「蝶の大群が舞う」とは、テレビアニメ「チャージマン研!」のエピソードの一つである。
ジュラル星人50年越しの作戦が、いよいよ視聴者の前にお披露目となる。
人気キャラクター・昆虫学者の登場回。濃いサブキャラクターの数々がミリキ的なチャー研だが、その第一号は昆虫学者であった。
物語は一枚の写真から始まる。ペルーの蝶「サンダナパレスアグリアス」。蝶の世界では最も速く舞い、赤と青の翅は人の心を惑わすに十分な美しさを持つと言われる幻の蝶だが、50年前に絶滅したと思われていた……。
ある日、泉一家は久しぶりの日曜なのでピクニックに出かけていた。そこで野ウサギを見つけたバリカンは捕まえようと追いかける。だが、実際に拾ってきたのは人間であった。なんと、絶滅したと思われていたサンダナパレスアグリアスが人を襲っていたのだ。恐怖のあまり立ちすくむ泉一家。だがこれは、更なる惨劇の第一幕に過ぎなかった。
一方そのころ、ジュラル星人の基地内ではジュラルがサンダナパレスアグリアスを飼育していた。50年前に来たジュラル星人が密かに絶滅寸前のサンダナパレスアグリアスを救い出し、人の細胞を食うように改良していたのだ。早速街にサンダナパレスアグリアスを放つジュラルに、街は未曾有の大混乱に陥る。人の心を惑わす蝶の美しさに魔王すら魅了される。
が、それでもチャージマン研の前には通用しなかった。ジュラルの50年越しの作戦は、研の手によって24秒で幕を閉じられのだった。
「ペルー産のサンダナパレスアグリアス」…
「アグリアス」とはタテハ蝶の一種で、アマゾン川流域に生息する。「ミイロ(三色)タテハ」の別名の通り美しい翅を持ち、「真紅の光線が空気を貫く」と呼ばれるほどに飛ぶのが速い。その美しい翅は人間の指紋と同じく一つとして同じものがないためにコレクターからは珍重されるが、前述の通り飛ぶのが速く、また「現地人の新鮮な排泄物にしか集まらない」という特徴を持つために捕獲は非常に困難。その標本は欧米の超名門銀行が担保として認める程の希少性がある。
だが以上の事実をもってしてもこの作品における蝶ではないと思われる。なぜなら上述のアグリアスはアマゾン川流域に生息し、ペルーにはいないのだ。作品世界は2073年頃なのでサンダナパレス・アグリアスは14年後の2023年には絶滅してしまうことになる。それまでに発見し保護しなければ、未来の日本、いや世界中の国々はこの蝶によって壊滅してしまうだろう。もしかしたらジュラル星人は、今の南米の開発によって絶滅しつつある生態系を守るため、我々に警鐘を鳴らしているのかもしれない。
…時は流れ2024年。編集者が警鐘を鳴らしていたにも関わらず、我々はサンダナパレスアグリアスに関する有力な情報を掴むことなく、ひっそりと絶滅を迎えた。今の時代を生きる我々は、世界のどこかでジュラル星人と邂逅していたのかもしれない。
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最終更新:2025/01/14(火) 02:00
最終更新:2025/01/14(火) 01:00
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