SuperDepthとは、サークル「Bio_100%」によって制作された、PC-98用のシューティングゲームである。
概要
ほら、マンボウみたいな奴倒すとパワーアップアイテム落とすゲームだって!
1991年発表。
PC-98の最盛期に世に出たこともあり、PC-98ユーザの中では高い知名度を誇る。
かつてゲーム名やパソコンのことをよく知らずにプレイした人も、「戦艦で潜水艦とか飛行機とか倒すゲーム」といわれればピンとくるのではないだろうか。
「外宇宙からの攻撃により、壊滅状態になってしまった地球を脱出し、第二の故郷を目指す」
という、地味に重いストーリーを背負った戦艦「ヤマ卜(やまぼく)」を操り、爆雷やミサイルを駆使して敵を倒す。
海、空、そして宇宙の3ステージとボス戦、さらにそれが3セットの計12ステージを切り抜けるとクリア。
海、空はともかく戦艦が宇宙にまで飛び出して敵と戦う発想は、当時は非常に斬新だった。
特に宇宙ステージの操作感は独特で、「オペレーター」と「ガンナー」を二人で分担してプレイしたユーザもいるとか。
ゲームバランスも秀逸で、自機がパワーアップすればするほど敵の攻撃は苛烈になり、
簡単に無双状態にはならないよう作られている。
また、ゲーム中のBGMは全てビープ音で奏でられているのも特筆すべき点だといえる。
当時のマシンにはFM音源が標準搭載されていなかったという背景があるとはいえ、本来音楽には向かない
単矩形波の組み合わせでゲームを自然に盛り上げてくれるBGMを作曲するのは並々ならぬセンスの賜物だろう。
宇宙ステージのサメ(っぽい奴)と丸い機雷(っぽい奴)はみんなのトラウマ。
アイテム
戦艦ヤマ卜のパワーアップアイテム。アイテムキャリアであるHootを倒すと出現。出現から一定時間経過で消える他、画面内に1個までしかドロップしない。
- 青
スピードアップ。取っておかないと回避もままならない。敵の攻撃が激しくなる紫・黄緑の取得前に最低でも2,3個は欲しいところ。 - 赤
弾数アップ。画面内に一度に存在できる弾数が増える。弾幕を張って敵出現と同時に倒す速攻が理想であるため、特に紫取得後は積極的に狙おう。 - 黄緑
弾強化。海ステージでは爆雷の沈むスピードが上がる。空・宇宙ステージでは弾の速度が上がり、また敵を貫通するようになる。 - 紫
弾強化。海ステージでは爆雷が蛇行して沈むようになる。空・宇宙ステージではミサイルが3WAY化する。 - 水色
フルパワーアップ。上記黄緑・紫・青×3・赤×最大がセットになったもので、一気にパワーアップできるが、敵の攻撃も露骨に激しくなる。なお、フルパワーとあるが青2つ分程度更にスピードアップできる。 - 黄色
フラッシュボム。取った瞬間に画面内の敵・敵弾を一掃する。特に敵弾消去はありがたい。 - 白
残機アップ。残機は2以上は増えない(残機2のときは白アイテムが出現しない)。
攻略のヒント
自機の当たり判定が大きく、かつどんなにパワーアップしていても一発被弾で即ミスのオワタ式である。
しかもミスするとパワーアップを全て失い初期状態に戻されるため、攻略は敵弾をいかに回避できるかにかかっている。が、回避不可能な弾幕で詰むことも往々にしてあるので、厄介な弾を撃ってくる敵を覚え、撃たれる前に倒すことが攻略の鍵となる。
敵の強さは自機のパワーアップ状態によって変わる。具体的には敵と敵弾の量が増え、敵の機体性能などは変わらない。敵の強さは少なくとも3段階あり、
自機の弾が初期状態<黄緑or紫を取得<黄緑と紫両方取得or水色取得
の順で強くなる。自機のスピードが低い状態でうっかり黄緑や紫を取ると悲惨なことになるため、スピードアップの青を先に取った方が良い。
海ステージ
- 序盤であり敵弾も遅く予測しやすいため、まずはパワーアップを狙う。画面中央下に画面外左右からの敵接近を探知できるレーダーがあり、近づく敵が予め判断できるようになっている。アイテムキャリアであるHoot(マンボウのような敵)は白の点滅で表示されるので、コイツに当たるよう爆雷を沈めよう。
- やや厄介なのがAsthmatic(ミサイル艇)と2面から登場するWigwam(海底を移動するミサイル基地のような敵)。特に後者はレーダーを監視し、出現と同時に即倒せるようにしておくのが理想。
空ステージ
- 圧倒的な敵弾幕がキツいステージ。特に厄介なのが画面上部から現れるFratricide(ラジカセのような敵)の放つ白黒の弾幕で、弾速が速く広範囲にばらまかれる。更に画面外上下はレーダーが無く出現が予測できないため、こちらも広範囲に弾幕を張っておくことぐらいしかできない。うっかり撃ち漏らすと画面内がひどいことになる。
- 2面からはこのFratricideが同時に2体出現するようになる。死ぬと全パワーアップを失うため、リスタートしてもなすすべもなく殺される事が多く、挽回は非常に厳しい。
