小峰徳司(こみねとくじ、あつし説も)とは、『スーパーロボット大戦K』や『ルミナスアーク』シリーズのシナリオを手掛けた事で知られるゲームシナリオライターである。
概要
フリーのシナリオライター。かつてゲームシナリオ製作会社である『シナリオ工房月光』に所属していたという説があるが、当時担当していたとされるゲームのスタッフロールにも名前が載っていない等、根拠に乏しい。一部では小峯徳司(ビショップ小峯)との同一人物説があるが、こちらも根拠は薄い。
作風としては、「想いの力」、「自分の仲間に絶望する味方」を前面に押し出す展開のみが見受けられる。
語彙の少なさや文章力の低さが目立ち、ライターとしての評判は非常に悪い。その割に有名作品のシナリオを手掛ける事が多く、そのいずれもがファンの不評を買っている。「本名で呼ぶほど親しめない」という理由から、2ちゃんねる等ではkmnという蔑称で呼ばれる。
スーパーロボット大戦Kの悪評
小峰の悪名が一躍知られるようになったのは『スーパーロボット大戦K(以下『K』)』でのシナリオである。
現在は携帯機を主なプラットフォームとするスパロボだが、据置き機でスパロボが発売されていた時代から携帯機スパロボは一定のファン層を持っていた。据え置き機ではやりにくいクロスオーバーやマイナーな版権作品を取り上げる等実験的、意欲的なタイトルが多く、根強い固定客を得ていたのだ。
問題の『K』は当時『Z』が現在も続く賛否両論を巻き起こす最中に発売された。しかし携帯機前作の『W』は概ね評判も高く、『OG外伝』での疑問の残るストーリー改変から、それまで酷評される事の多かった『R』が再評価され始めるなど(『R』はGBAで発表された作品で、『OG外伝』は『R』の主人公を含むバンプレストオリジナルキャラクターだけでストーリーが展開する)、携帯機スパロボの新作に対する期待が高まっていた時期でもあった。
だが、そんなファンの期待を無残に打ち砕いたのが小峰シナリオの『K』である。原作とあまりにかけ離れた参戦版権作品キャラクターの描写、矛盾点や説明不足が多いストーリー展開、そしてオリジナル主人公であるミスト・レックスの問題言動の数々。これら全てが批判の的となり、スパロボファンの信頼を大きく損ねる事となった。
- スパロボシリーズにおける普通のエンディングであるにもかかわらず、『蒼穹のファフナー』が原作を無視した『全員死亡確定エンド』となる。(原作のTVシリーズ最終回では明確に描かれている訳ではないが、「治療をすれば治る」という希望が持てる内容である。しかし今作では小峰氏の勝手な解釈で「どうせみんな死ぬ」というお通夜ムード満点の内容である。当然ながら他作品のキャラクター達は希望に満ちた結末を迎えているので、ファフナー勢だけが異様な雰囲気のまま退場となる)
ちなみに隠し条件を満たし本来シナリオ上で死亡するキャラを全員生存させる為には、『スパロボJ』におけるグレートゼオライマー入手以上に厳しく長期に渡るフラグを立てる必要があるのだが、それだけのフラグを立てた生存エンドでも『全員死亡確定エンド』を迎えるのは変わらない。 - ファフナー組の生存理由も「ガンソードの(ネタ)チートキャラ、カイジに丸投げ」という安易極まりない物である。その上、整合性が全く取れてない(死亡場所がまちまちなのにほぼ全員海で拾われて助かったことになっている、ガンソードはファフナーとは違う星でストーリーが展開されてるのにカイジはなんの前振りも説明も無くファフナーのいる地球に現れる)ため、カイジのチート性を持っても「仕方ない」で済ましきれない状態に陥ってしまっている。
- プレイヤーをひたすら不愉快にさせる、主人公、ヒロイン、版権キャラの言動。「仲間が死んでも宴会を開く」「版権キャラに裸踊りをさせる」「仲間の陰口を叩くシーンが多い」等、人間性や倫理観を欠いた描写の多さ。
詳細は→ミストさん - 多くのキャラを出せばいいと思ったのか、ひとつの部屋で30人もの人間が会話しているシーンがある。据え置き前作の『Z』では、主人公のひとりであるセツコ・オハラの部屋に約20人ものキャラクターがいるという描写があったが、それをも越える人数の多さである。さらにアークエンジェルのブリッジには40人強(隠しキャラ除く)を詰め込んだ。
- クロスオーバーと呼ぶには疑問の多い妙なカップリングを組み合わせる。
- 何故か最後のルート分岐以外、分岐した別ルートに関して一切説明が無い。
- それまで散々出張っていた敵キャラが寝返って味方に居ても、それに関して説明は一切無い。
