サブノジュニア

サブノジュニア (Sabuno Junior) とは、2014年3月15日生まれの日本の競走馬である。黒鹿毛の牡馬。

主な勝ち鞍
2020年：JBCスプリント(JpnI)、アフター5スター賞(南関東SⅢ)

概要

父*サウスヴィグラス、母サブノイナズマ、母父*カコイーシーズという血統。

父*サウスヴィグラスはJBCスプリントの勝ち馬で、地方競馬リーディングサイアーとなること8度の名種牡馬。

母サブノイナズマ^[1]は大井競馬で2勝したのみの地方馬、母母サブノアフロディアも同じく大井競馬で2勝したのみの地方馬である。ただ、その母*サニーモーニングの産駒には神戸新聞杯勝ち馬シロキタクロスがいて、更にその母母となると直仔に*トライマイベストとEl Gran Senor、牝系の子孫にフサイチパンドラ、アーモンドアイなどがいるSex Appeal^[2]であるから良血とまではいわずとも悪くはない血統かもしれない。

母父*カコイーシーズは輸入種牡馬として地方中心に実績を残し、交流重賞の勝ち馬などを輩出している。

リアルダービースタリオンでも知られる藤沢牧場生産、馬主は母と同じくサブノ冠の中川三郎。

馬名の意味は「冠名＋年下の」。

戦績

2歳(2016年)

如何にも地方馬と言う血統だが、本馬も大井の堀千亜樹厩舎に入厩。

9月のダート1200mの新馬で単勝1.2倍の圧倒的1番人気も2着。2戦目は2番人気3着、3戦目は2番人気で8着と大敗。4戦目は的場文男^[3]が騎乗したが、ハナ差で2着。

5戦目は的場騎乗のダート1200mで1番人気に支持されると、ここは逃げて上がり最速で5馬身差の勝利。12月31日というあと半日で3歳を迎えるタイミングでの初勝利となった。

3歳(2017年)

1月の寒椿特別競走こそ1番人気で逃げて3着に終わったが、クロッカス特別競走を1馬身半差で勝利、菜の花特別競走を5馬身差で勝利、マーガレット特別競走を5馬身差で勝利と3連勝。

更に優駿スプリントトライアルも単勝1.7倍の1番人気に応えて3馬身半差で勝利し、3歳限定のスプリント地方重賞である6月の優駿スプリント(SⅡ^[4])を単勝1.3倍の圧倒的1番人気で迎えた。しかし、スタートでダッシュが付かず中団からの競馬となり、直線で内を突き一旦前に出たものの最後にはバンドオンザランに1馬身以上付けられて2着に終わった。

8月には鞍上が和田譲治となり、アフター5スター賞(SⅢ)に出走して3番人気となるが、キタサンミカヅキ^[5]、ゴーディー^[6]、アピアに次ぐ4着。

10月の印西市コスモス賞も1番人気で2着。11月のしぶやダイバーシティ賞は2番人気で1着で同月の東京トゥインクルマルシェ賞は2番人気2着。

12月には浦和競馬の重賞ゴールドカップ(SⅡ)に出走したが、ここは5番人気6着。

4歳(2018年)

1月の'18ウインタースプリントは1番人気2着。3月のフジノウェーブ記念(SⅢ)は5番人気10着。矢野貴之が鞍上となった同月の弥生賞^[7]は2番人気3着。

4月には大井で行われる交流重賞、東京スプリント(JpnⅢ)に出走。交流重賞での実績が全くない地方馬とあって11番人気であったが、主役不在とも言われる中で内目を通ってきた効果もあって上がり最速で4着と健闘。

9月のマイルグランプリトライアルは7番人気7着であったが、柏木健宏を鞍上に15番人気で迎えた10月のマイルグランプリ(SⅡ)は5着と健闘した。

11月の黄葉賞は矢野鞍上で3番人気2着。

5歳(2019年)

骨折による長期休養を挟んだ7月のサンタアニタトロフィー(SⅢ)は西啓太を鞍上に10番人気で迎えたが、後方からの競馬となり上がり最速で5着^[8]。

再び矢野を鞍上に迎えた8月のアフター5スター賞(SⅢ)は3番人気で上がり最速も僅差の3着。

9月のマイルグランプリトライアルは2番人気2着であったが、3番人気で迎えた10月のマイルグランプリ(SⅡ)は7着に終わった。10月は交流重賞の東京盃にも登録していたがここは回避している。

11月の黄葉賞は2番人気で迎え、2馬身半差つけて1着。

6歳(2020年)

1月の'20ウインタースプリントは1番人気で2馬身差を付けて1着。2月のフジノウェーブ記念(SⅢ)は1番人気に支持されたものの4着。

4月には2年ぶりに東京スプリント(JpnⅢ)に出走。5番人気に支持されたレースでは、4番手を追走し直線で行き場に迷う場面がありながらも上がり最速を出してジャスティンに次ぐ2着。

