リヒター・ベルモンドとは、『悪魔城ドラキュラ』シリーズに登場するヴァンパイアハンターである。
初出は『悪魔城ドラキュラX 血の輪廻』(PCE)。
初代主人公であるシモン・ベルモンドの子孫にあたり、「ベルモンド一族最強の男」「最強のヴァンパイアハンター」と呼ばれるなど高い実力を誇る。
初めてシモンより未来の時代のキャラクターとして登場し、『血の輪廻』の作風の変化も遭ってキャラ描写が多いのが特徴。ベルモンド一族で初めてCVを設定されたキャラクターでもある。
イメージカラーは全作品通して青。筋肉質ではあるが過去のベルモンドたちのようなむさ苦しさはなく、むしろ爽やかさを強調したキャラデザであることが多い。
他作品にも多く出演し、ベルモンド一族としてはシモンと並んで知名度が高いキャラクターである。探索型への出演回数も多いため、その時代にシリーズに触れたプレイヤーによってはシモンより馴染みがある、という人も少なくないのではないだろうか。
キャラ描写も多く親しみやすいキャラクターだが、少なからず後年に影響を及ぼす失態を犯してしまってもいる。
ベルモンド一族としてはジュスト・ベルモンド(『白夜の協奏曲』の主人公)の子孫に当たる。リヒターを最後にベルモンド一族は長らく表舞台から遠のくことになり、はるか未来の子孫としてユリウス・ベルモンド(『暁月の円舞曲』のサブキャラ)が登場している。ユリウスとリヒターの間の約200年に付いては現時点では明かされていない。
CVは堀川仁(『血の輪廻』)、梁田清之(『月下』以降)、三木眞一郎(ドラマCD『追憶の夜想曲』のみ)。
主人公。時代としては1792年の物語とされている。当時19歳。
パッケージで「血の因縁は俺が断つ!」とか「ベルモンド家最後のヒーロー」と大々的に書かれており、新時代のニューヒーローということが強調されている。
本作のキャラクターデザインは短髪に白い鉢巻、青い袖なしジャケットに白い長ズボンとすでにこれまでのベルモンド一族と比べると一線を画したものとなっており、むさ苦しさのない爽やかな雰囲気を醸し出している。その見た目のせいで一部では「リュウ・ベルモンド」というあだ名も…。
本作でアネットという恋人が登場する(悪魔城に囚われている)が、後の作品でどうなったかは明かされていない。ただベルモンドの子孫は登場しているため、少なくとも結婚して子孫を残したことは間違いないようである。
たびたび入るカットムービーから爽やかかつ明るい性格であることがわかる。ゲーム本編のものではないが、CD-ROM2ディスクをCDプレイヤーに掛けたときの警告メッセージにおけるマリアとの漫才は一聴の価値あり。
ラスボス撃破後には有名な上記の「滅びよ!」から始まるセリフを言う。もっともドラキュラは復活する気満々であり、血の因縁を断ち切ることが出来なかったのは後年の作品からも周知の事実である。
ただ現時点で主役を張ったベルモンド家のキャラとしてはもっとも新しい時代のキャラであり、現時点で「ベルモンド家の唯一のヒーロー(主人公)」という点に付いては健在である。1999年の戦いがゲーム化されたら主人公は間違いなくユリウスなのでこの称号も失ってしまうが
ゲーム的な性能としては、時期的に前作に当たるSFC版『悪魔城ドラキュラ』のシモンほどの自由な操作性はないが、空中でのバック宙などの身軽なアクションに加え、サブウェポンの力を最大限に引き出した奥義「アイテムクラッシュ」が使用できる。特に聖水のアイテムクラッシュ「ハイドロストーム」やクロスのアイテムクラッシュ「グランドクロス」は彼の代名詞。
しかし、彼が助け出すことになる12歳の少女「マリア・ラーネッド」がリヒターを遥かに超越する操作自由度・攻撃の扱いやすさと火力の高さを誇っており(→マリア兵器だもん!)、プレイヤーからは「最強(笑)」とか「主人公(笑)」などというあんまりな扱いを受けている。
開発的には「操作難易度の差を分けた(初心者向けがマリア、中級者向けがリヒター)」とされているが、実際のところ操作面どころかキャラ性能としても露骨に差があるので救いようがない。
1面BGMである「乾坤の血族」が彼のテーマ曲となっており、80年代のドラキュラ三大名曲に続く新たな名曲として名高い。多くの作品でアレンジが用いられている。
