メドローアとは、ダイの大冒険及びドラゴンクエストシリーズに登場する呪文・技である。
最初に登場したのはダイの大冒険のオリジナル呪文としてで、このページ内で「原作」と出た場合はそちらを指す。
ダイの大冒険
ポップの師匠である大魔道士マトリフが独自に開発したオリジナル呪文。
本編時間から17年ほど前、アバンはハドラー(魔王時代)の暴虐を止めるべく「凍れる時の秘法」を使ってハドラーを封じ込めたが、アバン自身も呪文行使へのレベルの不足から、もろとも時間凍結にとり込まれた。その顛末を「ただ見届けることしか出来なかった」マトリフは、自らの無力への嘆きと「大魔道士」としてのプライドを投じて、この呪文を独力で編み上げた。
「凍れる時の秘法」で時間が止まっている物体に対しての攻撃を念頭に開発されたからか、時間の止まった物体に影響を与える事が出来る唯一の方法。時間が止まった存在はアストロン系の呪文がかかった者と同様、いかなる物理的・魔術的干渉も受け付けないが、このメドローアだけは「例外」である。
その原理は、メラ系とヒャド系は破壊のエネルギーをプラスで与えるかマイナスで与えるかが違うだけで同じ系列の「熱の力を操作する呪文」である(そのため、メラ系・ヒャド系単独での極大呪文が無い)という理論の元、熱のプラス(メラ系)と熱のマイナス(ヒャド系)の魔法力をスパークさせて「熱の無」、消滅の力を生成し、光の矢のように束ね、射放つ呪文である。
具体的効果としては、劇中の描写から見るに光の柱が撃ち放たれ、それが通過した軌跡には恐ろしいことに何もなく、完全に消滅。効果範囲は3~40m程であり、劇中で小山が爆発も炎焼も起きず、消えていた。
この呪文がメラ系・ヒャド系の極大呪文となる。
初登場はダイの大冒険18巻。
全く呪文が効かないオリハルコンで生み出された敵が登場し、その対抗策としてマトリフがポップに伝授した呪文がメドローアであった。
その伝授の方法も凄まじく、何とマトリフが射ったメドローアをポップ自身のメドローアで相殺させる、つまりポップは相殺に失敗すれば消滅してしまう、というものであった。マトリフ曰く、「センスの無いやつには一生できない」とのこと。
最初ポップはよけて逃げようと考えるが、マトリフが自分のために命を削り、吐血しながらも呪文を射とうとしている様を見て、「こいつをよけたら、二度とあの人を師匠と呼べない」と、受ける決意を固める。
一応は相殺に成功するものの、ポップは元々メラ系の素養の方が高く、ヒャド系とのバランスが取れていなかった為、受け止めている途中でヒャド系を出している右腕が燃え出してしまい、その後の使いこなすまでの特訓でも右腕に何度も火傷を負うこととなる。
以後はポップの切り札的な呪文となる。しかし、その一撃必殺性のためか、実際敵に当たったことは少ない(というか、当たれば決着。メドローア対策が無い者は、その場で終了だったのだ)。
作中で、ポップまたはマトリフが敵にメドローアを放ったシーンは以下の通り。
- 対ハドラー親衛騎団(ポップ)
完全に虚を突いて放たれ、親衛騎団を一網打尽にするかと思われたが、ブロックの捨て身の行動によりブロックの背中を削り取っただけで終わる。
ただし相手を絶命させられていないだけでブロックは戦闘不能に追い込まれており、ひいては親衛騎団も撤退しているので、狙いとしては成功の部類。 - 対老バーン(ポップ)
一撃必殺で老バーンに向けて発射されたが、老バーンのマホカンタにより難なく反射されてしまう。ポップはメドローアをもう1発使う事で相殺した。 - 対シグマ(ポップ)
普通に撃ってもスピードで避けられてしまう、仮に当たってもマホカンタの効果を持つ「シャハルの鏡」で跳ね返されてしまうという相性最悪の相手に対し、壮絶な頭脳戦の末にシャハルの鏡を剥ぎ取った上でメドローアに似せたように調節したベギラマを囮に使い、見事ど真ん中に命中させ胴体を消し飛ばして勝利。 - 対ミストバーン(闇の衣開放状態)(ポップ)
ミストバーンに捕まったビーストくんごとメドローアで消滅させると見せかけてルーラで追い抜き、ビーストくんを救出すると共にミストバーンをメドローアにぶつける作戦に出たが、フェニックスウィングにより逃げたポップの方向に跳ね返される。
フェニックスウィングという技の存在自体が想定外だったこと、ビーストくんを抱えていたこと等から防御すらできず、一時はポップが消滅してしまったのかと思われていたが、アバンに救助されていた。 - 対真バーン(ポップ)
天地魔闘の構えの隙を見極めるための波状攻撃の最後に放たれる。技後の硬直で固まるバーンにあわや命中するかと思われたが、寸でのところで硬直を脱したバーンが何とかフェニックスウィングで反らして回避。対ミストバーン時には撃った側、しかもメドローアをルーラで追い抜いて逃げた先に正確に跳ね返している通り、フェニックスウィングは本来任意の方向に跳ね返せる技であり、本当に間一髪だったことがうかがえる。
直撃してバーンが消滅していればそれに越したことは無かったとは言え、真の狙いはバーンの硬直のタイミングをダイに見切らせるための捨て石であり、その目的は十分に達成されている。 - 対ジャミラスのようなモンスター(マトリフ)
世界各地のピラァ・オブ・バーンに搭載されている黒の結晶を凍らせて回る際、そのうちの一つを防衛していたモンスターに向けて発射。
