モダンゲームズ(Modern Games)とは、2019年生まれのアイルランド生産・イギリス調教の競走馬である。
父Dubawi、母Modern Ideals、母の父New Approachという血統。父は仏2000ギニーなどG1・2勝しており、種牡馬として数々の活躍馬を輩出した。母の父は英ダービーなどG1・5勝して、種牡馬として活躍馬を輩出している。
2019年4月17日誕生。生産者・馬主共に世界中で活動している競走馬管理団体ゴドルフィン。所属厩舎はゴドルフィンの専属調教師であるチャーリー・アップルビー調教師の下に預けられた。
7月1日ヘイドックパーク競馬場の一般戦でデビューして5着。24日ニューマーケット競馬場の未勝利戦で初勝利を挙げる。その後は条件戦2着を挟んで、9月8日のドンカスター競馬場の条件戦で2勝目を挙げる。
9月27日のタタソールズゴールドカップステークス(G3)を勝利してグループ競走初制覇。その勢いのまま米国に渡ってブリーダーズカップへと参戦した。
米2歳芝最強牡馬決定戦であるブリーダーズカップジュベナイルターフ(GⅠ)に出走。1番人気に支持されいざ発走と思いきや隣のゲートの僚馬Albahrがゲート内で暴れて転倒。隣のゲートから飛び出して数十メートル走ってしまった本馬も早々に競走除外が宣告された。
……のだが、本馬が飛び出したのはスターターが危険防止で開けたゲートから出ていったものであり、しかもあろうことか獣医は馬体検査をせずに自分からゲートをこじ開けて飛び出したものと判断して早々に除外を宣告したのだった。ということで改めて馬体検査を行った結果出走という裁決が下り、規則に基づき[1]賞金のためだけの出走が認められるという珍事が発生した。
こうして改めて出走することとなったモダンゲームズは内の6番手付近で競馬を進め、コーナーワークで外に持ち出して進出を開始。直線を鋭く伸びて遅れて追い込んできた2着馬に1馬身半差つけてゴールし、G1制覇を果たした。
会場は歓声に包まれ……ることはなくブーイングの嵐。先述の通りモダンゲームズは一度除外されたのだが、この時にモダンゲームズ絡みの馬券が返還されていたのだ。つまりこのレースの勝ち馬は確かにモダンゲームズなのだが、馬券的には2着馬が1着となりモダンゲームズの馬券を買っていた人たちはその利益を得ることができなかった。除外前は1番人気だったこともあり、馬券購入者の不満は爆発。レース翌日に大手メディアのブラッド・ホースにおいて「早まった判断が大失敗を招いた
」と痛烈に獣医の不手際が非難されるなど大きな波紋を呼び、勝ったモダンゲームズには一切非がないものの初G1はほろ苦いものとなった。
同厩舎・同馬主の2歳王者Native Trailとの使い分けで仏クラシック一冠目であるプール・デッセ・デ・プーラン(G1)に1番人気に支持されて出走。好スタートから先行して4番手の好位を確保。直線で逃げ馬を交わして先頭に立つとそのまま後続を抑えてゴールへ飛び込みクラシック制覇を果たした。
その後は二冠目のジョッケクルブ賞(G1)に1番人気で出走してフランス二冠を狙って逃げを打つも、距離延長や苦手な重馬場、さらに道中に絡まれたこともあり、直線で伸び切れずVadeniから突き放された3着敗戦。続いてジャン・プラ賞(G1)でも1番人気に推されるが、極端な距離短縮のせいか5着に敗れた。
その後はサセックスステークス(G1)に出走。相手は無敗の現役最強マイラーBaaeedや前年の覇者で前走ジュライカップの勝ち馬Alcohol FreeなどG1馬5頭を含む7頭が参戦。レースは3番手内でじっくり脚を貯めて、直線で後続を突き放そうとするバスラットレオンに迫り捉えたというところで外からBaaeedに一気に交わされて2着。強豪相手に奮戦するも現役最強マイラーの前には成す術もなかった。
その後はカナダに遠征してウッドバインマイル(GⅠ)に出走。中団後ろの8番手付近で構えて、直線で馬群の外へと持ち出してから豪快に交わし去って2着Ivarに5馬身1/4差をつける圧勝劇でG1・3勝を彩った。
帰国してクイーンエリザベス2世ステークス(G1)に出走、良馬場を希望していたが、重めの稍重での開催となった。1番人気はマイル女王Inspiralで、本馬はそれに次ぐ2番人気に支持された。レースは早々にInspiralが発馬で出遅れる波乱。本馬は3番手から前を捉えようとしていたが、内を通って追い込んできたBayside Boyの末脚に屈して2着に敗れた、
その後は当初の予定通りブリーダーズカップ・マイル(GⅠ)に出走。単勝2.3倍の1番人気に支持された。前肢を挙げるようにゲートから出てしまい、こんな発馬では行き脚が付くはずもなく次々と前に入られ、中団馬群の中で追走する羽目となってしまった。第3コーナーからペース上り鞍上の動きが激しくなりこれは厳しいかと思われたが、直線に入ると外から強烈な末脚を使って先行く馬たちを纏めて交わし去って3/4馬身差でゴール板に飛び込んで2年連続ブリーダーズカップ優勝。G1・4勝目を挙げた。
