アルアインとは、2014年生まれの日本の競走馬である。鹿毛の牡馬。
主な勝ち鞍
2017年:皐月賞(GI)、毎日杯(GIII)
2019年:大阪杯(GI)
父ディープインパクト、母*ドバイマジェスティ、母父Essence of Dubai
父ディープインパクトは日本の三冠馬にして種牡馬としても大活躍した説明不要レベルの名馬。
母*ドバイマジェスティはブリーダーズカップフィリー&メアスプリント(GI)、サラブレッドクラブオヴアメリカS(GII)などアメリカで34戦12勝をあげて2010年のエクリプス賞チャンピオンスプリンター牝馬に選出された名牝と、まぎれもない良血である。全弟には2021年のダービー馬にして2022年のドバイシーマクラシックを制して日本ダービー馬として初めて海外GⅠを勝利し、その後も世界の大レースを転戦して「空飛ぶダービー馬」とも呼ばれたシャフリヤールがいる。
母父のEssence of DubaiはUAEの2000ギニーとダービーを制してアメリカクラシックに挑戦した馬で、GⅠ勝利はないがアメリカでもスーパーダービーを勝っている。種牡馬としてはドバイマジェスティ以外に活躍馬はいないようだ。
生産はノーザンファームで栗東の池江泰寿所属、オーナーはサンデーレーシング。
馬名はドバイの世界遺産であるアル・アインの文化的遺跡群から。母ドバイマジェスティから連想してつけられたのだがドバイマジェスティは一応アメリカ産でアメリカ調教、アメリカのみで競走した馬である。
5月1日生まれと遅生まれであったことが問題だったのだが、じっくり育てた結果2歳時にはクラシック候補の1頭として注目される存在になっていた。
鞍上R.ムーアで1番人気になって迎えた10月の新馬戦(京都芝1600m)ではスタートから行きっぷりが良くなかったのか押しながら出して最初は先団馬群を見る位置にいたが道中で馬群の後ろに入れて追走、直線では前が仕掛けたところで後手を踏むように大外に回って追い込むと残り200mほどでエンジンがかかって前のキラービューティに並びかけて競り落とし1/2馬身差の1着でゴールして新馬勝ち。
次走は同じくマイルの12月千両賞(2歳500万下)となり鞍上はV.シュミノーでここも1番人気になった。重馬場で始まったレースではスタートから行き足がついて先団馬群の中を先行する競馬になったが、直線では最内から伸びると鞭が入って一気に抜け出しそのまま後続を封じて1馬身差で快勝。
明け3歳となった2017年。初重賞挑戦のシンザン記念(GIII)ではここも押して先行したが直線に入ったところで進路を塞がれる不利を受け、これで一旦ブレーキをかけてしまった上に前も開かず6着に敗れた。
3月の毎日杯(GIII)では同父のサトノアーサーに次ぐ2番人気で鞍上に松山弘平騎手を迎えて出走。前が後ろを離して逃げる中でアルアインは道中単独3番手につけるとコーナーではいい手応えで上がって早くも先頭を捉え、直線では他の先行馬を置き去りにしつつ最後方にいたサトノアーサーの猛追も1/2馬身振り切って初の重賞制覇となった。ちなみに後の菊花賞馬キセキが最内から追い込んで3着に入っている。
次走はクラシック第一戦皐月賞(GI)に決定。前走毎日杯からのローテーション、GI勝ちのない松山騎手の継続騎乗ということもあり9番人気と人気薄になる。スタートから好ダッシュで3番手グループにつけると4コーナーで他馬が仕掛け始めたところで手応えが悪く一度は馬群の中で沈みかけたものの、直線に向くと力強く伸びて馬群を割りゴール前でペルシアンナイトをクビ差交わしてGI・クラシック制覇を飾った。毎日杯組の皐月賞制覇はテイエムオペラオー以来、勝ちタイムは1:57.8と前年のレースレコードを更新しコースレコードと同タイム、鞍上の松山弘平騎手は初のJRAのGI制覇となった(初のJpnI勝利は2015年JBCスプリントのコーリンベリー)。また母父ボールドルーラー系のディープインパクト産駒のGI勝ちは本馬が初となる(後にグランアレグリアも達成)。
5月の日本ダービー(GI)では1番人気が青葉賞優勝のアドミラブル、2番人気がホープフルS優勝馬で皐月賞では5着だったレイデオロ、アルアインは距離不安と見られて皐月賞馬にもかかわらず4番人気であった。レースでは道中3番手につけるがレイデオロは向こう正面から仕掛けるという策で上がっていき、最後の直線でアルアインもある程度伸び返したが5着に入るのがやっとだった。
9月秋初戦のセントライト記念(GII)では鞍上がC.ルメールに変わり久々に1番人気に支持される。好スタートから5番手の外で先行して終盤順調に進出し直線半ばで先頭に立ったが坂を登ったところでアルアインを見ながらレースを進めていたミッキースワローに一気の脚で差され、1馬身3/4差の2着に敗れた。
10月台風の影響による不良馬場で行われた菊花賞(GI)では外枠から五分のスタートで中団につける競馬となり、全頭が荒れた内を大きく明けて進み第4コーナーの馬群が固まったところで仕掛けたときには上位に迫る勢いだったが、距離と馬場もあってか直線ではそれ以上伸びることはできず大外を回して追い込んだキセキから離された7着に敗れ、この年のレースを終えた。
4歳となった2018年では2月の京都記念(GII)から鞍上川田将雅で始動。ダービー馬レイデオロ、エリザベス女王杯馬モズカッチャン、秋華賞馬ディアドラ、のちの宝塚記念馬ミッキーロケットと有力馬が集まりアルアインは3番人気。外枠から中団前目を追走すると坂の下りから進出を始め、伸び続けて直線で失速したレイデオロはかわしたが同じ位置の内から仕掛けたクリンチャーには伸び負けて2着と敗れた。
4月には前年からGIに昇格した大阪杯に出走。スワーブリチャードが道中後方からまくりあげて3コーナーで先頭に立つ展開の中、アルアインは中団を進み4コーナーで馬群の中から進出して直線前を追ったが差が詰まらず、後ろから来たペルシアンナイトにも差され3着と惜敗。
