藤崎詩織(ふじさき しおり)とは、恋愛シミュレーションゲームの金字塔と言われた『ときめきメモリアル』の登場人物であり、メインヒロインを務めている。CVは金月真美。
成績優秀、スタイル抜群、容姿端麗、性格良好(?)、スポーツ万能という 女の子というよりも人間としての理想型、全知全能の神にも似た完璧超人というキャラ設定で、そのためなのか彼女の持つ男性の理想像は遥か高く、 その難攻不落っぷりは今でもなお伝説として語り継がれている。ただし、悪い意味で伝説の多い彼女であるが、90年代を代表する人気キャラクターの一人であり、狂信的な熱心なファンは、シオニストをもじった「シオリスト」と呼ばれた。
『ときめきメモリアル』では、デートやプレゼントでご機嫌取りする以外にもパラメータの増減が重要である。パラメータに応じて詩織以外のキャラクターが出現したり好感度が上下するようになっているのだが、詩織を攻略するためには、全パラメータを一定値以上にもっていかなければならない(ストレスも一定以下にしなくてはいけない)。
このため、適当にパラメータを上げていると他のキャラも10人以上登場してしまい、必然的にたくさんのボマー(爆弾魔)に囲まれることになる。これによりプレイヤーは、登場したすべての女キャラに媚びへつらいながらも藤崎詩織の好感度を一番高くもっていくことを要求され、メイド顔負けの超マゾ御奉仕プレイを強要される(もちろん攻略する前提の話)。
このような事から詩織は「ラスボス」と呼ばれている。
しかし、実際は歴代「ラスボス」の中で最も攻略が簡単であり、やり方さえ分かれば早乙女優美以外のほぼ全員を登場させることなくクリアまで持って行くことが可能となる。
一番簡単なPS版で言うと、「1年目はとにかく寝て」、「優美(と美樹原)が登場しても全く相手にせず」、「2年目に徐々にパラメータを上げて」、「3年目にパラメータを調整しながら詩織とデートを重ねる」。これだけでクリアできるのである。
とにかくどんな場合でも寝る。これが一番重要だと言える。
続編以降は、メインヒロインは低難易度にされるようになり、詩織のような理想が高くて本人も優等生タイプというのは、『ときめきメモリアル2』の麻生華澄や『ときめきメモリアル4』の皐月優がそのポジションについている。
逆に『ときめきメモリアル Girl's Side』シリーズでは、メインである葉月珪、佐伯瑛、桜井琉夏が王子様タイプとして要求パラメータを高くしている。しかし、この中で詩織タイプといえるのは葉月と佐伯ぐらいであろう。
健康状態を維持した上で、文系・理系・芸術・運動130以上、雑学120以上、容姿・根性100以上で、尚且つ傷心度が低く、8回以上デートしていること。これらの条件をすべてクリアした上で、詩織の好感度を最高レベルまで上げることでようやく伝説の樹の下に現れてくれる。なお、条件がひとつでも欠けている場合は、どんなに頑張っても詩織の好感度は最高レベルにはならない。
性格は良好、品行方正で誰にも優しく、公式サイトにも「誰からも好かれる心優しい美少女」とあるが、その本性はよく女王様に例えられるほどのドS!
