
クレバテス-魔獣の王と赤子と屍の勇者-とは、岩原裕二の漫画作品である。
概要
2020年8月よりLINEマンガにて連載中の作品で、LINEマンガでは縦スクロール・フルカラー形式で、単行本は横組み・モノクロ形式で構成されている。
単行本はLINEコミックスとKADOKAWAのMFコミックス アライブ+シリーズからの新装版があり、LINEコミックスは7巻以降は電子書籍のみ、新装版は7巻以降も紙媒体でも発行されている。既刊10巻(2025年7月時点)
魔獣王クレバテス討伐に派遣された13人の勇者が発端で壊滅。…という衝撃的な出だしで始まる本格的なダークハイファンタジーである。
登場人物
- アリシア - CV:白石晴香
- 主人公でハイデン王が送り出した13人の勇者の紅一点。
- 勇者たちの中でただ一人クレバテスの攻撃を察知し避わしながら肉薄、一太刀浴びせたもののクレバテスの角に小さな傷を付けただけ(それでも人属初の偉業である)で殺害される。
- その後、クレバテスが魔血を与え僕として復活させられる。魔血により基本的には不死で、切断されるくらいならくっつく、ただし痛覚そのままで回復していくので死ぬほど痛い(もう死んでるがな)。
完全に喪失した部分は再生しないので、クレバテスと交戦した際に失った左目はそのまま隻眼となっている。
- 処女なので乳は出ない(重要)。
- クレバテス - CV:中村悠一
- エドセアの四方に割拠し人属の進出を阻み続けている4匹の魔獣王の一匹で巨大な狼のような姿をしている。ハイデン王国の首都ハイドラードから南東に山脈を2つ越えた先にある月の山におり、月光のクレバテスと呼ばれている。
- 女勇者の一太刀でかすり傷を受け、このまま放置しているといずれはより面倒になると判断。人属を殲滅する事にしハイデン王都へ撃進。破壊と殺戮を巻き起こしハイデン王もヌッコロしたが、瓦礫の下に赤子と瀕死の少年を見かける。
構わずヌッコロそうとしたが少年に子供は生まれる時と場所を選べないと懇願され、人属を見極めるのも一興と赤子を育てることにする。
- …と言っても魔獣王は人属の育て方など知らぬ(体力を回復させることは出来るがそれだけでは育たない)
→勇者の中にいた女を魔血で僕として復活させて乳を与えさせればよい。
- クレン - CV:田村睦心
- クレバテスが人属に化身した姿。容姿は瀕死の少年を参考にしており、角はそのまま生やしている(エドセアには角が生えている種族もいるので問題はない)。
- さすがにぱわーは魔獣王の姿の時のようには出ないらしく、また無敵のぱわーでなんとかしてくださいよォーッ!という場面でも、出歩いていることを他の魔獣王に察知される事を厭い力を振るおうとしない。
- ルナ - CV:会沢紗弥
- 瀕死の少年がクレバテスに託した赤子(♂)。"ルナ"はクレバテスが便宜上でつけた名前(本来の名前はまだ名付けされていなかったので無い)。
- アリシアはおくるみにハイデン王家の紋がある事に気づき、王族ではないかと考えている。
- ネル - CV:悠木碧
- クレバテスがせっかく復活させた女勇者は乳が出ない。そんな役立たずに対応案を出させたところ、母親代わりとなる乳が出る女を探せばいいという事になり魔獣王御一行は月の山を下り乳母を探すことに。
- なんやかんやあって山賊団「鴉」に連行された御一行。
アジトで乳の出る奴隷の女・ネル
―山賊たちから長年、暴行を加えられ顔は歪み歯も抜けてうまく喋れないといった状態であった―
を見つけたクレンは、誘いをかければホイホイ応じるだろうと考え声をかけるが……。
- ハイデン王 - CV:橋爪淳
- 何を考えたか13人の勇者を招集しクレバテス討伐を命じたが、クレバテスの逆襲を受け首を飛ばされて死亡。
- ブロコ - CV:千葉繁
- 山賊団「鴉」のボス。魔術の心得を持っていて術で雌のトロールを使役している。
- 本来のボスは捕まってその座が空席となっており、トロールの猛威を振りかざし勝手にボスを名乗っている。ただ本人の腕っぷしは大したことないので配下たちは些か舐めている様子。
- アニメでのブロコやモブの皆さんは北斗の拳を思わせる演技である。あるぇ~?
