ディンとは、以下のものを指す言葉である。
- ゲーム『ゼルダの伝説』シリーズに登場する力の女神
- アニメ『機動戦士ガンダムSEED』及び『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場するザフト軍のモビルスーツ。形式番号はAMF-101。本項で派生機のAWACSディンと併せて記載。プラモデルでは「モビルディン」と表記されている。
概要
設計を担当したのは兵器開発局ハインラインで、同じハインラインが担当したからかシグーと共通したデザインと構造を持つ。飛行能力を獲得するため防御力の低下を甘受しつつ機体を軽量化。飛行時には背面にトンボのような羽を6枚を展開し、高速飛行時は頭部を覆う鎧のようなエアロシェルを覆って空気抵抗を減らしている。しかしその引き換えに対弾性能を大きく損なっている。またディンは亜音速が出せず、最高速度においては地球軍主力戦闘機スピアヘッドには遠く及ばない。さらには航続距離にも恵まれず、基地防衛以外での運用は母艦のボズゴロフ級潜水空母を伴う必要がある。その代わり低速域での運動性はディンが勝り、航空機ではありえない動きが可能。モビルスーツならではの利点と言えよう。
C.E.70年2月11日、地球連合軍の宣戦布告により地球・プラント間は戦争状態に突入した。ザフトは地球侵攻作戦を計画するにあたり、大気圏内を単独で飛行できる航空戦力を欲した。開発自体は早期に終了していたようで、開戦から約1ヵ月後の3月15日にはプロパガンダも兼ねて全世界に公表された。4月2日、ザフト軍は大洋州連合より提供されたオーストラリア北部の湾カーペンタリアに基地建設を開始。これを阻止しようと地球軍の太平洋艦隊が出撃してきたが、ディンによって大敗。48時間で工事は完了し、ザフト軍は地上における初の拠点を確保した。5月20日、完成したばかりのカーペンタリア基地に配備され、ザフト地球駐留軍の中核としてスピアヘッドと交戦。戦力的にはスピアヘッド5機=ディン1機であり、多数の敵機を撃墜して制空権を奪取した。のちにジブラルタル基地が建設され、同基地にも配備されている。地球上におけるザフトの戦闘には大体投入されており、ディンが重用されている事を窺わせる。
機体のカラーをパールグレイに塗り替えたラウ・ル・クルーゼ専用機も存在するが、機体性能は量産機と同一。
1/144スケールのプラモデルが発売されている。しかしながらHGやMGは無い。ちなみにディンの翼は左右合わせて6枚だが、プラモでは一対しかない。なんでやねん。
劇中での活躍
C.E.71年3月3日、アデン湾に抜けたアークエンジェルをモラシム隊が捕捉。攻撃のため出撃した機体が初登場となる。モラシム自身もディンに搭乗し、アークエンジェルを攻撃するがスカイグラスパーに右翼を撃ち抜かれ、撤退している。二度目の攻撃時はボズゴロフ級から発進するところをスカイグラスパー2機に襲われ、出撃寸前のところでフラガ機から放たれたアグニを受けて母艦ともども沈没した。が、1機のディンのみが発進に成功し、カガリ機に命中弾を与えて不時着させる。しかし善戦むなしく、太陽を背に急降下してきたフラガ機のアグニによって下半身を吹き飛ばされて撃墜された。
5月8日、オペレーションスピットブレイクの総仕上げであるアラスカ基地攻略戦に多数のディンが投入。連合軍の戦闘機と空中戦を演じた。戦闘機やトーチカによって撃墜される機は少なくなかったが、全体的に優位に戦闘を運び、防衛線を突破した一部の機体が基地内部への突入を果たした。しかし不幸な事にアラスカ基地の地下に仕掛けられていたサイクロプスにより、大多数の機体が巻き込まれて壊滅。その一方で、外部にいたディンは辛くも逃げ延びた。その直後の5月25日に行われたパナマ基地攻略戦にも参加。先陣を切って連合軍施設を空襲し、停泊中のスペングラー級を撃沈。またストライクダガーを背後から奇襲して撃破する場面も見られた。
