雷帝単語

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ライテイ

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雷帝（らいてい）とは、以下のものを指す呼称および名称（の一部）である。

14世紀後期～15世紀初頭のオスマン帝国皇帝（スルターン）バヤジッド１世の通称「バヤジッド雷帝」（土： Yıldırım Beyazıt）。
16世紀のロシア皇国初代皇帝（ツァーリ）イヴァン4世の通称「イヴァン雷帝」（露： Иван Грозный）。→ イヴァン4世
漫画『金色のガッシュ!!』の登場人物ゼオン・ベルの通称「雷帝」
漫画『GetBackers-奪還屋-』の登場人物・天野銀次の通称「雷帝」。
漫画『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』の登場人物アーシェス・ネイの異名「雷帝アーシェス・ネイ」。
漫画『鬼公子炎魔 ―雷帝地獄変・序章―』
アニメ『天空戦記シュラト』の登場人物「雷帝インドラ」
伝奇小説『封神演義』の登場人物・聞仲（九天応元雷声普化天尊）。古典では「雷祖」等の異称があるが、近年の創作等では「雷帝」と呼ばれる場合がある。
ライトノベル『聖剣使いの禁呪詠唱』の登場人物ヴァシリーサ・ユーリエヴナ・モストヴァヤの通称「ロシアの雷帝」（Russian Terror）
カードゲーム『遊戯王OCG』に登場するモンスターカード「雷帝ザボルグ」。 → 帝（遊戯王）
ゲーム『爆ボンバーマン2』の登場人物「雷帝バアル」。
ニコニコ動画の歌い手・生放送主「雷帝」。 → 雷帝（生放送記事）

概要

3 以下の漫画・ゲーム等で使われる「雷帝」という呼称は主に 2 の定訳によって広まったものである。

1. バヤジッド雷帝

オスマン帝国第４代バヤジッド１世（Bayezid I, 土： 1. Beyazıt （ベヤズト） , オスマン語： بايزيد اول‎, 1360～即位'89～1402～死去'03）の呼称ユルドゥルム（Yıldırım, ییلدیرم）は「雷電」という意味で、帝号と合わせればそのまま「雷帝」になる。彼が雷帝と呼ばれるようになった由来には諸説あるが、いずれも決め手に乏しい。

ニコポリスの戦い（1396年９月25日）での迅速な大勝利による。これにより欧州諸国連合規模による十字軍侵攻は打ち止めとなり、彼はマムルーク朝保護下のアッバース朝カリフから正式に皇帝（スルターン）の称号を与えられた（実は先代ムラト１世が1383年ごろからスルターンを自称していた）
ニコポリスの戦いの前哨となった、バルカン諸侯連合軍とのコソヴォの戦い（1389年６月15日）で、父である第３代ムラト１世（1319/'26～君侯位'62ごろ～'89）と共に参軍した時の大活躍による。中央に布陣した父帝は陣中で暗殺され（その死の様子には諸説あり、例えばセルビアの伝説では騎士ミロシュ・オビリチ（セルビア語： Милош Обилић, Miloš Obilić）の剣によるもの等とされているが、彼の実在した証拠は無い）、右翼に展開したバヤジッド軍は敵軍左翼のコサチャ家のヴラトコ・ヴコヴィチ（Влатко Вуковић Косача, Vlat ko Vuković Ko sača）率いる精強なセルビア軍に大苦戦するも、日没までに撃退して圧勝した。翌日には帝位を継ぎ、弟のヤクプ・ベイ（Yakup Bey）を拘束（あるいは処刑）して帝権を安堵し、セルビアを支配下に置いた
容赦無く不要な捕虜や血縁を含む政敵を処刑する苛烈な性格から。ただしこの時代の専制君主としてはそこまで珍しい傾向ではない

2. イヴァン雷帝

亡き東ローマ帝国およびモンゴル帝国の継承国家として正式に皇帝^[1]（Царь (и Великий князь всея Руси) 「（全ロシアの）ツァーリ（にして大公）」）を自称し、ロシア皇国（Царство Русское, 後のロシア帝国）へと国号を改めたモスクワ大公国第11代大公イヴァン４世（Иван IV Васильевич, 1530～大公位'33～帝位'47～'74, 復位'76～'84）に付けられた通称グローズヌィイ（Грозный）の定訳が「雷帝」である。

グローズヌィイは「残虐な、過酷な、恐るべき、[俗用]（雷）嵐に関する」という形容詞で、元の名詞はグラザー（гроза, 「（雷）嵐、災厄、脅威、危険、恐怖」）である。しかしイヴァン４世の場合のグローズヌィイはその苛烈な気性と統治を指した表現であり、厳密に云えば気象現象としての「（雷）嵐」の意味は含まれていない（明治期以降日本語の影響の強かった中国語などを除き、英語の The Terrible 等、他言語では「苛烈な暗君」を意味する定訳がされている）。まあ今後「雷帝」以外の訳語が定着する可能性はゼロに近く、これを比喩としてだいたいあってる微妙な翻案と視るか、詩情に溢れる小粋な名訳と視るかは人それぞれだろう。