同月の神田川オープンは3番手から上がり最速で1番人気に応える4馬身差の1着。7月のジュライ賞も1番人気1着。

9月には541㎏と重めの馬体重でアフター5スター賞(SⅢ)に出走。単勝2.3倍の1番人気に支持されると、パドックは相変わらずやる気があるのかわからないような感じでありながら、レース本番では中団後方から直線で抜け出し、南関東でもナンバーワンと騎手に言わしめた差し脚で上がり最速を出し1馬身以上付けての1着。ここに来てついに地方重賞初制覇となり、騎手も中央馬と互角の競馬ができる馬であると自信を覗かせた。

10月には東京盃(JpnⅡ)に出走。4番人気も単勝5.5倍と有力馬扱いであったが、付けた位置が後ろすぎたか5着に終わった。

続いて出走したのは大井で行われる11月のJBCスプリント(JpnI)。単勝19.7倍の8番人気で迎えたレースは、中団で進め直線で各馬を外から差し切ってマテラスカイに1馬身半以上の差を付けて勝利。矢野騎手は同年4月のサルサディオーネで交流重賞勝利を決めていたが、JpnI勝利はこれが初であった。またサウスヴィグラス産駒としてもコーリンベリー以来のJBCスプリント父仔制覇となった。

12月にはJRAのカペラステークス(GⅢ)に出走。5番人気に支持されたものの8着に終わり、ここで初めてダート1200mで掲示板を外す結果となった。

JBCスプリントでの勝利をたたえる形で、年明けには2020年のNAR年度代表馬、NAR4歳以上最優秀牡馬、NAR最優秀短距離馬、TCK大賞に選出された。

7歳(2021年)

1月にはJRAの根岸ステークス(GⅢ)に出走。森泰斗を鞍上に15番人気となったが結果は9着。

3月のフジノウェーブ記念(SⅢ)は矢野を鞍上に2番人気に支持されたが4着。

4月には東京スプリント(JpnⅢ)に出走。2番人気に支持されたレースでは、中団から差して上がり最速を出したがアタマ差でリュウノユキナに敗れて2着。

9月にはアフター5スター賞(SⅢ)に出走。単勝2.8倍の1番人気に支持されたが、3着。

10月には東京盃(JpnⅡ)に出走。4番人気に支持されたが、上手く進まず後方2番手からの競馬で6着に終わった。

11月には金沢で行われる11月のJBCスプリント(JpnI)に8番人気で出走し、6着。

12月には引退レースとしてビオラ賞に出走。単勝1.8番人気の1番人気に支持されたが6着。レース後には引退セレモニーが行われた。44戦12勝 [12-10-5-17]。

種牡馬入り

引退後はイーストスタッドに種牡馬として繋養されることとなった。種付け料は30万円。

やはりJpnI1勝のみとなると厳しいところではあったか、藤沢牧場^[9]やサブノ冠の繁殖牝馬中心で、初年度2022年の種付け数は16頭で生産頭数5頭、2年目は種付け数12頭、3年目は種付け数7頭となった。

3年目を終えた後にイーストスタッドを退厩し、日本軽種馬協会(JBBA)で繋養されることとなった。どちらかと言えば種牡馬を輸入し生産者に供給しようとしている印象が強いJBBAが同馬を繋養することに決めたのは、JBBAのもう1つの種牡馬繋養目的ともいえる北海道外への種牡馬供用のためであろう。

2025年からは青森県七戸町にある日本軽種馬協会七戸種馬場^[10]において種付け料20万円で供用され、同年の種付け数は14頭となった。

血統表

*サウスヴィグラス 1996 栗毛	*エンドスウィープ 1991 鹿毛	*フォーティナイナー	Mr. Prospector
			File
		Broom Dance	Dance Spell
			Witching Hour
	*ダーケストスター 1989 黒鹿毛	Star de Naskra	Naskra
			Candle Star
		Minnie Riperton	Cornish Prince
			English Harbor
サブノイナズマ 2005 青鹿毛 FNo.8-f	*カコイーシーズ 1986 鹿毛	Alydar	Raise a Native
			Sweet Tooth
		Careless Notion	Jester
			Miss Uppity
	サブノアフロディア 1997 黒鹿毛	フジキセキ	*サンデーサイレンス
			*ミルレーサー
		*サニーモーニング	Law Society
			Golden Oriole

クロス：Raise a Native 5×4(9.38%)、Northern Dancer 5×5(6.25%)

関連項目

• 競馬
• 競走馬の一覧
• 2017年クラシック世代

脚注

1. *産駒にはその他地方重賞の東京記念を勝利したサブノクロヒョウ
2. *その更に母は一大牝系の祖とも言われるBest in Show
3. *当時60歳
4. *以下のSI、SⅡ、SⅢは 南関東公営競馬の独自格付けである
5. *中央から移籍初戦
6. *アングロアラブの血を引くサラ系
7. *中央競馬の報知杯弥生賞ディープインパクト記念（皐月賞トライアル）とは無関係
8. *6着は半兄サブノクロヒョウ
9. *2年目産駒の1頭は藤沢牧場により「ドヤ顔+楽器」という由来でドヤコンガと命名されて話題になった。
10. *2024年は26歳のアルデバランⅡ(同年引退)と11歳のクリエイターⅡ(七戸繋養のエスケンデレヤの死亡に伴いシーズン中に北海道から移動してきたが同年退厩)の2頭が繋養されていた