エンパイアメーカー(Empire Maker)とは2000年生まれのアメリカの競走馬。
種牡馬として一度日本に輸入されたところ、アメリカに残した子孫が大活躍し、再帰国を果たした。
概要
生い立ち、競走馬時代
父Unbridled、母Toussaud、母父El Gran Senorという血統。
それぞれアンブライドルド、トゥーソード、エルグランセニョールと読む。
父はミスプロ初期の代表産駒Fappianoを父に持ち、ケンタッキーダービーやBCクラシックを優勝した。母もハンデキャップGIを優勝しており、母父も英2000ギニーをはじめとして大レースを3勝。兄弟にはアーリントンミリオン優勝馬をはじめ3頭のGI馬がいる、文句なく良血馬である。
生産所有者は母と同じ名門ジュドモントファームで、母と同じくロバート・フランケル調教師(Frankelの由来になった人)に預けられた。
デビューから3戦して1着→3着→2着と歯痒い競馬が続いたが、初のGI出走となったフロリダダービーを9馬身3/4差で圧勝し、ウッドメモリアルSもFunny Cideを半馬身差で下して連勝。ケンタッキーダービーこそFunny Cideの雪辱を許すが、三冠最終戦であるベルモントSでは二冠馬・全米のアイドルホースとなって再戦の場に挑んできたFunny Cideを下し、彼の米国三冠の夢を打ち砕いている。
そのベルモントSの後に出たジムダンディS(GII)の後に故障を発生し、体調不良も重なり引退することとなった。通算で8戦4勝2着3回3着1回と、競走成績はそこそこ優秀であった。
日本へGO
引退後の2004年に種牡馬入りし、初年度産駒が2007年にデビューした。初年度デビューした産駒からGI馬4頭、翌年の産駒にGI馬1頭が出て幸先の良いスタート……と思われたが2010年の秋、日本の日本軽種馬協会に売却されることが決定。
GI馬出してたのに何で?という声もあったが、仕上がりが遅めだった事、活躍馬に牝馬が多かったことなどが原因と言われており、アメリカ内部でもエンパイアメーカーが日本に輸出される事を残念がる関係者も多かった。
2011年から日本で種牡馬入りすると、日高のエース格として期待され200頭近い牝馬が集まった。米国にいた時につけたダンスパートナーの子フェデラリストが重賞を勝ったこともあり、日本だとどうなるかな~2014年が楽しみだな~なんて思っていた日本の競馬関係者。
知らぬ間に帝国が出来ていた
エンパイアメーカーが日本でスタッドインした2011年、産駒のRoyal DeltaがアラバマステークスとBCレディスクラシックを優勝。リーディング8位。
2012年にはRoyal DeltaがBCレディスクラシックを連覇、それ以外の産駒も活躍し、北米リーディングは本人がいないのに2位、首位Giant's Causewayに僅差まで詰め寄る結果に。あれ何かどっかで聞いたことあるぞ。
極めつけは米国に残した後継種牡馬Pioneerof the Nileの2年目産駒から2歳GIを圧勝連勝、2015年の米国三冠馬にしてBCクラシック優勝馬American Pharoah(アメリカンファラオ)が登場。
米国関係者「エンパイアメーカー返して!!!!!!」と言ったのかは定かでは無いが、彼はまだ15歳であった事、初年度産駒が思った程活躍しなかったこともあり、2015年秋にアメリカの生産者に買い戻される事が発表。
2016年からTapitらを繋養しているゲインズウェイファームで種牡馬生活を送る。現地では熱狂的な歓迎を以て迎えられ、2019年に再び産駒がデビューを飾る。
日本では2015年からリーディング25位、18位、15位とリーディング上位につけており、日本に残された産駒から新たな帝国が誕生する可能性も…と思われたが、その後現れた*シニスターミニスターらの後塵を拝する形に。それでも中央でGⅢ馬券内複数と好走していたヒストリーメイカーが佐賀転入後に白鷺賞を制するなど、地方で時折彼の名前を聞くことができる。
そんな最中、今度は*ヨハネスブルグの孫Justify(ジャスティファイ)が2018年に三冠(しかも無敗)を達成。日本軽種馬協会は三冠馬の祖父を連れてくるシックスセンスでもあるのか?
帰国後の産駒も走り始め、2019年デビューのEight RingsがGⅠを勝ったが、そのGⅠはアメリカンファラオステークス。孫の名前が付いたレースを子が勝つという中々見られないケースとなった。
血統表
| Unbridled 1987 鹿毛 |
Fappiano 1977 鹿毛 |
Mr. Prospector | Raise a Native |
| Gold Digger | |||
| Killale | Dr. Fager | ||
| Grand Splendor | |||
| Gana Facil 1981 栗毛 |
Le Fabuleux | Wild Risk | |
| Anguar | |||
| Charedi | In Reality | ||
| Magic | |||
| Toussaud 1989 黒鹿毛 FNo.6-d |
El Gran Senor 1981 鹿毛 |
Northern Dancer | Nearctic |
| Natalma | |||
| Sex Appeal | Buckpasser | ||
| Best in Show | |||
| Image of Reality 1976 鹿毛 |
In Reality | Intentionally | |
| My Dear Girl | |||
| Edee's Image | Cornish Prince | ||
| Ortalan |
クロス:In Reality 4×3(18.75%)、Buckpasser 5×4(9.38%)、Native Dancer 5×5(6.25%)、Rough'n Tumble 5×5(6.25%)、Aspidistra 5×5(6.25%)
主な産駒
2005年産
- Acoma (牝 母 Aurora 母父 Danzig)
- Country Star (牝 母 Rings a Chime 母父 Metfield)
- Icon Project (牝 母 La Gueriere 母父 Lord at War)
- Mushka (牝 母 Sluice 母父 Seeking the Gold)
2006年産
2007年産
2008年産
2009年産
- Bodemeister (牡 母 Untouched Talent 母父 Storm Cat)
- Grace Hall (牝 母 Season's Greetings 母父 Ezzoud)
- *インランジェリー (牝 母 Cat Chat 母父 Storm Cat)
- イジゲン (牡 母 Cosmic Wish 母父 Dixieland Band)
2010年産
2012年産
2013年産
2014年産
2017年産
2018年産
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関連項目
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