ティズナウ(Tiznow)とは、ティィィィッッッッズナアッッォォォオオウウ!!!1997年生まれのアメリカの元競走馬・元種牡馬である。
通算成績15戦8勝[8-4-2-1]
主な勝ち鞍
2000年:スーパーダービー(GI)、ブリーダーズカップ・クラシック(GI)、グッドウッドブリーダーズカップH(GII)、アファームドH(GIII)
2001年:サンタアニタH(GI)、ブリーダーズカップ・クラシック(GI)、サンフェルナンドブリーダーズカップH(GII)
表彰
2000年エクリプス賞年度代表馬、最優秀3歳牡馬
2001年最優秀古牡馬
父はあのマンノウォーの末裔Cee's Tizzy、母Cee's Song、母父Seattle Songという血統。当時のアメリカの主流からは若干外れた感はある血統である。
デビューが遅れ、3歳の4月にようやくデビュー。この時点でケンタッキーダービーは断念となった。さらに勝ち上がりに3戦を要したが、3戦目は鮮やかなぶっちぎりで未勝利脱出。
その次走にGIIIに挑戦し見事制覇。続くGI3連戦では前半2走は2着2回と壁に当たるが、スーパーダービーを制しGI初制覇を飾る。
そして前哨戦のGIIを勝ち、追加登録をしてブリーダーズカップ・クラシックへ向かった。この年は凄いメンバーが揃っており、当年のケンタッキーダービー馬フゥサァイィチィフサイチペガサス、3歳の安定上位株*キャプテンスティーヴ、前年の覇者キャットシーフ、前年のベルモントステークス馬で古馬安定勢力のレモンドロップキッドといった国内の強豪に加え、欧州の3歳筆頭格で、12週間の間にGI5連勝を飾った鉄の馬・ジャイアンツコーズウェイが出走してきていた。
レースでは2番手から抜けだしたティズナウを外からジャイアンツコーズウェイが強襲、抜き去って欧州馬によるブリーダーズカップクラシック征服なるか!? と思われたがティズナウは喰らいつき叩き合いに移行する。しかしながらジャイアンツコーズウェイも叩き合いには異常に強いため、関係者やファンが「粘られたけどこれはジャイアンツコーズウェイ勝ったわ」と思った。しかしティズナウは一瞬前に出かけたジャイアンツコーズウェイに食らいつき、逆にその差をわずかに広げゴール板に飛び込んだ。
今まで並ばれたら絶対に負けないとまで言わしめた欧州筆頭馬を逆に根性でねじ伏せる、信じがたいド根性に皆が感服する中、ティズナウがクビ差差し切り優勝し、アメリカ競馬の金看板流出を防いだのだった。
フランス馬の*アルカングが1993年に勝ってたとかそういうことは黙っておいてくれないか!
ついでに、前年キャットシーフの2着に敗れた全兄バドロワイヤルの無念も少しは晴らしてみせたのだった。
4歳シーズンはGIIを2戦して1勝2着1回の成績を残し本拠地西海岸の春の大レースであるサンタアニタハンデキャップへ向かい、5馬身ぶっちぎって大楽勝を飾る。しかしその後「なぜ引退させないのか?」と周りから問われるほどの背腰の痛みを負って長めの休養に入り、復帰が9月まで長引いた。しかも復帰初戦で、ブリーダーズカップを睨んで2001年の開催地である東海岸ベルモント競馬場に遠征してウッドワードSに挑むが伸び切れず、ジャパンカップダートに来た、クロフネを見た、負けたリドパレスに完敗し3着に終わってしまう。
これはいけないと地元に戻って再調整、GIIをステップにブリーダーズカップへ向かおうとしたがなんとここでも3着に敗れ、不安を抱いたままブリーダーズカップ・クラシック連覇に挑戦することになった。
この2001年は、アメリカの3歳勢は中心のケンタッキーダービー馬のモナーコスが骨折休養中、残りの二冠を制したビッグレッドトレインことポイントギヴンは屈腱炎で引退してしまうなど元気がなく、対照的に欧州勢は元気で、クールモアが前年ジャイアンツコーズウェイで取れなかったタイトルを奪取すべく、英愛ダービーとキングジョージを取ったガリレオを、さらにドバイのモハメド殿下率いるゴドルフィンも凱旋門賞を5馬身差圧勝した4歳馬サキーを送り込んできていた。
ティズナウは臨戦過程が良くないということで4番人気に甘んじ、レースでも先行こそしているがなんだか手応えはイマイチ。そうこうしているうちに直線を向き、ガリレオが砂を被ってギブアップするのをよそにサキーが力強く抜け出す。ティズナウは一瞬内によれる。
ああ、もうダメだ、アメリカ競馬の金看板は持って行かれてしまうのか……シガーもなんか同じ展開で3着だったしなあ……連覇は難しいか……と、2ヶ月前に同時多発テロが起き、すっかり意気消沈していたアメリカのファンは天を仰いだ。
