ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(原題:Knives Out)とは、2019年のアメリカ映画である。監督と脚本はライアン・ジョンソン。
概要
ライアン・ジョンソンがスターウォーズでの苦悩の最中書き上げた物語。
冒頭のセリフとは裏腹に複雑な事情がある事件を過去のサスペンス映画やミュージカルを参考に濃密に練り上げた今作は批評家と観客、両方から絶賛された。
導入
無一文から成功を成し遂げた犯罪小説家の富豪ハーランが自身の85歳の誕生パーティーの翌朝、喉を掻き切って死亡した姿で発見される。誰がどう見ても自殺の状況だが、匿名で雇われたブノワ・ブランは看護師のマルタをワトソン役に指名し調査を進める。しかし彼女こそ医療ミスを犯しハーランが自殺する理由を作った人物なのであった。
後日、ハーランの残した遺言状が読み上げられるが彼は屋敷含め全財産をマルタに与えると記していた。
誰よりも動揺するマルタは、遺産分配を諦めきれない遺族たちの醜いお家騒動に巻き込まれていく。
登場人物
マルタ
屋敷に7年務めているハーランの看護師兼友達。親はエクアドル(登場人物によってウルグアイだったりブラジルだったりするので正しい出自は不明)からの不法移民。ポンコツのヒュンダイ車に乗っている。いつものようにハーランと碁で遊んだあとで、鎮静剤と少量のモルヒネで彼を夢の世界に誘おうとしたところ、鎮静剤と間違えて致死量のモルヒネを注射してしまう。その後、ハーランの死で唯一得をしない人物という理由でブランから助手に指名される。ハーランの家族からは家族同然の仲と紹介されるが・・・嘘をつくと吐いてしまう人力嘘発見器。
ブラン
正体不明の何者かに雇われた南部訛りの私立探偵。ハーラン同様叩き上げ。思考プロセスを口に出す癖がある。
ハーラン
30か国語で売り上げ8000万部越えを誇る著名なミステリー作家。亡くなる前の週に遺言を変更した。ゲーム好き。碁で負けそうになると盤を物理的にひっくり返して勝負をなかったことにするなど子供っぽいところもある。
ランサム
一族の恥さらし呼ばわりされているリチャードの息子。愛車はBMW。ハーランとは仲が良かったらしいがそれゆえ衝突も多かったようだ。人生をゲームとみなし後先考えない自由人。ハーラン曰く「昔の私によく似ている」。
リンダ
ハーランの長女。不動産会社を経営する業界の大物。「父と同じく0から築き上げて成功した」と話すが実際はハーランから100万ドルを借りて立ち上げている。
リチャード
リンダの夫だが浮気したことをハーランに知られ妻にばらすと宣告されていた。
ウォルト
ハーランの次男。父の作品の出版を手掛けていたが映画化の話を推した際、ハーランからもう手を引いたほうがいいと言われる。傍から見れば出版業界の成功者だが親族からは暇人と馬鹿にされている。足が悪いのか杖を使っている。恐らく監督の別作品『BRICK ブリック』に登場するとあるキャラクターのセルフオマージュ。
ドナ
ウォルトの気が小さい妻。
ジェイコブ
ウォルトとドナの息子。16歳。陰謀論に染まった、いわゆるネトウヨ。
ジョニ
今は亡きハーランの長男ニールと結婚した未亡人。ハーランにとっては義理の娘。スキンケア会社を運営するインフルエンサー。娘の学費はおろか自身の小遣いまで工面してもらってたくせにハーランを「私たち母娘には厳しかった」などと抜かす。娘の学費を二重に受け取っていたことがハーランにばれ来年以降の援助を打ち切られていた。
メグ
学費はハーラン頼みのジョニの娘にしてハーランの孫。母と違い純粋にハーランに感謝していたようだが誕生会は友達と別の約束があったため早めに抜けている。歳が近いのもあってかマルタと仲がいい。マリファナを愛用している。
エリオット警部補
地元の刑事。フィクション物はあまり詳しくない。
ワグナー巡査
エリオットの補佐を務める警官。ハーラン作品のファン。演じる俳優は監督作品の常連。
関連動画
関連リンク
関連項目
- ドーナッツ
- 間違い
- 毒を食らわば皿まで
- ジョセフ・ゴードン=レヴィット(他の監督作品同様今作にもちゃっかりカメオ出演している)
- ライアン・ジョンソン
- 映画の一覧
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