ゼノス・イェー・ガルヴァス(Zenos yae Galvus)とは、FF14の登場人物である。
「紅蓮のリベレーター」のキーパーソンの一人。
概要
ガレマール帝国二代皇帝ヴァリス・ゾス・ガルヴァスの息子。
『FINAL FANTASY XIV 光の回顧録 Chronicles of Light』書き下ろし短編『その掌が血に染まるまで』によると、母カロサは彼を産んで程なく死亡し、兄弟はいない。外征と政治闘争に明け暮れる父とはほとんど顔を合わせる事もなく育った為、関係は親子のそれとは呼び難い。
皇位継承権第一位、ガレマール帝国軍第XII軍団長。26歳。
「新生エオルゼア」終盤で消息不明となったガイウス・ヴァン・バエサルの後任として、アラミゴ準州総督に赴任した。
性格は冷酷にして残忍。己の価値観にそぐわない者であれば、敵味方問わず斬り捨てる。
ガレマール帝国最強の戦士であり、その実力は圧倒的。過去に数多の蛮神を討滅してきた光の戦士でさえ、当初は足元にも及ばなかった。
望む所は「己が命を賭けるに値する闘争」のみであり、これを「狩り」と称する。これは幼少の砌に読んだ戦記に記されていた「高揚感」という、自分が持つ事のなかった感情が原点である。
数多の敵を最大効率で打ち負かす事のみを願い、向かってくる者を斬り捨て、命乞いする者を斬り捨て、それに怒る者も斬り捨てる。
一方で自身の地位や立ち位置、周囲を取り巻く人間と環境、それら全てに対して徹底的に無関心。退屈を持て余しつつ、狩るに能う「獲物」の出現を願っている。
徹底した実力主義であり、実力を示すものであれば、出自を問わずに重用する。
若い兵士に出世の機会を与え、失態を行ったものでも一度はチャンスを与えるなど、有能な人物と受け止められがち。加えて、圧倒的な強さに裏打ちされた高いカリスマ性を持つ。
それゆえに彼の熱狂的な支持者も多いが、皮肉な事にゼノスはそうした者に対する執着を一切持たない。
「風断」「雷切」「妖刀アメノハバキリ」の三本の刀を納めたガトリング式の鞘を携え、この三本を使って戦う。
元々は帝国式のガンブレードを使っていたのだが、ドマの反乱を鎮圧した時に敵が使っていた刀に思う所があったらしく、以後使うようになった。もっとも刀そのものには執着しておらず、「狩り」に多少便利な道具という認識にとどまる。
ちなみにこのガトリング鞘、とても抜きづらそうであるが格好いいからいいのである。(開発者談)
プレイヤーからの呼称は『ゼノス』『ズッ友』など。
後者は「紅蓮」のクライマックスで放った彼の発言から来ている。
『DFFNT』ではプレイアブルキャラクターとして登場。
FF14に登場する代表的なヴィランとしての地位を確立した。
ネタバレ
紅蓮のリベレーター
初出はアラミゴ王宮に置かれた総督府のシーン。
アラミゴ解放を目指す解放軍とエオルゼア軍事同盟の共闘により、新型機の試験運用に出た部隊が全滅。唯一生き残ったグリーンワートの処遇について「生き残る悪運もまた力の内」として命だけは取らず、ドマに左遷するよう命じた。
この時「蛮族相手に敗北を喫する腰抜けは殿下の部隊には相応しくありませんからな」と口を滑らせた千人隊長をその場で斬り捨て、「素晴らしい見識だ。確かに後方で安穏としている腰抜けは必要ない」と言い捨てた。
その後「髑髏連隊」のフォルドラの進言を採用し、自らが先頭に立ってラールガーズリーチを強襲。
初戦では光の戦士を圧倒して追い込むが、得物の刀が折れた事で興ざめし、解放軍の本拠地を潰すという目的を果たした事もあり、悠然とその場を去る。
結果的に光の戦士は見逃される形となったが、リセをかばったヤ・シュトラが瀕死の重傷となり、解放軍も多くの犠牲を出す結果となった。
二度目の戦いは、ドマを視察に来たゼノスをユウギリが暗殺しようとした事で発生。
結果的にユウギリは術が通じず倒されてしまい、光の戦士も絶体絶命のピンチとなる。
ところがゼノスは自分の兜にひびが生じたのに気づくと、光の戦士が前よりは力をつけていた事を認め、「獲物」としてさらなる成長を望んで見逃す。
その後決起したドマの民が武器を手に登場した事もあり、今回も光の戦士は命拾いする事となった。
アラミゴにてフォルドラがクルルが捕らえ、彼女の持つ「超える力」を人為的に付与して「超越者」を作る実験が行われ、志願したフォルドラが実験台となる。
その後ゼノスも「超越者」となり、人為的に「超える力」を獲得。アラミゴ王宮での決戦で光の戦士と三度目の対決となり、遂に膝を屈するも、屋上の空中庭園にて今や「極上の獲物」となった光の戦士と言葉を交わす。
それまで泥のような退屈に倦んでいた時とは一変し、喜悦のあまりとても良い笑顔を披露。光の戦士が自分と同じ「戦いを悦とする者」と一方的に断じ、自らの「友」と認定する。
プレイヤーの選択肢によってこれを否定する事も肯定することもできるが、どちらにしてもゼノスは聞く耳は持たない。
アラミゴで発見され封印されていた神龍を解放して制御下におくと、ゼノスは光の戦士との最終決戦にのぞむ。
壮絶な天変地異を伴う戦いは遂に決着がつき、光の戦士に敗北したゼノスは、これ以上はない絶死の戦いに満足し、自ら首を切って果てた。
これによりアラミゴは遂に帝国の支配から解放され、新たな国としての再出発を果たす。
民心に配慮し、ゼノスは湖畔地帯の墓地に簡素な埋葬をされた。ところがその後、ガレマール帝国では「ゼノスは死んでおらず重傷を負いながらも帰還した」との噂が流れ始める。
