アドレーヌとは、星のカービィシリーズに登場するキャラクターである。
なお、星のカービィ3に登場するアドについても同時に解説する。
赤いベレー帽がトレードマークの少女。絵描きであり、絵の修行をするためにポップスターにやってきた。初出は星のカービィ3で、「アド」という名前で敵に操られたボスとして登場。その後、「アドレーヌ」に名を変え、星のカービィ64でカービィ達とともに旅をする仲間として登場している。
最大の特徴は「絵画実体化能力」で、自らの描いた絵を実体化し、本物にして出すことができる。作中ではアイテムや敵キャラ(乗っ取られたとき)を瞬時に書き上げ、出現させている。
芸術志向の女の子としては珍しく、非常に活発的で、悪者(02)を倒すべくカービィの冒険に積極的に加わっている。また、常にカービィに同行しているわけではなく、場所によってアイテムをや謎解きのヒントを与えるサポートの役割を果たしている。
カービィ達とはとても親しく、カービィのことを「カーくん」、デデデ大王のことを「デデのだんな」と呼んでいる。一人称は「64」のムービー名から「あたし」だとされるが、「64」公式サイト内では「わたし」になっている。
アド(Ado)については、イラストレーターの水森亜土が由来であるという説が有力。
アドレーヌは、Adeleineというフランスに実在する女性の名前で、フランス語に基づいて発音すると
A ア
de ド・ドゥ(ここでのeは発音しない)
lei レイ
ne ヌ(ここではeは「ウ」と発音する)
と、読むことができる。「64」において名前が変わった理由は不明。
等身が低く、十代の少女から幼女に見える。服装は、上から赤いベレー帽に緑色のスモック、黒の短いスカート、紺のハイソックスに茶色の紐靴を身につけている。スモックには黄色いボタンが飾りとして付いている。また、首元にはスモックの下に着ているワイシャツらしき白い襟が確認できる。肌は黄色。髪は黒髪で、左右に分けた凸スタイルである。エンディングのイラストでは、更に黄色い髪留めをつけている。瞳の色はイラスト(CG)では灰色、ゲーム中では青緑である。
ちなみに、黄色いボタンは64の絵コンテやラフの殆どでバッテン状の物になっており、企画のうちではまだ丸いボタンではなかったらしい。いつ頃に現在のデザインになったかは不明。
※参考:3のドット絵(左)とステージ選択画面のアイコン(右)
上半身は、スモックではなく後ろを紐で結ぶスタイルの半袖エプロンをつけている。(なお、ゲーム中では一枚だけスモック姿のイラストがある)また、黄色のボタンはグラフィックによって2つ付いている。赤いベレー帽を後ろ目に被り、ボリュームのあるボサボサの前髪を七三気味に分けている。また、アホ毛がある。なお、ゲーム中ではグラフィックによって黒髪だったり茶髪だったりするが、公式イラストでは茶髪となっている。
「64」で敵に操られたアドレーヌと戦う際には専用の音楽が使用されている。サントラでは、同じく操られたワドルディやデデデ大王との戦闘曲とまとめて「なかまたちとのたたかい」として収録されていたが、任天堂モバイルで着メロが配信された際には「アドレーヌ」と曲名が付いている。
「星のカービィ プププ大全」によると、両者の関係は未だ不明のままらしい。
ただし、「星のカービィ デデデでプププなものがたり」や「3」を題材にした4コマ集においては、アドレーヌの容姿をしたアドが登場していることから、制作サイドでは同一に扱われているという説が有力。アドの容姿がアドレーヌの理由については、4コマ集が作られた際に、任天堂からキャラクターなどの資料が各漫画家に配られたが、その資料が実は「64」に準拠したアドレーヌのものだったからだと思われる。(「64」は、「3」が発売される前から既に開発が始まり、プロット版も作られている)*参照
また、「星のカービィ デデデでプププなものがたり」でのアドとアドレーヌ(14巻初期まで)の服装は、胸の飾りがボタンではなくバッテン状のものであり、このスタイルは「64」の絵コンテやラフ画でしか見られない。そのことから、少なくともひかわ氏は、プロット時の「64」におけるアドレーヌの資料を貰った可能性が高い。
ちなみに2000年のロクヨンドリームでは「次はアドちゃんです。今回なんとアドちゃんの本当の名前が判明。 実はアドレーヌって名前だったんだって。みんな覚えてね。(4月号)」「前作の『3』でも登場していたアドレーヌ。得意のお絵かきでカービィを助けてくれるんだ。ポップスターで会えるぞ。(5月号)」と書かれており、同一人物と見ていた模様。