- 3面からは自爆して弾幕をばらまくScourge(ミミズのような敵)が追加される。こちらはレーダーに映るため、発見したら最優先で出現地点に弾幕を張り出オチを狙いたい。
宇宙ステージ
- 移動すると自機ではなく背景と敵の動く方向が変わる、変則横スクロールSTGとなるステージ。進行方向は任意で左右に切り替えられる。これまでのステージと違い左右への撃ち分けが重要となる他、敵弾の流れる方向や速さも変化するため、一見回避不可に見えても早めに方向転換すれば切り抜けられる場面も。
- このステージは敵弾に加えて敵本体も脅威となる。逃げ場を塞がれないよう、画面左右に常に目を配る必要がある。
- このステージまで来ると大抵のプレイヤーはフルパワー近くまでパワーアップしている。また空ステージと違い上下にも移動できるためショットを当てやすく、弾幕を張ることが容易になるため、敵の出現予測と出現場所に置くようにショットを撃つことが重要になる。
- 自爆して弾をばらまくPoppy(機雷のような丸い敵)が厄介。Poppyは画面上下から出現するためレーダーで予測ができず、また当たり判定が小さいため速攻で倒すのも難しい。発見したら進行方向を方向転換し、自爆される前に画面外に流してしまうのが良い。
- 2面から出現するRob(サメのような敵)も強敵。大量の弾を撃ちながら接近してくるため、レーダーの反応を見つけたら最優先で撃破しよう。幸い当たり判定は大きいため、上下に移動しながら弾幕を張ればだいたい撃墜できる。
- 余談だが宇宙ステージのみBGMの一周が長く、大抵は半分を過ぎたあたりで次のボス戦に移行してしまう。後半部分がカッコいい曲なので、一度は聞いてみよう。
ボス
宇宙ステージをクリアするとボス戦となる。これまでの敵と違って弱点と耐久の概念が存在し、弱点以外への攻撃は受け付けない。耐久は純粋にヒット回数であり、自機弾が強化されていても撃破に必要なヒット数は変わらない。
また、自機のパワーアップ状態に関わらず行動パターンは変わらないので、パワーアップした方が単純に有利である。
なお、ボス戦のみ、ミスしても自機のスピードだけは初期値に戻らない。
1面ボス Eerie Core
最初のボス。第1段階、第2段階に分かれる。
弱点は左右側面の中央部分。
- 第1段階は画面端を上下に往復しながら時折レーザーを撃ってくるだけ。避けるのは簡単だがレーザーを撃つ予備動作は一切ない。安全策を取るなら遠くから弾を垂れ流していればいつか倒せる。
- ある程度撃ち込むと第2段階に移行。大まかに自機を追跡しながら白黒弾をばらまいてくる。代わりにレーザーは撃たなくなるので弱点への撃ち込みはやや簡単になる。長期戦になると白黒弾を踏む事故が増えるので、速攻を狙いたい。
2面ボス Lunatic Noddle
同じく第1段階、第2段階で分かれる。
弱点は頭全体。弱点が大きく当てやすい、加えて攻撃が激しくもないのであまり強くない。
- 画面右から登場し、画面上下に大きく動きながら炎を吐く。動きは特に早くないうえ、ボスの背後は安全地帯なので回り込んで適当に撃ち込めばよい。
- 第2段階は左右に画面外まで大きく動きながら十字弾をばらまく。レーダーで突っ込んでくるタイミングがわかるので、適当に弾幕で出迎えてやれば勝手に突っ込んでいく。最初の突進か、運が悪くても次の突進で同じことをやれば倒せるだろう。
3面ボス B.P.S.M.
カニっぽいラスボス。ラスボスだけあってかなり強い。
弱点は機体中央の水色の部分。同じく第1段階、第2段階に分かれる。
- 第1段階では画面右端を上下にゆっくり動きながら泡弾を放つ。泡弾は緩やかにホーミングしてくるため地味に避けづらい。弱点はハサミに守られており、ハサミからレーザーを撃つときだけ開く。このため長期戦になりがち。
- 第2段階では上下に高速移動しながら泡弾をひたすらばらまく。
この泡弾は第1段階のものよりホーミング性能が上がっており、画面内にしつこく残り続ける。弱点は開きっぱなしになるが本体の高速移動のせいで自機弾がかき消されやすくなり、当たりづらくなる。加えて前述の泡弾の回避のため弱点を狙う余裕がなく、第1段階より長期戦となる。
関連動画
プレイしたい!
ゲーム本体はVectorなどに行けば簡単に手に入るが、PC-98用のゲームなのでWindows上では動作しない。
別途PC-98の実機かエミュレータが必要である。エミュレータもフリーのものが出回っているが、多少PC-98や
プログラミングの知識が必要なので、ググるなりして調べてみよう。
win版用のWinDepthというゲーム(同じくBio_100%制作)があるが、ほぼ別ゲーなので注意。
2011年8月下旬、bio_100%のサイトにて、Flash版とAndroid版がリリースされた。
原作をほぼ完全に再現した移植作。存分に懐かしもう。
関連項目
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