概要
精神的続編[Spiritual successor / Spiritual sequel]とは、版権上や物語上の正式な続編ではなく直接的な繋がりはないが、原点となる作品から根本にあるテーマや設計などを受け継いでいる作品の通称。国内メディア上では「精神的続編」という訳語がほぼ定着している。
主にビデオゲームや映画作品において用いられている概念である。ゲームタイトルで有名な例を挙げると、版権タイトルの「ゴールデンアイ007」のシステムやゲームデザインを受け継いだ「パーフェクトダーク」と、前者の元開発スタッフによって立ち上げられた新規スタジオ製作の「タイムスプリッター」がそれぞれの精神的続編であると解釈されている。
国産タイトルでは「キングスフィールド」「デモンズソウル」「ダークソウル」などが挙げられる。また、2007年に当時は版権上の理由で幻の作品となっていた「System shock 2」が実質的な続編にあたる「Bioshock」として蘇ったことも有名な一例であり、メディア上で"精神的続編"という概念と呼び方が広く使われ定着するきっかけになったとも考えられる。
精神的続編と呼ばれる作品群は、前作に該当する作品の開発販売元とは異なる会社から登場することが多い。親会社の倒産や開発チームの解散、シリーズの版権上の理由など、いわゆる大人の事情で正式な続編が制作不可能である場合に元スタッフによって根本にあるテーマやデザイン、つまり精神を受け継いだ新たなる独立した作品として精神的続編が作られると言われている。(参考)
基本的には原点にあたる作品の作者や関係者によって作られた作品を指す言葉で、影響を受けたファンや第三者による、いわばリスペクト的作品(クローンゲームや同人ゲームなど含む)とはやや異なる。(高い評価を得た作品はコミュニティ間で精神的続編として評価されていることもある。)また、正式に版権上の繋がりのあるリメイクやスピンオフ(外伝)作品は別物である。
精神的続編の一例
- Wasteland → Falloutシリーズ (Wastelandは後に正式な続編が作られている)
- キングスフィールド → デモンズソウル → ダークソウル
- クロックタワー、クロックタワー2 → NightCry
- ゴールデンアイ007 → パーフェクトダーク → タイムスプリッター
- System shock → Bioshock (Deus Exも精神的続編と呼ばれていることもある)
- Sid Meier's Alpha Centauri → Civilization:Beyond earth
- ゼノギアス → ゼノサーガ → ゼノブレイド
- 超兄貴 → 美食戦隊薔薇野郎
- デビルメイクライ → ベヨネッタ
- Narbacular Drop → Portal
- バンジョーとカズーイの大冒険 → Yooka-Laylee
- プリンス・オブ・ペルシャ → アサシンクリード (元はシリーズの続編として開発が始まった)
- ラグナロクオンライン → Tree of Savior
- アーマード・コアシリーズ → DAEMON X MACHINA
上記の「一例」に挙げられていたが、疑問符が付くもの
- Ico → ワンダと巨像 : 開発企業・販売企業・主要開発スタッフが共通な、正式な次回作。世界観の繋がりを示唆する描写もある。
- スーパーマリオRPG → マリオストーリー : 「マリオストーリーは元はスーパーマリオRPG2になる予定だった」という名称上の理由や開発会社が変わっていることなどから「精神的続編」的な要素が皆無ではない。しかし同一メーカー(任天堂)発売の同一キャラクター(マリオ)ものであって、正式なシリーズ作品。
関連項目
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