SFCの『悪魔城ドラキュラXX』は概ねアクション面で『血の輪廻』を引き継いでいるが、ステージ構成などが大幅に変わっており、難易度が非常に高くなってしまっている。1本のACTとしては十分な完成度だが、『血の輪廻』のリメイクとしてみた場合には完成度は若干劣ってしまっている、というのが大方の評価となっている。
もっとも、キャラデザ等の変更やマリアが操作キャラから外されたことによって『血の輪廻』の軟派な成分が大幅にスポイルされたため、そっち方向からは評価されることもままある。
海外では当初本作こそが『悪魔城ドラキュラX』(Caslevania Dracula X)として発売されており、キャラデザも『血の輪廻』準拠になっていた。こちらも同ハードの前作SFC版のシモンと比較して操作性が露骨に悪くなっている、という点で評価を下げてしまったようである。
PSPの『悪魔城ドラキュラ Xクロニクル』はグラフィックは3DCGとなり、カットシーンも大幅に作り直されている。『血の輪廻』『XX』両方の要素を取り込んだリメイクとなっており、条件を満たせば『血の輪廻』『月下の夜想曲』の原典も遊ぶことができる。
CVは『月下』同様梁田清之氏になり、キャラ描写も『月下』との橋渡しを意識してか、『血の輪廻』と比べると若干落ち着いた性格に描かれている。
ゲームのプロローグにおいて、リヒターを操作して『血の輪廻』の最終ステージを再現したステージでドラキュラと戦うこととなる。
あくまでイベントバトルであり、HPがゼロになってもマリアが回復してくれるのでゲームオーバーになることはないが、ここでの戦いぶりによってアルカードの初期ステータスが変化するという要素がある。セリフが飛ばせない1周目ならともかく、2周目ならできるだけ速やかな撃破を目指したい。
『血の輪廻』で印象的だったドラキュラとのやり取りも(CVこそ変更されているが)再現されている。
キャラクターデザインは小島文美氏により一新。青のイメージカラーはそのままにロングコートになり、かなりの悪人顔になっている。
5年後。100年の時を待たず突如悪魔城は復活。ドラキュラの息子アルカードは城を消滅させるため、マリアは行方不明になったリヒターを探すため悪魔城に乗り込むのだが…。
彼は新たな城主として悪魔城に君臨。
表向きのラスボスとしてリヒターの前に立ちはだかることとなる。戦闘BGMも『乾坤の血族』のアレンジである『異形の血族』。
「伯爵は百年に一度しか蘇らん。そして、俺の役目は終わった…。
だが、俺の血が戦いを求めている! 奴さえ復活すれば、戦いは永遠に続くのだ!」
「血の因縁」が全く断ち切れていなかったのがバレバレである。戦闘後のアルカードとの会話も渋くて割と人気。
アルカード
「終わりだ…、ベルモンド。」リヒター
「そうだ…。
人と吸血鬼の闘いの歴史は、今ここで終わる…。」
「狩られる者がいない今、狩る者は不要だ…。
もう、ここには俺の居場所はなかったのかもしれないな…。」
…もっとも、実際は暗黒神官シャフトによってリヒターは操られており、バッドエンドを回避するには所定の条件を満たして彼を支配から解放する必要がある。
ちなみにその時のセリフから、過去にアルカードがラルフ・ベルモンドと共にドラキュラを討伐した話は一族に長く伝えられてきたようである。
その後は目立った出番はなく、エンディングでアルカードに感謝の意を述べるに留まる。エンディングでのマップ制覇率によってはアルカードを追うマリアを送り出す展開が追加される。
クリア後、おまけキャラクター(SS版のみ最初から選択可能)として本編を攻略できるようになる。
コマンドを使用した各種体術が大幅に追加され、『血の輪廻』のときとは比べ物にならないほどの機動力を誇るようになった(本編のプロローグでもこれらのコマンド技は使用可能)、ただアルカードのような多種多様な装備は出来ず、レベルも存在しないためHPマックスアップのアイテムだけが命綱。後半になるほど打たれ弱さが目立つようになるので、結構な難物。総合的にはやはりアルカードのほうが強いだろう。最強とは
ちなみにPS版ではリヒターのドット絵は『血の輪廻』の流用だが、SS版では本作のキャラデザ準拠で新たにドットが打たれており、プレイヤーとしてもコマンド入力で新規ドットの方を使用可能である。
本作のストーリーで彼が晒した失態は後のシリーズにも大きく影響を与えることになり…。
『月下』で彼自身がドラキュラ復活に手を貸してしまったことにより、聖鞭ヴァンパイアキラーが1999年に至るまでベルモンドを拒絶するようになり触れられなくなってしまったことが明らかにされた(『GoL』のストーリーは1944年)。
