※諸注意
幻想入り支持者へ
動画内で東方タグなどについて批判的な意見があっても、できればスルーし、過剰反応しないよう気をつけましょう。議論したい場合はこの記事の掲示板へ誘導してください。
批判的な意見を持つ方へ
後述の「タグ・ジャンルについての問題と議論の結果」にある経緯を参照の後、議論へ移りましょう。
概要
幻想入りシリーズとは、東方Projectのゲームの舞台である架空の世界「幻想郷」に外の世界の人間・人外が入り、ゲームの登場キャラクター達と様々な体験をする作品の総称。
もともと「神隠し」という形で人が幻想郷に迷い込むことは公式の設定としてあったのだが、シリーズの草分けであるペンタゴン氏の動画『東方俺が幻想入り』シリーズによって「幻想郷に行った人の体験を具体的に描く」というコンセプトが形作られた。
この動画は多くの追従者を生み、作者の爆発的な増加から、2008年から2009年にかけて全盛期を迎えた。
主人公は作者の分身であったり、既存の版権キャラクターであったり、作者のオリジナルキャラであったりと様々である。
現在(2021年5月)では「幻想郷に行った人の体験談」というよりは「幻想郷に入り込んだ人間・人外によって起こるストーリー」を描く場合の多いジャンルとなっている。
形式としては、手描き絵を用いた紙芝居形式、文章によって進行するノベル形式、絵と台詞を分けて表示するADV形式が主。
視聴者参加型の進行
幻想入りの発端たるペンタゴン氏の動画が発祥である。「体験談を想像して描く」という考えに基づき、ストーリーの進行をコメント(視聴者)からとったアンケートに基づいて構成していくというもの。
現在ではこれを採用する動画は少なくなっているが、見かけたときは参加してみると良いだろう。
ただし、作者としてこれを用いるときは、アンケートのみを頼りに展開させて進まなくなるといった例もあるので要注意。
クロスオーバー
ある作者の動画の中に、他のシリーズの人物が登場すること。これも今ではあまり見られないが、同じコンセプト上での創作であるため、世界観を共有でき、ややメタな話で楽しませることに向いている。
ただし、作者にはクロスオーバーを許可している作者とそうでない者がいる。クロスオーバーをするときは、できるだけ直接本人と連絡を取り、互いに納得のいく形に仕上げよう。
”幻想入り”である必要性
通常の東方二次創作ではなく、幻想入りとして創作することの長所などをまとめる。
- 「東方キャラクター」と「外の人間(視聴者の場合も)」の干渉
- 東方キャラは一部を除き、幻想郷という囲われた世界に生きるものである。そこに外の人物の視点を持ち込めることが幻想入りの最大の長所である。作り手としてはここをいかに活用するかがポイントだろう。
- 創作の幅の広さ
- また、東方作品は幻想郷という「世界観」の中で繰り広げられるストーリーである。
ここに幻想郷の外側から入ってきたもの(人物、もしくはそれが持つ特徴)が影響することで、新しい要素による展開が起こる。これは設定の細部がぼかされ、世界観の外側との交流が存在する東方だからこそできる創作形態であるとも言える。 - 作者と視聴者の距離の近さ
- 前述したアンケートに代表されるように、幻想入りでは作者と視聴者が影響しあってストーリーが進むことがある。これは、「幻想入りした人間」という視聴者と等身大のキャラクターを主人公として用いるからこそ、同じ視点でストーリーを追えるからだ。
タグ・ジャンルについての問題と議論の結果
東方タグの有無
まず始めに、過去の議論の結果から東方タグをつけるかどうかは作者の自由であり、外すこと自体はマナーではないという結論になったことを明言しておく。
経緯
幻想入りシリーズは東方の世界観およびキャラクターを用いており、間違いなく東方二次創作の一つであるが、東方タグを付けることに関しては度々議論がなされ、2012年2月時点ではこれを自粛する場合が多かった。以下でここに至った経緯を説明する。
幻想入りシリーズが出来てまもなく、作者が爆発的に増え幻想入りのブームが発生する。
しかし、多くの作者が動画を作る知識、絵や文章の技術もないままに作品を作ったため、東方でタグ検索するとまともに創作物としての体裁すら保てていないものが大量に出てくるという事態になった。
これに加えオリキャラ無双、不自然な恋愛要素、原作キャラ改変などが多かったため、東方ファンから多くの批難を浴びた。
また他の版権作品を登場させた時でも、東方キャラとのパワーバランスについて度々議論コメが発生した。
これを受け、緊急措置として東方タグの自粛を呼びかけ、幻想入りシリーズは東方からほとんど隔離された。
※昔から版権二次創作でオリキャラや他作品キャラを用いたものは少なからずあった。版権作品にオリキャラというところから想像できるだろうが、こういったジャンルは広く受け入れられるものではなく、マイナーである。しかしマイナーであるが故にたいていの場合批判はそこまで多く上がらないのが常であった。
しかし、東方の世界、キャラ、設定を用いている以上、幻想入りシリーズも当然、東方に属する。その点から考えれば東方タグをつけること自体には何ら問題はない。また批判意見の多くは作品の内容に対するものであるのは前述のとおりであり、幻想入りという作品形態に言及された意見は少ない。
