「鈍色の攻防 〜32人の戦車長〜」とは、1997年2月28日にプレイステーションで発売されたゲームソフトである。
ジャンルは戦車シミュレーションゲーム。1999年10月7日には1980円の廉価版も再発売されている。
メーカーはシャングリ・ラ。このメーカーは後に「パンツァーフロント」シリーズを開発することになる。
本作品は戦車戦を戦車中隊長の立場で体験できるシミュレーションゲーム。プレイヤーは戦車中隊長となり、自身が搭乗する中隊長車の車長として攻撃目標や行動を指示しつつ、麾下の小隊及び各車両に命令を出して戦っていく。この鈍色の攻防が後の「パンツァーフロント」へと繋がっていく。
1929年3月3日午前7時3分。雪が深々と降る中、ユーロディエール共和国の首都ロンドンで軍事クーデターが発生した。ゴート将軍率いる決起部隊は警察省などを瞬く間に占拠。彼らは立憲君主制と共和制を否定し、女王を強制的に退位させ、女王の妹君を女帝として擁立し帝国を復活させる企てを実施したのだ。
同日、共和国軍の戦車実験場。この日は女王観閲の下、新型戦車のトライアルの予定が入っていた。主人公率いる第1実験小隊はムロメッツの戦術と21式戦車を用い、ユーロディエールの車両と戦術を用いる第2小隊と模擬戦を実施するはずだった。そこへクーデター発生の報が入る。間もなく決起部隊の伝令が彼らを訪れ、女王と戦車を引き渡すように要求してきた。これを拒否した第1小隊は決起部隊の戦車隊と交戦し、撃破することに成功。女王を国外へ脱出させる為、一路ロイヤルガードが守るアバディーンへと向かう。
以後、実験第1小隊は戦車中隊となり、残存する唯一のユーロディエール共和国軍として女王と共和国を守る為、数多くの出会いを繰り返しながら、帝国の脅威が及ぶ世界各地を転戦することになる。
戦闘ミッションは時間切れとなる前に敵を全滅(車両放棄含む)させればクリアとなる。中隊長付副官のラグノフが「弾薬、燃料ともにあと僅かです」と言ったら制限時間が近い。制限時間内に敵を全滅させられなかった場合、残敵と再度戦うことになる。
戦闘を決定する要素として、貫徹力と装甲防御力がある。各戦車には装甲厚(防御力)と主砲の貫徹力が設定されており、我の貫徹力が敵戦車の装甲圧より高ければ撃破でき、貫徹力が低ければ砲弾をはじかれる。
我彼が逆になっても同じ。また貫徹力は距離によって増減し、近ければ高くなり遠くなるほど低く、装甲厚は概ね「正面>側面>背面」の順に厚い。つまり戦闘正面を限定して敵戦車にはなるべく正面を向けつつ、麾下部隊を上手く活用して敵の側面や背面を狙うように攻撃するのが基本となる。
射撃に於いてはプレイヤーは車長であるので目標を指示するのみであり、命中判定は車長の命中パラメータによって決定される。仲間の戦車長もそうだが、パラメータは戦闘を重ねることで成長していく。パラメータには装填速度や脱出能力もあり、この能力が高ければ装填速度が高くなり、また脱出能力が高ければ敵に撃破された場合でも脱出しやすい。脱出に失敗した場合は戦死となり、仲間の戦車長であれば以後は登場しない。自分が戦死した場合はゲームオーバーとなる。
撃破されなくとも、多数の砲撃を浴びることで搭乗員の士気が低下し、車両を放棄する場合がある。敵が放棄した車両はミッションクリアとなった場合のみ、その車両を鹵獲することが出来る。これを利用し、敵が保有する優れた車両をあえて鹵獲することも可能。敵車両を貫通しない距離から砲撃を加え、敵の士気を殺いで脱出を促すというもの。
中隊本部(中隊長車)と第1~第3小隊3両の最大10両で構成される。プレイヤーが動かす中隊長車以外の9両には、戦車長を一人ずつ搭乗させる必要がある。よって中隊保有車両が10両未満または戦車長が9人未満の場合、
中隊は定数割れの状態で出撃しなければならない。また一個小隊は同一車両で編成しなければならないため、小隊を構成する車種が2両以下の場合も定数割れとなる。
尚、各小隊長の下に小隊車両を配置できることに気付かず、ゲーム後半でも中隊長及び各小隊長の4両で出撃し、「敵の数が多すぎる!こちらは4両しかいないのに!」と戸惑うのは、このゲームの初心者が比較的陥りやすい失敗の一つ。
このゲームはキャンペーンモードのみである。プレイヤーは突然起こった出来事から戦車中隊を率い、世界を転戦することになる。この転戦の過程で新たな戦車長(仲間)と出会い、また新車両を入手していく。複数の章によって構成されるキャンペーンは、各章の戦闘結果分岐によって次の章が決定していくので、特定のルートを目指すならばあえて時間切れ~やりなおしを繰り返すし、悪い結果を出す必要もある。
