クラックスマン(Cracksman)とは2014年生まれのイギリスの競走馬である。
父Frankel、母 Rhadegunda、母の父Pivotalという血統。
父はマイル・中距離路線で無双した世界最強馬。本馬はその初年度産駒である。
母はリステッド競走の優勝している。母の父はナンソープステークスの優勝馬で、種牡馬として多数の活躍馬を輩出した。
半兄に英G3を勝ったFantastic Moonがいる。
2014年4月9日に誕生。生産者はHascombe & Valiant Studs。馬主はアンソニー・オッペンハイマー。
厩舎は数々の名馬を手掛けた名伯楽ジョン・ゴスデン調教師の下に預けられた。
10月中旬ニューマーケット競馬場の未勝利戦にロベルト・ハヴリンを背にデビューして初勝利を挙げた。この年はイギリス平地シーズンの終盤たったため、この1戦のみで終えた。
4月末のエプソムダウンズ競馬場の条件戦から始動して、世界的名手ランフランコ・デットーリを鞍上に迎えて連勝を挙げる。
その後はダービーステークス(G1)に1番人気で出走するもWings Of Eaglesの3着に敗れた。続くアイリッシュダービー(G1)ではパット・スマレンに乗り替わって後方から大外を通って前に迫るもCapriを捉え切れずにクビ差の2着に敗れた。
8月のイボア開催に行われるセントレジャーステークスの前哨戦、グレートヴォルティジュールステークス(G2)に再びデットーリ騎手の組んで出走。英愛ダービーでの好走が評価されて圧倒的な1番人気に支持され、その期待に応えて6馬身差の圧勝でグループ競走初制覇を果たした。
ゴスデン師は「英セントレジャーに行けば勝てるかもしれないけど、この馬にとって不可欠なプログラムという訳でもない」とセントレジャーステークスを使わないことを明言。セントレジャー君かわいそう。凱旋門賞かチャンピオンステークスのどちらかに出走させる可能性を述べた。
続いて凱旋門賞と同条件で行われるアークトライアルの3歳限定戦ニエル賞(G2)に出走。2番手から押し切って3馬身半差の圧勝でグループ競走を連勝とした。
その後は凱旋門賞は回避してチャンピオンステークス(G1)に出走。G1・6勝を挙げていたHighland Reel、今年のフランスクラシック二冠馬Brametotなどが出走していたが、G1未勝利馬ながら1番人気に支持された。レースは4番手につけてから、直線で4分所を通って力強く抜け出すと2着Poet's Wordに7馬身差を付ける圧勝でG1初制覇を果たした。
この走りの評価でロンジンワールドベストレースホースランキングで130ポンドを獲得。Arrogate・Winxに次ぐ3位タイの評価であった。
この年のチャンピオンステークスの圧勝劇や好走歴が評価されてカルティエ賞最優秀3歳牡馬に選出された。
4月末のガネー賞(G1)から始動。昨年のガネー賞優勝馬で凱旋門賞でも2着と好走したCloth Of StarsやG1・2勝のRhododendronも出走すが1番人気に支持された。レースでは2番手に付けると直線で逃げ馬を交わして4馬身差の圧勝。難なくG1連勝を果たした。
続いてダービーフェスティバルのコロネーションカップ(G1)に出走。ここではドバイシーマクラシックの覇者Hawkbillぐらいしか対抗馬がいなかったため圧倒的な1番人気の支持を受けた。
しかし、発馬前に隣の馬が暴れた影響でゲートに突進。幸い大事なくレースに参加できたが、中団4番手の追走から内を通って抜け出そうとしても下り坂を気にして逃げ馬なかなか交わし切れなかった。だが、そこから馬場のいい大外に持ち出してから鋭く伸びてアタマ差で制し、辛勝ながらもG1・3連勝を含む5連勝を挙げた。
ゴスデン師は苦戦した理由としてゲートに頭をぶつけたことが原因であると語った。
その後はロイヤルアスコット開催のプリンスオブウェールズステークス(G1)に出走。単勝オッズ1.4倍の圧倒的1番人気に支持されるも直線でPoet's Wordに交わされて2馬身1/4差という完敗を喫して、6連勝とはならなった。
陣営は敗因として時計が早かったことを挙げた。……これが彼の連続回避の始まりとなるとは誰も予想していなかったであろう。
次走はキングジョージVI世&クイーンエリザベスステークス(G1)にハヴリン騎手で出走する予定だったが、良馬場という前走と同じ堅い馬場状態だったため出走を取り消して回避。勝ち馬はPoet's Wordだった。
続いてインターナショナルステークスへの出走を検討したが、ここも堅い馬場状態が予想されて回避。アイリッシュチャンピオンステークスも馬場状態を理由に回避した。
そして凱旋門賞への出走を検討。当日は雨予報であったが、陣営は十分な重馬場になるとは思えないとして回避。これで4戦連続回避となった。
ちなみにこの回避で「クラックスマンはEnableから逃げた」と言われるが断じて違う。彼はEnableから逃げたのではない、良馬場から逃げたのだ。どっちにしろ逃げてんじゃねーか。