下校を誘った際の「一緒に帰って、友達に噂とかされると恥ずかしいし…」という断り文句はあまりにも有名(テレもあるのだろうが)。幼馴染で家が隣同士の主人公にこのセリフを吐き捨てるほど辛辣で、他にも好感度が低かったりデートに失敗すると、侮蔑の表情でプレイヤーのトラウマや過去の傷をえぐる様な神経を逆なでするセリフを容赦なく浴びせ、しばしばプレイヤーのプレイ意欲を根こそぎ刈り取ってくる。しかし、このSM女王様気質が逆に彼女の持ち味となっており、好感度が高い時と低い時のギャップを高く評価する声も多い。
ただしこの台詞、実はプレイヤーにシステムのことを言ってくれているため、大変ありがたいアドバイスなのである。
CDやドラマシリーズなど本編以外の作品では設定に即した描写となっている。ラジオドラマでは主人公が他の女の子にモテる場面に遭遇しやすく、「ぷん!」と嫉妬することも。
なお、『2』のサブストーリーズにもゲスト出演し、そこでは『2』の主人公とは大学の同級生であり、「キャンパスの女王」というニックネームを持つ役柄であった。他のサブストーリーズでも『1』と『2』のキャラクターが同級生として共演していたが、『4』の発売でその同級生設定はなかったことにされた(PCエンジン版の設定に戻された)。
ちなみにその『4』に登場する皐月優の親戚筋にあたり、彼女の話によると詩織はどうやら幼馴染である『1』の主人公と結婚して幸せに暮らしているようだ(ゲーム中に「詩織」の名前は登場しないが、中の人の発言により)。
96年から98年ごろにかけて、藤崎はアイドルとしても活動していた。実は、世界初のバーチャルアイドルと呼ばれることもある 大手芸能事務所のホリプロのバーチャルアイドル伊達杏子より先に新聞でバーチャルアイドルとして特集されている(なお、実際の世界初は、藤崎でもなく、同じコナミのウィンビーとみられる)。バーチャルアイドルとしてはアルバム「My Sweet Valentine」がオリコンで9位にランクインするなどそれなりの成功を収めた。 CDの他には、ラジオ番組に藤崎詩織としてゲスト出演したり、雑誌にインタビューを載せたりもしている。藤崎のアイドルデビューは、伊達杏子とデビュー時期がかぶり、 藤崎の成功と比較されることで 大々的に売り出して大コケした伊達の傷口に塩を塗る形ともなった。ホリプロの伊達に対し、藤崎のメディア展開にはナベプロが関わっており、2大芸能事務所の対決と言う構図も存在した。
肯定的に批評されるのは、主にアイドル史の文脈からである。当時は80年代アイドル全盛期の後のいわゆる「アイドル冬の時代」が到来した後、モーニング娘より前の、アイドル歌手が振るわなかった時代である。そんな中J-POP全盛期のオリコンランキングに突如登場した「アイドル」の存在は確かに衝撃的であった。
一方で、藤崎を売り込む対象だったときメモファンやオタク層には否定的な見方が多いようだ。そもそも、ゲームとしてときメモのファンには、この時期のキャラクター商品の乱発に否定的な向きがあったし、そうでないファンからもコナミの迷走と見られることが多い。バーチャルアイドルとして出されたCDは、他のキャラクターソングと違い、担当声優の名義が無い。つまるところ中の人などいないという形をとっているわけだが、担当声優の金月はこれ以前からときメモの歌を歌っており、イベントでファンの前にも立ったりもしていたので、いまさら中の人はいないといわれても無理があるだろう。コナミとしては、藤崎をかつて80年代のアイドル全盛期に存在したような清純派アイドルとして育てたかったらしい(I/O1997年8月号増刊)が、 果たして、90年代に生きる若いファンたちが80年代のアイドルの再現など望んでいたのだろうか。
また、当時はオタクたたきの激しい時代であるので、目立つ活躍をした藤崎には世間一般からの風当たりも強かった。
バーチャルアイドル路線は商業的に成功したのは事実だが、そもそもときめきメモリアルという人気作品の関連商品でもあるため、それをアイドルとしての活動の成果と言い切るのは難しい。コナミは藤崎のバーチャルアイドルとしての成功を喧伝していたが、藤崎のキャラクターソングは、99年より後は担当声優名の併記に変更されており、コナミ自身も実際にはバーチャルアイドル路線を成功とは考えていなかったと見てよいだろう。
対戦ぱずるだまではラスボスを務めプレイヤーを恐怖のズンドコに叩き落したり、謎のコアラと運命の対決を繰り広げるなど、 様々な意味で活躍している。
また、それだけでは飽き足らなかったのか、近年はオトメディウスXにまで出張している。しかもグラディウス外伝最強ボスの一角「ヘブンズゲート(作中表記はHEAVEN'S GATE)」を自分仕様にする始末。そして、何よりも黒い。何もかもが黒いよ詩織。
また、ときめきの放課後ではお姉さんぶった一面を見ることができたり、ドラマシリーズVol.3「旅立ちの詩」では本編とはまた違った彼女の一面を見ることができるだろう。未プレイの人はぜひ一度プレイしてもらいたい。
なんと、同社のラブプラスにもミニゲームであるが、対戦ぱずるだまの隠し対戦キャラクターとして登場していたりする。さすが、コナミの恋愛ゲームの大先輩。
余談ではあるが、あのソリッド・スネークとは外見上は互いに二周りくらい歳が離れているように見えるが、実はスネークは1972年生まれでありなんとその差は6歳だったりする。ちなみに二人はマックスウェルの不思議なノートで登場している。
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最終更新:2024/05/01(水) 07:00
最終更新:2024/05/01(水) 07:00
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