ディオスクリアとは、
「ディオスクリア、見参!」
頭頂高:31m(合体時)
火星「ヴァース帝国」の37家門よりザーツバルム伯爵の専用カタクラフト。初登場は8話ラスト。
巨大な漆黒のボディと禍々しいフェイスデザインからラスボス臭を漂わせ、1クール中の「火星ドッキリメカ」シリーズ
(一部のファンの火星カタフラクト系の呼び名)の最後に登場する機体。
その大きさは13.5mのスレイプニールと比較した場合、2倍以上のサイズ差がある。
本体機(コアユニット)×1、本体機・専用飛行ユニット×1、自動操縦の無人人型機×2、無人機専用飛行ユニット×2で構成されている。この無人型の飛行ユニットもすべて人型形態に変形可能らしい。
初登場するなり、大推力による高速飛行・変形能力やプラズマサーベル(抜刀)を披露。友人という設定であるはずのクルーテオ卿を「私のタルシス――」と台詞を言い切る前に生死不明に追い込んだこともあり、視聴者から注目を集めた。(公式サイトで皇帝・クルーテオ・ザーツバルムにスレインとアセイラム姫の写真らしき画像があるにも関わらず)
また、この機体は若き日のザーツバルムが15年前にも搭乗し、種子島へ侵攻している。このことからわかる通り、この機体は15年前から存在する。ヘブンズ・フォール時の破片により損傷後、ザーツバルムはスレインの父であるトロイヤード博士に命を救われたとされている。
11話で登場した際には本体機と無人機が飛行ユニットに搭乗して、地球軍のアレイオン部隊を圧倒している。
成層圏では本体機がデューカリオンを追撃し、ミサイルの斉射で大きな損傷を与え撃墜。
無人の子機はアレイオンの登場したライエ機と交戦。無人機ながら至近距離からの砲弾をすべて弾く。
12話で伊奈帆たちの前に立ち塞がる。そしてミサイルコンテナを切り離して、
まさかの愛と怒りと哀しみの火星(アルドノア)合体!(合体時間約1分)を披露する。
勇者ロボットシリーズ(グレート系)ばりの変形合体により巨大ロボット化。
公式サイトの解説では複数のアルドノアドライブを制御しているとされている。
このドライブは本体機を含めた、無人制御ユニット(飛行ユニット含む子機)×5機すべてに搭載されている。
8話や10話で登場した姿はこの合体状態だったのである。
さらに、これまで伊奈帆たちが戦ってきたカタクラフトの特殊機能(システム)をすべて備えているのだが……?
主人公である冷静沈着な伊奈帆を何度となく驚かせ、(中盤まで)圧倒した機体。
武装使用時に音声入力が必要かは不明である(特に喋らずに使用しているときもある)。
暗号解析機能もあるらしく、伊奈帆たちの通信を傍受している。デューカリオンのレーダーに反応しなかったことを考えると、ステルス機能もあるのではないかとされている。
非常にどうでもいい話だが、この作品世界の時代は2014年、ザーツバルム伯爵(一部の通称でザーさん、ザーツさん)は1971年生まれの43歳である(クルーテオは6歳年下)。火星への移住が始まったのは1980年である。
この世代以降の火星技術者の中にどんなロボット像(イメージ)があるのかは謎である。
武装「アルドノアの輝きよ!」
- ビームサーベル(あるいはプラズマサーベル/ソード)
やはりフィールド(プラズマ)ジェネレーターの始動・ブレードフィールド展開を経て「抜刀……!」の掛け声とともに起動させるプラズマの剣。合体状態でのみ、無人機のパーツから使用可能。掌から発生させる。
無人の子機も武装として使用しているが、これはこの無人機そのものが合体時に腕部を形成して、サーベルユニットとして機能するため。
アルギュレとほぼ同じシステムであると思われるが、椀部から出力するという違いがシステムの大型による弊害か、小型化できなかった結果なのか不明である。刀身の太さや長さはアルギュレ以上と思われる。
アルギュレのように別パーツ(グリップ化)していないため、再チャージは必要ない可能性もある
(連続使用時間に限界はあるかもしれない)。
これに限っていえば特に大きな欠点らしい欠点はないと思われる。強いて挙げれば眷属(ロケットパンチ)と同時起動ができないということ(使用できても分子構造が戻る)と、手持ち武器ではないため恐らく取り回しが悪いこと(砲弾の切り払いのような細かい動作) - ロケットパンチ
こちらもやはり「飛べ、我が(拳)眷属よ!」の掛け声とともに巨大な腕部を射出する。分子構造を強化した高硬度の拳と強力なロケット推進により、アレイオン程度であれば容易く破壊できる。合体時のみ、無人機のパーツを使用することで使用できる。機体本体まで分子構造を強化できるか不明(できるならやってたという突っ込みも)。
恐らくロケットパンチ中は抜刀(サーベル)使用不能。