ただの雑魚でありメドローアでなくとも倒せた可能性が高かったが、「時間がねえんだ、てめえが消えな」とのセリフの通り、1秒を争う事態の中でモンスターは一瞬で消滅。 - 対バーンパレス魔力炉(ポップ)
魔力炉の中に落とされたポップが、脱出するために魔力炉内壁に向かって発射。しかし魔法力自体を吸い込んでしまう材質のため、一切の効果を発揮する事無くメドローアが消滅。
バーン戦直後だったこともあり、ここまでで相当魔法力を消耗していたポップは、ここにきてのメドローア使用でフラついて倒れかけるほどだった。
攻撃力の面だけを見ればドルオーラと並んで最強の呪文(ドルオーラが時間の止まった存在を滅ぼせるかどうかは不明である)だが、その威力が弱点にもなり得る。
あくまで魔法力のみによる純粋な呪文であるため、対魔法力系の対抗策が普通に効いてしまう。
特に、上記の対老バーンや対ミストバーンの例に見られる通り、魔法反射系は致命的。一撃必殺であるが故に、反射された時の危険は他呪文の比ではなく、マトリフもこの事を忠告をしていた。
また、魔法力消費が異常に大きいのも難点。
メラゾーマを20発以上余裕で撃てるポップでも、「勇気」の心覚醒以前は2~3発しか射てなかったとの事である。
(ダイの大冒険21巻の巻末スペシャル・キャラクターQ&Aコーナーより)
この莫大な魔法力消費からか身体的負担も大きいようで、マトリフは撃つ度吐血しており、ポップも射った後よろめいたことがある。
連載200回記念の技人気ベストテンでは2位のアバンストラッシュ(ダイ)を抑え、1位に輝いている。
(ただし、「ダイのアバンストラッシュ」と「アバンのアバンストラッシュ」が別々にカウントされており、この2つが同じ技という事で票を纏められた場合は負ける。)
ドラゴンクエストモンスターズ2
「きょうりょくプレイ」での連携特技として登場。組み合わせはメラゾーマ×マヒャド。
敵1体に約700~900もの大ダメージを与え、原作に準じた一撃必殺の威力と言える。エフェクトもほぼ原作と同じ。
ちなみに、このゲームの連携特技には他にもダイの大冒険オリジナルで登場した技がいくつか登場している。
ドラゴンクエストモンスターズ1・2 星降りの勇者と牧場の仲間たち
基本的にドラゴンクエストモンスターズ2と同じだが、自分の仲間同士の連携で出せるようになった。
エフェクトは、炎と氷を融合→光の柱が突き上げる、といった感じに変わった。
ドラゴンクエストモンスターズジョーカー2
裏ボスのオムド・ロレスが使用する。メドローアを覚えられるスキルは「闘神レオソード」「神鳥レティス」「まほうつかい」。無印ではAIが使用しなかったが、プロフェッショナル版では使うようになった。
ドラゴンクエストソード仮面の女王と鏡の塔
ディーンとの合体必殺剣として登場。
ディーンが放った炎と氷を∞の形に剣(Wiiリモコン)を振って合成し、突きを放って発動させる。
呪文ではなく剣技の系統で、見た目も炎を纏った氷の塊となっており、原作のメドローアとは大きく異なる。
炎と氷の融合技という点から来ているのだろう。一応、ディーンの炎と氷の出す手は原作と同じ。
ちなみにギガスラッシュと同じ威力(190)である。
ドラゴンクエストモンスターバトルロード
チャレンジバトル(2Pプレイ)での究極必殺技として登場。組み合わせは炎系統+氷系統で多数存在。
エフェクトは、炎と氷の力を融合させ作り出した光の力が、閃光となり上方から敵をなぎ払う、というもの。
光呪文で極大消滅呪文(消滅させないが)と、限りなく原作と同じ設定になっている。
ドラゴンクエスト11
勇者とベロニカの連携に存在する、もちろんメラゾーマ×マヒャドで全体攻撃。威力は二人の魔力依存ではあるが最大でも精々ベロニカのイオグランデ(最高で700程度)よりやや強い程度(最大でも800~900とかそんなもん)なのでダイ大の設定で考えると(弱くはないが連携という手間を考えれば)見掛け倒しと言えるが、強いてメリットを言えばこれ自体は属性が無いためイオ系やメラ系などの「耐性」がある敵にも安定してダメージを与えられる。
ドラゴンクエストライバルズ
魔法使いの必殺技として登場。敵全体に3ダメージ与え、これで倒した相手は消滅させるため死亡時効果の発動も発動させない。原作通り跡形もなく消し飛ばす効果となっている。
単純な比較はできないが無条件で敵全体に3ダメージ与えるイオナズンがコスト7に対しこちらは4。
必殺技なのでテンションがMAXでないと発動できないが、テンションを上げる応援カードなどを併用すれば発動自体は比較的容易。
ドラゴンクエスト10
Ver.6.3で実装。魔法使いの新必殺技として登場する。前方直線上に攻撃魔力依存の無属性ダメージを与える。使用には特定のクエストをクリアする必要がある。呪文ではなく必殺技であるため、マホカンタや呪文完全ガードの影響を受けない。
ゲームに先行する形でコミカライズ版の「ドラゴンクエスト 蒼天のソウラ」にも登場。こちらではメラ生成・ヒャド生成・融合・発射の4工程をそれぞれ1人ずつ分担し、合計4人で放つ大呪文となっている。壁を貫通する破壊力を持ち、マホカンタに弱いなどダイ大のメドローアに近い性質を持つ。
その他
某ゲーセンに生息する魔法戦士がごく稀に使う大魔法をこの名でよぶこともある。
「メドローア」タグ
メドローアのそものが登場する動画やメドローアを連想させる(炎×氷等)動画、合うはずのないものをうまくあわせた動画に付けられる場合がある。
関連項目
- 23
- 0pt