銭闘(せんとう)とは、プロスポーツの舞台で繰り広げられる熱き戦いである。冬のプロ野球界で発生しやすい。
この戦いに身を投じる者は、「銭士」「銭闘員」または「ゴネラー」と呼ばれる。また毎年のように銭闘を行う者たちには「銭闘民族」「銭闘士(セイント)」の称号が与えられる。
対戦者はフロント側と選手側に分かれ、剣ではなく口と成績を武器に戦う。
ルールは、選手側は予選の成績をアピールし年俸アップを狙い、フロント側はそのアピールをうまくかわして年俸を抑えるようにする。原則としてに年俸が前年比を上回れば選手側の勝ち、下回ればフロント側の勝ち。
予選は公式戦の試合そのものであり、戦力外通告された場合は落選となる。
また、本戦に残っても前年に複数年契約を勝ち取っている場合は不参加となる。
本戦の出場資格がある選手でも、成績に自信がない場合は事実上の棄権(一発サイン)を選び被害を抑えようとする場合もある。
期間はシーズンオフからスタートし、短い場合は開幕から数日で済む場合もあるが、長いと翌年の春期キャンプにまで差し掛かる場合もある(これは「自費キャンプ」と呼ばれる技の一つ)。
選手は銭闘が始まると『球団としての誠意を見せて欲しい』、『勝利数は防御率や奪三振等よりも最重要だ』、『怪我で殆ど(全く)出れなかったけど年俸は払って欲しい』、『今年の結果は悪いけど、通年の結果でカウントして欲しい』という呪文を繰り返しフロントに唱える。
また選手は弁護士(代理人)同伴で戦いに挑むことがある。
これは自分だけで戦いに挑むと返り討ちにあうことを自覚している者がする技で、高年俸を得る可能性を上げるという効果がある(本人の成績が良いことが前提)。
中途半端や(エース等の)期待を裏切る成績、タイトル無しの高年俸選手、同伴者が無能な場合には『上げる理由が無い』、『寧ろ下がってた』、『(減額制限以上の)年俸を提示する』という呪文がフロントから唱えられ、選手の精神やプライドは破壊される。
各ラウンドの後、選手とフロントは互いにコメントを出すが選手側のコメントが重視されることが多い。
しかしこうした選手達は世間体や野球選手に憧れている子供への影響などを全く考えておらず、銭ゲバ(守銭奴)な人間として世間には認識されてしまう。
銭闘が発生しやすい球団として有名なのは中日ドラゴンズや埼玉西武ライオンズ、福岡ソフトバンクホークスなど。
一方、広島東洋カープには鈴木本部長という12球団最強の戦士がフロント側に控えているため、高年俸をつかみ取ることはおろか、大抵の選手は試合開始と同時に瞬殺されてしまうため、ほとんど銭闘の記録が残っていない。
プロ野球選手の年俸が高いかどうかは意見が分かれるところであり、稼いでいるように見える選手でも一般のサラリーマンの生涯年収程度しか現役時代に稼げないという話もある。
「年俸制度の査定方法が不明確な球団が多い」ことは昔から言われている。
上記の銭闘のうちの幾つかは球団側の査定方法が不明瞭なために起きたものである。
北海道日本ハムファイターズや東北楽天ゴールデンイーグルスは査定の基準を細分化、明確化することで銭闘を発生させないようにしているが、これは世間一般では当然の方法である。
他にはプロ野球の球団が慢性的に赤字(2015年現在黒字なのは阪神タイガース、読売ジャイアンツ、広島東洋カープ、福岡ソフトバンクホークスのみ)という現状で選手側が年俸を上げることのみを要求し、減俸を拒否するということが許されるかという問題もある。
多額の赤字を計上していた球団の一つである横浜ベイスターズが売却されかけたことは記憶に新しい。
高年俸を売りにしていたMLBも現在ではコストカットが主となっており、費用対効果の悪い選手は次々に切られている。
球団名 | 特徴 | 備考 |
読売ジャイアンツ | 言うまでもないほどの金満球団。 活躍さえすれば気前よく払うため、銭闘の頻度は少ない。 ただし活躍しないと容赦なく切られる。 |
黒字球団その1 |
阪神タイガース | 金満球団その2。 親会社が阪急と合併して経営に余裕があることもあり、基本的に羽振りは良い。 |
黒字球団その2 |
中日ドラゴンズ | 活躍した選手や岩瀬仁紀などの長年の功労者にはかなり気前よく出す。 その一方で査定が適当なのか、なぜか銭闘民族が多く出現する。 落合GM就任以後は激辛査定と無言の圧力で強力なコストカットを行い、退任後も球団側が積極的な銭闘に乗り出している。 ファン目線からすると銭闘というよりむしろ同情する声も。 |
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東京ヤクルトスワローズ | 全球団の中でもかなり貧乏な部類に属する球団。 貧乏故に高年俸選手を留められず、他球団に流出させることが極めて多い。 銭闘の頻度は少なめ。 |
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広島東洋カープ | 金絡みの話題で必ず引き合いに出される貧乏球団の代表格。 ヤクルト同様、高年俸選手に逃げられることが多い。 鈴木本部長の手腕か、銭闘がまず発生しない上に毎年黒字を計上しているのも特徴。 |
黒字球団その3 鈴木本部長が所属 |
横浜DeNAベイスターズ | 前親会社は不良債権と化した選手に多額の投資をよくしており、赤字の主原因でもあった。 親会社が変わってからは大金をはたいて積極的に助っ人外国人を集めるようになった。 中日同様、査定が適当なのか銭闘民族がそこそこの頻度で出現する。 |
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福岡ソフトバンクホークス | 基本的に羽振りは良く、活躍した時には一気に年俸が跳ね上がる。 ただその後は渋るようになることが多く、銭闘の発生要因になっている。 |
黒字球団その4 パ・リーグ唯一の黒字 |
埼玉西武ライオンズ | 西武グループがいろいろ失敗してあまり年俸を出せないからか、銭闘が発生する土壌が少なからずある。 | |
北海道日本ハムファイターズ | BOSシステムと呼ばれる独自に開発したシステムにより、選手の評価や査定を行っている。 評価が宜しくない選手は容赦なく切る、トレードに出すことが多いため、高年俸選手はさほどいない。 |
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オリックス・バファローズ | 基本的に活躍した選手には気前よく出しており、銭闘未遂ぐらいで終わることが多い。 | |
千葉ロッテマリーンズ | ヤクルト並に貧乏な球団。 FA選手の獲得には消極的だが、功労者や活躍した選手にはそこそこ出す。 なぜか銭闘でオフシーズンを賑わすことが少ない。 |
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東北楽天ゴールデンイーグルス | 四球一個で何円・・・など査定の詳細な部分まで選手に公表しているため、銭闘の頻度は少ない。 |
中村紀洋 | |
G.G.佐藤 | |
福留孝介 | |
荒木雅博 | |
川上憲伸 | |
佐伯貴弘 |
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多村仁 |
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杉内俊哉 |
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森本学 | |
諸積兼司 |
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涌井秀章 |
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岩隈久志 | |
加藤宏幸(中日GM) |
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最終更新:2025/02/18(火) 19:00
最終更新:2025/02/18(火) 19:00
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