始祖神ライフォスとは (シソシンライフォスとは) [単語記事]

「始祖神ライフォス」とは、テーブルトークRPG「ソード・ワールド2.0」に登場する古代神（エンシェント・ゴッド）であり、ラクシア世界に最初に誕生した神である。

格言

「汝の隣人を愛せよ。調和の中にこそ、真の平和は生まれる」

「秩序こそ、平和を守る大いなる盾であり、城である」

「奪うべからず、騙すべからず、殺すべからず。与え、信じ、命を共有せよ」

概要

神紀文明シュネルア時代に、自ら第一の剣ルミエルに触れて誕生したラクシア世界最初の神で、多くの人間に信仰されている為、知らない者はいないといわれる程の知名度を誇っている。

温厚な性格で共存共栄の調和と平和を重視し、友愛を大切し、話し合いをもって問題を解決するように説いている。

騎士神ザイアを神に導いたのも始祖神ライフォスである。

信者達は、勢力としては破格の規模を誇るものの平和を愛する者が多く、「寛容」「秩序」「慈愛」をもって年長者を敬い、弱者に手を差し伸べようとする。
また信者からは始祖神ライフォスを神々の王として他の神よりも上位だと認識されている。しかし共存共栄を良しとする始祖神ライフォスに対して年功序列的な評価をしている事等、異論を唱える者も多い。

戦神ダルクレムは永遠のライバルである。
始祖神ライフォス自身は、当初蛮族との融和も望んでいた。しかし戦神ダルクレムから刃を向けられて神々の戦争を引き起こされたりと、尽く裏切られてしまった。
そのため、現在の教団は蛮族の存在を認めていない。蛮族に対しては戦う事を推奨しており、相容れない存在としている。
蛮族を忌避していることから魂の穢れに対しても否定的である。

神像は、神々の父を印象づけるような穏やかな顔した壮年の男性として描かれる事が多い。
聖印は3つの輪を重ねた調和をイメージしたものとなっている。

特殊神聖魔法

始祖神ライフォスの特殊神聖魔法は、精神に作用するものが多く、術者と対象を協力させるものも多い。
特に戦闘で目に見えて役立つような魔法が少なく、補助用としても使いにくいと評価される事が多い。
このせいで時折「人類には早すぎた神」と言われることも。

ただし、【グレイス・オブ・ルミエル】だけは別格の評価を受けている。この魔法の為だけにライフォス神官になる高レベル冒険者もいるくらい。

※より正確には、「使いこなすために頭を使う必要がある神」と言った方が近いかもしれない。

サーチ・バルバロス

レベル2の特殊神聖魔法。
半径30ｍの範囲内の蛮族を探知する結界を展開する（一瞬だが）。
範囲の広さを生かして、蛮族を探したい時に役立つ。
しかし、以下のような欠点かあるため、過信は禁物である。
- 分かるのは、効果範囲内に蛮族が「いる」か「いない」かのみ。数や位置は特定できない。
  まずこの時点で、用途が限られてしまう。
  使用例）「この近辺の蛮族をサーチ＆デストロイするか」という時に、探索するか否かの指標にする。
- 対象は「半径30ｍ/すべて」なので、《魔法制御》でも範囲内の任意の者を対象から除外することはできない。
  術者以外に蛮族がいるPTでは、実質意味のない魔法となる。
- 対象となった蛮族には、探知された事が伝わってしまう。
  そのため、視界外にいる蛮族から襲われても、逆に逃げられても文句は言えない。
  かくれんぼ中の使用は避けるべきである。
- 視界内にいるなら、Lv1基本神聖魔法【バニッシュ】で代用できてしまう場面も少なくない。
  というか、視界内にいるキャラクターが蛮族か否かを正確に判断できる魔法は【バニッシュ】しかない。
  【サーチ・バルバロス】は範囲が広すぎるため、範囲ギリギリを通りすがった蛮族や、地下に隠れ潜んでいる蛮族まで対象になる恐れがある。信頼性を確保するには、地下に蛮族がいないと保障された、半径30ｍのだだっ広いドームが必要になる。
  さらに、具体的に蛮族が誰で、何体いるかも不明である点がつらい。群衆の中に1体だけなのか、複数体いるのか、全員蛮族なのかで対処法が変わるからだ。
  最後に強いて挙げるなら、「理性を以て暴走した蛮族」と「理性を失って暴走した蛮族」どちらが怖いかも考えて、優劣を判断するべきである。
- どうでもいい話だが、高レベル帯なら【セイクリッド・フィールド】でも代用できる。
  範囲が三倍以上、消費MPも高すぎるので、どうしても【サーチ・バルバロス】が欲しくなったら、候補として思い出すといい。
  ……ちなみに、こちらは蛮族にばれるとは明記されていないし、アンデッドの有無も判別できる。
とは言え、【バニッシュ】は「抵抗：消滅」なので抵抗される恐れがある点、凶暴化させてしまって事態を悪化させる可能性がある点など、優位性が全く存在しないわけではない。
紛れている蛮族が魔法を使えないと特定できるなら、暴走させて命中力にボーナスを与えるのは下策である。
また、NPCは他人からの魔法に抵抗するのが普通なので、「抵抗したから蛮族」と決め付けるのは暴論である。
言うまでもないが、術者が蛮族であれば本人が引っかかるため事実上効果がない。
↑WT16頁に『広範囲に効果を与える魔法において、その射程が「術者」となっているものは、術者自身を魔法の効果に含めるかどうか、術者が選択できます。』とある。
この魔法も「射程：術者」であり、自身を除外して魔法を行使する事が可能。よって、術者本人が蛮族なだけなら十分に活用可能。