ダークマターに操られ、レベル4「CLOUDY PARK」のボスとして登場。大きなキャンバスに「星のカービィ2」に登場したボスキャラを一体(または一ペア)ずつ描き、そのボスキャラと戦わされる。描かれるキャラは順番に、アイスドラゴン、スイートスタッフ、Mr.シャイン&ブライト、クラッコ。最後のクラッコが倒されると、自ら筆を振り回し突撃してくるが、HPはステージ中のザコ敵と同様たった1なので、どんな攻撃でも一撃で倒せる。本体の強さはともかく、仲間やコピー能力の組み合わせによっては簡単に攻略できるが、仲間もコピーも使わない(使えない)場合は一気に難易度が上がるボス。
レベル4のハートスターを全て集めた状態で倒すと、ダークマターによる呪縛が解け、以後は平和そうにゲームボーイやケーキを描いている。また、トゥルーエンドのエンディングでは、カービィとその仲間、ボス達の前でクレヨンを手に取り、彼らの絵を描いていく姿が見られる。ちなみにゼロを倒した時のエンディングとぼすぶっちをクリアした時のエンディングで絵や細かいところが違っている。
レベル1の2番目のステージ終了後に初登場。ダークマター族のダーク・リムラに再び操られ、「3」の時と同様に戦わされる。描く敵キャラは順番に、ザコ敵の集団、アイスドラゴン、リアルダークマター。最後に彼女自身が突撃してくるのも前作同様。倒されるとダーク・リムラから解放され、以後はカービィの旅の仲間に加わる。翌ステージからは、マキシムトマトなどのアイテムを描いてカービィに与えたり、クリスタルを見つけるための謎解きで絵を描いてヒントを与えたりと、各所で活躍している。
ストーリー内でのムービーでは、皆のために食べ物を沢山描いたり、汚された故郷を見て落ち込むリボンを励ましたりと「お姉さん」的な役割を持つ一方で、海に向かって石を投げるなど茶目っ気のあるところも見せてくれる。
なお、開発段階では、カービィの代わりに仲間たちがステージを攻略するゲームモードが考えられていた。アドレーヌも例に漏れず、ステージ内の海中を泳ぐスクリーンショットが公開されたことがある。
「星のカービィ デデデでプププなものがたり」では、13巻から登場。基本的にはツッコミ役で、カービィやデデデ大王のはちゃめちゃに振り回されてばかりだが、一度だけリボンと共に、食欲のないカービィを元気づけようと激辛スイーツを作るという大ボケをやったことがある。64の発売から日数がたち、新作が出ていくにつれ、出番がなくなっていった。最後に確認されたのは25巻のおまけ。
アドは12巻にのみ登場。自分がふざけて描いた多種多様なデデデ大王が、絵から飛び出して大騒ぎとなった。また、13巻では一コマだけテレビ画面に出演。水戸黄門の裏番組である「アドのおえかき教室」をやっていた。
星のカービィ2~星のカービィ64までのいわゆる「数字シリーズ」において、リック・クー・カインと並ぶ代表的キャラとされている。出演二作目でボスから大出世し、根強い人気があることから「数字版メタナイト」との見方も。スマブラXが作られた際には、出演などの願望も強かったが、シールでの登場すらかなわない結果となってしまった。
また、カービィキャラにおいては珍しい人間型の女の子ということもあって、貴重な萌え要素とされており、「64」から10年経つ今も根強い人気を誇る。女性キャラの宿命とも言うべき年齢制限付きの画像が描かれることも少なくない。
「3」「64」のプレイ動画またはムービー集にて彼女の活躍を見ることができる。その他では、MADや二次創作漫画といった手描きによる作品が多数を占める。作品によっては「アドルディ」と間違って呼ばれることもある。他にもMMD・スマブラX・手作りの工作などでアドレーヌ及びアドを再現する動画も存在する。
アドとアドレーヌは同一人物か否か、で論争が繰り広げられている(Ado - The Kirby Wiki-など)。
また、別人説を主張する人間の中には「アドは男の子である」と唱える者が多く、アドが男の子か女の子かという日本ではまずないであろう論争まである。そのため、海外のカービィファンサイトなどでアドのことを調べると、「boy」「male」「he」などの単語が散見されることも少なくない。中には、可愛らしく描かれたアドの姿がハートと一緒に描かれている、エンディング時のスクリーンショットを真横に掲載している所も…(気付けよ…)。
なお、日本でもアドを最初見たときは男の子だと思った人間はいるようだが、エンディングのイラストで女の子だと気付いている…と思う。
ちなみにだが、「3」の攻略本5冊の内4冊が、彼女を女性だと示す明確な文章を書いている。しかし、攻略本も漫画も出ていない海外においては、彼女の性別を証明するのはなかなか困難かもしれない…。イギリスのサイトで漫画の例を出されたら「日本の漫画なんか知るか!ここはイギリスだ!」なんてキレてた人もいるし。
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最終更新:2024/05/03(金) 06:00
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