レーヌミノル(Reine Minoru)とは、2014年生まれの日本の競走馬。栗毛の牝馬。
超良血馬や後の年度代表馬を破って父に初のクラシックタイトルを贈り、また調教助手とのラブラブっぷりで人気を博した2017年の桜花賞馬。
主な勝ち鞍
2016年:小倉2歳ステークス(GⅢ)
2017年:桜花賞(GⅠ)
父ダイワメジャー、母ダイワエンジェル、母父*タイキシャトルという血統。
父は人気薄で皐月賞を勝ったあと、喘鳴症による不振を乗り越えてGⅠを5勝、種牡馬としても大成功を収めた名馬。産駒は総じて早熟のマイラーであり、世代戦で活躍する一方、古馬となってからは伸び悩む傾向がある。
母はダートで4戦未勝利。4戦目で故障、競走中止し現役引退となった馬。
母父は欧州GⅠを含めマイルで無敵を誇ったマル外で、短距離馬として初めて年度代表馬に選出された史上最強マイラー。種牡馬としてはメイショウボーラーなどを送り出した。
母母プリンセススキーは1987年のラジオたんぱ杯3歳牝馬ステークス(GⅢ)の勝ち馬。
2014年4月24日、新ひだか町のフジワラファーム(主な生産馬にウイングアロー、ワイドファラオなど)で誕生。
オーナーは「ミノル」冠名を用いる吉岡實(広島の海運業者「マルヨシ物産」代表)。勝負服と同じ、白地に赤のストライプのメンコがトレードマークであった。
気性は非常に大人しく、おっとりしていたという。たてがみを毎回編み込んでいたが、余計な動きをしないので他の馬の半分の時間で終わったそうな。
栗東・本田優厩舎に入厩し、デビューは2016年8月7日、小倉競馬場・芝1200m・牝馬限定の新馬戦。鞍上は福岡が地元の浜中俊を迎え、以降クラシック前まで主戦を務めた。単勝1.8倍の支持に応え、3番手からほぼ馬なりのまま直線で楽々と抜け出して快勝デビューを飾る。
続いて9月の小倉2歳ステークス(GⅢ)に参戦。ここでも単勝3.9倍ながら1番人気に支持されると、2番手追走から3コーナーでもう先頭に立ち、あとは直線でも後続をグングンと突き放す一方で、なんと1200m戦で6馬身差の圧勝。圧巻の走りで重賞初制覇を飾る。
この圧勝で続く3戦目、京王杯2歳ステークス(GⅡ)では単勝2.0倍の1番人気に支持される。しかし2番手追走から直線で抜け出すも、後ろから飛んできた後の朝日杯FS2着馬モンドキャンノにかわされ、食い下がったものの半馬身差の2着に敗れた。
そして12月の2歳女王決定戦、阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ)。ここで彼女はクラシックでのライバル2頭と初めて顔を合わせた。1番人気は父フランケル母スタセリタの超良血・ソウルスターリング。2番人気は阪神の未勝利戦で2歳コースレコードを叩き出し、前走アルテミスSを快勝してきたリスグラシューである。この2頭が2.8倍、3.0倍で人気を分け合い、レーヌミノルは6.9倍の3番人気。
レースは好スタートを切りつつも、内から前に出て行ったソウルスターリングを横目に見ながら5番手で進める。直線入口ではソウルスターリングが内に突っ込んだのに対してレーヌミノルは外に持ち出したが、ソウルスターリングには突き放され、後ろから飛んできたリスグラシューにも置いて行かれて人気通りのワンツースリーとなっての3着。