ここから、『東方タグの自粛が必要とされる程、出来の悪い作品があったとしても、全ての幻想入り作品に同様の措置をとるのはおかしい』などの意見が幻想入り側から多く上がった。
そこから批判側、肯定側を交えての議論が続き、互いに譲歩する形で東方タグをつけるかどうかは作者の判断という結論に至った。
現状
このような経緯からわかるように、タグは付けるかどうかはあくまで”作者の意志”である。外すことがマナーだと主張するものもいるが、これは間違いである。『幻想入りシリーズに東方タグはつけちゃならんだろ』といった主張から起きる批判は単純な荒らし行為だということを強調しておく。
また現在では長く続いた半隔離状態により、勢いや屁理屈で荒らしに来るアンチはぐっと減った。まっとうな作品作りさえ出来ていれば荒らされる心配もほとんどないと言えるだろう。
タグ付けの目安としては、『多少批判されるかもしれないが、多くの人に自分の作品を見てもらいたい』という者は付け、『人気は出ずとも、平穏に創作を続けたい』という者は付けない、というところだろう。
※なお、2021年5月時点で幻想入りシリーズタグのある動画における東方タグの有無の割合を調査したところ、2016年4月以前は東方タグのついていた動画は全体の29.8%(7554動画/25387動画)、2016年5月~2021年5月17日は80.6%(3526動画/4374動画)であった。界隈そのものが落ち着いた、或いは縮小した関係もあるかもしれないが、現在は東方タグを付けても問題無いという傾向のようだ。
幻想入りで特に起きやすい内容的な問題
前述のような経緯から、多くの批判意見が得られ、作者が考えるべき課題も見えてきた。特に以下のような点に気をつけよう。
・過度な自己投影
幻想入りに限らず、一般的な東方二次創作にもたびたびある事だが、作者のあまりにも生々しい願望・欲望がそのまま作品に反映されたものは見る者を不快にさせる。→詳しくはメアリー・スー
オリキャラを用いる幻想入りでは特に起こりやすいので注意。
・キャラ・設定の改変
二次創作のタブーとも言える改変はどこであっても批判の対象である。これも幻想入りでは起こりやすいようで、特に版権キャラを入れるとどちらかを贔屓した能力の解釈がされがちだ。展開上起こりうる変化なら良いだろうが、大元の設定をいじくってはいけない。
・東方vs版権における理不尽なキャラ付け
これも改変に近いが、特に戦闘描写やシリアスなストーリーを含む版権幻想入り系では、一方のキャラクター(比較的、版権側の場合が多い)の性格や能力が著しくデチューンされ、もう一方がそれを叩きのめし説教する、などといった展開がちょくちょく見られる。作者の自由と言えばそれまでであるが、他人に公開する以上、わけもなく一方を雑に扱うという事態は避けよう。双方の作品やキャラクターにもファンが存在し、一方があまりにも粗雑に扱われれば哀しいのである。
加えて二次創作全般に言える事だが、個人製作である事が多い為に「他者(視聴者)の目から見てその展開が妥当か否か」という視点は忘れられやすい。やはり作者の自由と言えばそれまでであるが、作者の意図せずしてその作品が過剰なヘイト創作や、断罪系のなりそこないと見なされる事にメリットはまずない。
カテゴリについて
東方タグを自粛するという状況にあった頃、ニコニコに「カテゴリ」という概念が導入され、東方はひとつのカテゴリとして確立された。しかし幻想入りはこれに参入できなかったため、「その他」や「描いてみた」カテゴリに分類する作者もいた。今ではこれらカテゴリの垣根が大きくなり、他のカテゴリにまた別の迷惑がかかってしまう状況となっている。そのため、東方タグをつけるなら「東方カテゴリ」、付けないのならカテゴリに分類しない、としたほうがよいだろう。
版権作品タグの有無
また、版権キャラの幻想入りについては、クロス先である版権側タグに関して同様に議論となった。
幻想入りという東方二次創作界隈の中で他作品の版権キャラクターを登場させるという行為は、大きく原作を改変していると言え、この点に違和感を覚えたり、それ以前に幻想入りを含むクロスオーバー、二次創作や東方そのものを嫌う版権ファンも数多く存在しているのも事実である。
「東方側のタグ固定は自重しているのに版権側は平気で付けるのか」
「幻想入り界隈は、東方の事しか考えていないんだな」
といった声も少なくない。東方だけでなく版権側にも常に気を配ることが幻想入りには必要とされる。
また、版権タグを付けた場合、東方タグも付けておくとマイナス検索ができるので良いとする意見もある
視聴者側の問題点
作者と視聴者の距離の近さのためか、あるいはクロスオーバー等の特殊なシステムのためか、個々の作品を別々のものとして見ることを忘れてしまうファンがいる。ひとつの動画のネタ・設定を他動画で持ち出すことはもちろん、幻想入りと関係のない東方動画、版権動画でこれを用いることはしてはならない。
また前述の版権キャラとの強さ議論も問題になりがちである。これは作者の作り方にもよるが、結局のところ不毛である。ある程度の考察的なコメントは作品のクオリティアップにつながるかもしれないが、ヒートアップのしすぎは禁物である。
最後に
作者は 「東方」と「幻想入り」について良く考えを整理して自分勝手な創作にならないよう心がけよう。
コミュニティ
関連項目
関連サイト
- 13
- 0pt