ナナ・テスカトリとは、モンスターハンターシリーズに登場する古龍種である。
漢字表記は「炎妃龍」。同じ古龍のテオ・テスカトルとはつがいの関係である。海外版の名称は「Lunastra」。
名前の由来はアステカ神話の「ナナワツィン(Nanāhuātzin, 「腫物に満ちた」という名を持つ太陽神)」+「テスカトリポカ(Tezcatlipōca, 「曇った鏡」という名を持つ夜の神にして最も力のある神格であり、アステカの人々に生贄を捧げることを命じた。また、ケツァルコアトルのライバルでもある)」から。
また、ナワトル語(アステカ人の言葉)で「神のキノコ(=マジックマッシュルーム)」と言う意味の「テオナナカトル」も両種の名前に入っている(アステカ神話、ナワトル語関連については「テオ・テスカトル」の項も参照のこと)。
ライオンのように見えるが実際のモデルはジャガー。これはアステカの5つの太陽の時代の中の、一番初めの時代「四のジャガーの太陽(四の土の太陽)」が由来かもしれない。ちなみにテスカトリポカのナワル(鳥獣に変身した後の姿)はジャガーであった。
概要
古龍種 | |
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ナナ・テスカトリ | |
別名 | |
別名 | 炎妃龍 |
登場作品 | |
モンスターハンターのモンスターテンプレート |
モンスターハンター2より登場。テオ・テスカトルと違い、外見は青を基調としており、また角の形状も大きく異なる。
MHP2G以前では一貫して討伐クエストは「村クエスト」のみ、すなわちソロ専用であった。その関係で上位個体はMHP2Gまで登場していなかった。
行動パターンは基本的にはテオ・テスカトルと同じ。ただ、作品によってはテオよりも低空飛行をする頻度が高かったりする。低空飛行中はクシャルダオラと同じようにブレスをはいたり尻尾で攻撃したりしてくるが、流石に地を砕いたり急旋回をしたりはせず、滞空時間もクシャルダオラと比べるとだいぶ短く、1、2回行動しただけで降りてくることが多い。
MHP2Gでは怒り時のみ尻尾での攻撃に爆発が追加される。この爆発は、尻尾を切れば起こらない。
オンラインゲームであるMHFにも登場しており、ソロ専用クエストとして配信されている。
ソロ専用ということもあり、モノブロス同様体力は他のモンスターに比べて低く設定されている。
MHW
モンスターハンター:ワールドにて、10年以上の長い年月が経ての復活となる。ベースはテオ・テスカトルとしているのは変わらないが、大きく変化が起きている。また、今作ではソロ専用ではなくなった。
テオ・テスカトルが爆破を中心に扱うが、こちらは熱やスリップダメージを扱うようになった。また、一部のモーションが新しくなっていたり尻尾攻撃の種類が増えたりして、今までとは別モンスターのような変化をし、よりテオ・テスカトルとの差別化が激しくなっている。
細かい判定で、テオよりも内側に判定が効くようになっているため、テオの癖が抜けないと内側で攻撃を食らうことがしばしばある上、全体的な行動スピードもテオより速くなっている。
ナナ・テスカトリの攻撃により青い炎が燃え上がるようになり、他の火属性攻撃で引火し、水属性攻撃で消化が出来る。この青い炎が燃えている間は平常の気温のフィールドでも、熱ダメージが発生してしまうため、このモンスターを討伐する場合はどこにいても耐熱の装衣やクーラードリンクを所持しておくのが望ましい。またこの青い炎は弾や矢を弾く性質がある。
メインシリーズでは初となる「待ち受け型カウンター」を習得しており、見た目は大きく隙を晒しているが、攻撃すると反撃モーションが発生し、放置しておくと咆哮をし、1段階形態が進行する。この行動はエリアの定位置で行うようになっている。
今作では、ナナ専用のスーパーノヴァのような技「ヘルフレア」を使うようになり、青い炎からは激しいスリップダメージと、爆発と風圧が発生し、テオとは異なり一発で仕留めるよりも複数のダメージで物量的に仕留めにくる攻撃となっている。また、これが終わるとテオのように爆発する。怒り状態の時に閃光弾を当てると強制的に発動してしまい、ヘルフレア使っている状態に閃光弾当てても発動を遅らせることが出来ても結局ヘルフレアが発動してしまう。
この技はテオ・テスカトルが同じエリアにいる場合、合体技を用いてくる。縄張り争いが発生した場合は問答無用でヘルフレアを発生させる。
今作のナナは、空中で閃光弾を当てても墜落しないようになっているため要注意である。このような閃光対策をするのもメインシリーズとしては初である。また、状態によっては閃光弾でヘルフレアを誘発することがあることに注意が必要。
斬撃での弱点判定は翼と尻尾になっている。打撃は頭、弾は頭と尻尾に割り当てられているため変わらないが、斬属性の武器で挑む場合は注意が必要である。
クエスト仕様
特別任務やフリークエストにて出現するナナ・テスカトリは、歴戦個体のナナとそう強さが変わらないどころか、むしろ歴戦個体のが楽とも言われることがあるレベルである。(どうしてこうなった)
実際にフリークエストの個体は体力が1.5倍になる補正がかけられていることが「狩王決定戦2018札幌大会」のコメンタリーにて判明している。体力の高いフリークエスト個体と火力の高い歴戦個体ということになる。
プレイヤーは初めてナナと戦う場合苦戦を強いられる上に、旦那であるはずのテオ・テスカトルがまるで守ってもらう側のような絵図になってしまう。
後に追加された歴戦王個体では、ヘルフレアが超強化されている。
MHW:I(マスターランク個体)