そして死んだ筈のゼノスから命を受けたアサヒ・サス・ブルトゥスがドマに現れ、光の戦士の「超える力」で見た過去により、ゼノスの生存が確認される。これを裏付けるように、一同が墓地を改めるとゼノスの死体は消えていた。
ゼノスの正体は、彼の死体を乗っ取ったアシエン・エリディブスであった。
光の戦士の勝利により闇と光の均衡が崩れた事を受け、アシエンの宿願の為にエリディブスはガレマール帝国に肩入れする。
エオルゼア同盟軍とガレマール帝国の戦争が本格的に始まる中、再び光の戦士は「ゼノスの顔を持つ男」と対決することになる……
その一方でゼノスは『超える力』を獲得したことでアシエンと同じ『不滅なる者』となっていた。
解放軍の闘士の死体(その後帝国百人隊長の死体)に憑依する形で復活。一度は生に満足したが、再びこの世に生を受けたことを「友」ともう一度戦うための天命だと考え、帝都ガレマルドを目指す……。
漆黒のヴィランズ
ガレマルド・魔導城の玉座にて、自身の体を乗っ取ったアシエン・エリディブスと対峙したゼノスは遂に肉体を奪還。完全なる形で復活を果たす。
「黒薔薇」使用による戦況の打破を目指していたヴァリスを「闘争を台無しにする愚か者」と断じ、邪魔者と見なして殺害。現皇帝の死、皇位継承権第一位の失踪によってガレマール帝国は内戦状態に陥り、事実上の崩壊を迎える。
皮肉な事に、第一世界の「光の氾濫」が光の戦士によって収束した事と合わせて、ゼノスによって「黒薔薇」の使用が中止された事で、未来で起きるはずだった第八霊災は回避された。
ようやく全てを取り戻したゼノスは、「友」との再戦を行うためだけの舞台を作り上げる事を望む。
そんな彼に近づいたのはアサヒの死体に憑依したアシエン・ファダニエルであり、彼の案に乗る形で「テロフォロイ」として「終末の再現」を目指す事となる。
ゼノス自身は魔導城に坐し、ファダニエルの暗躍を黙認する。しかし調子に乗ったファダニエルがアラミゴでの宣戦布告で光の戦士達を焼き殺しかけたと報告した時には、殺意をにじませた不快感を示している。
また、古代人を襲った「終末の災厄」の光景を昔から夢として見ており、ファダニエルはエメトセルクがゼノスに何かしたのかと疑っていた。これについては後にPLLにて「エメトセルクからの隔世遺伝のようなもの」と語られている。
そうした中で、ゼノスは新たな力をつけた「友」と戦うにふさわしい武器を求めはじめる。
刀を踏み折り、床につきたてられた無数の武器から彼が選んだのは……
暁月のフィナーレ
トレイラーでは異形と化した魔導城のテラスから炎上する帝都ガレマルドを悠然と見下ろしつつ、新たに追加されたジョブ「リーパー」の大鎌を傍らに置く姿が描かれた。
強制的に契約した妖異「アヴァター」はプレイヤーのそれと異なり、両眼を覆った異形の姿である。
ガレマルドのキャンプで生じた騒動に乗じ、光の戦士を「晩餐」に招待する。その上で「既に狩った獣に興味を抱く事はない」として、再び光の戦士と命を燃やすに値する闘争をする為、「ブレインジャック」によって魂を分離させて百人隊長の体に封じた上で、自らが歩んできた道に従い「強さは魂に宿るのか、肉体に宿るのか」を問う機会を一方的に与え、光の戦士の肉体を奪って悠然とキャンプへ向かった。
ギリギリの所で光の戦士が駆けつけ、またブレインジャックが時間切れになった事で最悪の事態は回避された。しかしこの時間稼ぎが功を奏して月の封印が破壊され、ゾディアークが復活してしまう。
ところがファダニエルはゼノスを出し抜き、本来の目的「ゾディアークの核となった上で自害し、終末の災厄を成就する」を達成してしまう。光の戦士が自分と戦う事をそっちのけにする事態となった事を理解し、現状ではどうあっても望む闘争を得られないと悟ると、その場を立ち去った。
その後ガレマール帝国軍が次々と投降する中、第X軍団からは「個人的思想に基づき、祖国および諸外国に破滅をもたらしたものを皇子(イェー)と呼ぶ事は出来ない。以後は何れの階級にも属さない放浪者(ヴェトル)と呼ばれたし」と通達される。
以後の表記は「ゼノス・ヴェトル・ガルヴァス(Zenos viator Galvus)」となる。
終末の災厄が本格化する地獄絵図の中、ガレマルドにて「終末の獣」を相手に己の技を試していたゼノスだったが、事態収拾に駆けつけた暁の一行の前に姿を見せる。帝国軍人のユルスからは国を破壊した事を罵倒されるが「それらしい理由があれば、眼前の事実を許せたのか」「現実に納得するための理由を、他者になど求めて何になる」と冷然と告げる。
アリゼーからはその強さを認められながらも「人に求めることがあるならば、自分が愉しむだけじゃなく、一緒に愉しめるように考えるもの」「そんなこともわからないなら、永久にふられてなさい」と言われ、ここでも何をするでもなく立ち去った。
その後、自分が一度目の死を迎えたアラミゴ王宮の屋上庭園を訪れ、どうすれば己の願いを果たせるのかを思案する。
そして物語終盤、彼が導き出した結論と取った行動は驚くべきものであった──。
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関連項目
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