S.T.A.R.S.(スターズ)とは、『バイオハザード』シリーズに登場する特殊部隊である。
正式名称は「Special Tactics And Rescue Service(特殊戦術及び救助部隊)」。
概要
多様化する犯罪に対処するため、ラクーン市警R.P.D.内に設立された特殊部隊。隊員は官民問わず募集され、スカウトもしくは選抜試験を突破すると隊員として採用される。
1996年に行われた『明るいラクーン21計画』の一環で設立され、ラクーン警察署2階にオフィスが置かれている。警察組織の一部だが、独立した行動が許されている。
5名1チームで構成される。
アルファチームとブラヴォーチームの2チームがあり、アルファチームのリーダーには隊長のアルバート・ウェスカー、ブラヴォーチームのリーダーには副隊長のエンリコ・マリーニが着任した。『1』の主人公であるジル・バレンタインやクリス・レッドフィールドは、この部隊の隊員。
- LDR(リーダー):部隊を指揮するリーダー。状況に応じて戦術的決定を行う。
- PM(ポイントマン):偵察や陣地確保などの前線での活動を担当。能力が高い隊員が選ばれる。
- BUM(バックアップマン):PMの援護役としてツーマンセルで行動する為、実力が求められる。
- OM(オムニマン):機械操作、重火器の運用を担当。
- RS(リア・セキュリティ):警護、後方警戒などを担当。
ラクーンシティ内での活躍は殆ど語られていないため、仔細は不明。
メンバー
アルファチーム
- アルバート・ウェスカー - LDR
38歳。S.T.A.R.S.総隊長。元陸軍技術将校で、生物工学に精通。アンブレラの推薦により総隊長に就任されていた。 - クリス・レッドフィールド - PM
25歳。元アメリカ空軍所属、航空機の操縦および射撃に高い技術を持つ。 - バリー・バートン - BUM
38歳。元空軍兵・SWAT。ガンマニアでもあり、火器に高い見識を持つ事から補充・整備も担当。 - ジョセフ・フロスト - OM
27歳。武器の整備を担当。ブラヴォーチーム探索中、ケルベロスに襲われて最初の犠牲者となった。 - ジル・バレンタイン - RS
23歳。デルタフォース訓練課程を修了。手先が器用で、トラップ・爆発物処理のプロ。 - ブラッド・ヴィッカーズ - RS
35歳。化学防護要員。ヘリコプター操縦を担当。最初の襲撃で恐怖のあまり逃げ出すも、上空待機しつつ生存者の回収を試みた。
ブラヴォーチーム
- エンリコ・マリーニ - LDR
41歳。S.T.A.R.S.副隊長。地下で負傷して身動きが取れなくなっていたが、この事件の黒幕を突き止めていた。しかし…… - ケネス・J・サリバン - PM
45歳。化学防護要員で、化学博士号を所持。アルファチームが洋館に突入直後にゾンビに襲われ死亡。 - リチャード・エイケン - BUM
23歳。通信要員。レベッカと共に洋館に到着したがヨーンの毒に冒されてしまう。リメイク版では最期が異なる。 - フォレスト・スパイヤー - OM
29歳。整備・対電脳犯罪担当。洋館2階バルコニーで力尽き、クロウに啄まれた死体を発見されるが、ゾンビ化してしまう。 - エドワード・デューイ - RS
26歳。ヘリコプターのメインパイロット。ヘリの不時着後、黄道特急調査中に襲撃され死亡、ゾンビ化してしまう。 - レベッカ・チェンバース - RS
18歳。衛生要員。化学・薬品に関して豊富な知識を持つ「期待のニューフェイス」。
ゲーム内での顛末
1998年7月、ラクーンシティに隣接するアークレイ山脈にて猟奇殺人が多発。これを調査するため、ラクーン市警はS.T.A.R.S.の投入を決定する。
まず最初にブラヴォーチームが派遣された。しかしこの裏ではアンブレラの陰謀が渦巻いており、アンブレラから出向してきたウェスカーを通して様々な妨害工作が行われた。ヘリが不調を起こして墜落するよう仕向けると、アンブレラが持つ生物兵器と戦わせて実戦データの獲得を目指す。得体も知れない化け物の襲撃や、t-ウイルス漏洩によるゾンビ化によりブラヴォーチームは散り散りになり、消息不明となった。
事態の深刻化により、ラクーン市警はアルファチームも投入するが、こちらもヘリに細工がなされて墜落。ケルベロスの襲撃を受けてジョセフが死亡、ブラッドは恐怖のあまりヘリで離脱してしまう。残されたメンバーは命からがら洋館へと逃げ込んだが、そこでも更なる地獄が待っていた。
度重なるゾンビやB.O.W.との戦闘で殉職者が続出。かろうじてジル、クリス、レベッカ、バリー、ブラッドの5名が脱出に成功したが、それ以外の隊員は全員死亡、組織としては事実上壊滅した。その後急遽、後釜の選抜警官隊が編成される事態となった。
生き残ったS.T.A.R.S.隊員は、アンブレラの陰謀を暴くため独自に行動。しかしアンブレラの息が掛かっていたブライアン・アイアンズ署長を始めとする上層部の妨害や握り潰しにより遅々として進捗せず、ブラッドも口を噤む道を選ぶ。
バリーとクリスは休暇と称してヨーロッパに飛んで調査を進め、ジルはラクーンシティに留まって調査を続けた。しかし9月23日、ラクーンシティの地下にあるアンブレラ研究所からt-ウイルスが漏洩。大規模なバイオハザードが発生する。
これに加え、尚も嗅ぎ回るS.T.A.R.S.を疎ましく思ったアンブレラは混乱に乗じて新型B.O.W.「ネメシス」を投下。S.T.A.R.S.の抹殺を図り、ブラッドが殺害される。ジルも執拗に追い回されたが、最後は脱出に成功。ラクーンシティ壊滅に伴って組織も拠点も崩壊し、S.T.A.R.S.はその短い歴史を終えた。
映画版では
映画版「バイオハザードⅡ アポカリプス」にも登場。
設定自体は原作と殆ど一緒だが、規模が拡充されており、数十名の隊員が見受けられる。ジルの上官ペイトン・ウェルズはS.T.A.R.S.の隊員である。白い制服に緑色のジャケットが特徴的。
ラクーンシティで発生した暴徒(ゾンビ)を鎮圧するため、制服警官やU.B.C.S.隊員とともに出動。合同でゾンビの対処に当たったが、数で押し切られて防衛線が崩壊。この時に多数の殉職者を出している。その後、生き残った一団がショップに立てこもる。屋上に狙撃手を配置し、寄ってくるゾンビを射殺していた。
しかし起動したネメシスのデモンストレーション相手に選ばれたのが運の尽き。まずロケット砲で屋上の狙撃手が吹っ飛ばされ、次にガトリング砲で店内の隊員も全員射殺された。
関連項目
関連リンク
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