しかし地球軍はモビルスーツを得た事で勢いづき始める。6月18日、地球軍がビクトリア宇宙港に侵攻し、第三次ビクトリア攻防戦が生起。ディンも防衛戦力の一部として出撃するが、地球軍が擁する多種多様なモビルスーツや物量の前に敗北。宇宙港は奪還されてしまった。以降、地球での戦局は不利になっていき、ジブラルタル基地をも失陥。8月8日、連合軍によるカーペンタリア攻略を目的とした「八・八作戦」を発動。地上と宇宙から連合軍が強襲上陸を仕掛けてきた。ディンは他のザフト機とともに出撃し、辛くも基地の防衛に成功している。
信頼性があったのか、大戦終結から2年後を描いた機動戦士ガンダムSEED DESTINYでも運用されている。しかし実体弾しかない事が問題視され、後継機のバビが開発された。だが機体の刷新までは間に合わなかったのか、終盤まで使用され続けていた。
アーモリー・ワンでの強奪事件の際にも出撃しているが、その殆どが返り討ちに遭っている。地球上での大きな作戦には必ずと言って良いほどディンが参加しているが目立った活躍は無く、むしろやられ役である事が多い。オペレーションスピア・オブ・トワイライトにてカーペンタリア基地から出撃し、降下揚陸隊と協同で連合軍の包囲網を後退させたり、ピンクザクの護衛を務めたり、ヘブンズベース攻略戦では積極的に基地施設を空襲し勝利に貢献するなど一定の戦果は挙げている。その後のオペレーションフューリーでは逆に良い所無しで、アカツキやムラサメに撃墜されてばかりだった。ミネルバから帰還信号が出された時には、何機かがデスティニーやレジェンドとともに撤退していった。
武装
- MMI-M7S 76mm重突撃機銃
ジンにも装備されているザフト軍の標準装備。高い連射力を持ち、多くのトーチカや戦闘機を屠ってきた。使わない時は腰に据えられたホルスターに収納される。
- MMI-M1001 90mm対空散弾銃
ディンの主兵装なのだが、いまいちよく分からない装備。劇中ではロケットランチャーのように使用されており、散弾要素は無い。またディンによっては重突撃機銃を2丁持ち、こちらは使われない場合も。撃墜された機から対空散弾銃を得たストライクによってグーンが撃破された事も。
- 6連装多目的ランチャー
胸部に設置されたミサイル装備。しかし実際に発射シーンが描写されたのはDESTINY第2話だけという非常にレアな武装。発射シーンは無いが、アークエンジェルに使ったシーンも一応存在する。
AWACSディン
機動戦士ガンダムSEED DESTINYに登場するディンの派生機。形式番号はAMRF-101C。
AWACSの読み方はエイワックス。
早期警戒管制機の機能が付与されたディン。機体の色は紫から青へ変更され、背中にはエアロシェルと円盤のように見える大型レドームを搭載。胸部には多目的ミサイルの代わりに投光器が装備され、水中捜索用にソナーまで持つ。数多く搭載された特殊兵装を活かし、索敵や捜索、哨戒、空中からの戦況監視を行う。そして得たデータを母艦や友軍機、友軍艦へ絶えず送るのである。そのため直接戦闘には参加せず、ひたすら裏方に徹する機体である。戦闘には参加しないものの投光器の代わりに排除された多目的ミサイルを除き、武装は通常のディンと同一である。万が一敵に襲撃された際、自衛が出来るように残されたものと思われる。
エンジェルダウン作戦に参加したウィラード隊所属の1機が初登場機体となる。上空からアークエンジェルの動向を監視し、ウィラード隊旗艦ユーレンベックと増援として駆けつけたミネルバに信号を送り続けた。その後、複数のAWACSディンが登場。ソナーを用いて、ミネルバが沈めたとされるアークエンジェルを捜索したが、反応が無いのと残骸が少なすぎるという事で逃げられたと判断した。
オペレーション・フューリーが失敗に終わり、オーブ沖へと退避したザフト艦隊の上空を旋回する3機が登場。周辺を警戒していたものと思われる。
関連項目
- 4
- 0pt