\フタエノキワミ、アッー!/
フタエノキワミ、アッー!とは、アニメ「るろうに剣心」の英語版において、登場人物の一人の相楽左之助が叫んだセリフである。
本来の「二重の極み」について知りたい方はこちらへ→二重の極み
概要
全ての発端は2007年4月2日に投稿された動画「るろうに剣心 英語版」(現在は削除されている)。大ヒットアニメ「るろうに剣心」の登場人物の英語吹き替えが日本語版とあまりにもイメージの違う声であり、かつ劇中の固有名詞を無理やり発音しているため違和感が凄まじく、視聴者に衝撃を与え、ひそかに人気を博した。
どんな感じかというと、大元の日本語では「二重の極み!てやあぁー!」といったん区切る形なのだが、英語の方ではカタゴト気味に「フタエノキワミィAAGGHH!」と続けざまに発音している。
やたら野太かったり、吹っ飛ばされたあとにあぁんと吐息が漏れるといった、元の日本語とはギャップが大きいところもネタとして拾い易かった。
2007年8月24日にはそれら英語版の台詞を使ったMAD動画 「マコトシシオは大変なものをフタエノキワミ、アッー!(動画版)」(現在は削除されている)が投稿され、台詞に様々な空耳がつけられ人気となり後のるろうに剣心アニメ海外版の空耳ブームの発端となった。
そして2007年9月4日に、英語版に加えて南米系スペイン語・ポルトガル語・南米系ポルトガル語版と日本語版のるろうに剣心の同じシーンの吹き替えを集めた動画「各国の『フタエノキワミ、アッー』を検証してみる」(現在は削除されている)、および2007年9月8日に「各国の『ヒテンミツルギスタイル』を検証してみる」 (現在は削除されている)が投稿されると、コメント職人達によって数多くの爆笑空耳字幕やAAコメントが付けられ瞬く間に大人気となり、当時の総合ランキングでも上位になり多数の派生動画も投稿され、元動画はもちろんその派生動画なども軒並みミリオン以上の再生数を記録するなど、当時のニコニコ動画全体で大変な人気となった。
「フタエノキワミ、アッー!」は、それらを代表する特に有名なセリフであり、通称の「フタエノキワミ」はこの動画のMADを指すタグとしても機能していた。また、前述の動画はニコニコ動画RC時代を代表する作品の一つに数えられている。
→RC時代の豪傑
相楽左之助も含め、他の登場人物(緋村剣心、志々雄真実、斎藤一、四乃森蒼紫、佐渡島方治など)の海外版における演技を比較する検証動画(一定のシーン・区域を用いて各国の各人の発言を吟味する動画)における空耳の完成度、カオス度合いは各所で高く評価され、最初の4カ国語5種類版に加えて、新たに別の言語版を追加した動画も生まれていき、最終的には本国スペイン語版・韓国語版・台湾系中国語版・香港系中国語版・タイ語版・ギリシャ語版など計16カ国語以上にまで増えるほど広がりを見せた。
また、その空耳を使った音MAD作品も非常に数多く作られ、各キャラクターの頭を無理やり元キャラにくっつけたやっつけコラサムネの破壊力もあって人気を博した。
「きしめん」ことNursery Rhyme、レミオロメンの「粉雪」も当時非常に流行っていたコンテンツであり、これらの人気動画ネタは即座にコラボしたMADが製作されるのが当時のニコニコ動画の風潮だった。
「ニコ厨」の象徴的単語
この動画が投稿された当時はニコニコ動画の黎明期かつニコ動ユーザ数が急激に膨張していた時代であり、大量の「ニコ厨」を生んだ時期でもあった。彼らはネット中で所構わずニコニコ動画での人気ネタを叫び続け各地で顰蹙を買ったのだが、彼らの象徴的なキーワードの一つがこの「フタエノキワミ、アッー!」であり、当時このネタがいかにニコニコで流行っていたかが伺える。
はじめて2ちゃんねるにきたんですけどここって凄いですね
ニコニコも面白いですけどここも面白いですw
ヨロシクノキワミ、アーwwwwwwww
このような、無自覚に2chを荒らすニコ厨を端的に表すコピペにも「フタエノキワミ」ネタが見られる。
また、当時の外部サイトにおいてもフタエノキワミ、アッー!に関するキーワードは多く、ネット文化の一世を風靡したニコ動文化の一つとされている。
一斉削除
しかし、2008年3月末から4月初旬にかけて、「権利者」と名乗る正体不明の人物あるいは集団によって、検証動画やMAD動画が一斉に削除され、数多くのキワミ動画がニコニコ動画から姿を消した。
一方で、「墓参り」と称して、あたかも先祖の墓に参りに行くかのように削除された動画へ訪れる現象も生じた(もっとも、これはフタエノキワミ系のMADに限った話ではなく、削除された人気動画全般に言える)。
この大量削除をきっかけにフタエノキワミMADの動画総数、及び投稿数は激減、一大ブームは去ることとなる。現在では、フタエノキワミネタが流行った07~08年頃を知らないユーザがニコ動ユーザの多くを占めるようになったこともあり、このネタはその頃を懐かしむ古参ユーザのものとなりつつある。
ちなみに動画を権利者削除していた張本人は「株式会社フジテレビジョン」である。
(まだフタエノキワミは)終わっちゃいねぇってんだよ!