- ヒロインの家族の体を乗っ取った敵から決戦の申し込みを受けて応戦の意志を示す返事をし、一旦敵味方ともに引き下がる→みんなテンションが上がってヒロインの家族の安否を忘れてる→バチーン→再度敵と相対し、決戦の申し込みへの返事を聞かれ、まるで先ほどは猶予でももらっていたかのように応戦の意志を示す返事をする ちなみ両方とも敵に応戦の意志を伝えているのはKガリという徹底ぶり。
- 予約特典の小冊子では版権作品の原作関係者が選んだ名シーンが紹介されているのだが、ゲーム中ではそれらがことごとく再現されておらず、かといって独自要素やクロスオーバー要素があるわけでもない、単に薄味な改悪展開になっている。
いずれもスパロボのシナリオでは頻繁に挙げられる問題点であるのだが、小峰シナリオの問題点の多さと大きさはそれを軽く凌駕してしまっている。さらにネット上ではミストの言動がネタ化、一時的に蔓延してしまった為(「ミストさん」の項目を参照)、他作品の正常な批評すら出来ない状態が長く続いたが、最近では沈静化している。
その為、「スタッフはなぜ小峰を起用した」「二度とスパロボに関わって欲しくない」と、ファンから多大な顰蹙を買っている。『K』のシナリオに関しては「出来の悪いシナリオの代表例」「二次創作のクロスオーバー作品を書く初心者は反面教師にすべき」とまで言われた程。
彼を起用した反省からか、あるいはシナリオ監修の甘さを痛感したのか、携帯機スパロボの『K』の続編である『L』では実に7人ものライターを起用するという事態になった。バンナムゲーによくありがちな「極端から極端に走る」スタッフの迷走ぶりが窺えるが、『ルミナス3』で小峰の尻拭いを担当した岸本みゆき氏がその中にいるのがなんとも皮肉である。
肝心の『L』のシナリオ評価だが、いくつかのネタセリフやネタキャラは発生したものの(『K』の反動か)おおむね好意的に受け止められているようである。主人公の「南雲一鷹」は前作の「ミスト・レックス」及び前々作『W』の「カズマ・アーディガン」と比べてキャラが薄いなどと言われながらもなんだかんだで主人公として手堅く描かれており(むしろ前2作の主人公が濃すぎた)、ネタ成分は版権キャラの改変に頼らずに彼のパートナーである「AL-3アリス」などあくまでバンプレストオリジナルキャラが受け持っている。
ちなみに岸本みゆき氏はさらにLの次回作であるスパロボUXでのメインライターに抜擢され、そのシナリオもかなりの高評価を得ている。
ルミナスアークでの評価
過去にシナリオを担当した『ルミナスアーク』シリーズでも批判が多く、ファンからも「ルミナスは声ゲー(おっぱいゲー)」「シナリオは考えるな」とまで言われていた。こちらも主人公の性格や言動がミストと酷似しており、キャラクターの抽斗の少なさを窺わせる。こういったキャラクターが受けると本気で考えているのだろうか?
その後のルミナス3で小峰はライターから降りることとなり、ファンはようやく愁眉を開く事となる。システム等の改善もあり、3の評価は概ね好評である。
Fate/Extraに関する噂
また、『Fate/Extra』のシナリオも手がけているという噂が型月ファンを大いに動揺させたが、こちらは後に発売延期され、その際のスタッフコメントで原作者(奈須きのこ)が大幅に書き直したことが知らされ、ファンを安心させた。
だが同時に「小峰シナリオのせいで延期、書き直しになったのでは?」という疑惑が浮上。それを裏付けるかのように、公式HPでの奈須きのこの肩書きがシナリオ「監修」からシナリオ担当へと修正され、4月22日の公式ブログでは「奈須きのこさんが全文書き直すことになりました」と書かれている。
噂の根拠は「制作会社がルミナスシリーズと同じマーベラスエンターテインメントであること」「Extraの開発時期とスパロボKのシナリオが書き終わった時期とほぼ一致すること」「ルミナスシリーズのシナリオを手がけていたのに3でライターを降りていること」などとされているが、確証はない。理由はどうあれ、全文書き直しというプロにあるまじき事態を引き起こし、そのまま更迭されたライターが小峰であっても何もおかしくはないという認識が真の噂の出所であろう。
代表作
- 聖剣伝説DS CHILDREN of MANA
- スーパーロボット大戦K
- ルミナスアークシリーズ(1,2のシナリオを担当)
- GUILD01「レンタル武器屋deオマッセ」
関連動画
上記にもある、Kにおけるファフナー勢のエンディング。
途中まではまだ悲しい結末とも言えるが2:40からが本領発揮である。
・・・繰り返すがこれはバッドエンドではない。
関連商品
関連コミュニティ
関連項目
- 7
- 0pt