古馬初戦は得意のアメリカに遠征してメーカーズマークマイルステークス(GⅠ)に出走。北米戦無敗ということもあり圧倒的な1番人気に支持された。しかし、レースでは前3頭から離れた4番手での追走から直線で外に持ち出して追い上げるも、2番手から直線で先頭に立って押し切りを図るChez Pierreとの差を詰めることができずに3馬身半差の完敗。モダンゲームズは3着馬とクビ差の2着が精一杯で、北米において初めての黒星となってしまった。
気を取り直して自国イギリスに戻ってロッキンジステークス(G1)に出走。マイルの絶対王者Baaeedが引退してマイル女王Inspiralも回避したこともあって暫定王者となったモダンゲームズであったが、G1勝ち鞍の大半が北米でのもので、更にイギリスのG1は未勝利、極めつけとして前走で5戦4勝とはいえ唯一の負けが重賞初出走のタンパベイS(GⅢ)で6着という成績のChez Pierreに完敗していたせいか、単勝オッズ4.0倍という1番人気とはいえ実績の割に信用がないというかやや舐められた評価となった。
レースでは発馬を決めると馬群後方の外で位置で脚を貯めながら待機。残り3ハロン切って各馬が動き始めて、残り1ハロン標識でChinditが先頭に立つとそれに呼応するかのように鞍上の鞭を受けてモダンゲームズも末脚を点火させて前を捕らえんとる。しかし、先頭に立とうというところでChinditがモダンゲームズに噛みつこうとする予想だにしていない事態が発生。それを意に介さず交わし去るとChinditに1馬身半差をつけて勝利。G1・5勝目を調教国であるイギリスで挙げることとなり、アメリカ・フランス・カナダに続く4ヵ国でのG1制覇を果たした。また2~4歳の3年連続でG1勝利となった。
余談であるがChinditはモダンゲームズを噛むことはなかったものの、その鞍上であるビュイック騎手の左手に噛みついていた。それにも関わらずビュイック騎手は騎乗に徹してモダンゲームズを勝利へと導いた。ビュイック騎手は「彼らは必死だったけど、この馬はリアルスーパースターさ」と際どい場面にも余裕を見せながらそう振り返った。
返す刀で翌月のロイヤルアスコット開催のオープニングカード、クイーンアンステークス(GⅠ)に出走し、ここではInspiralを上回って1番人気に推されたが伸びを欠いて伏兵Triple Timeの4着と敗戦。このレース以降は出走が無く、8月15日に引退・種牡馬入りが発表された。
| Dubawi 2002 鹿毛 |
Dubai Millennium 1996 鹿毛 |
Seeking the Gold | Mr Prospector |
| Con Game | |||
| Colorado Dancer | Shareef Dancer | ||
| Fall Aspen | |||
| Zomaradah 1995 鹿毛 |
Deploy | Shirley Heights | |
| Slightly Dangerous | |||
| Jawaher | *ダンシングブレーヴ | ||
| High Tern | |||
| Modern Ideals 2010 鹿毛 FNo.22-b |
New Approach 2005 栗毛 |
Galileo | Sadler's Wells |
| Urban Sea | |||
| Park Express | Ahonoora | ||
| Matcher | |||
| Epitome 1999 鹿毛 |
Nashwan | Blushing Groom | |
| Height of Fashion | |||
| Proskona | Mr Prospector | ||
| Konafa |
クロス:Mr Prospector 4×4、Northern Dancer 5×5
掲示板
14 ななしのよっしん
2023/06/20(火) 22:58:12 ID: X8mo09wnPK
ロッキンジステークスは平坦コースとライバルが自滅したこともあって快勝できたけど、やっぱりアスコットのクイーンアンステークスはこの馬には難しかったかな
スピードと操縦性が求められるサセックスステークスならもっとチャンスはあると思う
15 ななしのよっしん
2023/08/15(火) 20:42:50 ID: 3M2S9OL7RE
電撃引退…。色々あったけど、3年連続G1を制覇したし、後継種牡馬として頑張ってね。
16 ななしのよっしん
2023/11/12(日) 08:39:34 ID: 3M2S9OL7RE
今年のBCマイルはゴドルフィンのワンツーで後一歩で兄妹連覇だったな
妹のモージは来年はドバイターフを目指すとのこと
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最終更新:2025/12/27(土) 17:00
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