ヤヤヤヤヤヤヤヤヤッフー!!
ケツワープとは、スーパーマリオ64に存在するバグ技を使った移動方法である。
概要
これを使うことでシーケンスブレイクやマリオの加速移動によるショートカットに使えるため、TASでは頻繁にこの技を見かけることができる。ケツワープを多く利用する動画には「ケツゲー」などのケツに関するタグが付けられる事もある。
ちなみに「ケツワープ」はニコニコ動画内での通称。海外ではBLJ、すなわちBackwards Long Jumpと呼ばれている。意味は「後ろ幅跳び」。 後ろ幅跳びのモーションがケツを地面や壁に擦り付けているように見えるので「ケツワープ」と呼ばれている。 海外勢がケツワープという呼称を知り、「実用的で直感的」と評して話題になったこともある。
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https://twitter.com/iiotenki/status/1302211894539776006
How to ケツワープ
壁に向かって後ろ幅跳びを連続で行うことでマリオが硬直状態になる。ただ硬直しているわけではなく、この間に「移動速度」を溜めている。その後スティックを倒して移動すればあまりの速さに扉や壁をもすり抜け、高速で坂を駆け抜けて、どんなところもひとっとび。でも高度を極端に上げる事はできないし、鍵付いた扉の向こうは無理だからカンベンな。
なお、振動パック対応バージョンと64DS版ではバグの修正によりできないとされている。他に出来るソフトもあるが、それはBLJの項目を参照。
ケツワープ+ぼうしテクニック
ケーツコンバット
「はねマリオ」になってケツワープを繰り出し、その勢いを殺さずに三段ジャンプを決めて空を飛ぶと
アーウィンもびっくりな速度で飛翔していく。この時ばかりはケツワープでは行えない距離の上昇・飛行が可能であり、「ボムへいのせんじょう」や「あっちっちさばく」でその真価を発揮する。もがれるスターの断末魔!
ケツメタル
「メタルマリオ」になってケツワープすると水中で地上と同じ加速移動・壁すり抜けが可能。「かいぞくのいりえ」でとんでもない効果を発揮する。歪みねぇな。
ちなみに、とうめいマリオにならなくともすり抜けるのでとうめい帽子との合わせ技はない。なお、とうめいマリオはスケスケマリオとも呼ばれるが、どちらにしろ合わせ技はない。
ケツ量保存の法則
メタルマリオにならずにケツワープで速度を溜めてそのまま飛び出さず水に入ると、水中は普通の速度だが、水上からジャンプした瞬間加速が発動する。
この技の利点は、加速状態ではどうしても苦手な「方向転換」を実現するもの。ケツメタルや下記派生条件よりも汎用性は低いもののこの現象もTASで活用されていた時期がある。故にニコニコ動画では「ケツ量保存の法則」と呼ばれていた、過去の技術だったはずである。メタル帽子置いてない「みずびたシティ」では大活躍なんですけども
応用:水面を置く方が悪い
・・・だがしかし、水面が張られた床の真下の壁をすり抜けた先は水中になるコースもある。
※ 例)バッタンキングのとりでの水面だけある所(動画は削除されました)
こういう隠し水中ポイントを探すことによる技の活用は今後も期待される。
ケツ量保存の法則2
また、ポールあるいは木につかまっている時にも加速は発動せず、ジャンプした瞬間に加速して飛んでいくのでこの現象もケツ量保存の法則とよばれている。こちらは応用性が非常に高く、スターが足りずメッセージが出るドアにも有効。
補足
ただ水に入ったりポールに掴まるだけでは速度は維持されず、2F前にZを押す(しゃがんでいる?)状態でなければいけない。仮に必須行動でも肉眼で見えない。
真のケツワープ
本作のTASにて座標バグ遊びが流行った結果、その副産物で生まれた技。
この技の内訳は「わざとカメラを固定してのケツワープ」であり、後述する応用テクニックは全く使っていない。以前みずびたシティで加速してコース上に戻れなくなったという動画もあったが、こちらはその戻れなくなった状態を逆手に利用しての座標オーバーフローという新たな概念でコースの上側に到達している。
本当に瞬間移動したように見えるので視聴者達は「真のケツワープ」と呼ぶに至ったのである。
真のケツワープが発見され1ヶ月が経過した8月、その時ケツが動いた。