- マルゴ - CV:田中美央
- 故人。アリシアの父親で、元は剣聖と称された人物だがドラゴン討伐に赴いた際に片足を喪失し引退。アリシアの剣の腕前は彼の教えの賜物。当時はマルゴとアリシアはエスリン国のソーゴ村で生活を営んでいた。
- 兄弟弟子の関係であったドレルに殺害されるが、アリシアの夢である勇者の道を進むように言い残した。
- ドレル - CV:安元洋貴
- ボーレートの将軍。アリシア曰く戦争に魔術を持ち込んだ人物との事。
- かつてはマルゴと同門の剣士で共にドラゴン討伐を成し遂げた。後にソーゴ村を襲撃しマルゴを殺害した。
- ガルト - CV:青柳尊哉
- 西の魔獣王・迷霧のザフティエの臣下の魔獣。
西方の魔獣の子たちが拐われており、その調査で「鴉」のアジトを訪れ、その場に居合わせたクレン御一行が怪しいと襲い掛かってきたが、何とか話はついた。
- 人間態はディメンションWのキョーマ=サンに似ているような風貌。
- メイナード - CV:重松千晴
- ボーレート軍の最高位魔道士。大量の虫を操ることが出来る程度の能力。
- ナイエ - CV:黒沢ともよ
- ボーレート軍の魔道士。磁力を操作し鉄を引き寄せたり突き放したりする程度の能力。なかなかの不憫枠。
- ロッド - CV:関智一
- エスリン国の師団長。"勇者"なのかは不明だが至宝持ち。
- トアラ - CV:豊崎愛生
- ハイデンの皇太子妃(皇太子は物語開始時点で既に故人)。国王の態度に不信感を抱き、息子(命名はまだ行われていなかった)と共に城を出ることを考えていたが、公務で城を離れていた際に城はクレバテスに襲撃されて壊滅し息子は行方不明に。
- 王や大臣たちが全員死亡したため、ハイデンをまとめられるのは現状トアラのみという状況になってしまった。
用語
世界
- エドセア
- 物語の舞台となる"大地"。領域外は大雑把に北・東は海、西は森(?)、南は山(?)が広がっていると思われるが、魔獣王がいるのでその先を見た者はいない。
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- A:オーグ
- 森に覆われていて、いわゆるオーガ的な人属「オーグ」人が一般的なイメージのエルフっぽい森の生活を送っている地域。
- オーグ達は魔獣王・迷夢のザフティエを崇拝し、森に侵入する他人種を排除している。
- B:エスリン
- いわゆる普通のヒューマンな人属「ドーン」人の二大国の一つ。ボーレートと元は一つの国だったが分れた。
- ドーン人はエドセアでは一番多い人種で兵法と建築に長ける。
- C:ボーレート
- ドーン人の二大国のもう片方。クレバテスに襲撃されたハイデンに侵攻している。
- D:ベント
- いわゆる蛮族的な人属「ベント」がうろつく地域。なんせ蛮族なので個々は強力なもののまとまっていないらしい。
- E:ハイデン
- 物語の幕開けの舞台となった国。いわゆるホビット(もしくはノーム)のような人属「ハイデン」人の治める山深い小さな国。最も古い人種で精錬術と加工技術に長けている。ただ純ハイデン人は稀な存在となっている。
- F:スラーダ
- ベントとつながっている半島部と他の諸島の地域。「スラーダ」人は水の民で操船と泳ぎに長け、他種族との交流を嫌っている。
その他
- 至宝
- ハイデンの首都ハイドラードにあるハイデン王族だけが使える炉で鍛えられた武器の事。赤い刀身が特徴(剣とは限らない)。
持ち手の能力を何倍にも高めるとか。
- 人属
- 上記の五人種をひっくるめた総称。作中では"人間"という表現は用いられない。
TVアニメ
2025年7月から9月にかけて東京MX系列や各種動画配信サービスで放送された。
監督の田口清隆はウルトラマンZやウルトラマンブレーザー、仮面ライダーガッチャードなど特撮作品に多数参加しているが、アニメ作品は本作が初仕事となっており特撮界隈からも耳目を集めている。
2期制作が決定したことが発表されている。(→アニメ公式Xアカウントのポスト
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スタッフ
主題歌
- Ruler - オープニングテーマ
- 歌:前島麻由 / 作詞:川田まみ / 作曲:中沢伴行、fumi
- Destiny - エンディングテーマ
- 歌:Ellie Goulding / 作詞・作曲:Ellie Goulding・Jack Rochon and Kurtis Walls
関連作品
原作漫画
動画
静画
関連項目
関連リンク