さらに推進器(噴炎?)が次元バリアと干渉するため、射出時はバリア解除が必須。そして、推進器は装甲も施されていないため脆弱。推測だが、こちらも指を可動させる場合も分子構造も戻ると思われる。この上に、遠隔操作するためのアンテナ部が次元バリアで覆われない(覆うと送受信の電波を遮断してしまう)ため、次元バリア展開中の弱点にもなっている。バリア展開時にもこのアンテナが存在する装甲部位だけはっきりと見えてしまうので、バリアシステムの詳細を把握している相手には非常に不利になる。
アンテナ部を破壊されると、射手中の腕部は墜落するだけでなく、使用自体が不能となる。
この眷属を失うと抜刀も使用不能であり、このシステムに構造上の弱点が集中しているため、この多機能の中でかなり問題になっている。 - 小型ミサイルランチャー×2
本体である親機と呼べる機体が、弧のような形状の発射器(ランチャー)を両肩部に装備。13発×2の連続発射が可能であり、一度の出撃で複数回の斉射を行っている。
1発でもアレイオンに大きな損傷を与え、たった一度の斉射でアレイオン部隊(ロシア基地の防衛戦力)の半分が失われている。
合体時にはこれらを切り離しているため、合体中には使用できない可能性がある(弾切れという説も)
斉射のときにこの武装まで「殲滅せよ!我がしもべ達よ!」と言っているが、射出武装すべてがこの扱いなのかは不明。使い切りとはいえミサイルさんも可哀想な扱いである。 - 次元バリア
驚異の火星技術である、ニロケラスが搭載していたバリアシステム。やはり外部カメラがないと視界が確保できない。展開状態のまま、腕を振るってアレイオンを薙ぎ払っているシーンもある。
機体が沈下防止で足などの接地(接触面)面へのバリア展開を止めるようにオート(自動)で機能しているため、背中から倒れ込むとボディ全体が解除されるようである。
また、この次元バリアシステムはわりと新型(ニロケラスも)であることが製品ブックレットで明かされている。
前大戦中には装備していなかった可能性もある。一部ではニロケラスのアルドノアドライブを回収して付与したという説もある。 - 機銃
飛行ユニット(本体・無人機用)に装備されている機銃。アレイオンを破壊できる威力がある。詳細は不明なため、機銃ではなく、スカイキャリアと同じ榴弾砲の可能性もある。
多機能であるが故の欠点
前述の通り、弱点だらけであるため視聴者から総突っ込みの嵐となった。
この機体が一種の「良いとこ取り」の機体であったのか、「すべての機能を詰め込んだ原型機(ヘラス、アルギュレは派生機説)」であるかは、詳細な設定が明かされていないため不明。
ニロケラスは比較的・新型に分類されることが製品ブックレットで明かされたため、後載せの可能性が高い。
伊奈帆は合体終了直後(名乗る前に)に射撃しているが、ヘラスの拳の分子構造の強化の欠点がそのまま受け継がれているなら、合体直前のパーツはもちろん合体中・終了までが完全無防備という可能性もある。
つまり飛行形態への変形前後も……。
この当記事の解説も半ば弱点考察・解説の方が多い。
この機体への意見として多いのは「(つけるのは)バリアとビームサーベルだけでよかったんじゃないかな」。
(ロケットパンチとサーベルは片腕ずつであれば使用できるので遠距離~近距離まで対応できるのだが、ロケットパンチを使用した途端に弱点だらけになってしまう)
結果的に合体パーツの多くを破壊されたため、本体機のみで伊奈帆のスレイプニールと交戦。
戦闘でザーツバルム自身も負傷しながら、犠牲を問わないとはいえ「憎しみの連鎖を断つ」という目的を吐露する。
その通信を聞きつけたスレインのタルシスが駆けつけ、ディオスクリアを守った。直後、アセイラム姫がアルドノアドライブを停止させたため、この機体は機能停止に追い込まれている。
その後、この機体がどうなったかは不明である。
余談
- ロケットパンチ、バリア、サーベル(近接武器)、と武装だけでも某勇者王などを思い浮かべる人も少なくない(機体デザイン・シルエットも勇者ロボット以外で思い当るものも)。
- 由来は紀元前6~7世紀ごろにギリシア人がコルキス王国(現・グルジア)に最初に築いた植民都市からではないかとされている。
- また、友人(設定)であるクルーテオの愛機「タルシス」の由来とも関連がある。
「箱舟伝説」におけるノアの子孫「タルシス」の子孫8人は複数の種族に分かれたが、その種族たちがコルキス王国と交易を行った植民都市の一つが「ディオスクリア」とされているようである。 - ↑上記について。正確には「タルシス」は「タルシュシュ(Tarshish)」。ノアの子孫の中にこの名前がに存在し、聖書では「世界の西の果てにある土地」交易都市の名として登場するとのこと。また、火星のタルシス平原(台地)/山脈の由来となっている。また諸説あるのか、「精錬所」という意味もあるらしい)。
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