ちなみこの凱旋門賞はかなりの高速馬場となり、数頭な故障馬が出るほどであった。陣営はこの選択に胸を撫で下ろしたであろう。
もうこのまま一度も走らずに引退するのかと思われたが、チャンピオンステークス(G1)は陣営が待ち望んだ重馬場、クラックスマンが力を発揮する絶好の舞台となった。
Enableを始めとした大多数の強豪は凱旋門賞を選択したため出走せず、G1・3連勝中のRoaring Lionはクラックスマンとは逆に馬場状態の悪化を懸念して同日のクイーンエリザベスⅡ世を選択、自身を負かしたPoet's Wordは故障により引退したため物寂しいこととなった。それでもG1・3勝馬Rhododendronや愛英クラシック2勝馬Capri、グループ競走4勝馬でG1では勝ち星を挙げられず前走G3で軽く勝利を挙げようとした復帰戦のEnableに軽く捻られた善戦マンのCrystal Oceanなどが出走した。
レースでは4番手で追走。直線に入ると同時に豪脚を披露して一気に交わし去るとそのまま独走。ゴール前でデットーリ騎手が早々に拳を挙げる余裕をパフォーマンスを見せつけてながら2着のCrystal Oceanに6馬身差の圧勝。チャンピオンステークス連覇でG1・4勝目を挙げた。
この走りにより2年連続で130ポンドを獲得。Winxと並んで世界1位となった。
チャンピオンステークスを最後に引退。通算成績11戦8勝、内G1・4勝。
初年度の産駒からジョッケクルブ賞・凱旋門賞を無敗で制したAce Impactを出した。
競走馬を距離適性を判断する重要な指標としてミオスタチン遺伝子がある。詳細は当該記事に委ねるがC:C型なら短距離馬、C:T型なら中距離前後。T:T型なら長距離馬といった具合である。
クラックマンは10ハロンから12ハロン、つまり2000m~2400mの活躍馬でここから導き出される推論はC:T型かT:T型である。
では実際のクラックスマンの調べた結果を紹介しよう。その結果は……。
C:C型
お分かり頂けただろうか。つまりクラックスマンはミオスタチン遺伝子的にはスプリントやマイルで活躍する短距離馬なのである。
確かにミオスタチン遺伝子は走る前から距離適性を判断できる重要な指標である。しかし、それが全てなく走ってみるまで本当の距離適性は分からない。クラックスマンはそれを証明する重要な1頭である。まあ、C:C型なのにダービーステークスを狙って撃沈したDawn Approachのように、大体は遺伝子通りの結果になるが。
| Frankel 2008 鹿毛 |
Galileo 1998 鹿毛 |
Sadler's Wells | Northern Dancer |
| Fairy Bridge | |||
| Urban Sea | Miswaki | ||
| Allegretta | |||
| Kind 2001 鹿毛 |
*デインヒル | Danzig | |
| Razyana | |||
| Rainbow Lake | Rainbow Quest | ||
| Rockfest | |||
| Rhadegunda 2005 鹿毛 FNo.9-C |
Pivotal 1993 栗毛 |
Polar Falcon | Nureyev |
| Marie D'argonne | |||
| Fearless Revival | Cozzene | ||
| Stufida | |||
| St Radegund 1994 鹿毛 |
Green Desert | Danzig | |
| Foreign Courier | |||
| On The House | Be My Guest | ||
| Lora |
クロス:Northern Dancer 4×5×5×5×5(18.75%)、Danzig 4×4(12.50%)、Special 5×5(6.25%)
掲示板
4 ななしのよっしん
2023/11/10(金) 10:27:57 ID: dw9TjQVuQL
>>3
どうしてもフランケルの代用だからね、集まる繁殖牝馬もそれなり
フランケルとの年齢差があれば話は違うけど、フランケルの初年度産駒だから
そこからエースインパクトを初年度に出したのはプラス材料でしかないよ
5 ななしのよっしん
2024/01/11(木) 22:56:58 ID: QWKpGuwzh8
初年度からフランスのリーディングサイアー獲得とはやりますねぇ
6 ななしのよっしん
2024/09/26(木) 18:39:05 ID: z6Z9AJf6Rp
急上昇ワード改
最終更新:2025/12/26(金) 19:00
最終更新:2025/12/26(金) 18:00
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