権利者による一斉削除以降は、「フジテレビの映像をそのまま使っていなければ大丈夫」という理論から、ブーム当時の名作も含め、フタエノキワミ動画はモザイク加工などの削除対策処理を施すか、手描きMADとしてうpされるようになった。
また、フタエノキワミ、アッー!関連動画には直接的な表現を避けるためか「KYM」のタグが用いられるようになる。
そして何よりも、手描きMADはいずれも消されずに生き残ったことから、フタエノキワミ動画は映像を全て手描きで再現したもので構成さえすれば削除されないのでは、という理論と希望の元、多くの手描き職人(→手描キワミスト)の謎の努力により、検証動画や有名シーンの再現が進んでいる。
今では、新たに投稿されるフタエノキワミMADの映像のほぼ全てが、有志の手描き職人による手描き再現素材で構成されたものとなっている。
なお、手描き素材は全てCCOペディア(フタエノキワミ、アッー!まとめwiki)にて管理、配布されている。ニコニコ動画に見当たらない場合にはこちらを参照のこと。
なお、2017年の「るろうに剣心 北海道篇」の連載前の原作者和月伸宏のインタビューにおいて、本MADシリーズの存在を存じ上げていることが判明。
「いやあ、もう当時は大笑いでしたよね。俺は基本的に楽しんで貰えればオッケーって人間なんで、俺も楽しいし、みんな楽しいんだったら全然オッケーですよ」と述べており、非常に好意的に捉えてくださっていたようである。但し、権利関係についてはキチンと集英社に問い合わせを、とも付け加えていた。
関連動画
手描きなら大丈夫という魂胆によって復活した、削除された人気MADや検証動画を再現した動画たち。
検証シリーズ
MAD・派生作品
関連動画記事
関連静画
登場人物(ニコニコ大百科内に記事が存在している人物)
- 相楽左之助 ( ´゚д゚`) (キワミ、KYM)
- 緋村剣心 (´・ω・`メ) (罵倒斎、働きたくないでござる!)
- 四乃森蒼紫 (AOC)
- 斎藤一 (ヽ^ゝ^)
- 志々雄真実 ( `゚益゚) (CCO)
- 佐渡島方治
- 駒形由美
- 瀬田宗次郎
- 悠久山安慈 (アンチのフタエノキワミ)
- 魚沼宇水
- 本条鎌足
- 石動雷十太
- 鵜堂刃衛
- 神谷薫
- 明神弥彦
- 巻町操
- 大久保利通
- 西脇 (ツエェ…)
主な空耳(ニコニコ大百科内に記事が存在している空耳)
- フタエノキワミ、アッー!
- 強姦パウダー
- ゴブリンバット!
- おk!タコスタイム!
- 高性能ばあちゃん
- の、ノーパンスタイリスト!
- 支店を板に吊るしてギリギリ太るカレーセット(ギリギリ太るカレーセット)
- ォレハオワリカョ・・・
- 犯人は節子
- 大蛇☆
音MAD動画に関する単語
関連項目
- るろうに剣心
- フタエノキワミ
- 検証シリーズ
- KYM
- The Last Wolf Suite~志々雄真実の組曲~
- キワミオールスター
- キワミスト(キワミ四天王、キングオブキワミスト)
- 和月伸宏
- レックス・ラング
- RC時代の豪傑
- 空耳 / 空耳の一覧
関連リンク
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