ちなみにこの阪神JF、浜中俊がミッキーアイルで勝ったマイルCSで斜行により23日間もの騎乗停止を食らっていたため、代打で蛯名正義が騎乗していたのだが……浜中騎手はこの後、レーヌミノルでもやらかすことになる。
それはともかく、明けて3歳はクイーンカップ(GⅢ)で始動。鞍上も浜中に戻ったが、前走でカデナを破った連勝中のアドマイヤミヤビ、アルテミスSでリスグラシューの2着だったフローレスマジックと人気を分け合い3番人気。レースはポンと好スタートから他に逃げる馬がいなかったためそのままハナを切って逃げたが、直線で粘りきれずアドマイヤミヤビの4着。
そしてトライアルのフィリーズレビュー(GⅡ)。ここは1.8倍の断然の1番人気に支持され、浜中騎手も「もう一度この馬が強いというところを皆さんに見てもらいたい」と意気込んだ。だが……。
レースはいつもより後ろの中団で進め、4コーナーで外を捲って直線入口で先頭に立つと、内に切れ込んで内ラチ沿いで押し切ろうとしたが、大外から追い込んできた2番人気カラクレナイにかわされ2着。
……そして問題となったのは、この直線入口での斜行だった。4着のジューヌエコールが被害を受けたのは明らかだったが、審議のランプは灯らず。後にJRA公式サイトで「降着なし・浜中騎手に8日間の騎乗停止」という処分が発表されるだけというJRAの対応にも批判が集まったが、何より前年のマイルCSでやらかした浜中騎手がまたもやらかし、しかも今回は差されて負けたわけで、安藤勝己も「レーヌミノルの乗り方は酷かった。」とTwitterでバッサリ。当の浜中騎手はメディアの取材に「もういいでしょう」としか返さず(その対応がまた批判され)、その日のうちに藤岡佑介に「もうジョッキーを続けていく自信がないです」というメールを送るほど落ちこんだそうである。
結局、このレースで浜中騎手はレーヌミノルを降板することになった。
主戦の浜中俊を失ったレーヌミノル。本番の桜花賞(GⅠ)、代打に迎えられたのは、2年前はクルミナルで2着、1年前は無敗のシンハライトで挑みわずか2cm差でジュエラーの2着に敗れた池添謙一だった。
本番のオッズはチューリップ賞を快勝してきた無敗の2歳女王ソウルスターリングが1.4倍の圧倒的1番人気。3連勝のアドマイヤミヤビが5.1倍の2番人気で、3番人気のリスグラシューは14.5倍という、完全なソウルスターリングの一強ムードである。惜敗続きのレーヌミノルはかなり評価を落とし、40.8倍の8番人気に留まった。
前日から降り続いた雨で稍重の馬場の中、カワキタエンカが飛ばして逃げ、淀みのない流れで縦長の展開の中、いつも通り好スタートから前目につけたレーヌミノル。冷静にチャンスを待った池添とレーヌミノルは、直線入口で馬群が横にばらけると、満を持して追い出し、残り200m前で先頭に抜け出す。後ろからはソウルスターリングが追いかけてきて、さらに外からはリスグラシューとカラクレナイ、アエロリットが猛然と追い込んできたが、寄せ付けず半馬身押し切ったところがゴール板だった。
先頭はここでレーヌミノルに変わる! 一番外からアドマイヤミヤビ届くかどうか、ソウルスターリングも迫ってくる、しかし先頭はレーヌミノル! レーヌミノル先頭だ!
カラクレナイが上がって来た! ソウルスターリングは苦しい!
先頭はレーヌミノル、カラクレナイ、リスグラシュー、アエロリットも来た!
レーヌミノルか、リスグラシューか、レーヌミノルー!
池添謙一渾身の一撃! レーヌミノルです!
