剣の街の異邦人とは、株式会社エクスペリエンスが開発・発売したダンジョン探索型RPGである。
「剣の街の異邦人 白の王宮」(及びその英語ローカライズ・改修版であるStranger of Sword City、以下SoSC)と「剣の街の異邦人 黒の宮殿」(及びその改修版である「新釈・剣の街の異邦人」)の2バージョンが存在する。
プラットフォームは前者はXbox360・PC、後者はPlaystation Vita、SoSCはXbox One・PC(Steam)。
概要
Xbox360版「~白の王宮」が2014年6月5日発売。PC版が同年8月22日発売予定。
PS Vita版「~黒の宮殿」が2015年1月22日発売。「新釈~」が2016年7月21日発売予定。
Xbox One版SoSCが2016年3月24日発売。Steam版が同年6月7日配信開始。
成田空港を飛び立った国際線旅客機は、太平洋上で忽然と姿を消した。機体は発見されることはなく、乗客は絶望的とされていた。
機上の人であった筈の主人公は、見たことも無い古めかしい廃墟の中で目を覚ます。
同様に何らかの理由でこの街に飛ばされた「異邦人」の仲間達と共に、主人公は元の世界に戻るための戦いを始める…
本作は、Wizardry等に代表される、自由に冒険者を作成して育成し、3Dダンジョンを探索するタイプのRPGである。エクスペリエンスが得意とする「学園Wizardry」風世界観こそ採用されていないが、同社が発表した「円卓の生徒」「デモンゲイズ」と世界観を同じくする作品であり(作中時代は「円卓の生徒」と「デモンゲイズ」の間とされる。ただし舞台はアルダ大陸でもミスリッドでもない)、「円卓の生徒」トリロジーの最後を飾る作品とされている。
元々は「円卓の生徒 The Eternal Legend(「円卓の生徒」のPSP版)」「デモンゲイズ」と並ぶ、KADOKAWA DRPG PROGRESSシリーズの一作であったが、諸事情によりDRPG PROGRESSシリーズからは外され、エクスペリエンスが自らパブリッシュも務めることになった。
「白の王宮」(及びSoSC)と「黒の宮殿」は、エンディングの解釈の一部変更、クリア後に開放されるダンジョンの種類、一部血統種の差し替え等の違いがある。「黒の宮殿」は「白の王宮」に寄せられた感想を元に再調整も行われているが、主要なものは「フィードバックパッチ」で「白の王宮」にも反映されている。
また、「新釈~」では新職業「クロッカー」「人形使い」の追加、転職制限の撤廃とそれに伴うスキル上限数の削減(最終的にどんなキャラも同じような構成になるという批判への対応と思われる)などのキャラクター育成方法の変更などが行われている。
"エクスペリエンスからの挑戦状"
ダンジョン探索型RPGに不慣れなプレイヤーでも遊びやすい調整となる傾向がある「円卓の生徒」シリーズにおいて、しかしながら本作はシリーズのみならず、エクスペリエンス製DRPGでも特に高難度の調整である、とされている。本作を高難度にしている要素としては色々あるが、一番の特徴は「生命点」制度の存在であろう。
本作のキャラクターは、ある例外を除いた全てにおいて「生命点」(L.Point)というパラメータが用意されている。これは通常の生命力(HP)とは別にそのキャラクターの生命力を表しているパラメータであり、死亡することで1ポイントを喪失する。そして生命点が0になると、そのキャラクターはその瞬間に「蝶になって消えて」しまう(いわゆるロスト)。消滅してしまったキャラクターはいかなる方法を用いても取り戻すことができない。生命点の所持数はキャラクターの年齢で変化するが、最も多くなる10代(ただしキャラクター性能が低くなる)の設定でも「3」、キャラクター性能が高くなる60代以降では「1」しかない(=死亡したら一発でロストする)という状態になる。生命点の回復は可能であるが、そのためには数万単位で血晶(お金)を払うか、「療養」でかなり長い期間パーティーから離脱させなければならなくなる。これにより「死亡」することによる、いわゆるデス・ペナルティがきわめて重く設定されている。
