霧島マナとは、ゲームソフト『新世紀エヴァンゲリオン 鋼鉄のガールフレンド』に登場するキャラクターである。
概要
1997年にガイナックスから発売されたアドベンチャーゲームソフト『新世紀エヴァンゲリオン 鋼鉄のガールフレンド』に登場するキャラクター。
このゲームソフトはテレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』のキャラゲーであるが、霧島マナは原作であるアニメ本編には登場しておらず、このゲームオリジナルのキャラクターである。
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https://twitter.com/Raven00F/status/1370358426199494657
声優は『新世紀エヴァンゲリオン』のヒロインの一人「綾波レイ」と同じ「林原めぐみ」が演じている。『新世紀エヴァンゲリオン』のアニメ版メインキャラクターらと同様、キャラデザインは「貞本義行」が担当したらしく、貞本による設定画が存在するようだ。
茶色いショートヘアをした明るい美少女で、『新世紀エヴァンゲリオン』の主人公である「碇シンジ」らが通う第3新東京市立第壱中学校2年A組に転校してくる。その後、碇シンジに積極的に接近してくるが、その裏にはとある目的があった。
設定上、親しい仲間たちとともに苦しい状況に立たされており、碇シンジに近づいた理由にもその立場が関わっている。ゲームのエンディングにおける彼女の運命はプレイヤーが選んだ選択肢によって変化し、名前などを変えて暮らしていくといったものもあるが、死亡が示唆されるものもある。
「とある目的を隠して、好意を持っているかのように主人公に積極的に近づいてくる明るい美少女」というキャラクター造形からは「小悪魔的」とも言える。公式側もそれを意図しているのか、公式がプロモーションやグッズ展開用に制作したビジュアル、いわゆる「版権絵」の中には、「さまざまな男性キャラクター(碇シンジのほか、加持リョウジ、青葉シゲル、日向マコト)とツーショットで写ったプリクラの数々を貼った学生証入れを見せていたずらっぽく舌を出している画像」[1]などもある。
一方、上記のように「苦しい立場におかれており、その関係の事情でやむなくシンジに近づいている」という設定は「悲劇のヒロイン的」とも言える。
だが、公式商品に断片的に記されていた彼女の独白と思しき文章には、「小悪魔」や「悲劇のヒロイン」とも一風異なった、彼女の屈折した内面も記されている(後述)。屈折した面を抱えているキャラクターが多数登場する作品『新世紀エヴァンゲリオン』のキャラゲーヒロインとして馴染ませるために、ゲームスタッフが頑張ってしまったのかもしれない。
『新世紀エヴァンゲリオン』のキャラクターには第二次世界大戦期の軍艦の名称から苗字を取っている人物が複数居ることと合わせて考えると、おそらく苗字の「霧島」は戦艦「霧島」から取ったものではないかと思われる。
『新世紀エヴァンゲリオン 鋼鉄のガールフレンド』は1997年に発売されたWindows版の他、1998年に発売されたMacintosh版/セガサターン版/プレイステーション版、2006年にWindowsとプレイステーション2で発売された『特別編』、2009年にプレイステーションポータブルで発売された『特別編 ポータブル』など、様々な機種で繰り返し発売された。そのためか、ゲームオリジナルキャラクターである割には『新世紀エヴァンゲリオン』のファンからの知名度は比較的高いようだ。
他にも、2004年に発売されたゲーム『新世紀エヴァンゲリオン 碇シンジ育成計画』、そのゲームのコミカライズとして2005年から月刊少年エースに連載された漫画作品『新世紀エヴァンゲリオン 碇シンジ育成計画』、2007年から展開されたディフォルメキャラ商品シリーズ『ぷちえゔぁ』など、霧島マナは『新世紀エヴァンゲリオン 鋼鉄のガールフレンド』以外の様々なエヴァンゲリオン関連作品に登場した。
これは、他のエヴァンゲリオンゲームのオリジナルキャラクター(山岸マユミ、マリイ・ビンセンス、松風ネネ、加賀ヒトミ、涼波コトネなど)が基本的にそのゲームのみの登場であったこととは対象的である。
こういった違いについては、『新世紀エヴァンゲリオン』のファンの間では
「元々『新世紀エヴァンゲリオン 鋼鉄のガールフレンド』は『新世紀エヴァンゲリオン』本編を制作したのと同じ企業「ガイナックス」が制作・販売したゲームであった(移植・リメイク作では別企業が販売しているものもあるが)。一方、その他のゲームは他社が制作し販売したもの。そのため、霧島マナの権利はガイナックスが所持し続けたので他作品に自由に出せたが、他のキャラクターは権利が他社にあったためにそうもいかなかったのではないか」
……などとも言われる。