本作の最速クリアTASでは、長らく「5分切り」は不可能とされていた。この「5分の壁」は本TASにおいて巨大な壁として立ちはだかっていた。
しかし、真のケツワープによるショートカットが記録の大幅短縮を成功させた事でそれまで不可能とされていた5分切りを可能とし、5分の壁崩壊へと繋げた。この歴史的快挙は、真のケツワープをまだ知らなかった視聴者を驚愕させ真のケツワープを生み出した現象を解き明かす学問を「量尻奇学」と命名するに至った。
量尻奇学概論
「座標オーバーフロー」とは
本作は見えない壁に遮られたコースのつくりから「箱庭ゲー」と呼び親しまれている。その座標の外はたいてい落下ミス判定なのだが、プログラムにもやはり限界というものはある。
ジュゲムの見える範囲がマリオの行動範囲であって、そのジュゲムカメラが追い付けない位置にまでマリオが及んだらどうなるのか?その答えの一つが前述の座標オーバーフローという結果をもたらした。座標の法則を理解するには今までのワープ云々では語りつくせない領域に入り込んでしまい、物理でどうにかなる範囲ではないため、量尻奇学を用いてケツ力学第二法則と例えられるようになったのである。
「並行宇宙とカメラ固定の恩恵」
それらを踏まえ、有志の研究発表によって新たに明らかになった概念が並行宇宙:ParallelUniverseである。
マリオが3D空間上の座標に「float」という変数の型で管理されているのに対し、床のヒット判定などは「short」の変数の型で管理されている。詳しく説明すると消されかねないので簡単に説明すると、shortよりfloatの方が扱える変数の範囲が広い。座標オーバーフローはshort型によってもたらされているということである。
そしてオーバーフローで辿りついた世界には「水」「壁」「敵」の概念が無く、また黙視できない範囲の「床」がある。マリオは変数の型が広いので座標の移動をする事ができる。そこに世界があると仮定して有志に名付けられたこの空間が並行宇宙:ParallelUniverseということである。
ただ、この並行宇宙の処理は本来の挙動を無視した動きをしており、普通にケツワープなどの加速で入り込んでもゲームがクラッシュしてしまう。それは当たり前なのだが、その当たり前を防ぐ手が「カメラ固定」である。ジュゲムの処理がshort型かそれに順じた挙動であったとしたら、ジュゲムそのものを固定する事によって座標を動かさずにいればマリオは動かせる、ということなのだろう。
「床の接地判定と並行宇宙の可能性」
では、この量尻奇学を用いて並行宇宙を移動するためにはどうすればいいか、その成否を握るのは床の判定である。本作では1フレーム毎になんと4回も「接地判定」を行っており、また常に落下ミス判定の監視が入っている。この監視はshort範囲の座標に居れば全く問題は無いのだが、並行宇宙では接地処理がごっそりと抜けているので「1フレームごとに4回も発生する接地判定」にいないと「落下ミス」となる。
だったら並行宇宙に飛び出しても意味がない、と思うだろう。実は並行宇宙はオーバーフローの数だけ存在する。これも詳しく書くと消されるので簡単に説明すると「1フレームで4つ先の並行宇宙に到達できるスピードがあれば床の接地判定を受けられる」のである。つまり、真のケツワープを使いこなすこと自体に充分な加速や移動方向の調整等、結構難しい条件をクリアしないといけないことがお分かり頂けたと思う。
ケツワープ応用テクニック
現在判明している、ケツワープ(BLJ)に使える応用テクニックは以下の2つ。
パンチ加速
走り出しにパンチを加えるだけで一気に加速し、幅跳びやボディアタックを1フレーム早く繰り出せる。幅跳びはケツワープ(BLJ)の必須動作なので無関係ではない。パンチ加速の項も参照。これがどう影響を与えているかは120枚TASがなかなか更新されない理由を要チェックだ!!
ケツブースト
ポーズ画面を出現・解除しながらケツワープの準備をすると、もの凄い速さで移動速度が溜まる。正確にはスタートボタンを押してポーズをかけてBLJの動作のジャンプの部分、Aボタンを秒間擬似30回連打している。ただし、1回ブーストするごとに2Fのポーズ状態が発生するので闇雲に使っても早くはならない。短い距離でより長くケツワープできるようになった、と割り切った方がいいかもしれない。
人呼んでケツブースト(BLJブースト/PBLJ)。タイム連打も試してみた結果がこれだよ!!