大舞台の強さに定評のある池添騎手が、過去2年の悔しさを晴らして、一週前の追い切りで初めて乗ったというレーヌミノルを見事に桜の女王へ導いた。池添騎手は自身のGⅠ初勝利である2002年のアローキャリー以来15年ぶり2度目の桜花賞制覇となった。
吉岡オーナーは嬉しいGⅠ初勝利。騎手としては数々のGⅠを制した本田優調教師も、調教師としてはこれが開業後GⅠ初制覇。桜花賞は騎手時代にテイエムオーシャンで制しており、史上4人目の騎手・調教師で同一GⅠ制覇を達成した。また、ダイワメジャー産駒もクラシックはこれが初制覇となった。メジャーエンブレムが去年負けたからね。
レーヌミノルは続いて池添騎手と優駿牝馬(GⅠ)に向かったが、ダイワメジャー産駒に2400mはやっぱり長かったか、見せ場なく13着に撃沈。秋もローズステークス(GⅡ)は9着、秋華賞(GⅠ)は14着と惨敗し、池添謙一もここで降板となる。
替わって和田竜二を迎えたマイルチャンピオンシップ(GⅠ)では10番人気だったが、直線でエアスピネルと一緒に抜け出して食い下がり、最後はペルシアンナイトとサングレーザーにかわされ突き放されたものの4着と健闘する。
しかし3歳最終戦の阪神カップ(GⅡ)を7着に敗れると、古馬となってからは短距離からマイルに絞って出走を続けたものの一度も掲示板にすら載れない惨敗が続き、5歳初戦の京都牝馬ステークス(GⅢ)を11着に敗れたところで現役引退となった。
通算20戦3勝。桜花賞を勝ったあと、オークスと秋華賞は距離の壁に跳ね返され、古馬となってからはさっぱりという、なんというか典型的な桜花賞馬、ザ・ダイワメジャー産駒という感じの戦績であるのは否めない。
しかし桜花賞で倒した顔ぶれを見れば、2着リスグラシュー(GⅠ4勝・2019年の年度代表馬)、3着ソウルスターリング(阪神JF・オークスのGⅠ2勝)、5着アエロリット(NHKマイルカップ制覇)、6着ディアドラ(秋華賞に海外GⅠ制覇)である。この面子に見事にひと泡吹かせた桜花賞の池添謙一の騎乗は見事だったと言うべきだろう。オークスじゃなく、距離適性重視でアエロリットと一緒にNHKマイルカップに向かっていればどうなっていただろうか……。言っても仕方ないことではあるが。
引退後は故郷のフジワラファームで繁殖入り。今後は子供たちの活躍に期待したい。
レーヌミノルを語る上で外せないのが、本田厩舎の中井仁調教助手である。
なぜいち調教助手が?というと、彼は毎回パドックでレーヌミノルの引き馬を担当しており、しきりに鼻面や首筋を撫でて、止まれの号令がかかるとレーヌミノルにキスするかのように顔を寄せて寄り添っていた。その姿がパドック撮影民によってSNSに投稿され、「レーヌミノルが担当さんとイチャイチャしてる」と話題になったのである。引退までパドックでの中井助手とレーヌミノルのイチャイチャは続き、パドックではいつも人気者であった。
彼女を「レーちゃん」と呼んでいた中井助手。彼はかつて、重賞4勝を挙げた牝馬フミノイマージンを担当していたのだが、彼女は2013年のヴィクトリアマイルでレース中に故障、予後不良になってしまった。形見としてフミノイマージンのたてがみの一部を譲り受けた彼は、レースに行くときはいつもお守りとしてそれを懐に忍ばせ、レーヌミノルとパドックでイチャイチャしているときも「無事に帰ってきてほしい」と声を掛けて祈っていたのだという。
レーヌミノルと出会い、「この子でGⅠに行きたいし、勝ちたい」と言っていたという中井助手。レーヌミノルが桜花賞を勝ったとき、その身体を抱きしめて男泣きする姿は、ファンの印象に強く残っている。
ダイワメジャー 2001 栗毛 |
*サンデーサイレンス 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason |
Cosmah | |||
Wishing Well | Understanding | ||
Mountain Flower | |||
スカーレットブーケ 1988 栗毛 |
*ノーザンテースト | Northern Dancer | |
Lady Victiria | |||
*スカーレットインク | Crimson Satan | ||
Consentida | |||
ダイワエンジェル 2000 栗毛 FNo.2-c |
*タイキシャトル 1994 栗毛 |
Devil's Bag | Halo |
Ballade | |||
*ウェルシュマフィン | Caerleon | ||
Muffitys | |||
プリンセススキー 1985 鹿毛 |
*ロイヤルスキー | Raja Baba | |
Coz o'Nijinsky | |||
ギフトプリンセス | *テスコボーイ | ||
ヤマトタチバナ |
掲示板
1 ななしのよっしん
2023/06/03(土) 09:56:00 ID: L+dAs8mu4L
まーたウマ以降に粗製濫造された記事か…
急上昇ワード改
最終更新:2024/11/26(火) 16:00
最終更新:2024/11/26(火) 16:00
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