しかし2010年代以後からは、霧島マナも他作品に登場することが乏しくなり(漫画版の『新世紀エヴァンゲリオン 碇シンジ育成計画』は2010年代なかばまで続いたが)、2020年代にはほぼ皆無となっている。
なお『新世紀エヴァンゲリオン』の版権は、2014年にガイナックスから庵野秀明の会社「カラー (アニメ制作会社)」に移管された。この時に霧島マナの版権もカラー側に移動したのか、あるいはガイナックスに残ってしまっているのかは不明である。
独白
『新世紀エヴァンゲリオン 鋼鉄のガールフレンド』のパソコン版パッケージ、プレイステーション版パッケージ、販促ポスターなどに記されていた文章。
各パッケージやポスターではこの「文章」はあくまで「背景」や「デザインの一部」という扱いであり全文は見えない。だが、つなぎ合わせると少なくない部分が判明する(ただし文章のつなぎ方が各パッケージやポスターで矛盾しているものもある)ため、つなぎ合わせて判明した部分だけでも以下に示す。
転記元は、ネットオークションなどに出されている各ゲームパッケージやポスターの参考商品画像や、「'98 GAINAX SOFTWARE CATALOG」の画像[2]など。
ただし、赤のダッシュ「―――――」で埋めた部分は参照できた限りのいずれのパッケージやポスター等でも露出していないように見える箇所であり、内容が判明しなかった箇所。
私の部屋には大きな鏡があるんです。その鏡を見て「私ってなんてかわいいんでしょう」と思うんです。生意気でしょう?だからそのことは誰にも言いません。思い上がった女の子って思われたくないから。そして近所にだれもいないことを確かめてからカーテンを閉めて、ジャネットジャクソンの曲に合わせてその鏡の前で裸になって踊るんです。体がとっても軽くなって、そのときの私って一番かっこいいんです。
学校のみんな―――――はそんな私のこと、絶対想像できないと思います。だって、―――――私、男の子にいじめられるふりをして、泣きまねすると―――――ろかった。
一―――――女の白黒の写真でした。若い兵士の顔写真です。下顎があんなに歪んでしまうな―――――写真を展示している博物館の人は、「戦争―――――写真集には書か―――――ていました。
私は男の子から手紙をもらったことがあり―――――あ、やっぱり―――――、読んでいたら急に腹立たしくなって、めちゃめ―――――翌日、その男の子と目を合わせるのがつらくてずっと避―――――した。初めて自分がイヤになりました。
両親は二人とも変な顔なのに、私は美人です。―――――組み合わせの勝利だと思います。だからお父さんとお母さん、ずっと仲良―――――となんだと思う。
私が生まれたとき父は児童文学者の夢を置き―――――を始めたから。家賃を払って、食費払って、学費を払って―――――ほうがかっ―――――親不孝だねぇ、私。母さん、買い物の最中―――――所の人はみんな見ているんだからね、私がこちらに出てきて―――――さんの夕飯にはちゃんと野菜を出すようにしてよ―――――私は母さんとは違うしっかり者の母に―――――
―――――箱根の空って本当に青いの!雲はふとんの綿みたいに―――――と箱根スカイラインの芦ノ湖展望台からの―――――って銀色の―――――ポルシェに乗って全部見てまわるからね。
今日また、人を傷つけ―――――たの。みんなで楽しく食事をしてのに[3]私の無責任な一言で、ひとりの子が急に静かになっちゃって。私って人の痛みのわからない馬鹿な女の子なんだね。こんな私だから神様は罰として寂しさを与えたんだよ。この試練に耐えていけばいつかは良い子になれると信じて生きていくしかないよね。
―――――していてね。
これら未確定の「―――――」の部分については、この独白の「全文」であるとしてネット掲示板上に掲載されていた出所不明の文章[4]には記載されている。
ただしこの掲示板に書き込まれた「全文」の各所において、上記のパッケージ等を組み合わせて復元した文章とは食い違っている(すなわち、どちらかが間違っているように思われる)箇所もあるので、正確性には怪しいところもある。
関連動画
関連項目
- 新世紀エヴァンゲリオン
- 山岸マユミ : 霧島マナと同じく、『新世紀エヴァンゲリオン』のゲームのオリジナルキャラクター。
脚注
- *駿河屋 -<中古>霧島マナ&アスカ&レイ&シンジ 新世紀エヴァンゲリオン 下敷き(下敷き)
- *Neon Genesis Evangelion: Kōtetsu no Girlfriend (1997) box cover art - MobyGames
- *「してのに」はパッケージ記載のママ。
- *インターネット掲示板「2ちゃんねる」のエヴァ板のスレッド、「マリィ、マユミ、マナ、ネネの中で一番可愛いのは?」のレス(書き込み)番号8,9
より。
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