同月末に香港のクイーンエリザベス2世カップ(G1)に鞍上C.デムーロで参戦。やや出遅れたスタートから最初のコーナーでジワっと位置を上げて外目を先行し4コーナーで仕掛けたが直線での手応えが悪く5着に敗れた。
9月の秋初戦、鞍上が北村友一になったオールカマー(GII)では好スタートを決めて2番手と先行しいい手応えで上がって直線で一度は先頭に立ったが、内から鋭く伸びてきたレイデオロに差されクビ差の2着に敗れた。
10月の天皇賞(秋)(GI)でも前半1000m59.4秒で逃げたキセキの2番手につけたが、直線で前をかわせず外からレイデオロとサングレーザーに差され4着に敗れた。
11月はシンザン記念以来のマイル戦であるマイルチャンピオンシップ(GI)に出走。ここも内の番手に先行して直線で先頭を争ったが、ゴール前で内からステルヴィオとペルシアンナイトに差され3着に敗れこの年を終える。中距離でもマイルでも好走はするものの勝ちきれない日々が続いた。
5歳時は3月の金鯱賞(GII)から始動となった。雨の稍重で行われたレースでは5番手の外からのレースとなったが、直線で全馬一斉に仕掛けると後ろの馬たちにキレ負けして置いていかれ先行勢はなんとか捉えたが同じ位置の内から伸びたダノンプレミアムの5着に敗れた。
次走同月末の大阪杯(GI)では本馬を含む2頭の皐月賞馬、2頭のダービー馬など計8頭のGI馬が参戦するレースとなり、近走惜敗続きで鞍上がGI勝ちのない北村騎手になったこともあり9番人気と人気薄であった。レースでは一つ下の世代の皐月賞馬エポカドーロが逃げる中インの4番手と好位に付け直線で内に進路を取ると残り200m前で先頭に立ち、そのまま内外から追ってきたキセキとワグネリアンを振り切り1着でゴール。これまでの惜敗にピリオドを打ち、皐月賞と同様に9番人気から鞍上に初のJRA・GI勝利をもたらした。なお二人の騎手に初GI勝ちをプレゼントした馬はヤマニンゼファー以来である。
6月の宝塚記念(GI)では3番手グループにつけるが直線で前から抜け出したリスグラシューについていけず離された4着に終わった。
その後秋は3戦したが、天皇賞(秋)(GI)では東京2000mの大外枠では先行のしようもなく中団の外外を回され直線早々失速して14着、マイルチャンピオンシップ(GI)では行きっぷりが悪く直線でも全く伸びずに16着、引退レースの有馬記念(GI)ではダービー以来の松山騎手とのコンビでスタートの反応もそこそこ良く好位でレースを運びハイペースで逃げた前を4コーナーで早めに捕まえに行く見せ場を作るも直線では失速して11着に敗れた。
この年の春シーズンまでは掲示板を外したレースが不利を受けたシンザン記念と長距離+不良馬場の菊花賞だけであったが、秋は3連続で二桁着順の大敗と全てを出し切ったという内容で現役を引退。
通算20戦5勝。
引退後はブリーダーズ・スタリオン・ステーションで種牡馬入りし、初年度は種付け料120万円で104頭と交配。以後も100頭超えの種付けを続けていたが2024年は38頭に激減している。
2024年にコスモキュランダが弥生賞ディープインパクト記念(GⅡ)を勝利してグレード競走初勝利を挙げた。初重賞は中距離であったが全体的な産駒の傾向としては短距離をメインに走る馬が多いようで、スプリンターであった母の影響だろうか。
| ディープインパクト 2002 鹿毛 |
*サンデーサイレンス 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason |
| Cosmah | |||
| Wishing Well | Understanding | ||
| Mountain Flower | |||
| *ウインドインハーヘア 1991 鹿毛 |
Alzao | Lyphard | |
| Lady Rebecca | |||
| Burghclere | Busted | ||
| Highclere | |||
| *ドバイマジェスティ 2005 黒鹿毛 FNo.2-s |
Essence of Dubai 1999 黒鹿毛 |
Pulpit | A.P. Indy |
| Preach | |||
| Epitome | Summing | ||
| Honest and True | |||
| Great Majesty 1990 黒鹿毛 |
Great Above | Minnesota Mac | |
| Ta Wee | |||
| Mistic Majesty | His Majesty | ||
| Necaras Miss |
掲示板
16 ななしのよっしん
2024/03/31(日) 08:39:07 ID: TcnQ66m9Nt
弟シャフリヤールもドバイシーマクラシック、リバティアイランド抑えての2着と身内に明るい話題続くなあ・・・クラシックで産駒が飛翔して欲しい
17 ななしのよっしん
2024/04/14(日) 16:07:51 ID: KaiYLOx2e0
コスモキュランダ、皐月賞2着だったよ
これからも期待出来そうだわ
18 ななしのよっしん
2024/04/15(月) 19:32:48 ID: QNomNzZ2UG
コスモキュランダはアルアインのイメージで中山専かもって言われてるけど、アルアインの全弟が府中得意なシャフリヤールだしダービーも面白いかも
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最終更新:2025/12/05(金) 21:00
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