粟生線は、兵庫県神戸市北区の鈴蘭台駅と兵庫県小野市の粟生駅を結ぶ神戸電鉄の鉄道路線である。
概要
神戸市北区の鈴蘭台駅から分岐し、西区、三木市を経て小野市を結ぶ路線。沿線が神戸市のベッドタウンとして開発されたことにより利用客が増加、一部区間の複線化と最長5両編成での運転が実施されていた。三木市から小野市にかけてはローカル線の雰囲気が今でも残っている。
ここ十数年はマイカーの普及や過疎化、競合する神姫バスや神戸市営地下鉄の利便性の増加といった要因が重なり、深刻な赤字運営に陥っている。平成27年3月期決算における神戸電鉄全体の経常利益は約10.6億円であるが、粟生線単体で見れば毎年10億円以上の赤字を出しており、ざっくり言うと有馬線・三田線などの黒字路線や、不動産業で得た収益のおよそ半分が粟生線の赤字で消し飛んでいる状況にある。さらに行政側も資金に余裕がないことや、有馬線・三田線を含めると全体では黒字経営だという理由から支援を渋りたい思惑が見え隠れしており、神鉄側の自助努力が粟生線にとっては仇となる八方塞がりの状態に陥っている。神戸電鉄側も増発や直通運転の拡大、お得なチケットの発売、マスコットキャラクターとして「しんちゃん・てつくん」を登場させるなどの取組みによって赤字解消に努めているものの、依然として厳しい経営が続いている。
乗って残そう、未来の粟生線。
利用者数減少に苦しんでいることは事実なのだが、累積赤字の最大の要因は運賃収入の少なさというよりは複線化(準備)工事などの減価償却費や支払利息の負担が重いせいなのである。これらの設備投資を行った1990年代前半の粟生線はラッシュ時に窓ガラスにヒビが入る事故が起こるほど混雑が激しかったため、その時点では「将来的には地下鉄の延伸や路線バスの台頭などで乗客が半減するだろうから設備投資しなくても良い」といった経営判断をすることも不可能であっただろうし、かといって高速化工事を行う余裕もなかったことから中途半端な設備投資に終わったことも災いしている。
この赤字は粟生線を廃止したから帳消しになるというものでもなく、明確な解決策が見出せない状況であることに変わりはない。
なお、かつては快速と急行が運行されており、快速は藍那駅・木津駅・木幡駅・栄駅、急行は藍那駅・木津駅を通過していた。快速は2020年3月、急行は2022年3月に廃止された。
駅一覧と停車駅
駅番号 | 駅名 | 乗換・備考 | 所在地 |
---|---|---|---|
KB06 | 鈴蘭台駅 | 神戸電鉄有馬線(直通運転あり) | 神戸市北区 |
KB41 | 鈴蘭台西口駅 | ||
KB42 | 西鈴蘭台駅 | ||
KB43 | 藍那駅 | ||
- | 川池信号所 | 神戸市西区 | |
KB44 | 木津駅 | ||
- | 見津信号所 | ||
KB45 | 木幡駅 | ||
KB46 | 栄駅 | ||
KB47 | 押部谷駅 | ||
KB48 | 緑が丘駅 | 兵庫県三木市 | |
KB49 | 広野ゴルフ場前駅 | ||
KB50 | 志染駅 | ||
KB51 | 恵比須駅 | ||
KB52 | 三木上の丸駅 | (副駅名:三木城跡前) | |
KB53 | 三木駅 | ||
KB54 | 大村駅 | ||
KB55 | 樫山駅 | 兵庫県小野市 | |
KB56 | 市場駅 | ||
KB57 | 小野駅 | ||
KB58 | 葉多駅 | ||
KB59 | 粟生駅 | JR西日本:加古川線、北条鉄道:北条線 |
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関連項目
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