マインド・センディング

レベル4の特殊神聖魔法。
30メートル範囲内の対象1体と術者の心を繋いで感応させ、術者の思考を対象が読み取れるようになる。
効果時間は10秒（1ラウンド）のみ。その間、術者の思うことが対象に伝わる。
- 「今【マインド・センディング】って魔法で話しかけてるんだけど～」なんて悠長に話し始めたらそれだけで効果が切れる。
  かといって、この魔法のためだけに《魔法拡大/時間》を取る訳にもいかないので、悩ましいところである。
「術者→対象」の一方通行である。対象から術者に伝心する事はできない。
言葉を伝える場合、術者が思いを伝える際の言語を対象が知っていないと理解してもらえない。
言葉のほかに、大まかなイメージを伝えることもできる。これにより動物などとも多少の意思疎通（一方通行）が可能。うまく使えば動物や幻獣などを味方につけることが可能かもしれない。
「見えている対象に一言話しかけたいが、それ以外の者に内容を聞かれたくない。でも【マインド・センディング】を唱えた事は最悪ばれても構わない」状況で使える。つまり、色々考えて使う必要がある。
相手に聞かれてはまずい、何らかの合図等に使うなどである。
《魔法拡大/数》を使えば一度に複数の対象にかけられるので、味方に敵に聞かれたくない短い作戦を伝えたりすることも可能。PL会話での不自然な連携をGMが嫌う場合などには有効か。
闇の妖精魔法【マインドリンク】と異なり、嘘がつけないわけではない。もっとも、使うのはライフォス神官なのでそうそう嘘をついたり騙したりはしないと思うが。
使い魔やシースルー等と組み合わせて視覚を確保すると多少使いやすくなる。
また、ナイトメアなら異貌化中は無詠唱で魔法が使える為、テレパシーっぽく使える。……事前に異貌化していれば。

ピース

レベル7の特殊神聖魔法。
30メートルまでの半径6メートル範囲内にいる対象（最大20体）の敵意を失わせて戦いをやめさせる。
抵抗に失敗した対象は、闘争本能が抑制されて積極的に戦いに参加しなくなる。また可能な場合は戦いをやめさせようとする。
抵抗に失敗した対象が他人から攻撃を受けるか、敵対的な行動を受けると効果は解除される。
- GM裁量も絡むと思うが、「戦闘をやめさせる」効果なので戦闘が継続されていれば無条件に解除ではないと思われる。
効果を発揮するかしないか状況次第な部分が強く、たとえ効果を発揮しても一時的なものに過ぎないのが欠点。（魔法の効果が切れたらまた襲われる可能性がある）
主に、戦闘する事に良心が痛む対象に使うことになるだろう。人族はもとより、うっかり怒らせてしまった動物や妖精も候補か。
敵に操られてる対象に行使する、というのも覚えておくといいかもしれない。
他の用途として、戦闘を避けてリソースを温存するという手もある。妖精とか、倒しても戦利品出ないし。
【ピース】自体の消費MPもあるので、戦局を見極めて、もっとも消費の少ない方を選択したい。

