レモンドロップキッド(Lemon Drop Kid)は、1996年生まれのアメリカの競走馬・種牡馬である。
父はこの世代が2世代目となる後の大種牡馬Kingmambo、母Charming Lassie、母父は1977年に無敗でアメリカ三冠を達成したSeattle Slewという血統。
本馬の叔父にWolfhound(1992年フォレ賞、1993年スプリントカップ)がいるほか、従兄にSummer SquallとA.P. Indyの兄弟がいるなど、祖母Lassie Dearから連なる牝系には本馬の前後に数多くの活躍馬がいる。
ケンタッキー州の名門レーンズエンドファームにおいて生産され、1997年のキーンランドセプテンバーセールで20万ドルで落札された。1926年生まれのベテランであるスコッティ・シュルホーファー調教師に預けられた。
7月12日にベルモントパーク競馬場のメイドン(6.5ハロン)でデビューし、ここではハナ差で逃げ切られたが続くサラトガ競馬場のメイドン(6ハロン)で勝ち上がった。
続けてサラトガ競馬場の7ハロンの一般競走に出走したが、本馬を含めた5頭立ての中にいずれも翌年GI複数勝利を挙げることになるMenifeeとCat Thiefが含まれており、先行した先述2頭に全く追いつくことが出来ず、勝ったMenifeeから13馬身半差(2着Cat Thiefからも10馬身半差)の3着と完敗を喫した。
続くベルモントフューチュリティS(GI・1マイル)では、ハリウッドジュヴェナイルチャンピオンシップS、サプリングS(いずれもGIII)をそれぞれ6馬身差・7馬身1/4差で圧勝したYes It's Trueが単勝1.2倍の1番人気となっており、レースも同馬が逃げて後続を引き離す展開となったが、ただ1頭だけ食らいついていった本馬が最後は半馬身差で競り勝った。
続けてシャンペンS(GI・8.5ハロン)に出走したが、先行して抜け出そうとしたところを道中最後方から後半で徐々に位置を上げてきたThe Groom Is Redに差し切られ2馬身3/4差の2着。ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルでは中団から進めたものの伸びを欠いてAnswer Livelyの6着という結果に終わった。2歳時は6戦2勝だった。
3歳時は初戦の一般競走を3馬身半差で勝ったが、ブルーグラスS(GI・9ハロン)では伸びを欠いてMenifeeの5着に敗れた。それでもケンタッキーダービーには駒を進めたが、19頭立ての大外枠を引いた上に道中で碌に位置取りを上げることもままならないという非常に苦しい競馬を強いられ、15番手で直線を向いてから*カリズマティックの5馬身半差9着に追い上げるのが精一杯だった。続くジムダンディS(GII・9ハロン)も道悪と斤量差の影響でBest of Luckの3着と勝ちきれなかった。
ベルモントSでは近走の不振に加えて*カリズマティックがプリークネスSも勝利して三冠に王手をかけていたこともあり、単勝30.75倍で12頭中7番人気という評価だった。しかし中団から*カリズマティックを見つつレース後半ではそれをマークするような形で競馬を進めると直線入り口で先頭に立ち、*カリズマティックと内から迫るVision and Verseを退けて優勝。
*カリズマティックは残り1ハロン地点から異変を感じていたクリス・アントレー騎手がゴール直後に下馬し、左前脚の管骨・種子骨骨折が判明してそのまま引退に追い込まれた。
本馬の方は続けてジムダンディS(GII・9ハロン)に出走。ここでは重賞未勝利で8ポンドの斤量差を貰っていたEcton Park(ピットファイター、デアリングハートの半兄)に5馬身1/4差をつけられ2着に終わるが、トラヴァーズSでは好位から抜け出してVision and Verseとの叩き合いを3/4馬身差で制しGI3勝目を挙げた。
ここから古馬との対戦に舵を切り、ジョッキークラブゴールドカップに出走したが、道悪にも苦しんでこの年のウッドワードSの勝ち馬River Keenの9馬身1/4差5着に敗退。ブリーダーズカップ・クラシックでも中団から伸びを欠いてCat Thiefの6着に敗れ、3歳時は9戦3勝となった。
4歳時は3月のワイドナーH(GIII・9ハロン)から始動したが、単勝1.6倍の1番人気に応えて1位入線した矢先に進路妨害で4着(最下位)降着となってしまった。続く一般競走(9ハロン)では単勝1.65倍の1番人気に推されたが、5頭中4番人気のEnd of the Roadに迫られ1着同着となった。