派生テクニック
ケツジャンプ
当たり前だが、斜面加速、ケツワープ、ケツブーストなどで加速体勢に入った時にジャンプだけするとびっくりするほど遠くへ飛べる。加速度によっては少々の段差も飛び越えられるため、なかなか侮れない。2015年2月に入ってからの個別スター最適化により、「壁をすり抜ける」効果が健在な事も実感されつつある。
さらに、このジャンプを制御できると以下のきがくるった技の数々を繰り出せるぞ。
マグナムダイナマイト
斜面でケツブーストをありったけ繰り返し、ジャンプボディアタックを繰り出すととんでもない速度でとんでもない高度をかっ飛んでいく。あまりの勢いに大砲涙目である。砂漠で使うとかなりアツイ。砂漠だけに。(さすがに高速回転しながらかっとべマリオー!する技は存在しない・・・と思われる)
実はこの技、「カメラを固定して繰り出している」のである。なので真のケツワープへと至る鍵、いや後述のエビフライ(仮)版真のケツワープと言ってもいいのかもしれない。
エビフライ(仮)
応用が効くかどう疑問視されていたマグナムダイナマイトにまさかの応用技が登場。ケツワープによる超加速状態を木に掴まる事によるケツ量保存で調整し、斜面でジャンプボディアタック。するとエビ反り状態で高く跳ね上がるマリオのできあがり。そらのしままでぶっ飛ぶ衝撃!!
高速ポイン
雪のステージで登場する、フワフワさんと呼ばれる敵を踏むと「ポイン」と叫びながらマリオがプロペラ飛行をする。これを踏まえて、ケツブーストを加えた上でフワフワさんを踏みつけると気持ちの悪い速度でプロペラ滑空、かつ加速する恐ろしいマリオが見られる。かっとべ、マリオー!
要するに「素早いプロペラ滑空」が繰り出せるだけ、だと思っていたのだが・・・
応用:ケツジャンプ習性の維持
それらを踏まえた上で、この動画をご覧いただきたい。
高速ポインはとうめいマリオでしか通れない壁をすりぬけている。
そもそも120枚TASの「みずびたシティ」で既にとうめい帽子を使わず、ケツ量保存の法則にて水面ケツジャンプによるすりぬけ通過をやってのけていたため、「ケツジャンプでは通れる」のだろう。
この事実がとうめい帽子への依存度を大きく減らすおそれになるかは、また別の話。
加速カベキック(仮)
カベキックを繰り返すと加速していく。速度維持然り後述のショートカット然り、非常に役に立つのだが存在感は\アッカリ~ン/レベルである。普通にやると相当なまでに時間がかかる。
なお、海外では「HSWK(Hyper Speed Wall Kicks)」という呼称がついている。詳しい事はカベキックの記事を参照の事。
ショートカット一覧
ケツワープで可能な、スター0枚クリア用シーケンスブレイクは以下の通り。
1階の左の階段→やみのせかいのクッパ
一階に入った直後に向かって左の階段に向かい、BLJにて加速。その速度でジャンプし段差を越え、さらにその速度を維持すればケツワープ。8枚で開くスタードアをスルーできる。
やみのせかいのクッパ入り口付近の階段→地下への扉
一階のクッパステージ入り口手前の階段でケツワープを行うことで、地下一階への鍵扉までワープする事ができる。
地下入り口付近の階段→(ウォーターランドの入り口)→ほのおのうみのクッパ
30枚で開くスタードアの付近の階段で加速してケツワープ。これによりウォーターランドの入り口をすり抜け、クッパステージに直接入れる。
2階以降
という真・シリヂナルコンボ(仮)が誕生してしまった。尻が熱くなるな。
バックドア・ショートカット
2016/9/30、そのルートは突如我々の目の前に姿を現した。禁断の「1鍵」ルート、ここに見参。
スタート地点→おほりのとうめいスイッチ
スタート直後、木の橋のそばのお堀の斜面から石橋の方に向かってケツワープ。ブーストケツワープ後謎の硬直(カメラ固定で並行宇宙移動?)の後に、突然「おほりのとうめいスイッチ」のかくしコースに入れる。隠しコース内でもリフトの上でケツワープして強制脱出。出たところはなんとお城のお堀の中。ケツ量保存の法則が効いているので水面に飛び上がり、その際に真のケツワープを使用。
そしたらなんと地下の扉を開けてしまった。
おしろの地下→地下入り口付近の階段
あとはおっおっおっ(^ω^)されながら侵入して地下入り口付近の階段まで動くだけ。ここから先はショートカット一覧の同項目と同じ。だがやってる事は視聴者念願の「クッパスルー」である。また0枚TASの(というよりRTAの?)レギュレーションに「1鍵」「2鍵」という拡張性をもたらす。
これの活用により0枚TASは4分21秒台というとんでもない領域に達してしまった…!!!!