グレイス・オブ・ルミエル

レベル10の特殊神聖魔法。
30メートル範囲内の対象1体に「剣の加護」を与える。
対象は、すでに持っている「剣の加護」を除いて、以下の中から1つを行使できる。
- ［剣の加護／運命変転］：行為判定のダイス目を裏返す（人間）
- ［剣の加護／優しき水］：水中でも地上と同じように活動できる（エルフ）
- ［剣の加護／炎身］：炎による攻撃や魔法では傷つかない（ドワーフ）
- ［剣の加護／風の翼］：空を飛ぶ（リルドラケン）
特に運命変転の強さは神がかっているため、必然的にこの魔法の評価も高い。消費が重いのと、効果時間が１時間しかないのが数少ない欠点。
人間に運命変転をもう１個つける事は出来ないので、人間が多いPTだとちょっと損をした気分になる。それでも強いけど。
そのほかにも炎身で炎を無効化、優しき水で水中行動＆水中で発声可能、風の翼で命中回避+1などを得られるので使い方次第でとても有効。
《魔法拡大/数》で複数を対象に行使する場合、付与する「剣の加護」を個別に選択することは出来ず、すべての対象に同一の「剣の加護」を付与することとなる。
種族特徴強化採用時は、付与される「剣の加護」は1レベル相当のものになる。

プロミスト・サークル

レベル13の特殊神聖魔法。
半径3メートルの範囲内にいる対象（最大5体）と意識と精神を共有する。
対象は3分間（18ラウンド）MPを共有し、自身の代わりに他の対象となったキャラクターのMPを消費できるようになる。
どのキャラクターのMPを消費するかも自由であり、同時に複数の対象のMPを消費する事も可能。
これにより、《魔法拡大》で何倍にもした強力な魔法を使ったり、純戦士職やグラスランナーが練技や魔法を気兼ねなく使えるようになる。
また、MPが余りがちなPCや騎獣のMP消費先を提供できる点も面白い。
味方にフロウライトがいる場合、文字通り「生きた魔晶石」になる。
多人数PTでは《魔法拡大/範囲》があると有用。【フィールド・プロテクション】系も同様の範囲であるし、思い切って習得してみるのもありだろう。
【魔法制御】を習得していなくても、術者が指定した者を対象から除外できる。
ちなみに最大５体は「乱戦エリア内における」最大対象数なので、乱戦エリアを形成していない状態で、半径3mのおしくらまんじゅうしながら使うと言うエロい手段があるとかないとか。（可能かどうかはGMと相談しよう。）
↑WTで最大対象数が乱戦の有無を問わなくなり、使用不可能になった。

ラクシアの神々（参考資料：ウィザーズトゥームp.138「神々の相関図・改訂版」+カルディアグレイスp.83-84）
神格	第一の剣勢力（人族サイド）	第二の剣勢力（蛮族サイド）
古代神	始祖神ライフォス　太陽神ティダン　炎武帝グレンダール賢神キルヒア　妖精神アステリア　戦勝神ユリスカロア	戦神ダルクレム　死の神ザールギアス
大神	騎士神ザイア　月神シーン酒幸神サカロス　慈雨神フェトル　秘隠神クス	腐敗の女神ブラグザバス　不死神メティシエ眠りの神カオルルウプテ　霧闇神フラクシス
大神	風来神ル＝ロウド　狂神ラーリス
小神	水の神ルーフェリア　融合神リルズ　纏いの神ニールダ器械神レパラール　剣神ヒューレ　韋駄天ラトクレス刃神マキシム　鉄槌神エセルフィン　竜帝神シムルグ学護神エッケザッカ	毒薬の神テメリオ　宥和神アーメス

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