ムラサ店長とは (ムラサテンチョウとは) [単語記事]

ムラサ店長とは、ファミマ入店音と東方Projectのコラボ作品、「東方店舗録～Combinations with you」に出てくるキャラクターである。

pixiv上では不破見舞子(ふわみまいこ＝ファミマ行こ)と呼ばれることもあるが、これは別に正式に決まっている設定ではない。

概要

種族：付喪神
二つ名：幻想郷のファミマ店員
Stage：FA MILY　幻想郷に現れた謎の店～守矢神社本殿～

守矢神社境内内にある、ファミリーマート幻想郷地区・守矢神社支店の店長兼、店員である。

彼女自身はファミリマートの旧制服に取り憑く付喪神であり、正式な名前は明らかではないのだが、外見が東方星蓮船に出てくる村紗水蜜に似ており、船長である彼女が「ムラサ船長」と呼ばれているのに掛けて、そう呼ばれるようになった。
外見（神体）は自身を着用していた当時のバイト店員（後の店長）さんの姿を模しているが、制服の付喪神なので本体（依り代）は服である。

守矢ニ柱の推進する「山の産業革命」の一環としてニ柱より直々に力を賜っており、多々良小傘などの通常の付喪神とは一線を画す。
その力は分神でき、自力で店舗を増やす事すらも可能になっている程。

店内に入ると、素敵な笑顔と共にファミチキの空袋（ファミチキの香り付き）、赤外線バーコードリーダーを片手に店の奥から現れる。お客がいない時はバックルームでのんびりくつろいでいるか、店舗内外の清掃、商品の整理などをしている。深夜に一人で床磨き機を操作している姿も見かけられている。

相手の喜びの感情を糧にしているため、人当たりは良く、温厚なので客相手に自分から「弾幕ごっこ」を仕掛ける事はないが、店の危機に際しては、これを排除する為全力で立ち向かってくる。

ちなみに来店第一号は洩矢諏訪子であり、希望の商品がない事にクレームを付けられた上、一方的に弾幕勝負を挑まれ、ふるぼっこにされた。
何も買わずにひどい仕打ちを受けてなお、店を出る諏訪子に笑顔で「またのご来店をお待ちしております」と送り出せる彼女は店長の鑑である。

能力

次元を超えて出店する程度の能力

彼女の心象風景である、かつて自身が居た店舗を完全再現することができる。

しかし、「忘れ去られたものしか入れない」という幻想郷の結界による修正が働く為、再現できるのは建物と内装、備品までが限界であり、肝心の商品は少ない雑誌を残して十分に再現しきれず、足りない商品は外の世界からの入荷を待つしかない。
流通ルートだけは確保しているが、外界で人気のある商品は当然品薄で、中々幻想郷に流れてこないのが彼女の悩みの種である。

一介の付喪神でしかない彼女が、幻想郷の干渉に逆らう程の能力を発揮できているのはひとえにニ柱から与えられた力があるからに他ならない。

ちなみに、店舗は彼女の能力の為、自由に出したり消したりできる。
一度具現化してしまえば存在維持にエネルギーは必要ないが、幻想郷の結界による修正に逆らって再現する為、店舗の展開には莫大なエネルギーを消費する。

ごく最近幻想入りした為、弾幕は近代的であり、防犯用ペイントボールや、自動ドア、エコバックなどを模した物を使用する。
コンビニらしくスペルカードの種類は豊富で商店に関わるものが多く、特にコンビニにまつわるものは思い入れがあるのか、他の物より強力である。

乾坤の力を利用して展開した店内は、狭いながらも彼女が一から創り上げた『世界』※と同義であり、通常弾幕が跳ね返ってくる。

※
『世界』とはつまり、エアコンの風、ラジオの音、店内を照らす光、悉く店内に展開しているすべての事象、現象は例外なく彼女の編み上げた神威の欠片であり、店内は彼女そのものに他ならない。
整然と並ぶ商品棚として。監視カメラとして。何気なく踏みしめた床として、常に店内に顕現しているのである。
つまりムラサ店長がどちらを向いていようが、店内に足を踏み入れた瞬間から、例え無意識を操る古明地こいしであろうとも彼女の視線から逃れえる事など不可能。
客の行動はお釈迦様の掌の上のごとく、何気ない一挙一動残らず筒抜け。
当然、万引きなどもっての外である。お金を払うか、商品を戻さないと自動ドアは決して開かない。
攻撃や、スキマ、位相などで逃亡を図ろうとしても、ただ空間を区切っただけの結界と違い、次元事象すべてを含む上位構造体である『世界』の壁を打ち破る事は極めて至難である。
つまり、例え自動ドアは破壊できても、『世界』の壁を乗り越えられなければ店舗の外には出られないのである。

店舗

店内は一般店舗と変らない広さを持つ。
境内内店舗ということで神社との区画は明確にしておらず、看板だけ立ててある。
必要ないので、駐車場、フェンスは再現していない。
夏には軒下の電撃殺虫器が稼動し、冬にはおでん、中華まん蒸し器が湯気を上げる。

店内の照明、空調、商品の調理、保温、冷蔵、冷凍設備の稼動には守矢神社の豊富な地脈エネルギーを利用している。
設備は完全再現されているので、電線を引けば電力でも動く。
初店舗の設営に当っては、諏訪子に断りなく神奈子の一存で守矢神社境内に決定された。
ニ柱も店舗を利用する事を前提としている為、土地代等は無料である。

商品価格は幻想郷の値段に準拠し、外の世界のコンビニ同様、少々割高である。
外の通貨も使用可能で、その場合、支払いは外の世界の値段で計算される。
通貨はどちらか一方でしか使えず、両替は不可である。

「萃香」で支払いを行う事も可能。
設備の稼動に使っている地脈エネルギーは無尽蔵だが、彼女が一度に汲み上げられる量は少量である為、萃香に商品相当のエネルギーをバックアップであるファミチキの空袋に萃めて貰う事でも支払える。
当然、萃香が無償で応じてくれる訳はないので、それなりの対価（主にお酒）を彼女に支払わなければならない。
地脈エネルギーの単価は、外の世界の電気料とほぼ同額で換算。

子供駆け込み所ならぬ人間駆け込み所も兼ねており（妖怪の山を登ってくる人間は滅多にいないし、境内で人を襲おうとする命知らずな妖怪もいないだろうが）妖怪に襲われても、店内に入れば保護してくれる。上記の通り、店舗は強力な保護力を兼ねており、妖怪の攻撃などにはビクともしない。

使用法の分からぬ珍品ばかりを扱う某道具屋とは違い、近代的な外の世界の物でも即応力のある実用品が揃い、扱える食品等も種類が多いため、一般店舗並みに商品が充実すれば人間はもちろん妖怪にも繁盛しそうである。守矢神社に参拝するついでと言いつつわざわざ山に登り、お店に立ち寄る人間が出てくるのもそう遠くない未来だと思われる。

ともあれこの店舗の出現により、一番の恩恵を受けるのは、外の世界の味に飢えたニ柱と一人なのは間違いないだろう。

持ち物

旧制服

ファミリーマートの旧制服。彼女の本体（依り代）である。
本体だからと言って脱げないわけではなく、脱いで自分で洗っている。
再現した備品の制服はあるが、本体ではないので着たがらず、洗濯と洗った服が乾燥するまでの間は、短い店長休養。
その間は、なぜか自主的に働いてくれるとある悪霊に店を任せている。
アンダーウェアは当時のバイト店員の着用していたものを再現しているので「はいてない」わけではない。
洗濯中に着ている私服も同様に再現したものである。