本作のキーワードは「死と"消滅"に抗うDRPG」とされている。とにかく死なないこと、死を回避するためにどのようにキャラクターを育成するか、どのようなリスクマネージメントを行うか、ということについて、従来作以上に神経をとがらせ、緊張感を持って挑むことが要求されるのである。
主な登場人物
比較的序盤に登場する人物について簡単に述べる。キャラクターイラストは塚本洋子と風間雷太。SoSCでは「東京新世録」シリーズの沖史慈宴によるリメイク版ポートレートと切り替え可能となる。
主人公
名前・性別・年齢は自由に設定可能(種族はヒューマンで固定)。本作の主人公。
「純血晶」を取り出して「血統種」にトドメを刺すことができる「選ばれし者」の才能を持つ人物の一人である。生命力が沸きあふれる特殊な魂を持っており、死亡しても生命点が減少しない(上記生命点の説明における「ある例外」がまさにこれである)。
機上の人であったが旅客機消失事件に巻き込まれてエスカリオに流れ着き、異邦人として戦いの日々を送ることになる。
プレイヤーの写し身でもあるため作中では彼(彼女)の発言は登場しない。時折登場する選択肢の選択が発言の代替である。
リウ
CV:三浦綾乃。異邦人。本名 月貞理羽(つきさだ りう)。セーラー服の上からプロテクターを付けたような出で立ちの少女。
「異邦人ギルド」の副団長(団長は行方不明であり、事実上のリーダー)。「純血晶」を神の許へ送る能力を持った「器の者」の一人であり(彼女は中立の神・オブリスに対応)、主人公がエスカリオにたどり着いてから初めて出会った「異邦人ギルド」のメンバーである。
年頃の少女であるが身だしなみに無頓着(当人いわく「着飾った所で途中襲撃されれば血糊を浴びるのだから同じこと」)で、その件ではアンナにしょっちゅうシメられている。
マリリス・クライバウム
エスカリオを事実上統治している王宮騎士団の神官。光の神・フェニックスに繋がる「器の者」。
リウとは親しい仲であり、彼女とは気さくに会話する姿も見られる。
アルム・メデル
貧民街を事実上統治しているメデル商会の若き当主。闇の神・オル=オーマに繋がる「器の者」。
生まれつき虚弱な体質であり、呼吸器なしでは満足な活動ができない。このため異邦の技術に強い憧れがある。
自らも機械技術に長け、作中では機械兵を自ら調整する姿が見られる。
キョウ
CV:平辻朔耶。異邦人。本名 唯光響(これみつ きょう)。赤い鎧に身を包んだ戦士。
「異邦人ギルド」のメンバーの一人であり、ギルドでも指折りの実力者である。
アンナ
「異邦人ギルド」のメンバーの一人。彼女自身も「選ばれし者」であるが、戦闘は得意ではなく、専らサポートメンバーとして冒険の手助けを行う。
グルルバ夫人
CV:竹内裕美。エスカリオ人。
「異邦人ギルド」の居住区を管理しているミグミィ族の夫人。死亡した場合の蘇生措置や療養なども彼女に頼むことになる。
ギリウス
CV:遠野志貴(某ノベルゲームの主人公ではない)。エスカリオ人。フルネーム不詳。
「異邦人ギルド」で商店を経営しているドワーフの男性。厳つい容姿に気むずかしい性格の持ち主ではあるが、面倒見は良い。
ヘルガ・ヒルブラス
CV:秋菜。エスカリオ人。
王宮騎士団をたばねる総長。「女騎士」を絵に描いたような堅物である。
レイネーリア・ディースリン
CV:中恵光城。エスカリオ人。通称レイン。
メデル商会にてアルムの側近を務めるエルフの女性。いわゆるダークエルフの容姿であるが、本作世界観においてダークエルフが種族として存在するのかどうかは不明である。
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- ページ番号: 5239110
- リビジョン番号: 2423420
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