ネオ・ケツワープ
時は2013年、64からGC、Wii、そしてWiiUと3Dマリオの活躍の舞台は次々広がっていた。作を重ねるにつれてバグ挙動こそ起こりはすれど、サンシャインでしゃがみそのものが廃止、そして幅跳びそのものの動きの見直しが図られ、ギャラクシーからはしゃがみが復活したもののBLJの挙動は起きなくなっていた・・・はずだった。
この動画の11:00頃には、我々が見落としていた禁断の秘技 ネオ・ケツワープのやり方が示されている。なんと氷の上でしゃがみ続けながら移動を繰り返すと加速することが有志の研究によって明らかになってしまった。もはや幅跳びすら必要ないという新次元。場所は非常に限られているものの威力は絶大かつ操作の自由度すら高い。あさっての方向に吹っ飛んでいくという性質をしっかり受け継いだこの挙動、偶然とも思えないのが恐ろしい。
ポンプメカニズム:水圧保存
前述したとおり「スーパーマリオサンシャイン」のマリオはポンプと引き換えに幅跳びの能力を失っている。だがポンプを背負ったマリオは水を自由自在に出せる上、ロケットノズルで高く飛び上がったり、ターボノズルで速く走れるので大して問題ない。ただ、泳ぐ方向が前方か下方かとかなりへなちょこになっており、「ケツ量保存の法則」のようなダイナミックな飛び上がりは水面ではできないのである。
そう、水面ではできない。それ以前にポンプを背負ったマリオは既に水を宿しているではないか。そのポンプに「後ろ幅跳び」のようなバグ挙動があったとしたら、いやあるのか、その真実はすぐに明らかになった。
水圧保存の基本原則
ホバーノズルでLを押し続けてカニ体勢に入った状態で、Rを軽く押すという方法で速度を溜める事が出来る。ただし、「あまりに溜まるのが遅いのと後ろ向きの速度しか貯められないので実用性は皆無」と言われているため、この基本原則ではHSWKのように時間がかかりすぎる。それを解決する方法が以下の応用技術である。
水圧保存TURBO
こちらは「Lを押し続けカニ歩き体勢に入ったままで、ターボノズルに切り替えてRを軽く押しっぱなし」にして水を巻き散らした上で速度を溜め、カニ歩きで崖下に落下する事で速度を開放して飛び上がっているという動作を行っている。ケツワープが動の速度溜めだとしたらこちらは静の速度溜めであり、HSWKの姉妹技と考えてもいいだろう。誰が呼んだか水圧保存(の法則)。そして、速度溜めは新たな次元に突入する。
水圧保存ROCKET
こちらは、「Lを押し続けカニ歩き体勢に入ったままでロケットノズルに切り替え、飛び上がる直前でLを離しカニ歩き体勢を解除」して上昇分の水を撒き散らして速度を溜めている。どっちにしてもカニ歩き以外の動作で動くと溜めた速度は消えてしまう。「上に落ちる変態」へ明確にマリオが入門した瞬間である。
なお、ノーマルノズルくんは「マリオの前に水を撒いてボディアタックを滑りやすくさせる」などでしかマリオを加速させられず、こういう芸当はできない。
ホバーバグ(仮)
それから時は流れた2021年4月、サンシャインのケツワープは新たな領域へと突入する…。
この動画の冒頭でホバーノズルを得た次の瞬間、立ったままで見覚えのあるケツワープの動作を繰り返し、後ろ向きで加速してシャインを得る、という衝撃の光景を目の当たりにする。
しかしこれは、今までのサンシャインでのケツワープとは全く原理が異なり、主としてメモリ参照バグに起因するものである。
通常、Xボタンでノズルを切り替えた際にホバーを制御するための情報をメモリに書き込むのだが、ここではステージ開始から1度もそれをせずに水を出しながらノズルボックスからホバーを取得することで、別のメモリにその情報を上書きしてしまうという事が発生するのである。その結果様々なバグを発生させてしまうのだが、その中にマリオの速度を爆発的に上昇させるものも含まれる。
前方向に進む速度には限度が設定されているが、後ろ方向にはそれが無く、場合によっては制御しきれない程の速度にまで達してしまう事もある。動画投稿時点での検証では何と最大1正(10の40乗)にまで達していた。
ただ、一瞬で画面外に出てしまうような速度だとその場に留まるような挙動になってしまうため、使い道は無いに等しく、むしろ減速が必要になってしまう。その減速の動作こそがまさにケツワープのそれである。
ポテンシャルこそ高いものの、発生にはメモリの配置が関係してくるため、使用するROMの種類(switch版では使用言語によっても変わる)、更にはゲームのストーリーの進行度などによって挙動が大きく変わってしまうため、発生は極めて不安定。書き込みを意図して操作する方法も無いので、TAS以外での実用性は現時点では皆無であり、そのTASでさえも未知数とはいえ影響の高さから導入は困難といえる。
ただ、マリオサンシャイン界隈はRTA、TAS共に凄まじいツワモノ揃いのため、導入を見出す可能性が全く無いとは言えないのが何とも…。
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