フリアエ

フリアエ（Furiae）とは、

1. ローマ神話の復讐の女神たちの呼称（単数形フリア Furia）で「激怒、憤激、逆上」を意味する（英語の fury と同語源）。別名ディーラエ（Dirae, 単数形ディーラ Dira, 「畏怖すべき、忌まわしい、不吉な（女）」の意）。ギリシア神話のエリーニュエス（単数形エリーニュース）に相当する。 → エリニュエス
2. ゲーム『ドラッグオンドラグーン』の登場人物。1が命名の由来とされている。当項目で扱う。

概要

以下の記述にはゲーム『ドラッグオンドラグーン』のネタバレ、および 鬱・グロテスクな表現が含まれています。

ゲーム『ドラッグオンドラグーン』（以下DOD）の主人公カイムの妹。19歳、B型。CVは初音映莉子。

カールレオンの王女だったが、帝国軍のブラックドラゴンによって両親を殺害される。更に14歳の時、前女神アシラが死亡。女神の証である”オシルシ”が体に発現し、最終封印として神殿に幽閉されている。
封印の負荷による痛みや自由の利かない我が身に絶望し、その表情や声からは生気が失われている。実兄のカイムに対し禁じられた恋愛感情を心に秘めており、この点が彼女を更なる悲劇へと追い詰めた。

簡素な白い衣服と枷を思わせる装飾品を腰回りに身に付け、左腕にカイムとお揃いのブレスレットをしている。物語後半では、髪を結い上げ深紅のドレスを纏った姿で登場する。
カイムの親友イウヴァルトとは幼馴染かつ元許嫁の関係で、作中で狂気的な愛情を向けられる。

悲劇

鬱展開で知られるDODにおいてもフリアエは特にことごとく救われず、その愛が報われる事が無い。内に秘めた想いをカイムの前で暴露されるルートが存在するが、その際カイムが咄嗟に目を逸らした事^[1]にショックを受け、絶望に打ちひしがれて自害する。

またあるエンディングでは再生の卵により復活したフリアエが自我を持たぬ異形と成り、彼女の復活を願った幼馴染の命を奪ってしまう。
そして愛に応える事のなかった兄に、彼女を苦しめるばかりで救わなかった世界に復讐するかのように襲い掛かる――。

【flowers for the Broken spirit】

A woman turned into a stake will dominate
the world on the blazing plate.
（杭となりし女、発火する皿の上で世界を握るだろう）

フリアエの内面

作中のフリアエからは一見気弱で大人しい印象を受けるが、カイムを傷つけたイウヴァルトに思い切り平手打ちした事や、終盤で明かされる彼女の本音からは、兄に似た気の強い一面も伺わせる。

六年前、当時恋人かつ許嫁であったイウヴァルトよりもカイムを選び国を出たフリアエ。元来はひたむきに兄を慕う奔放な少女だった彼女が、孤独な幽閉生活や女神としての重責に絶望し、更に兄に対する禁じられた想いを自覚して苦しみ、徐々に変貌していったのだろう。

「尽きる」について

初音映莉子氏が歌うエンディングテーマ「尽きる」では、フリアエの心情が歌い上げられている。鬱々とした歌詞と不安定な旋律、か細い歌声も相まって、聴いた者に強い印象を与える。
「尽きる」はBエンディングのスタッフロールで流れるほか、スタート画面で放置していても聴く事が出来る。後者の冒頭では、以下に記述するフリアエの独白が入る。

愛
紅き血
毒 永遠 復讐 二つ
犠牲 母 彼岸 緋色 祈り 異端 地獄
孤独 曇り空 狂気 女神 世界 天使 扉 塔
 わたくしたち

女神フリアエ

再生の卵から生まれた、白い大きな翼と複数の赤い触手を生やす^[2]異形の怪物「女神フリアエ」。
女神フリアエは顔と体はフリアエの亡骸をベースにしているが、生前の彼女の自我は失われている。
目を不規則にギョロギョロさせて登場するトラウマなムービーから、女神化したフリアエは通称「ギョロアエ」と呼ばれる。
フリアエの亡骸を抱えるカイムが無数に増殖したギョロアエに周囲を囲まれるエンディングムービーと

