エンジョイ勢とは、対戦、協力といった他者との交流を推奨するゲームを中心に、プレイヤー間で使われる用語である。
概要
ゲームのルールを積極的に学び、研究して強くなろうとする「ガチ勢」の対義語と位置付けられているプレイスタイル。
(最低限のルールを知った上で)ランキングなどもさほど意識せず、純粋にゲームを楽しむ人たちを指している。
似た印象を持つ用語として「ヌル勢」があるが、これはガチ勢から見た相対的、やや侮蔑的な視点も含まれる。
長くプレイヤー間でしか使われてこなかった用語だったが、最近では制作側も、特にオンライン対戦での棲み分けを目的として使うこともある。
エンジョイ勢とガチ勢の境目
どんなゲームにもエンジョイスタイルとガチスタイルは生まれうるものであり、エンジョイ勢の中でも高度なテクニックを求めてガチスタイルへ舵を切る人もいるため、厳密にどこからがとは言い切れない。
今回、いわば公式としてエンジョイとガチを分けた大乱闘スマッシュブラザーズだが、これは大乱闘スマッシュブラザーズX時代に、ガチ勢とエンジョイ勢が混成し、全員が楽しくプレイ出来る環境が整っていなかったことに起因する。
大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii Uであげられているガチ・エンジョイ部屋の違いを踏まえて、スマブラにおける大まかな例をあげる。
スマブラガチ勢
ステージギミック・浮遊台などが一切ない、大地一つのステージである終点において、アイテムなしで乱闘することこそ至上と考えるプレイヤー。ステージギミックやアイテムはいわゆる「運」が関係してくる要素であり、その運によって負けた場合、「腕前は自分が勝っていたのに運で負けた。納得がいかない」ということになる。
スマブラ3DS / WiiUにおいて、ガチ部屋はアイテムなし、終点固定という仕様で実装されている。
これに対する批判は、終点厨において詳しい。また、製作者の桜井政博は、こういった制限の多い乱闘を「好きじゃない」と断じたことがある(製作者からすればせっかくのギミックも含めて楽しんでもらいたいということだろう)。
スマブラエンジョイ勢
ステージギミック・浮遊台・アイテムを駆使して戦うといったことを至上に考えるプレイヤー。「そういうものに頼らないと勝てない腕前のないプレイヤー」として揶揄されることもある。しかしスマッシュブラザーズはパーティゲームとして見られている節もあり、「ハチャメチャで何がなんだかよくわからない乱闘がやりたい」という勢がいるのも当然である。大乱闘スマッシュブラザーズXでは、そういった勢は片隅に追いやられ、上記の終点厨や慣れ合いリンチという傾向によりほとんど排除された状態にあった。
スマブラ3DS / WiiUにおいては、ステージは終点以外のランダム、アイテムもランダムという仕様になった。この点は製作者の桜井政博がかつてもっとも臨んだ形における対戦であると言える。
その他のガチ・エンジョイの分かれ目
以下、他の例における目安を列挙。
- ポケモン
一タイプのポケモンで固める、実用性無視なお気に入りポケモンをメインにパーティを組むのがエンジョイ勢
属性相性の隙間を埋めた上で、捕獲するときは必ず複数を捕まえて個体値まで厳選を始めるのがガチ勢
初期形態から進化させずにリーグ制覇を目指すのもガチスタイルの一種だが、エンジョイにも趣味でやる人はいる - 太鼓の達人
難易度はふつうまで、とりあえず初音ミクとかももいろクローバーとか聞いたことあるから触ってみるのがエンジョイ勢
迷わず最高難度のおにコースを選択、時にmyばちを持参してレベル10にも恐れず挑むのがガチ勢 - 格闘ゲーム
波動拳などひと通り技が出ればOK、もしくは技が出なくてもキャラ萌えに走るのがエンジョイ勢
気絶確定コンボの構築、フレームや起き上がりタイミングなどの計算に余念がないのがガチ勢 - サッカーゲーム
クリスティアーノ・ロナウド、リオネル・メッシ、アンドレス・イニエスタ、マヌエル・ノイアー、長友佑都など、各国スター選手をかき集めて、選手性能依存で無双したがるのがエンジョイ勢
アメリカ代表でワールドカップ優勝など、しばりをつけて制覇を目指すのがガチ勢 - 恋愛シミュレーションゲーム
自分が気に入ったキャラへまっしぐら、その娘のベストエンディングを見たら後は放置なのがエンジョイ勢
全キャラでベストエンディングを見るまで徹夜も辞さないのがガチ勢 - シューティングゲーム
難易度を下げてプレイしたり、コンティニューしつつもとりあえずクリアできれば良いのがエンジョイ勢
ノーコンティニューは大前提で、周回プレイしたり、真ボスと戦ったり、残機を消費してでもスコア稼ぎするのがガチ勢 - トレーディングカードゲーム
自分の好きなデッキで身内と遊び、負けを恥じず、勝って驕らず。即ちそれがエンジョイ勢
環境を考察、勝てるデッキを模索し大会に没頭するのがガチ勢
ただし、環境に入る性能ではないカードやデッキを罵倒したり、俗に「地雷」と呼ばれる環境想定外のデッキに対応できない等のガチ勢もどきや、自分のデッキで勝てないのを強いカードのせいにしたりする所謂「ファンデッカス」と呼ばれるエンジョイ勢もどきも存在する
関連項目
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