世界を転戦するが章によって行ける地域はまちまちなため、全ての仲間を見るには何度もクリアしなければならない。また特定の戦車長が死ぬことで後から加わる戦車長もいるので、全てのキャラを見ることを考えれば、その特定の戦車長を既に性能的に無理がある車両に搭乗させ、単身敵中に突撃さ戦死させたあとで敵を倒してクリアするという、犠牲プレイも必要となる。
都市名は全て実在のもので、地形も同様。ただし国名は架空のものとなっており、また世界情勢も実際の世界とは異なる。
ユーロディエール共和国(イギリス)
立憲君主制国家。軍の叛乱により女王陛下は国を追われ、女王の妹君が女帝となり帝国を名乗る。
グスタフ(ドイツ)
ユーロディエールの叛乱に手を貸したゲルマン国家。高性能な戦車や、都市をこっぱみじんこに出来るほどの威力を持つ大型野砲を有するなど強力な軍事力を有し、その力を背景に帝国と共に世界へ覇権を進める。
ムロメッツ(ソ連)
主人公ら「共和国中隊」に協力することになるスラブの大国。「同志」という言葉が使われていることから、共産主義国となっているのは間違いない。上記の流れでユーロディエール及びグスタフの侵略を受けている。主人公の副官であるラグノフは、ムロメッツの戦車及び戦車戦術のトライアルの為にユーロディエールを訪れ、そのまま戦争に巻き込まれてしまった。
極東連合(日本)
極東に位置するアジアの国。ユーロディエール共和国との戦争(恐らく薩英戦争)に敗れて九州が共和国の租借地となったが、この地域が叛乱に協力して帝国勢力となってしまい、脅威を受けている。ムロメッツや共和国中隊と共にこの帝国の脅威を押し返し、さらには租借地の奪還を目論むものの、司令官の伊地知将軍は無能。
ノーラッド(アメリカ)
当初は戦争を傍観する立場だったものの、後にムロメッツと協力してグスタフ・帝国の枢軸と戦うようになる。ノーラッド本土は戦場とはならないが、ヨーロッパの西部方面に軍を展開する。ルー大柴のような話し方をするノーラッド人が義勇兵として参加してくる。
ビシー王国(ビシーフランス)
なぜかこれだけほぼ実名に近い国。グスタフと協調し枢軸側に協力、北アフリカでも枢軸側として行動するなども史実に近い。
登場する戦車は全て実在した車両がモデルになっている。但し名称は一部を除いて架空の名称や、実在車両と関連のある用語を当てはめている場合が多い。
登場人物は戦闘ミッションの間にあるストーリー部分では無声だが、戦闘中は声で報告をしてきたり、無意味な話をしてきたりする。無意味な話をしてきた直後にその者が攻撃を受け、「○○戦死しました」とラグノフの報告を受けると、なんともいえない悲哀を感じる。
ボイスの例
敵視認
「敵を発見しました」(ラグノフ)
「隊長、戦う車発見」(キャリー)
敵撃破
「エネミー戦車をデストローイ!」(ロバート)
「自分は敵を撃破したであります!」(イシカワ)
掲示板
11 ななしのよっしん
2013/02/09(土) 16:53:27 ID: O2IFR/uu6k
>>尚、各小隊長の下に小隊車両を配置できることに気付 かず、ゲーム後半でも中隊長及び各小隊長の4両で出 撃し、「敵の数が多すぎる!こちらは4両しかいない のに!」と戸惑うのは、このゲームの初心者が比較的 陥りやすい失敗の一つ。
でも戦死者無しプレイをするには4両で出撃した方がやり易いんだよな。メンバー多くすると把握しきれなくなり結果味方が戦死する。
自分は最初上記のシステムはもとより車長選択システムすら知らなくて東部戦線をリチャード、マチルダ、ウェスナーで駆け抜けた…。
今思うとよくこのメンバーで最後まで犠牲無しでクリア出来たよな…とおもう。リチャード以外雑魚だし…。
12 ななしのよっしん
2015/04/26(日) 18:33:35 ID: G/aXicI5s1
中盤に手に入るポルシェティーガーが主人公無双確定・チート安定だった。
一面だったかな、いきなり池ポチャしてゲームオーバーになったのはいい思い出(笑)
13 ななしのよっしん
2023/12/04(月) 22:47:31 ID: O2IFR/uu6k
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最終更新:2025/12/23(火) 23:00
最終更新:2025/12/23(火) 22:00
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