祖国と銃ととは (ソコクトジュウトとは) [単語記事]

祖国と銃ととは、フリーゲームとして配布されている、RTSによる戦闘を特徴とする国盗り型戦略 SLG ヴァーレントゥーガのMODである。

概要

ななあし氏制作の戦略 SLG ヴァーレントゥーガのオリジナルシナリオ(つまりMOD)のうちの1つである。本家ヴァーレントゥーガが剣と魔法の世界であるのに対して、こちらはタイトルの通りWW1～WW2をモチーフとした銃と砲の世界である。一応魔法や剣歩兵といった概念は存在するが、同じく銃砲の概念を持つ光の目やきのこたけのこ戦争・IF、銃魔のレザネーションと比較しても、より銃砲の占める割合が多い。これらの作品との相違点としては、

近接歩兵と騎兵の銃砲耐性が非常に貧弱であり、機関銃や自動小銃などのスキルが強力であるため、壁や囮としての活躍が難しく、完全に奇襲専門の兵科となっている
攻撃魔法の射程が全体的に銃と同等かそれ以下であり、長射程の砲撃スキルと狙撃スキルの存在があるためメイン運用が厳しい（一部人材の専用スキルを除く）
ほぼ全ての銃歩兵に塹壕スキルが搭載されている（その代わり、AIは塹壕を無視するため囮としての使用はできず、単に銃撃を防ぐ壁にしかならない）

などが挙げられる。

ちなみにWW1～WW2なら戦車あるんじゃないの？と思われるかもしれないが、戦車の存在は騎兵に置き換えられている。あったら完全に近接歩兵とかいらない子だから仕方ないね。

登場国家

概要で紹介した通り、本作はWW1～WW2における実在の国家・戦争をモチーフとしており、各戦争で活躍した実在の国家・軍人・政治家などが登場している。基本的にWW2の要素（航空機や車両を用いた電撃戦、連合国対枢軸国の構図）が多めで、そこに加えてWW1の要素（サラエボ事件、オーストリア＝ハンガリー二重帝国、オスマン帝国）が追加されていると考えればよい。

NS ドイツ(所属：枢軸)
ドイツ統一後の経済的な混乱と、国家の崩壊を危惧した国粋主義者らによって生まれ変わったドイツ。イタリア王国、大日本帝國、オーストリア＝ハンガリー二重帝国、オスマン帝国らと同盟を組み、生存圏拡大のために欧州各地へと侵攻する。総統アドルフの信奉者である武装親衛隊とドイツ国防軍から構成されており、高い火力と機動力・優秀な人材・更に火力を底上げする優秀な固有スキルが揃っており戦闘能力は随一。史実同様に機動戦力を活用した電撃戦も可能である。
イタリア王国(所属：枢軸)
ドイツ同様国内の不満が高まっており、結果としてナショナリズムを掲げる総帥ムッソリーニとファシスト党による独裁体制が築かれている。他の枢軸国らと同様、生存圏拡大のために北アフリカの植民地化を目論む。ファシスト党の優秀な人材が多く在籍しているものの、固有兵科や固有スキルが現代戦向きではなく、作中での活躍も乏しい。
大日本帝國(所属：枢軸)
西欧列強の躍進と、東アジアにおける植民地増加による危機感から、旧体制を脱した新興国家。皇主・冷泉のもと近代化が進められており、勢力拡大のため各地へ侵攻する。支援砲撃・支援爆撃スキルを持つ人材が多く在籍しており、固有ユニットの性能もあって海上戦では無類の強さを誇るものの、全体的に耐久が低めで、かつ召喚スキルに長けたユニットがいないため数の暴力に弱いという弱点がある。
オーストリア＝ハンガリー二重帝国(所属：枢軸)
二重皇帝フェレンツを君主とする、多民族の連邦国家。大戦の切っ掛けとなるサラエボ事件によって皇位継承者が暗殺されたため、報復としてセルビアへ侵攻する。騎兵や魔法兵を中心とした前時代的な軍編成であり、周辺立地のお陰でなんとか保っているといった程度。しかし国策・内政の選択やプレイングによっては、機関銃で武装した最新鋭の軍団を後ろから馬で轢き殺すといった芸当も可能である。
オスマン帝国(所属：枢軸)
皇帝メフメトによって治められている国家であるが、近年は政治腐敗などによって落ちぶれており、現皇帝も軍部の傀儡といった惨状であった。かつての栄光を取り戻すため、そして宿敵ソヴィエト・ロシア撃退のため、NS ドイツに続き大戦に参戦する。固有ユニットや固有スキルは決して弱いものではないのだが、全体的に器用貧乏の面がある。

フランス共和国(所属：連合)
ルブラン大統領を首長とする、欧州でも随一の経済基盤と軍事力を持つ大国。欧州の秩序のためNS ドイツに立ち向かうが、電撃戦の前に敗れ降伏。本作後半では枢軸所属のエタ・フランスとして登場し、首長もルブラン大統領からペタン首相へと代わる。ユニットの耐久を大幅に向上させ、全ユニットに塹壕スキルを付与するという強力な固有スキルがあり、難攻不落の要塞であるマジノ線も有しているものの、相手が悪かった。
イギリス帝国(所属：連合)
欧州、そして7つの海の支配者として君臨し、世界各地に植民地を持つ強大な帝国。指導者は女王エリザベス。不穏な動きを見せるNS ドイツに対して交渉を重ねていたが決裂。イギリス帝国の安全のためフランス共和国と連携しNS ドイツに立ち向かう。日本同様、固有ユニットの性能が海戦向きであり、人材も優秀で、世界各地の植民地量からの支援が受けられるため、本土が陥落するのは稀。そして何よりも強力なのが固有スキルで、デメリット無しにほぼ全てのステータスが大幅上昇するというもの。
アメリカ合衆国(所属：連合)
イギリス帝国から独立し、超大国として発展を遂げた民主国家。当初は大戦への不介入を決めていたが、NS ドイツの無差別攻撃と大日本帝國のハワイ奇襲によって連合側での参戦を決意。単身敵陣に突っ込み大暴れするハリウッド映画に出てきそうな大統領ウッドロウを筆頭に、強力無比な人材が勢揃いしている。また、固有ユニットと固有スキルの相乗効果によって質と量を両立した人海戦術が可能であり、火力・機動力に特化しているNS ドイツや大日本帝國とは相性が良い。
ソヴィエト・ロシア(所属：連合)
革命によって生まれた社会主義国家。書記長スターリンによる赤化政策や粛清が進められている。勢力拡大のためNS ドイツと共謀し、ポーランドに侵攻するが、後にNS ドイツが密約を反故にして侵攻してきたため、連合側で参戦する。質は悪いものの、アメリカ合衆国より更に多くの召喚ユニットを用いた人海戦術を得意としており、厚い肉壁で防御と時間稼ぎを行いつつ、長距離射程のスキルで相手を削り殺すのが主な戦術である。
中華民国(所属：連合)
国民党総統である介石によって治められている東アジアの大国。しかし近年は地方分権が進んでおり、国家としては弱体化しつつある。中央集権を推し進めるために東アジア各地に派兵するが、同様の目的を持つ大日本帝國と衝突。連合側として大戦に参加した。ソヴィエト・ロシアより更に質を落とし量を増やした人海戦術が得意であるが、質を落としすぎたためにそのまま突破されてしまうこともしばしば。