サンガF.C.
40	GK	後東尚輝	2002.4.26	2021	栃木シティFC	【H】
42	DF	橋本健人	1999.12.8	2024	横浜FC	【完】
54	MF	永木亮太 (C)	1988.6.4	2023	湘南ベルマーレ	【完】
81	FW	尾上瑠聖	2006.7.21	2024	徳島ヴォルティスジュニアユース	【2】
82	DF	武田絢都	2006.9.13	2024	徳島ヴォルティスジュニアユース	【2】
83	MF	福田武玖	2007.10.20	2024	徳島ヴォルティスジュニアユース	【2】
84	DF	増井哲平	2007.4.28	2024	徳島ヴォルティスジュニアユース	【2】
-	DF	武知萊陽	2007.12.21	2024	徳島ヴォルティスジュニアユース	【2】

※備考欄は【完】=完全移籍での加入、【レ】=レンタル移籍での加入、【復】=レンタル先からの復帰、【新】=新任の監督、【昇】=トップチーム昇格、【卒】=新卒での加入、【特】=特別指定選手、【2】=2種登録、【H】=ホームグロウン選手

過去に所属したおもな選手

片岡功二（2005 - 2009）
大島康明（2005 - 2009）
高橋範夫（2005 - 2006）
秋葉忠宏（2005 - 2006）
小林康剛（2005 - 2007）
羽地登志晃（2005 - 2007）
玉乃淳（2006）
ジョルジーニョ（2006）
西河翔吾（2006 - 2008）
丹羽大輝（2007）
ダ・シルバ（2007 - 2008）
麦田和志（2007 - 2010）
ドゥンビア・セイドゥ（2008）
藤田泰成（2008 - 2009）
登尾顕徳（2008 - 2011）
六車拓也（2008 - 2011）
倉貫一毅（2008 - 2011）
三田光（2009 - 2010）
上野秀章（2009 - 2011）
ペ・スンジン（2009 - 2011）
徳重隆明（2009 - 2012）
三木隆司（2009 - 2013）
青山隼（2009 - 2010、2012 - 2015）
佐藤晃大（2009 - 2011、2015 - 2022）
島田裕介（2010 - 2011）
オ・スンフン（2010 - 2012）
ドウグラス（2010 - 2015）
津田知宏（2010 - 2015）
橋内優也（2010 - 2016）
濱田武（2010 - 2017）
島村毅（2011）
ディビッドソン純マーカス（2011）
上里一将（2011）
榎本達也（2011 - 2012）
西嶋弘之（2011 - 2012）
エリゼウ（2011 - 2012）
衛藤裕（2011 - 2015）
斉藤大介（2011 - 2015）
キム・ジョンミン（2011 - 2015）
鈴木達也（2012 - 2013）
花井聖（2012 - 2014）
福元洋平（2012 - 2016）
柴崎晃誠（2013）
千代反田充（2013 - 2014）
高崎寛之（2013 - 2014）
アレックス（2013 - 2016）
大埼淳矢（2013 - 2017）
エステバン（2014 - 2015）
広瀬陸斗（2015 - 2018）

岩尾憲（2016 - 2022）
石井秀典（2015 - 2023）
カルリーニョス（2016 - 2017）
山崎凌吾（2016 - 2018）
内田裕斗（2016 - 2019）
馬渡和彰（2017）
大埼怜央（2017 - 2018）
島尾八徳（2017 - 2018）
梶川裕嗣（2017 - 2019）
小西雄大（2017 - 2021）
ダビド・バラル（2018）
ピーター・ウタカ（2018）
シシーニョ（2018 - 2019）
渡井理己（2018 - 2022）
ヨルディ・バイス（2019）
ジエゴ（2019 - 2021）
福岡翔大（2019 - 2021）
鈴木徳真（2019 - 2021）
岸本武流（2019 - 2021）
藤田征也（2019 - 2022）
上福元直人（2020 - 2021）
垣田裕暉（2020 - 2021）
安部崇士（2020 - 2023）
西谷和希（2020 - 2024）
藤田譲瑠チマ（2021）
宮代大聖（2021）
カカ（2021 - 2023）
藤尾翔太（2022）
白井永地（2022 - 2023）
森海渡（2023）

歴代監督

監督名	在任期間	備考
田中真二	2005年～2006年 9月	前身の大塚製薬時代から在任
東泰	2006年 9月～12月
今井雅隆	2007年
美濃部直彦	2008年～2011年
小林伸二	2012年～2015年	・J1昇格(2013年) ・J2降格(2014年)
長島裕明	2016年
リカルド・ロドリゲス	2017年～2020年	J2 優勝＆J1昇格(2020年)
ダニエル・ポヤトス	2021年～2022年	J2降格(2021年)
ベニャート・ラバイン	2023年～2023年 8月
吉田達磨	2023年 8月～2024年 3月
増田功作	2024年 4月～	暫定監督