概要
当時18歳1ヶ月の少年だった福田孝行(後に大月純子と養子縁組をして大月孝行と改名)が、当時23歳の主婦を殺害・死姦し、さらに当時11ヶ月の娘も殺害した事件。 「山口母子殺害事件」とも。
詳しくはウィキペディアにて 光市母子殺害事件
事件での大まかな流れ
1999年4月14日 事件発生
1999年4月18日 容疑者を逮捕 (当時の報道名:少年F)
1999年6月 山口地方裁判所 へ起訴
2000年3月22日 山口地方裁判所 死刑求刑に対し、無期懲役を判決
2002年3月14日 広島高等裁判所 検察の控訴を棄却 (第1審の無期懲役を支持)
2006年6月20日 最高裁判所 広島高等裁判所の判決を破棄し審議差し戻し
2008年4月22日 広島高等裁判所差し戻し審 死刑を判決
2012年2月20日 最高裁判所第一小法廷 差し戻し2審判決を支持 死刑判決確定。
裁判に関わる話題
この事件は、少年に対する厳罰の是非、死刑の是非、弁護士や死刑廃止論者による鬼畜とも言える言動、被害者遺族の在り方、被害者遺族に対して我々はどう在るべきか等、様々な騒動や問いかけを残した事件である。
その中でも有名な話題をいくつか記載する。
被告人が友人に宛てた、被害者を侮辱する手紙
『誰が許し、誰が私を裁くのか・・・。そんな人物はこの世にはいないのだ。神に成り代わりし、
法廷の守護者達・・・裁判官、サツ、弁護士、検事達・・・。私を裁ける物は、この世にはおらず・・・。
二人は帰ってこないのだから・・・。法廷に出てきてほしいものだ・・・何が神だろう・・・サタン!ミカエル!ベリアル!ガブリエル!ただの馬鹿の集まりよ!』(ドストエフスキー「罪と罰」を引用して)
『選ばれし人間は人類のため社会道徳を踏み外し、悪さをする権利がある』
(死刑判決を免れ無期懲役判決が下ったとき)
『勝ったと言うべきか負けたと言うべきか?何か心に残るこのモヤ付き・・・。
イヤね、つい相手のことを考えてしまってね・・・昔から傷をつけては逃げ勝っている・・・。まあ兎に角だ。
二週間後に検事のほうが控訴しなければ終わるよ。長かったな・・・友と別れ、また出会い、またわかれ・・・(中略)
心はブルー、外見はハッピー、しかも今はロン毛もハゲチャビン!マジよ!』(本村氏に対して)
『ま、しゃーないですね今更。被害者さんのことですやろ?知ってます。ありゃー調子付いてると僕もね、
思うとりました。 ・・・でも記事にして、ちーとでも、気分が晴れてくれるんなら好きにしてやりたいし』
『知ある者、表に出すぎる者は嫌われる。本村さんは出すぎてしまった。私よりかしこい。
だが、もう勝った。 終始笑うは悪なのが今の世だ。
ヤクザはツラで逃げ馬鹿(ジャンキー)は精神病で逃げ私は環境のせいにして逃げるのだよアケチ君』
『オイラは、一人の弁ちゃんで、最後まで罪が重くて「死」が近くても「信じる」心をもって、行く。
そして、勝って修行、出て頭を下げる。 そして晴れて「人間」さ。オレの野望は小説家。へへ』
『犬がある日かわいい犬と出合った。・・・そのまま「やっちゃった」、・・・これは罪でしょうか』
『五年+仮で8年は行くよ。どっちにしてもオレ自身刑務所のげんじょーにきょうみあるし、速く出たくもない。
キタナイ外へ出る時は、完全究極体で出たい。じゃないと二度目のぎせい者が出るかも』
「ドラえもん」発言
これは、2007年6月27日に広島高裁で行われた被告人質問に関する記事である。
光母子殺害事件裁判の被告人質問~「ドラえもんを信じていた」
8年前、山口県光市で起きた母子殺害事件の差し戻し控訴審で、26日に引き続き、27日も元少年への被告人質問が行われています。広島高裁から中継です。
26日、5年8か月ぶりに法廷で証言し、殺意や乱暴目的を否認した元少年。集中審理2日目の27日もしっかりとした口調で、よどみなく証言を続けていま す。元少年は、弁護側の質問に答え、本村洋さんの妻、弥生さんを死亡させた後、混乱状態となり、ズボンのポケットに両手を入れたところ、中にひもがあるこ とがわかったと述べました。
元少年は、このひもを生後間もない本村さんの長女の首に巻きつけ、蝶々結びにして殺害したとされていますが、ひもで首を絞めたことについてはわからない、 認識がない、と供述しました。また、長女の遺体を現場アパートの押し入れに入れたことについては、
「僕の考えではドラえもんの存在を信じていて、ドラえも んに何とかしてほしいと思いました」
と述べています。
さらに、本村さんの妻の遺体に乱暴したことについては、生き返ってほしいという思いからだったと説明しています。
死刑廃止論者弁護士団による主張
死刑廃止論者弁護士団による主張もまた、非難の声が上がる原因となった。
以下にその主張の例を記載する。
- 水道屋の格好をしていたのは、被告人にママゴト遊びをする趣味があったから。よって計画的な犯行ではない。
- 被害者宅に侵入したのは、偶然ピンポンダッシュで遊ぼうとしていたから。よって偶発的な事件である。
- 寂しさを紛らわすため、被害者に甘えたい気持ちで抱きついただけである。よって強姦目的の犯行ではない。
- 乳児の首を締めたのは、ちょうちょ結びをしてあやそうと思っただけ。よって殺人ではなく傷害致死である。
- 被害者の遺体を犯したのは、被告人が
精子が人間を復活させると信じていたことによる魔術的な復活の儀式であり、助命行為をしようとしていた。
よって死姦ではない。むしろ救命措置を取ったので減刑すべき。
これらを見て、「さすが先進的な死刑廃止論者だな、インテリだ。」と思うか、その逆を思うかはもちろん個人の自由である。
忘れてはならないのは、被害者遺族もこれを法廷で聞かされていたということである。
その他(随時編集募集中)
- 被告弁護団の安田好弘弁護士の裁判欠席
無断欠席と勘違いされることも多いが、弁護士は欠席届を出していたため無断というのは事実無根である。 - 橋下徹(当時弁護士)が2007年5月27日放送の「たかじんのそこまで言って委員会」にて、弁護団の懲戒請求をそそのかした。そのため、業務を著しく妨害されたとして一部弁護士より損害賠償を求められる。(後に橋下側が全面勝訴)
- この事件での司法の経過を見て、加害者の権利は守られるのに被害者の権利はないがしろにされているように感じた遺族の本村洋氏が、同じような立場である山一證券代理人弁護士夫人殺人事件の遺族の岡村勲弁護士らとともに全国犯罪被害者の会を設立した。
関連動画
事件の発生から第2審差し戻し死刑判決までの事件のおおまかな流れを知りたいなら (合計1時間30分)
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関連項目
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https://dic.nicovideo.jp/t/a/%E5%85%89%E5%B8%82%E6%AF%8D%E5%AD%90%E6%AE%BA%E5%AE%B3%E4%BA%8B%E4%BB%B6