……どっこい、全身闘志の塊であるこの馬はまだ死んじゃいなかった。立て直すとサキーに並びかけようとするが、先に抜けだしたサキーも譲らない。伸びはよくないが、サキーもまた根性で走る。抜かせまいと粘る。
しかしティズナウが信じられない伸びを見せ、前に出る。叩き合い。サキーも差し返そうと必死に走る。ゴール。ハナ差だけティズナウが粘り込んだところがゴール板であった。
こうしてティズナウは前人未到のブリーダーズカップ・クラシック連覇を成し遂げ、この大きな勲章を持って引退・種牡馬入りした。
余談だが、時折しも同時多発テロ後の混乱のひどいNY近郊ベルモントパークでの開催となり、アラブの王様の持ち馬であるサキーには雰囲気的にひどいアゲンストだったと言っていい。
実況も徹底的にティズナウびいきで、ハナ差の接戦なのにティズナウが勝った前提でTiznow wins it for America!!ってゴールした直後に言う始末。(普通はハナ差ならこれはどうだ!? くらいで濁すことが多い。中には明らかに差してるのに微妙なんて言うアナウンサーもいる)
そんな中で頑張ったサキーもまた、タフで強い名馬である。
種牡馬としても初年度からブリーダーズカップジュベナイルフィリーズを勝ったフォークロアやドバイワールドカップを勝ったウェルアームドを輩出。
その後もちょくちょく大物を出しており、ビッグレッドことマンノウォー直系の血を守る存在として活躍している。
Cee'z Tizzy 1987 芦毛 |
Relaunch 1976 芦毛 |
In Reality | Intentionally | |
My Dear Girl | ||||
Foggy Note | The Axe | |||
Silver Song | ||||
*ティズリー 1981 鹿毛 |
Lyphard | Northern Dancer | ||
Tiznow 1997 鹿毛 |
Goofed | |||
Tizna | Trevieres | |||
Noris | ||||
Seattle Song 1981 黒鹿毛 |
Seattle Slew | Bold Reasoning | ||
My Charmer | ||||
Incantation | Prince Blessed | |||
Cee's Song 1986 黒鹿毛 FNo.26 |
Magic Spell | |||
Lonely Dancer 1975 鹿毛 |
*ナイスダンサー | Northern Dancer | ||
Nice Princess | ||||
Sleep Lonely | Pia Star | |||
Sulenan | ||||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Northern Dancer 4×4(12.50%)
父Cee's Tizzyは6戦3勝でスーバーダービー3着程度の二流馬だったが貴重なマンノウォー系であることと祖母TiznaがGI3勝の良血のため種牡馬入りした。
母Cee's Songは18戦1勝。繁殖牝馬として本馬の他にBudroyale、Tizdubaiなど重賞勝ち馬を送り出している。
母父Seattle Songは9戦3勝でサラマンドル賞(仏G1)、ワシントンDC国際S(米GI)優勝馬。
掲示板
14 ななしのよっしん
2023/03/28(火) 13:49:16 ID: g1bbDwe4WQ
15 ななしのよっしん
2023/04/15(土) 19:23:36 ID: WqundIWNXr
それもだいぶ昔の話よ
今はだいぶ生産の裾野が狭くなって売れる特定の血統が多くなってる
生産頭数の減り具合エグいからな
16 ななしのよっしん
2024/03/19(火) 15:59:40 ID: 3e15kS8PKd
アメリカは裾野が広いというか零細血統が生き残ってるのはそうなんだけど
欧州だと主流の英愛仏はサドラーにあらずんば馬にあらずくらいの勢いで席巻してて変なのが生き残ってるのはパート2以下の弱小国ばっかりなのよ
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最終更新:2024/05/24(金) 14:00
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