機動戦士ガンダム ブレイジングシャドウとは、ガンダムエースで連載されていた小説作品である。
著:板倉俊之(インパルス)。キャラクターデザイン:美樹本晴彦。メカニックデザイン:瀧川虚至。挿絵:宇津巻知己。
概要
~物語の舞台は宇宙世紀0079年より始まる~
「機動戦士ガンダム」の主人公アムロ・レイと同じくサイド7に住んでいた本作の主人公カイン・ラグナードは、ジオン軍MSザクの強襲に遭い両親を亡くしてしまった。ジオン軍に復讐を誓うカインは戦争孤児達を集め構成された地球連邦軍特殊部隊『シャドウズ』に入隊する。カインはシャドウズでモビルスーツパイロットとしてめきめきと腕をあげていくのであった。そして宇宙世紀0083年、カイン率いるチーム5にジオン残党基地を殲滅するため「ヘルズゲート」攻略の任務が下る。しかし、そこには思いがけない陰謀が待ち構えていた……。
お笑い芸人のインパルスの板倉氏が描くガンダムの外伝シリーズ。
スペースコロニーのサイド7(アムロ・レイが育ったコロニーと同じ)で両親を失ったカインが、その後戦災孤児を集め結成された、地球連邦軍の特殊部隊『シャドウズ』に所属し、彼の戦いを描く。
ハードボイルド小説『トリガー』でその描写力を見せつけた板倉氏の第三作目……芸人初のガンダム小説ということで、注目されている。
『俺ら連邦愚連隊』や『ガンダム カタナ』と同様、AC『戦場の絆』との連動作品の一つであり、カタナと入れ替わる形で連載が始まった。本作の登場機体の一部はゲームでも使用できる。
機体設定や設定画はガンダムAの『レポート オブ ブレイジングシャドウ』という企画で発表されている。
登場機体
シャドウズ
シュテンドウジ / マリア・シールド社
ヘルズゲート
ファラク
用語
- シャドウズ
- ルオンズ・ヤージが創設した地球連邦軍の特殊部隊。公式に認可されてない影の部隊である。
正式表記は「SHADOWS」で、これはScout、Hide、Assassinate、Destroy、Obey、Watch、Saveの頭文字をとったもの。
軍事コロニーの「ギムナシオン2」を拠点とし、チーム6のような例外はあるが一年戦争で親を失った200人もの戦災孤児で構成される。隊員は連邦一般部隊と接触する時にはフェイスマスクを着用する。チーム15まで存在するが、チーム2、チーム9、チーム11は物語開始時点でメンバーの戦死により欠番となっている。
主人公の所属はチーム5で、隊長のカイン・ラグナード大尉、ザルフ・ワッケン中尉、リネマ・サント少尉の3名で構成されている。
実際のところシャドウズはヤージの政界進出の為の捨て駒に過ぎなかった。邪魔者を一掃した後、口封じのためシャドウズ隊員を始末する必要があったヤージは、裏で思想も信念もないジオン残党と通じ、隊員の自然な殺害を企てた。チーム5もカインを残して壊滅している。
- シュテンドウジ
- トラファルガ級MS運用母艦「プランダー」を母艦にした宇宙海賊。リーダーはウイングス・ハウザー。
クルーは民間人が9割を占めるが、これは母体となったのがサイド4の密閉型コロニー「ロディニア」の元住民のため。ロディニアはジオンによるブリティッシュ作戦(毒ガス)の被害を受けたコロニーの一つ。ロディニアの住民は大半が毒ガスで死亡し、後に住民を救助した連邦の軍人ジント・モーグンらと共に宇宙海賊に身を落とす。
実はジントらは毒ガス作戦の調査部隊で、コロニーの惨状を目の当たりにし住民の保護・脱走を決めたジオン兵である、素性を隠すために連邦兵と偽っていた。ジントは連邦が他コロニーへの移住を禁止したと住民に報告したが、これは連邦軍との接触を避けるための欺瞞であった。
組織名のシュテンドウジは日本の鬼「酒呑童子」のことで、親に捨てられ生き残るために略奪を働くようになったその境遇に共感したウイングスがそのまま組織の名前とした。
- ヘルズゲート
- オデッサ基地の南東に位置するジオン残党の拠点の一つで、カノラ・ゾンクシーを首領とする。
正式には第131採掘基地で、ジオン残党の武装組織としてテロ行為を行っているが連邦軍にあえて見逃されているとされる。
その実態はオデッサ基地からの敗残兵がジオンの支配下にあった採掘場に逃げ込んだもので、ヤージがゾンクシーと密約を交わしたことによりジオンの組織であることは秘匿されていた。上記の情報はシャドウズ隊員を欺くためにヤージが用意したものである。ヤージからの資金・資材提供によって、要塞相当の規模と戦力を持つに至った。
- ファラク
- サイド4宙域に拠点を置くジオン残党軍。
戦艦4隻とモビルスーツ20機余りを擁し、各地に潜むジオン残党の士気向上を目的にテロ行為を繰り返している。同宙域で活動しているシュテンドウジを抱き込もうとしたが決裂、戦闘に発展した。
リーダーのロギ・リニトラムはサイド4で行われた毒ガス散布作戦の実行部隊長で、ジント・モーグンとは同期であった。
- マリア・シールド
- サイド6に本社を置く宇宙船護衛専門の新興PMCで、実態は連邦軍に目をつけられたシュテンドウジが海賊稼業を辞めて新たに創設した会社。最初は芳しくなかった経営も次第に依頼が殺到するようになり、創設から1年後には支社を持つほどになった。設立にあたって母艦の名をプランダーからディフェンダーに、パーソナルマークを鬼から女神へ変更し、機体色も白を基調としたものに塗り替えた。
主力はシュテンドウジ機とジムⅡ《フェイス・ハイダー》。
ジオン残党軍「ファラク」(の残党)と裏で協定を結んでいる。
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