彼が心に抱えていた戦いへの渇望は紛れもない本心であり、それを暗黒神官シャフトに利用されてしまったのである。
ヴァンパイアキラーは傍系のモリス家に預けられ、『バンパイアキラー』(MD、設定上は1917年)でベルモンド一族ではなくジョニー・モリスがヴァンパイアキラーを所持していたのもこれによるものであった。
そして本作の主人公ジョナサン・モリスがヴァンパイアキラーに認められるために、最終的にヴァンパイアキラーの「記憶」として、最後の正当な所持者であったリヒターと戦うことになる展開が待っている。
本作のヴァンパイアキラーは初期装備相当の性能しか持っていないが、リヒターを破ることによって大幅にパワーアップし、一気に最強クラスの装備になる。
上記イベントをこなした状態で本編をクリアするとおまけとしてリヒターモードで遊べるようになる。今回はマリアも一緒であり、本編のジョナサン&シャーロット同様任意に切り替えながら攻略していくことになる。
装備変更は相変わらず出来ないがレベルは上がるようになった。各種体術も健在で、火力はマリアにやや劣るものの機動力は図抜けている。ただしアイテムクラッシュはグランドクロス固定になった。
『悪魔城ドラキュラ Harmony of Despair』(360/PS3)ではDLCキャラとして参戦。キャラデザは『血の輪廻』のドットそのままで、1992年当時のドットが現代でも通用することを示しており感慨深いものがある。
『月下』以降のイメージ同様各種体術を使いこなすことを前提にしたキャラクターであり、コマンド入力が苦手なプレイヤーにはいささか扱いづらいものとなっている。
また本作の梁田氏のボイスにはやたら力が入っており、とにかく「うるさい」担当として定評がある。
\マ゛リ゛ア゛ァ゛!/\ア゛ル゛カ゛ー゛ド゛ォ゛!/
『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』(Switch)では同時参戦のシモン・ベルモンドのダッシュファイター(いわゆるコンパチキャラ)として登場予定。シモンの操作にそもそもリヒター仕様の体術が入っているためそこまでの違和感はない。キャラデザは『血の輪廻』をベースにブラッシュアップしたものになっている。勝利時のモーションも同作のとあるカットシーンの一幕を元ネタにしている。
明確にキャラクターが設定された最初の主人公ということもあり、先祖であるシモンより知名度は高いと思われる。
何より探索型移行後も何かしらゲスト出演の機会が多く、ネタの供給が途絶えなかったという面が大きい。
悪魔城TASでは時代的には変態挙動(→ムッムッホァイ)が表沙汰になり始めた最初のキャラクターと言われている(シモンもSFC版などで片鱗を見せていたが…)。
『血の輪廻』や『XX』の時点で歩くよりバック宙のほうが速いため常に後ろ向きで進む「人生後ろ向き」という称号を得ており、『月下』ではおなじみの体術で悪魔城を蹂躙する(海外版の声から「ポンッポンッイヤァ」と言われる)。壁も兵器で平気で抜けるため「悪魔城外ドラキュラ」とも…。
『ギャラリーオブラビリンス』では機動力に拍車がかかり、「上に落ちる変態」「下に登る変態」「機動のリヒター、殲滅のマリア」という賞賛を浴びている。実際、このコンビは急降下キックを持たないため、上・横・下の3方向の中で最も遅いのは下である。
余談だが、『悪魔城ドラキュラ サークルオブザムーン』(GBA)にも開発当初の時点では登場予定があったと言われている。
当初は『月下』の約30年後という直接の続編に据えられていたが、年老いたリヒターを見たくないという社員の声もあって取り下げられ、その役割はモーリス・ボールドウィンという新規キャラに差し替えられたという。
…作中でのモーリスといえば冒頭でドラキュラに捕まってラスボス戦までそのままというあんまりな扱い(実質ヒロイン)であり、当初の予定通りであればリヒターの経歴にさらなる傷が付いていたことは明らかなので、登場できなくてよかったのかもしれない。
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最終更新:2024/05/04(土) 16:00
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