その空は妹で満ち溢れ、人類に殺戮の微笑みを投げかけていた。

（第九章 第6節「神達のさざめき」）

というメッセージは、数多いDODの鬱＆トラウマシーンの中でも指折りの一つとして語り継がれている。

フリアエッフリッアエッ

フリアエが登場する動画や静画には、時折「フリアエッ」「フリッアエッフリッアエッ」といった弾幕に似たコメントが付く。
これは第六章第2節「黒きドラゴン」で錯乱したイウヴァルトが発した

「フリアエッフリアエッフリアエッフリアエッフリアエ
 フリッアエフリアッエッエフリッアッエッフリフリ」

という迷台詞が発祥の元となっている。

(　ﾟ∀ﾟ)o彡゜フリアエッフリアエッ
(　ﾟ∀ﾟ)o彡゜フリッアエッフリッアエッ

メディアミックス

小説「ドラッグオンドラグーンストーリーサイド」では、公式公認の淫乱という身もふたもない描写がなされている。封印の負荷に苦しみながら「オシルシ」が疼くのも、カイムへの劣情によって興奮しているからである。
イウヴァルトについても「両想いの末の婚約」だったが、実はカイムの傍を離れたくない為に彼の愛情を利用していたに過ぎない。一応罪悪感は抱いていたらしいが……。
ゲーム中で何をどうやっても救われる事のないフリアエは、この小説版においてはカイムと相思相愛だったと描写されている。しかし結局フリアエはその想いを知る事はなく散る辺り、やはり悲劇である。

DOD3の派生漫画「死ニ至ル赤」では、カールレオンが滅ぶ前のカイムとフリアエの姿が描かれている。
清楚で明るい姫君として描写される一方、カイムへの禁断の想いは最早抑えがたいレベルで「気が狂いそうになる性欲」を持て余している。閨で自らを慰めてもなお足りず、常軌を逸した振る舞いに及ぶ。でも処女。
そしてカイムの誕生日、カールレオンに「赤い目の病」が発現。人々が狂乱してパニックに陥る中でブラックドラゴンの襲撃を受け、両親である国王夫妻を惨殺されてしまった。失神から目覚めた時に母の生首と対面して狂を発し、肉片と化した両親を繋げ直しながら、フリアエは無邪気に笑い続けるのだった。

ドラッグオンドラグーン2では

DOD2はAエンドの18年後という設定でフリアエは直接登場しないが、一部Bエンドの設定を引き継いでおり^[3]、また「囚われの女神」という両手剣にはフリアエの事と思われる武器物語が付属している。

フリアエ発言集

「私を…見ないで……」　

（第十一章 第3節「落花」）

「あなたの歌に、私は癒されます。」

（第二章 第4節「絶望の風景」）

「私の身体はもう私一人のものではないけれど……もし兄さんが……」

（第二章 第3節「道なき道を」）

関連動画

関連静画

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関連コミュニティ

関連項目

• エリニュエス
• ドラッグオンドラグーン
• ドラッグオンドラグーン2 封印の紅、背徳の黒
• カイム(ドラッグオンドラグーン)
• 武器物語2(LONG SWORD)

脚注

1. *嫌悪感による拒絶を意味した訳では無いとされるが、カイムが契約の代償で声を失っていた為、誤解を解く事が出来なかった
2. *特に長い触手は、オシルシのある女性器（ネタバレ＋生々しいので反転でお読み下さい）から生えているという設定がある
3. *2の主人公ノウェは（以下重度のネタバレにつき反転）イウヴァルトとフリアエの遺骸が再生の卵によって融合して生まれた突然変異生物であるという設定がある