劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>とは、2019年2月8日公開のアニメ映画である。95分カラー。
1990年の『シティーハンター 百万ドルの陰謀』『シティーハンター ベイシティウォーズ』以来29年ぶりの通算4作目となる劇場公開作。
一般向けの『シティーハンター』としても1999年のテレビスペシャル第三弾「緊急生中継!? 凶悪犯冴羽獠の最期」以来20年ぶり、単行本のXYZ Edition全巻購入応募者全員サービスだった「獠のプロポーズ」から数えても4年ぶりのシティーハンター映像作品となる。(但し、「獠のプロポーズ」はCHというよりは、『エンジェル・ハート』の同エピソードのアニメ化に近い)
21世紀に入って初めての本格的な映像作品であり、初めてデジタル制作されたシティーハンターでもある。
2018年3月19日に、シティーハンターアニメ化30周年記念のトリを飾るメインイベントとして発表。当初はサブタイトルが決まっておらず、『劇場版CITY HUNTER』とだけ表記され、原作者北条司の書き下ろしイラストが公開されたほか、前売り券のXYZキーホルダー付きチケットの販売が行われた。8月2日には、特報映像とポスターが公開され、上記のアニメ版第1話ラストの台詞を少し改変したものが使われているコピーが公開された。
12月13日に現在の正式タイトルと本予告第一弾が公開された。サブタイトルの「プライベート・アイズ」は英語で私立探偵を意味するほか、劇中のキーアイテムも示すダブルミーニングになっている。
監督は、テレビシリーズでお馴染みのこだま兼嗣が務めるほか、主要キャストにはテレビアニメ版のレギュラーキャストが全員復帰することが発表された。なお、冴子役の一龍斎春水にとっては、改名後初のシティーハンターでもある。
ストーリーは、原作に無い完全オリジナル。プロジェクトは2015年頃より始動しており、原作者は企画を持ち込んだ当初は金曜ロードショーでのテレビスペシャルの新作をと考えていたようだが、後にプロデューサーから映画化が決まったと言われ大変驚いたようである。原作者は劇中の描写から、時系列的には原作における海原戦の少し前ぐらいではないか?としており、実際に次回作はその海原戦が映像化されることとなった。(少なくとも、スマートフォンを使っているあたり、海坊主が視力を失う前なのは確実である)
さらに、公開1ヶ月前を切った1月11日には、予告の第二弾が公開され、その中で北条司の初連載作となる『キャッツ・アイ』とのコラボレーションが行われることが明らかとなった。キャッツ・アイの登場人物が正式にシティーハンターに登場するのはこれが初めてであり、アニメ映画のスクリーンに登場するのも今回が初めてのことである。(実写映画はあったものの、キャッツ・アイのアニメ版は映画化されていない)
キャストも泪を除き全員テレビアニメ版のオリジナルキャストとなることが発表されている。(当初泪役の藤田淑子にもオファーがあり、本人も演じたい気持ちがあったというが、体調不良のために実現せず、意志を汲んだ戸田恵子が代役に就任。後に藤田は本作の公開を観ること無く、2018年12月28日に逝去した)
本作において来生三姉妹は海坊主と美樹の経営する喫茶キャッツ・アイのオーナーであり、現在は海外で暮らしていた、という北条司秘蔵の裏設定が採り入れられたものとなっている。ただの顔見せではなく本格的にストーリーに関わり、獠や香、海坊主たちとの絡みもある。
設定はどちらかというと原作寄りになっており、冴羽商事の外観が質素なアパートになっているほか、原作で登場していた教授がアニメ初登場となっている。一方でアニメ寄りな部分や現代的にアレンジされたものもあり、スマートフォンやドローンが劇中の重要アイテムとして用いられている。中でも喫茶店に新たに設置されたロボット「海小坊主」を溺愛するコミカルな海坊主の姿は必見。
主題歌はシティーハンター史上最も人気の高いテーマ曲の『Get Wild』だが、実は映画版に使われるのはこの作品が初めてのこととなる。このほかにも、歴代テーマソング、過去作品の劇伴が随所で用いられる、さながら集大成のベストアルバム的な選曲ともなっている。効果音については、全体的に現代風に変更されており、この作品からコルト357マグナムの銃撃音や香のハンマーの音が変更された。また、獠の衣装がテレビスペシャル第一弾の「ザ・シークレット・サービス」以来となる水色のジャケットに赤のインナーを着用したお馴染みのスタイルが復活した。
依頼者の進藤亜衣には女優の飯豊まりえがキャスティングされ、オカマのコニータ役でチュートリアルの徳井義実が出演している。また、テレビシリーズでは数々の端役を担当した山寺宏一が今回のヴィラン御国真司を演じている。
公開前は大規模に宣伝が行われ、劇中に登場するゴジラヘッドのTOHOシネマズ新宿一帯をジャックしたほか、新宿駅東口に伝言板も設置され、さらにテレビには神谷明を筆頭に出演者が多数参加した。公開初日には、日本テレビ系ZIP!内の短編アニメ貝社員に獠が出演したほか、関西のお化け番組探偵!ナイトスクープの見習い秘書に飯豊が出演している。
公開初週は、「アクアマン」「七つの会議」「ファースト・マン」「コードギアス 復活のルルーシュ」等の大作が競合していたが、三連休が公開日翌日に控えていたことも手伝って、公開4日で観客動員数が32万4824人、興行収入が4億5159万6920円を記録し、週間4位、アニメ作品に限れば週間1位の好スタートを切った。
この勢いは留まることを知らず、2月24日には興行収入が10億を突破し、3月21日には観客動員数が100万人を突破。思わぬ大ヒットとなったことから、上映館が30館以上も拡大されたほか、応援上映や追加の舞台挨拶、新規入場特典の追加なども行われるまでになっている。このヒットの背景には、本作をかつてリアルタイムで楽しんだ層のほか、アニマックスなどの専門チャンネルでの再放映を見ていた新規ファンの世代などによるリピーター層が多いことが指摘されている。
また、本作品のヒットと観客層から、この年に大流行していた風疹の予防ポスターにこの作品の描き下ろしイラストが採用され、そのコピーは「風しん排除には 君たちの行動が 必要なのさ」という本作のコピーをもじったものになっていた。
この他にも大阪府警の警官募集ポスターにもこの映画のポスターが採用され、コピーは「この大阪府警には、お前のようなヤツが必要なのさ」というものであった。
また、本作で復活したキャッツ・アイは2023年にAmazon Prime Videoにて再度映像での復活が叶い、ルパン三世との対決が描かれる予定となっている。
本作主演の神谷をはじめとして、さらなるシティーハンター続編への期待の声も大きく、しばらくは公式サイドも沈黙を貫いたが、2022年4月8日に2023年公開を目処とした新作映画の制作決定を知らせるGet Wildが流れるプロモーションビデオがYouTube上にアップされ、さらに12月2日には原作者北条司の描き下ろしキービジュアルが公開、メインキャストは全員続投となることのほか、キャッチコピーを「過去に終止符を打つ戦いが始まる-」としたThe Final Chapter Begins.と銘打ってシティーハンターが最終決戦に向けて動き出すことを予感させるものが公開となっている。
2023年6月13日に「劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)」として、これまで映像化されなかった原作最強の敵である海原神との対決が初めて描かれるものと発表された。
劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ> 本編(dアニメストア ニコニコ支店)
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最終更新:2024/04/25(木) 13:00
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