基本的にVer6.00以前と仕様が変わらないが、閃光耐性の仕様が他と統一されて閃光撃墜が可能になっているため、この側面に関しては弱体化している。ただし、ヘルフレアを誘発してしまう場合があることについては変わらないので注意が必要。
ヘルフレアのダメージが歴戦個体と同様で、転身の装衣が仕様変更されて自動回避が発動すると転身の装衣の効果時間が短くなるためこれまで以上に注意が必要。
また、新技として小型のヘルフレアを前方に放つ技「フレア」を習得している。一時期この技を導きの地の個体のみ使用してこない不具合があったが、Ver12.01で修正された。
MHF
MH2続投組。
MHF-G6(2014/11/19)で特異個体実装と同時にG級対応。難易度は★7。G9.1現在ドス古龍では唯一となるG級進出。
剛種が基準となっており現役時代の剛種同様とても手強い。
ハンターの頭上に移動した後旋回ブレス→着地して自身の中心からやや右後ろを粉塵爆破してくるという新技がある。
連撃が怖いが防御力は機能する相手であり、
適正防御でのGナナ≒凄腕装備でG9.1より前の剛ナナらしい。
G渇愛と呼べるG級武器の片手剣も存在。G50の属性値は2300(+200)だが切れ味や物理攻撃力がG級に相応しくなっているほか、シジルによってリーチや属性値を強化できるため強力なことに変わりはない。
また、剛種特有の属性マイナス肉質が無くなっているものの頭と尻尾以外の肉質の大半は10、15しかないため攻撃があたってもカスダメにしかならない。この肉質を他のモンスターで例えると「頭と尻尾以外は硬化中ミラルーツと変わらない肉質」なのである。
ここまでガチガチになってしまった理由は定かではないが、実装当時強すぎて一強状態となっていた穿龍棍への対策が原因だと言われている。
余談だが、G5.2のモノブロス同様長い間空気化していたためソロ専用であることを知らずにクエスト募集したハンターがちらほらいた。
その上公式のPVのG級ナナのシーンに複数のハンターが映っている(動画は発覚後削除され修正された)ということまであったため、運営も忘れているんじゃないかとまで言われた。
剛種
MHF特有の「剛種」カテゴリの中にもナナは存在する。シーズン6.0(2009年10月7日)に実装された。
他の剛種と同様の仕様変更(肉質や攻撃力の変化)に関して渇愛し、特徴的な部分のみを箇条書きで紹介する。
- サイズが非常に大きい(確実に金冠サイズ。最大で2,800cm以上=金冠ラインの1.2倍近いサイズが出ることも。)
- 怒り時の行動速度が異常に速く、非怒り時の2倍近くまで加速する(通称ターボナナ)
- HP60%未満になると、非怒り時に攻撃を一回当てただけで怒り状態へ移行する
体力はソロ専用だけあってテオ・テスカトル剛種比の三分の一強だが、剛テオにはない上記3点の特徴とソロ専用という条件のせいで一度被弾すると突進の連続でサッカーボール状態となってしまい難易度は夫を余裕で超えていると言われることが多い。
G9.1で攻撃力などに調整が入って多くの剛種が弱体化したが、ナナに関しては大きさやターボなどがそのままなので連撃を受ければ攻撃力低下など関係なく死ねる。
作れる剛種武器も高性能。旦那の片手剣の属性値が火700(代りに強化派生が存在し物理ダメージと併せればこちらも優秀)なのに対し、ナナのリーチ短片手剣である「炎妃剣【渇愛】」の属性値はなんと火2100である。
多くのミラルーツやミラバルカンが怯み続けながら焼き殺され、グレンゼブルの足に火が通らないのは渇愛のせいと言われていた。
剛種武器止まりながら火が通る相手なら話は別であり、再び属性が有用になったG級序盤でも一部で活躍した。
また、かつては凶悪な性能と素材の需要から煙玉や距離を使ったスナイプが存在した。
しかしながら、煙玉の効果や毒麻痺弾の仕様などが変更されて廃れており、
現在残っているのはエリアイン→排熱噴射機構3回で倒しきるという方法のみ(頂上の手前に戻るために2回デスルーラするので3乙の危険がある)。
このことから剛種のつがいはおそらくカカア天下じゃないのだろうかと言われている。
夫は夫で覇種への進出を果たしているが(その生息地は普段現れない+剛ナナの戦闘エリアである塔の頂上)。
特異個体
長らく忘れられていたナナだがMHF-G6(2014/11/19)に登場した。
珍しいことにランクによって特性が変わっており、剛種までは不評点を改善したもの、G級では剛種を更に凶悪にしたものとなっている(インタビューによると意図的な調整らしい)。
新技の3連突進やサマーソルトに、火炎放射やピンポイント爆破など強化されたモーションもあるが、
通常個体にあった怒りキャンセル突進が削除されたり、突進頻度が大きく抑えられて前述の通り剛種までは戦いやすくなっている。
しかしあくまでこれは剛種、つまり数年前のエンドコンテンツで現在ではMHFのスタート地点とされているランクであり、この時点ではまだナナは本気を出していない。
彼女が強さを発揮するのはG級である。G級特異個体ナナは剛種までにあった威嚇がオミットされており、更に突進頻度の上昇や怒り移行時に周囲に粉塵爆発が起こる仕様となっており、通常個体にあった隙を潰すことによって攻撃に特化している。
一番厄介なのはこれがナナ・テスカトリ、つまり一人で挑まなくてはならないということ。必然的に必ずヘイトがこちらに向かってくることになるし回復の隙を誤まると大ダメージを食らってしまう。
そのため基本低打点の頭を狙うことになるが、正面に立つということは突進などの攻撃を喰らい易いということで危険も伴ってくる。そのため一撃離脱が得意な大剣とハンマーが相性がいい。
関連動画
関連項目
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