このレース後、これまで主戦を務めていたホセ・サントス騎手が馬との相性を考慮して降板させられ、エドガー・プラード騎手が新たな主戦となった。プラード騎手の初騎乗となったピムリコスペシャルH(GI・9.5ハロン)は4番手から進めたが、前年のブリーダーズカップ・クラシックで3着だったGolden Missileの3着に終わった。
しかし続くブルックリンH(GII・9ハロン)を7馬身1/4差で圧勝すると、サバーバンH(GII・10ハロン)では既にGI3勝を挙げ前年のジョッキークラブゴールドカップでは本馬に先着する2着だったBehrensに2馬身半差をつけて完勝。ホイットニーS(GI・9ハロン)ではトップハンデを背負いながらCat Thiefに2馬身差、3着Behrensに6馬身1/4差をつけるパフォーマンスを見せ、ウッドワードSも3角で早々に先頭に立つとBehrensとの一騎打ちを3/4馬身差で制して勝利し4連勝(GI2連勝)となった。
ところが、続くジョッキークラブゴールドカップでは鞍上のプラード騎手が立ち上がるほどの大出遅れを喫して最後方からの競馬を余儀なくされ、3歳馬Albert the GreatのGI初勝利を9馬身半後方から見届ける5着。既に引退が発表されて臨んだブリーダーズカップ・クラシックでは逃げるTiznowに道中一度は迫るも結局突き放され、古馬最先着とはいえ5馬身1/4差をつけられての5着に終わった。それでもこの年9戦5勝・GI2勝でエクリプス賞最優秀古馬牡馬を受賞し、翌年から故郷レーンズエンドファームに戻って種牡馬入りすることとなった。
種牡馬としては散発的にGI馬を送り出してまずまずの成功を収めた。日本においては*ビーチパトロールが種牡馬として輸入されているほか、レモンポップがチャンピオンズカップ連覇などGI級競走6勝を挙げる活躍を見せている。また日本で走った*アポロキングダムが種牡馬入りし、アポロマーベリックやガビーズシスターを出している。
2021年に種牡馬を引退し、功労馬として引き続きレーンズエンドファームで繋養されていたが、2024年12月13日(現地時間)に死亡したことが報じられた。28歳だった。
Kingmambo 1990 鹿毛 |
Mr. Prospector 1970 鹿毛 |
Raise a Native | Native Dancer |
Raise You | |||
Gold Digger | Nashua | ||
Sequence | |||
Miesque 1984 鹿毛 |
Nureyev | Northern Dancer | |
Special | |||
Pasadoble | Prove Out | ||
Santa Quilla | |||
Charming Lassie 1987 黒鹿毛 FNo.3-l |
Seattle Slew 1974 黒鹿毛 |
Bold Reasoning | Boldnesian |
Reason to Earn | |||
My Charmer | Poker | ||
Fair Charmer | |||
Lassie Dear 1974 鹿毛 |
Buckpasser | Tom Fool | |
Busanda | |||
Gay Missile | Sir Gaylord | ||
Missy Baba | |||
競走馬の4代血統表 |
掲示板
1 ななしのよっしん
2024/11/30(土) 18:18:31 ID: 2ZjfCfU0E5
彼のベルモントSは2冠馬カリズマティックが大怪我を負いながらも3着に入っていたのもあって、「怪我さえなければカリズマティックが……」とか言われることもあったらしい。
その後3冠に次ぐ3歳の大レースであるトラヴァーズSを勝ち、古馬に入ってからはG1を2つ含む重賞を4連勝して強さを示したところは、G1初勝利となったフェブラリーSは宿敵・ギルデットミラー不在だったものの、その後G1級を4勝し現役ダートマイラー最強にまで上り詰めた息子のレモンポップにも重なるところがある……かもしれない。
2 ななしのよっしん
2024/11/30(土) 18:23:06 ID: 2ZjfCfU0E5
勝負強い馬だったものの、古馬になってからブリンカーを装備するまでは精神的に集中力に欠ける馬だったそうで
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最終更新:2024/12/27(金) 19:00
最終更新:2024/12/27(金) 19:00
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